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株式会社グリーンフィールドプロジェクト
松崎 英【株式会社グリーンフィールドプロジェクト】有機認証の中でも厳しいとされる「ヨーロッパ有機認証」を取得した、有機種子を輸入・販売。2017年には、日本の固定種を残すことを目的とした「SAVE THE SEED (セーブ・ザ・シード)プロジェクト」を開始。「有機栽培するなら、その種も有機種子であってほしい」という思いから、日本での有機種子の普及に尽力しています。 HP:http://gfp-japan.com/…続きを読む
今回は種子販売会社「株式会社グリーンフィールドプロジェクト」で代表取締役を務める、松崎英(ひで)さんに、家庭菜園で育てやすいミニトマトの種類についてお伺いしました!
カラフルでかわいい♪ミニトマトの種類を知ろう
ミニトマトは、大玉トマトに比べるとトマト独特の匂いが控えめで、一口大で食べやすいのが特徴です。ミニトマトの種類や家庭菜園で育てやすい品種の選び方について、松崎さんに教えていただきました。GFP松崎さん
ミニトマトの元は、南米の「ワイルドトマト」とされています。いま日本で食べられているミニトマトが急速に普及したのは、1980年代以降です。
ミニトマトのF1種と固定種って?
ミニトマトに限らず、野菜にはF1種と固定種があります。日本で販売しているミニトマトの品種は、ほとんどがF1種です。F1種のミニトマトの特徴
F1種は品種改良されていて、一代だけその特徴が現れます。育てやすい・病害虫に強い・ 収穫量が多い・味が良いなど、栽培のしやすさは抜群!ただし、育てた実から採れた種に、その特徴は引き継がれません。アイコシリーズや千果などがF1種です。固定種のミニトマトの特徴
採れた種をまくと、また同じ特徴が現れるのが固定種。育てる土地の気候に合った品種を選べば、丈夫でおいしいトマトが育ち、もちろん自家採種もOK!この記事で紹介するラウンドレッド、マイクロトマト、ホオズキトマトは固定種です。GFP松崎さん
固定種のミニトマト栽培にチャレンジしてみたい場合は、グリーンフィールドプロジェクトの「ラウンドレッド」がおすすめです!適度に甘くて収量もあり、簡単に栽培できます。
種の種類についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック
家庭菜園向けのミニトマトの品種を選ぶポイント
初心者がミニトマトの栽培を成功させるには、手入れが少なくて着果が良く、万が一収穫が遅れても皮が破れる裂果が起こりにくい品種がおすすめです。家庭菜園であれば、品種の耐病性については特に心配いりません。GFP松崎さん
「甘い」とされるミニトマトの品種は多くの種苗メーカーが販売していますが、栽培方法が少し難しい場合もあります。大手メーカー(株式会社サカタのタネやタキイ種苗株式会社など)が出しているミニトマトの種は、家庭菜園で育てやすいものがほとんどなので、そこから選ぶのが簡単ですよ!
甘い&初心者でも育てやすい!おすすめのミニトマトの種類 3選
家庭菜園初心者は必見!味が良くて収穫量が期待できる松崎さんおすすめのミニトマトの品種を紹介します。アイコ|皮までおいしく食べられる!ボリューム感のある果実が魅力
スーパーなどでもよく見かけるアイコは、甘みのある果実でたくさん収穫できる人気の品種。果肉に厚みがあるので、裂果が少ないのもポイントです。オレンジアイコやイエローアイコ、チョコアイコなどバリエーションも豊富にあります。アイコの栽培適温&栽培期間の目安
・発芽適温:20~30℃・生育適温:20~30℃
・発芽日数:4~6日
・収穫までの期間:60~70日
松崎さんおすすめ!アイコの種
千果(ちか)|収穫数が多くて甘い!
まん丸でつやつやとした美しい表皮をもつ千果。糖度が高く、みっちりした肉質で食感の良いミニトマトです。実り始めたばかりの栽培初期の果実もおいしく食べられます。千果の栽培適温&栽培期間の目安
・発芽適温:20~30℃・生育適温:15~25℃
・発芽日数:4~6日
・収穫までの期間:70~80日
松崎さんおすすめ!千果の種
ミニキャロル|薄皮でジューシー!
皮が薄いため、サクッと歯切れの良い食感のミニキャロル。薄皮ゆえに、収穫が遅れると裂果する可能性があります。採り遅れないよう、収穫のタイミングには注意しましょう。ミニキャロルの栽培適温&栽培期間の目安
・発芽適温:20~30℃・生育適温:20~30℃
・発芽日数:4~6日
・収穫までの期間:60~70日
松崎さんおすすめ!ミニキャロルの種
色や形がユニーク!おすすめのミニトマトの種類 4選
ミニトマトは赤以外に黄色やオレンジ、緑色のものもあります。形も細長いものやかわいいハート形など種類が豊富!家庭菜園でも育てられる個性的なミニトマトの品種を、松崎さんにピックアップしていただきました。GFP松崎さん
鑑賞用として楽しむのならば、ブラックチェリーやグリーントマトなども個性的な品種でおもしろいですよ!
オレンジキャロル|栽培が簡単で栄養価が高い!
