切り干し大根の作り方|「おばあちゃんの知恵」に学ぶ、定番の煮物や混ぜるだけ簡単養生レシピ

切り干し大根の作り方・干し方とともに、スライサーを使った切り方や夜の管理方法などもお伝えします。また、昔ながらの定番料理「切り干し大根の煮物」だけでなく、火を使わずに作れる常備菜の簡単養生レシピ、お茶やお味噌汁などへの活用法もあわせてご紹介します。


切り干し大根

写真提供:養生キッチンふうど
切り干し大根とは、大根を切って乾燥させたもの。昔ながらの保存食のひとつで、家庭菜園などで大根がたくさん収穫できた時に手作りするのもおすすめです。そこで今回は、切り干し大根の栄養や作り方とともに、定番の煮物などの簡単養生レシピをお届けします。

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切り干し大根とは?

切り干し大根
写真提供:養生キッチンふうど
切り干し大根の歴史は古く、平安時代にはすでに「たくあん」として加工され食べられていたといわれています。その作り方から、西日本では「千切り大根」と呼ばれることもあります。

少し前から「干し野菜」が健康志向の人たちを中心にブームになっていますが、切り干し大根もそのひとつです。長期保存にも適しているので、「あと一品足りない!」という時にもとても助かります。

切り干し大根の栄養

切り干し大根
写真提供:養生キッチンふうど
生の大根は、9割以上が水分。天日で乾燥させることで、水分が飛んで素材本来の甘さがギュッと凝縮します。干すことによってカルシウムやカリウム、鉄分、食物繊維などの栄養価が高まるのも大きな特徴です。

特に、骨や歯の成長を助けるカルシウムや、貧血予防にも役立つ鉄分、整腸作用や便秘解消に効果が期待される食物繊維は、いずれも日本人に不足しがちといわれています。

また、マクロビオティックの考え方では、切り干し大根には「身体のなかに溜まった古い油を溶かし出す」という働きが期待されています。お肉や脂っこいものをよく食べるという方や野菜不足の方などは、積極的に食べるようにしたい食材のひとつです。

切り干し大根の煮物は「おふくろの味」として親しまれ、和食の副菜としてもよく見かけますが、こうした効能を知ると、その理由も何だか納得できますね。

切り干し大根の作り方と干し方

切り干し大根
写真提供:養生キッチンふうど
切り干し大根は市販品も数多く出回っていますが、大根がたくさん手に入った時などには、ぜひ自分で手作りしてみましょう。空気が乾燥して気温が低くなる秋~冬は、干し野菜のベストシーズン。初心者の方でも失敗が少ないです。

作り方は、長さ4~5cmに切った大根を千切りにして、ザルなどの上に重ならないように並べて、天日で干すだけ。とてもシンプルな作り方ですが、干す時にムラができてしまうと、カビの原因になります。できるだけ、同じ大きさに切ることを心掛け、水分が多い場合はキッチンペーパーなどで表面を拭くようにしてください。

水分が飛んで、カラカラに乾燥すればできあがり。大根の切り方やその時の気候などにもよりますが、2~3日間程度でほぼ乾燥し、長くても1週間程度で完成します。密閉容器に入れて保存すれば、市販品と同様に長期間保存できます。

夜はどうする?

夜間は、室内に取り込みます。外に干したままだと、湿ってしまう可能性があるからです。もし、こまめに管理できないという場合には、最初から風通しの良い室内で干すこともできます。

スライサーで細めに?それとも太めに?

同じ大きさに切り揃えるのは、案外難しいものです。そんな場合は、スライサーを使うと便利です。薄く削ることができるので、早く乾燥させたい時にも向いています。

ちなみに、よく見かける切り干し大根は細長い形状をしていますが、切り方によっていくつかの種類があります。

割り干し大根と花切り大根

割り干し大根
写真提供:養生キッチンふうど

・割り干し大根…切り干し大根よりも厚く切っており、歯ごたえがある。
・花切り大根…輪切りにした大根を乾燥させたもの。名古屋などでは、味噌汁の具材として使うことがある。

切り干し大根作りに慣れてきたら、太めのものや輪切り、厚切りなど切り方を変えてみるのもおすすめ。大ぶりなものは、時間をかけてじっくりと戻して煮物用にするとおいしいです。歯ごたえがあり、存在感のある一品に仕上がります。

定番!切り干し大根の煮物レシピ

切り干し大根の煮物
写真提供:養生キッチンふうど
切り干し大根が用意できたら、定番の煮物を作ってみましょう。切り干し大根の戻し汁は、甘くて栄養がたっぷりと含まれています。一般的なレシピでは砂糖やみりんを使うものも多いですが、この戻し汁を使えば、ほかの甘さは加えなくても十分においしく仕上がります。では、我が家のレシピをご紹介しますね。


