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家庭菜園で育てるミニトマトは摘芯する?しない?


家庭菜園で育てるミニトマトの主枝や側枝が、支柱の高さ近くまで伸びたころに行う摘芯。栽培初心者が摘芯をするのか、またはしないのかについて紹介します。さらに果実が充実する効果的な摘芯の方法についてや、不要な葉を取り除く摘葉についても説明します。

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sana

農業研究センターで6年間、大豆と稲の研究作物の栽培及び実験助手業務に従事。その後、屋上ガーデン・屋上菜園などの管理業務を経て、植物ライターに。植物・園芸サイトやフリーペーパーなどで活動。AGRI PICKでは新規就農者のための野菜の栽培方法や農業経営者の取材を執筆中。…続きを読む

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摘芯間近のミニトマト

出典:Pixabay
家庭菜園でミニトマトを育てている方は収穫を楽しんでいるころではないでしょうか。しかし、一方でどんどん伸びてくるミニトマトを眺めながら、このままどこまで伸ばしていいの?とそろそろ疑問が湧いてきたのではないでしょうか。
本記事ではミニトマトの主枝や側枝を適切な位置で切り取る「摘芯」をするのか?それともしないのか?どちらを選べばいいのか紹介します。また、ミニトマトを元気に育てる「摘葉」についても説明します。

ミニトマトは摘芯する?しない?

摘芯間近のミニトマト
出典:Pixabay
ミニトマトの生産者さんは、一つの株からたくさんの品質の良い果実を収穫しなければならないため、さまざまな仕立て方で摘芯を行っています。
ここでは、家庭菜園で春から夏に育てるミニトマトの摘芯方法や、摘芯しなくても栽培を続けられる理由について説明します。

今回は、主枝につく一段目の花房すぐ下のわき芽を伸ばして、2本仕立てにしたミニトマトの摘芯方法です。ミニトマトには、さまざまな仕立て方や摘芯方法があるのでとても奥深い作物です。

家庭菜園でのミニトマトの仕立て方や、支柱の立て方の関連記事はこちら


    ミニトマトの摘芯の方法

    摘芯は茎を折り取る、または切り取る作業なので、切り口が早く乾きやすいように雨の日を避けて行いましょう

    タイミング

    ミニトマトの摘芯
    Illustration:rie
    摘芯のタイミングは最終果房の花が咲いたころ茎が手で折り取れるくらいの細さのうちに摘芯します。
    花が咲き終わり、実が大きく赤くなるころに摘芯をしたのでは、せっかく果実の充実に使いたい栄養分が無駄になってしまいます。ミニトマトはぐんぐん生長するので、少なくても2〜3日に一度は様子を見に行った方がいいですね。

    家庭菜園でのミニトマトの最終果房の目安とは?
    ほとんどのミニトマトの生産者さんはビニールハウスなど施設で栽培することが多いため、ミニトマトの生育に適した温度に合わせて、長い期間栽培しています。しかし、ミニトマトの苦手な夏の高温多湿の環境下で育てる家庭菜園では、初秋には草勢も衰えたり、病害虫に加害されたりして、これ以上元気に生育できない状態になることもしばしば。関東地方で例えるならば、秋冬栽培が始まる前の8月下旬までには栽培を終えるように、または作業しやすいよう手が届く位の高さの位置にある花房を最終花房として摘芯の目安にしてみましょう。


    手順

    最終果房である花の上に2〜3枚ほど葉を残して手で折り取るか、消毒したはさみで切り取ります。

    はさみの消毒はどうするの?
    カートリッジに洗浄除菌液を入れて使用する園芸はさみや、手指・はさみを消毒する抗ウイルス剤も販売されています。
    家庭菜園ではスプレーボトルにキッチン用の消毒液を入れて、はさみを使うごとに吹きかけて消毒してもOK!

