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ここでは、ミニトマトを摘心する目的や効果、摘心の方法について解説します。摘心しないで育てるための栽培方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
ミニトマトを種や苗から育てる方法は、こちらの記事で紹介しています!
ミニトマトの摘芯効果とは|しないとどうなる?
ミニトマトを摘心すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?主な効果を紹介します。また、摘心しない場合のデメリットも解説します。ミニトマトの摘芯効果
ミニトマトは摘心しないと、主枝や側枝を伸ばし、上へ上へと生長していきます。そのままでも果実はなりますが、養分が葉や茎にも分散してしまいます。果実により多くの養分を届けるためには、摘心することで伸長を止めるのが効果的です。また、摘心によりミニトマトの草丈を抑えると、栽培管理がしやすくなるメリットもあります。摘心で残した葉の役目
ミニトマトを摘芯する際、最終果房の上に葉を2〜3枚残します。この葉も、果実に養分を届ける役割を果たします。植物は、気孔から水分を排出する「蒸散」という働きをします。これは、植物体内の水が減少した圧によって、根から道管とよばれる組織を通り、水と一緒に養分を植物全身に届けて生長を促すというもの。ミニトマトも上部の葉を残して摘心することで、最終果房に養分を行き渡らせることができるのです。
ミニトマトを摘心しないとどうなる?
ミニトマトは摘心せずに育てることもできます。ですが、摘心しないで育てると、主枝がどんどん伸びていくため大きく場所を取ったり、果実の重みや強風で枝が折れたりすることも。伸び放題では管理しにくくなってしまうため、支柱などに誘引する必要も出てきます。ミニトマトの摘芯方法|作業に適した時期や切る場所など
ここからは、ミニトマトの摘芯方法を解説します。今回は、主枝につく一段目の花房すぐ下のわき芽を伸ばし、2本仕立てにした株を摘芯する方法を図解とともに紹介します。ミニトマトを摘心するタイミングはいつ?
ミニトマトの摘芯のタイミングは、最終果房の花が咲いたころ。茎がまだ細く、手で折り取れるくらいの状態で摘芯します。摘芯は茎を折り取る、または切り取る作業なので、切り口が早く乾きやすいように雨の日を避けて行いましょう。花が咲き終わり、実が大きく赤くなるころに摘芯したのでは、せっかく果実の充実に使いたい栄養分が無駄になってしまいます。ミニトマトは生長が早いので、少なくても2〜3日に一度は様子を見に行きましょう。
家庭菜園でのミニトマトの最終果房の目安とは?
ミニトマトの生産者の多くは、ビニールハウスなど施設で栽培しています。そのため、ミニトマトの生育に適した温度に合わせて、長い期間栽培しています。
これに対し、ミニトマトの苦手な夏の高温多湿の環境下で育てる家庭菜園では、初秋には草勢も衰えたり、病害虫に加害されたりして、これ以上元気に生育できない状態になることもしばしば。関東地方であれば、秋冬栽培が始まる前の8月下旬までには栽培を終えるように、または作業しやすいよう、手が届くくらいの高さの位置にある花房を最終花房として、摘芯の目安にしてみましょう。
【図解】ミニトマトの摘芯方法
最終果房である花の上に、2〜3枚ほど葉を残してカットします。手で折り取るか、消毒したはさみで切り取りましょう。はさみの消毒はどうするの?
カートリッジに洗浄除菌液を入れて使用する園芸はさみや、手指・はさみを消毒する抗ウイルス剤も販売されています。
家庭菜園ではスプレーボトルにキッチン用の消毒液を入れて、はさみを使うごとに吹きかけて消毒してもOK!
Vs-カットハサミ
カートリッジに洗浄除菌液を入れ作業すると、はさみの刃に自然と液が流れ込み自動的に洗浄されます。
サイズ | 全長:約23cm、刃長:約4.5cm、カートリッジ容量:約20ml |
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重量 | 約126g |
レンテミン液剤
シイタケ菌糸体培養物より抽出した抗ウイルス剤で、有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能です。 株分けや管理作業時に手指、はさみなどの器具の消毒にも使用できます。
内容量 | 100ml |
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有効成分 | シイタケ菌糸体抽出物 |
ミニトマトは摘芯しなくてもOK!おすすめの支柱栽培の方法
果実を大きく、赤く充実させるまでに時間がかかる大玉トマトに比べると、果実の小さいミニトマトは栽培が簡単です。摘芯せずに、主枝を伸ばし続けて栽培することもできます。そこで、ここではミニトマトを摘心しないで栽培するおすすめの方法を紹介します!
ヘビ栽培
支柱の上まで伸びた枝を下にずりおろしながら栽培する方法です。ずり下した枝が根元にとぐろを巻いたヘビのように見えます。Uターン整枝栽培
支柱の上まで伸びた枝を折り返し、そのまま伸ばして栽培を続ける方法です。ミニトマトの支柱の立て方は、こちらの記事で詳しく紹介しています
摘芯以外にも!ミニトマト栽培では「摘葉」も重要
ミニトマトの株が旺盛に生育してくると葉が生い茂ってきます。このとき適度に葉を取り除く「摘葉」を行います。摘葉で風通しを良くする
古い葉を残したままにしておくと、風通りが悪くなり病害虫の原因になります。また、古い葉や枯れた葉は光合成能力が減少しているため、残しておいてもあまり意味はありません。収穫中の段より下の方の葉は処理しましょう。葉の役割は?
ミニトマトの葉は、ブドウ糖を生成するなど光合成を行うために必要な部位ですが、大玉トマトに比べると葉の数はやや少なくても問題はありません。収穫が始まったら、収穫中の段より下の方の葉を取り除いて風通しの良い環境を作りましょう。
ミニトマトがかかりやすい病気や、害虫の種類・対策方法はこちら
摘葉をすると作業性が向上!
葉が生い茂っていると作業がしにくくなるので、適度な摘葉を行います。葉の取り過ぎに注意!
果房間に葉を少なくとも2枚は残し、込み入った部分のみ取り除くようにします。これ以上葉数を減らせない場合は、大きな葉の先の部分だけを切り取ってもかまいません。
摘芯でミニトマトの果実を充実させよう!
果皮が破れないよう注意して育てる大玉トマトに比べて、ミニトマトは実が小さいぶん栽培が簡単です。なかには「ソバージュ栽培」といって、わき芽かきも摘芯もしない、茎葉が生茂るように育てるミニトマトの栽培方法もあります。今回紹介したミニトマトの摘芯は、栽培初心者の方が栽培終了間近に果実を充実させるために行うものです。そのほかの目的として栽培初期に仕立て方の一環として行う摘芯もあるので、ベテランの方は収量・品質を向上させる摘芯方法を極めてみてください。