〈材料〉作りやすい分量
・切り干し大根 30g
・にんじん 50g
・油揚げ 1枚
・水 1.5カップ
・しょうゆ 大さじ1


〈作り方〉

1.切り干し大根はさっと洗い、分量の水を加えて約10分戻しておく(戻し汁も使うので、捨てないように注意)。
2.にんじんと油揚げを千切りにする。
3.鍋に1の切り干し大根(戻し汁ごと)とにんじんを入れて、蓋をして弱火にかける。4~5分程度煮て、にんじんが柔らかくなったら、しょうゆを加える。
4.水分が少なくなってきたら、2の油揚げを加える。蓋を外して、時々混ぜながら煮詰める。

〈ポイント〉

・もし甘さを足したい場合には、みりん(大さじ1)を3のしょうゆと一緒に加えてください。
・冷ましているうちに味が染み込みます。作ってすぐよりも、少し時間を置いてから食べるほうがおすすめです。

切り干し大根の煮物のアレンジ術

煮物が余ったら、粗く刻んだものをごはんに混ぜたり、卵焼きの具材に入れたりしてもおいしいです。いろいろな料理に活用できるので、たっぷり作っておきたいですね。

切り干し大根の「混ぜるだけ」簡単養生レシピ

切り干し大根を使った料理は、煮物だけではありません。今回は、火を使わずに混ぜるだけで簡単に作れるレシピをご紹介したいと思います。

切り干し大根のはりはり漬け(酢の物)

切り干し大根の酢の物
提供:養生キッチンふうど
火を使わずにあっという間に作れる一品です。ポリポリとした食感がおいしいので、箸休めにはもちろん、お酒のおつまみにもよく合います。

〈材料〉作りやすい分量
・切り干し大根 30g
・昆布(5cm角)1枚
・唐辛子(お好みで)1本
・A:切り干し大根の戻し汁 大さじ2
・A:しょうゆ・酢 各大さじ1
・A:はちみつ(お好みで) 大さじ1


〈作り方〉

1.切り干し大根は、ひたひたの水を加えて戻し、きつく絞って水気を切る(戻し汁はとっておく)。
2.昆布は、キッチンバサミなどで細く切る。唐辛子は、種を取って輪切りにする。
3.ボウルに1の切り干し大根・昆布・唐辛子を入れて、Aを加えて混ぜ合わせる。
4.少し時間を置いて、昆布が柔らかくなればできあがり。

〈ポイント〉

・余った戻し汁は捨ててしまわずに、スープや味噌汁などに加えて使ってみてください。
・時間がない時には、市販のポン酢や土佐酢などで和えるのもおすすめです。

切り干し大根とツナのサラダ

切り干し大根とツナのサラダ
写真提供:養生キッチンふうど
切り干し大根とツナは、相性抜群!今回は、定番のストック食材「ひじき」も組み合わせてみました。家庭に常備しているもので作れる、栄養たっぷりの副菜です。

〈材料〉作りやすい分量
・切り干し大根 30g
・ツナ水煮缶1缶(70g)
・ひじき(戻したもの)大さじ2程度(20~30g)
・しょうゆ・ごま油 各小さじ2~3
・レモン汁 少々


〈作り方〉

1.切り干し大根はさっと洗い、2~3分程度置いておく(その時に付いた水分を利用して戻すので、強く絞らないように注意)。
2.ボウルに1の切り干し大根・ツナ水煮缶(汁ごと)・ひじきを入れ、しょうゆ・ごま油・レモン汁を加えて混ぜ合わせる。

〈ポイント〉

・オイル漬けのツナ缶を使っても作れます。ツナ缶の油分や塩分に合わせて、しょうゆやごま油の量を調整してください。
・お好みで、カレー粉などのスパイスや香味野菜などを加えてもおいしいです。

切り干し大根のシンプル活用術

私自身は切り干し大根が大好きで、毎日のお味噌汁やお茶などにもよく活用しています。素材本来の甘さや風味があるため、切り干し大根を使うだけで「ホッとする味の料理」に仕上がります。

切り干し大根のお味噌汁

昆布や干し椎茸、煮干しなどの代わりに、切り干し大根を戻し汁ごとお味噌汁に使います。切り干し大根は、具材としてそのままいただきます。きのこ類や根菜類などの具材を加えるのもよく合います。

切り干し大根のお茶

切り干し大根に水を加えて加熱し、数分間煮出してお茶にします。独特のやさしい甘さがあり、身体が疲れている時などにもおすすめです。

切り干し大根で、手軽に養生ごはんを食べよう

切り干し大根の作り方
出典:写真AC
昔ながらの食材「切り干し大根」は、切った大根を干すだけで、比較的簡単に手作りすることができます。そして定番の煮物だけではなく、サラダやごはんなどいろいろな料理に大活躍!切り干し大根の戻し汁を一緒に使えば、手軽に栄養たっぷりの養生ごはんになります。ぜひお試しくださいね。
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松橋 佳奈子

大学卒業後、企業とNPOにてまちづくりの仕事に10年以上携わる。そのなかで食の大切さを感じ、2014年に薬膳とおばあちゃんの知恵をベースに「養生キッチンふうど」を立ち上げる。コンセプトは「人も地域も元気になる『食』」。現在は子育てをしながら、レシピ提供や執筆などを中心に活動中。主な資格は、国際薬膳師、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。

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