    植物ウイルス感染予防用園芸ハサミ

    カートリッジに洗浄除菌液を入れ作業すると、はさみの刃に自然と液が流れ込み自動的に洗浄されます。

    ・全長:約180mm
    ・重量:約72g


    レンテミン液剤

    シイタケ菌糸体培養物より抽出した抗ウイルス剤で、有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能です。
    株分けや管理作業時に手指、はさみなどの器具の消毒にも使用できます。

    ・内容量:100ml
    ・有効成分:シイタケ菌糸体抽出物

    ミニトマトの摘芯はしなくてもOK

    ミニトマトは生育適温より低い温度でもゆっくり生長を続けるので、温暖な地域では霜さえ降りなければ日差しが当たるベランダなどで冬でも育て続けることができます。
    また、小さな実がなるミニトマトは、大きくて赤く充実させるまで時間のかかるトマトに比べて栽培が簡単なので、摘芯せずに主枝を伸ばし続けて栽培することも可能です。

    ヘビ栽培

    支柱の上まで伸びた枝を下にずりおろしながら栽培する方法です。ずり下した枝が根元にとぐろを巻いたヘビのように見えます。

    Uターン整枝栽培

    支柱の上まで伸びた枝を折り返して栽培を続けます。

    ダブルフック式ターンハンガーM

    ミニトマト・トマトの茎に優しくフィットして折り返しができます。

    ・個数:150個



    読んで納得!ミニトマトの摘芯の効果

    適度に葉数のミニトマト
    出典:Pixabay
    摘芯を行ってミニトマトの生長点を止めてしまった後、「本当にこれでいいの?」と疑問に思ったり、不安になったりしていませんか?ここで摘芯の効果について理解して不安を吹き飛ばしましょう!

    ミニトマトの摘芯の効果

    今まで主枝と側枝を伸ばして育てていたミニトマトの株は、葉や茎、花、果実の生育に養分を使い、上へ上へと生長を続けていましたが、摘芯したことによって今度は残された花房が果実となって熟していくことに生育を集中できるようになったというわけです。

    ミニトマトの上の葉の役目

    摘芯では最終果房の上に葉を2〜3枚残しました。あえて残したミニトマトの上の葉の役割について説明します。

    ミニトマトに養分を届けるため

    理科で習った経験があるかと思いますが、植物は気孔から水分を排出する「蒸散」という働きをします。植物体内の水が減少した圧によって、根から道管とよばれる組織を通って、水と一緒に養分を植物全身に届けて生長を促します。この作用をミニトマトの最終果房に行き渡らせるため、上の葉を残しています。

    ▼蒸散のことならこちらをご覧ください。

    摘芯以外の大事なミニトマトのお手入れ「摘葉」

    茎葉が茂ったミニトマト
    出典:Pixabay
    ミニトマトの株が旺盛に生育してくると葉が生い茂ってきます。このとき適度に葉を取り除く「摘葉」を行います。

    風通しを良くする

    古い葉を残したままにしておくと、風通りが悪くなり病害虫の原因になります。また、古い葉や枯れた葉は光合成能力が減少しているため、残しておいてもあまり意味はありません。収穫中の段より下の方の葉は処理しましょう。

    葉の役割は?
    ミニトマトの葉はブドウ糖を生成するなど光合成を行うために必要な部位ですが、大玉になるトマトに比べると葉の数はやや少なくても大丈夫なので、収穫が始まったら収穫中の段より下の方の葉を取り除いて風通しのいい環境を作りましょう。


    ▼ミニトマトがかかりやすい病気や害虫の関連記事はこちら


    作業性の向上

    葉が生い茂っていると作業がしにくくなるので、適度な摘葉を行います。

    葉の取り過ぎに注意!
    果房間に葉を少なくとも2枚は残し、込み入った部分のみ取り除くようにします。これ以上葉数を減らせない場合は、大きな葉の先の部分だけを切り取ってもかまいません。


    家庭菜園初心者は摘芯でミニトマトの果実を充実させよう!

    まだ青いミニトマトの果実
    出典:Pixabay
    果皮が破れないよう注意して育てるトマトに比べて、ミニトマトは実が小さいぶん栽培が簡単です。なかには「ソバージュ栽培」といって、わき芽かきも摘芯もしない、茎葉が生茂るように生長するミニトマトもあります。
    今回紹介したミニトマトの摘芯は、栽培初心者の方が栽培終了間近に果実を充実させるために行うものです。そのほかの目的として栽培初期に仕立て方の一環として行う摘芯もあるので、ベテランの方は収量・品質を向上させる摘芯方法を極めてみてください。

    ベランダでの栽培もOK!プランターでのミニトマトの育て方をチェック


    畑や庭など、地植えでのミニトマトの栽培方法はこちら


    農業でミニトマト栽培に挑戦したい人はこちら


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