ニンジンのようなオレンジ色をしたミニトマト。強い甘みと程よい酸味が特徴です。トマトに含まれるリコピンはもちろん、オレンジキャロルにはベーターカロテンも豊富に含まれています。オレンジキャロルの栽培適温&栽培期間の目安
・発芽適温:20~30℃・生育適温:20~30℃
・発芽日数:4~6日
・収穫までの期間:60~70日
松崎さんおすすめ!オレンジキャロルの種
イエローピコ|サラダなどの彩りにもぴったり
実付きが良く、楕円形(だえんけい)で鮮やかなイエローが目を引くミニトマト。甘さと酸味のバランスが優れています。サラダやマリネなど、赤いトマトに混ぜると彩り豊かな食卓に♪イエローピコの栽培適温&栽培期間の目安
・発芽適温:20~30℃・生育適温:15~25℃
・発芽日数:4~6日
・収穫までの期間:70~80日
松崎さんおすすめ!イエローピコの種
トマトベリー|ハート形のかわいいミニトマト
かわいいハート形をした3cm程度のミニトマト。甘みが強く肉厚でトマト特有の匂いが少ないため、デザート感覚で食べられます。トマトが苦手なお子さんにもおすすめです。トマトベリーの栽培適温&栽培期間の目安
・発芽適温:25~30℃・生育適温:20~30℃
・発芽日数:4~6日
・収穫までの期間:60~70日
松崎さんおすすめ!トマトベリーの種
メキシコミジェット|小粒でかわいらしいマイクロトマト
プチっとした歯ごたえがやみつきになる、一時ブームにもなった極小のミニトマト。直径0.5~1cm程度で世界一小さいトマトともいわれています。鑑賞用としても楽しめる品種です。メキシコミジェットの栽培適温&栽培期間の目安
・発芽適温:25~30℃・生育適温:20~30℃
・発芽日数:7~14日
・収穫までの期間:90~120日
松崎さんおすすめ!メキシコミジェットの種
甘くない!ソースやサルサにおすすめのミニトマトの種類 2選
酸味が強めだったり見た目がユニークだったり、真っ赤で甘いミニトマトとはひと味違った品種を紹介します。生で食べるだけでなく料理に使ってみたい、変わった種類を育ててみたいという人におすすめです。サンマルツァーノ|おいしいパスタやピザソースが作れる!
主に加工用として使われるミニトマト。一般的なミニトマトより縦長で大きめサイズなのが特徴です。水煮の缶詰にもよく使われています。サンマルツァーノの栽培適温&栽培期間の目安
・発芽適温:25~30℃・生育適温:20~30℃
・発芽日数:4~6日
・収穫までの期間:70~80日
松崎さんおすすめ!サンマルツァーノの種
緑トマト トマティーヨ (ホオズキトマト) |メキシカンや肉料理にもぴったり!
酸味のある果実で、サルサソースやピクルスなどを作るとおいしい緑のミニトマト。袋状の外皮の中に、緑色の実が入っています。外皮が乾燥して茶色くなったら、収穫のタイミングです。緑トマト トマティーヨ (ホオズキトマト) の栽培適温&栽培期間の目安
・発芽適温:20~30℃・生育適温:20~30℃
・発芽日数:5~12日
・収穫までの期間:60~70日
松崎さんおすすめ!緑トマト トマティーヨ (ホオズキトマト) の種
家庭菜園でおいしいミニトマトを育てるコツは?
ミニトマトが発芽するための条件や、たくさん収穫するための方法を松崎さんがアドバイス!栽培を始める前にチェックしておきましょう。ミニトマトの種まきは4月下旬ごろがおすすめ
ミニトマトの種は、発芽しやすく育てやすいゴールデンウィークごろを目安にまきましょう。品種にもよりますが、種まきからおよそ4~6日程度で発芽します。この時期に種まきすると、7月中~下旬にかけてミニトマトの収穫が可能です。GFP松崎さん
ミニトマトは、地温25度以上だと発芽しやすくなります。気温が低いうちにまくと、なかなか発芽しないので気を付けましょう。
実がつき始めたらしっかり水やり&追肥
栽培初期は多少乾燥気味でも問題ありませんが、実が付く時期に水切れを起こすと、実があまり付かなくなったり実の一部が黒くなる尻ぐされの原因になります。ミニトマトの実が付き始めたら、水をしっかり与えましょう。追肥もこの時期に行うことで、実付きも良くなり収穫量も安定します。GFP松崎さん
ミニトマトの糖度を上げるために水やりは控えると良いといいますが、初心者には加減が難しく収量が減ってしまうことも。実がつく前も後も、土が乾燥していたらしっかり水やりをしましょう。
わき芽をとって、ミニトマトの収穫量アップ!
ミニトマトは収穫量を増やすために、わき芽を伸ばして育てる方法もありますが、初心者が栽培する場合は、わき芽を摘んで、主茎を支柱に沿って伸ばしていくほうが簡単です。GFP松崎さん
家庭菜園の場合は、ミニトマトの背丈が高くなると管理がしづらいため、主茎を摘心してからわき芽を伸ばして収穫する方法もあります。