家庭菜園で極甘とうもろこしを育てよう!

甘くて独特のプチプチとした食感が楽しい野菜「とうもろこし」。夏を代表する野菜の一つ、とうもろこしの栽培方法と害虫・害獣対策を詳しく解説します!家庭菜園のベテランが教える❝失敗しないコツ❞は必見です!!


出典:PIXTA
枝豆やスイカ、トマトなど、夏を感じさせてくれる野菜はいろいろありますが、とうもろこしを一番に挙げる方も多いかもしれませんね。とれたて、ゆでたての甘さとみずみずしさは格別です。
私たちが普段食べているとうもろこしは「スイートコーン」と呼ばれる種類で、その中にも数多くの品種があります。
特に人気が集中しているのは、「ゴールドラッシュ」や「サニーショコラ」といった甘みの強い品種。ほかにも、粒の真っ白な「ピュアホワイト」、生でもおいしい「ゆめのコーン」、重さ500gにもなる「おおもの」など、バラエティ豊富な品種がそろっています。
自分で育てて、あなただけのイチ推しとうもろこしを探してみるのはいかがでしょうか?

1. 栽培に失敗しない5つのポイント

出典:PIXTA
せっかく育てるなら、先端までしっかり粒が入った、甘くて大きなとうもろこしを収穫したいですよね。とうもろこしは丈夫な作物で、栽培期間も80~90日ほどと短めですが、ほかの野菜の育て方とは違う点がいくつかあります。栽培を始める前に、きちんとポイントを押さえておきましょう。

ポイント1. 最低6株以上育てる

出典:写真AC
とうもろこしは、株の先端につく雄穂(ゆうすい)の花粉を、株の中間から伸びる雌穂(しすい)が受粉することで実が大きくなりますが、同じ株の花粉では受粉しにくいという性質があります。そのため、栽培するときは最低でも6株以上、できれば10株程度育てることをおすすめします。1列に植えるよりも、同じ畝に2~3列で育てたほうが、受粉が成功しやすくなります。まとまった株数を育てるには広いスペースが必要なので、プランターでの栽培はちょっと難しくなりますが、大型プランターをいくつか並べるなどの工夫をすれば、不可能ではありません。

ポイント2. 品種を絞って育てる

出典:写真AC
とうもろこしの雌穂(雌花)は、実の先端から伸びるひげの部分で、「絹糸(けんし)」と呼ばれます。絹糸の1本1本に花粉が付くことで粒が太り、とうもろこしが大きくなるのですが、このとき別の品種の花粉を受粉してしまうと、そこだけ粒の色が変わったり、品種の特徴が出にくくなったりします。この現象を「キセニア」と言い、花粉は風で運ばれるので、近い場所で別の品種を栽培していても、キセニアが起こります。品種特有のおいしさをしっかり味わうには、同じ品種に絞って6株以上育てる必要があります。違う品種を同じ菜園で育てるなら、開花時期が重ならないように、2週間ほどずらして種まきをしましょう。

ポイント3. 肥料切れに注意する

出典:写真AC
とうもろこしは短期間で大きく成長するので、そのぶん肥料をたくさん吸収します。肥料切れすると実が大きくならないので、栽培前に元肥をきちんと入れて土作りをし、栽培中も追肥で肥料分を補いましょう。追肥のタイミングは、草丈が20~30cmのころと、雄穂が出始めたころの2回で、粒状の化成肥料などを与えます。

ポイント4. 風の強い場所では対策を

出典:写真AC
とうもろこしは成長すると150cm以上の高さになります。ところが、根は地面に浅く張るので、強風に当たると倒れてしまう心配があります。多少傾いたくらいなら自分で起き上がりますが、根が持ち上がるほど倒れてしまうと回復しないので、風の強い場所や台風の前などは、対策しておくと安心。畝の周りに棒や支柱を立ててひもを張るか、ネットで囲んで支えます。成長すると株元からわき芽が数本出てきますが、このわき芽も株を支えてくれるので、切らずに残しておきましょう。

ポイント5. 収穫は1株1本

出典:写真AC
とうもろこしの雌穂は1株に数本付きますが、収穫するのは、基本的に一番上に付いた1本だけです(品種によって2本収穫できるものもあります)。それ以外の雌穂は、絹糸(ひげ)が伸び始めたころに、早めに折り取ります。この小さな雌穂はヤングコーンとして食べられます。柔らかくて甘いので、ぜひ味わってみてください。
出典:写真AC
摘果したヤングコーンも、立派な収穫物。外皮とひげを取り除いてサッとゆでれば、さわやかな甘みと歯ごたえが楽しめます。

2. とうもろこしの栽培カレンダー

出典:写真AC
種まき:4月中旬~5月下旬
収穫:7月上旬~8月下旬

春に種をまき、夏に収穫が始まります。発芽には25~30℃の地温が必要なので、早めに種をまく場合は、畝にマルチを張って保温すると良いでしょう。種まきから収穫までの期間は品種によって多少違いますが、80~90日が目安となります。

とうもろこしの品種については、こちらの記事を参考にしてください。

3. 栽培方法

出典:PIXTA
育てる品種が決まったら、さっそく種まきの準備。とうもろこしは日当たりを好むので、菜園の南側など、できるだけ長時間日の当たる場所で育てましょう。

Step1. 土作り

栽培する区画の土壌酸度を測り、pH6.0~6.5になるように、必要に応じて石灰をまきます。1週間以上置いてから、1平方メートル当たり堆肥3L、肥料(固形の化成肥料の場合)100gをまいて鍬(くわ)で耕し、幅80cm(2列植え)、高さ15cmの畝を立てます。地温が低い場合は、保温のためのマルチを張りましょう。マルチは雑草防止にも役立ちます。土作りは種まきの1週間前までに済ませます。

Step2.  種まき

畝の表面に底の平らな空き缶などを押し当てて、直径5cm、深さ1cmのまき穴を30cm間隔で空けます(列と列の間隔は50cm空けます)。マルチを張っている場合は、カッターで十字に切れ目を入れるか、マルチ穴開け器を使います。まき穴に等間隔で3粒ずつ種をまき、土をかぶせて軽く押さえ、たっぷりと水やりをします。種が鳥に食べられてしまうことがあるので、心配な場合は不織布やネットをかぶせておきましょう。

Step3. 間引き

発芽したら、葉が3~4枚の頃に成長の良い株を2本残して、1本を間引きます。高さが20~30cmに成長したら、元気が良いほうの株を残して、もう1本を間引きます。2回目の間引きは株が大きくなってから行うので、無理に抜き取ると残す株の根を傷めてしまう心配があります。ハサミで株の根元から切り取るようにしましょう。

Step4. 追肥

2回目の間引きのあとに、肥料3g程度を株元にまきます。マルチを張っている場合は、マルチの穴の中にまきましょう。株の頂部に雄穂が出始めたら、2回目の追肥をします。マルチをはがして、1平方メートル当たり30g程度の肥料をまき、クワで周りの土となじませて、株元に盛り上げるように土寄せします。土寄せは強風などで株が倒れるのを防ぐ効果もあります。

Step5. 人工授粉

とうもろこしの花粉は風で運ばれますが、株数が少ないと、受粉がうまくいかないことがあります。確実に受粉させるには、雄穂が開花したら軽く株を手でゆすって、花粉を周りの株に飛ばすようにします。

Step6.  ヤングコーンの収穫(摘果)

1株に数本の雌穂が付きますが、収穫するのは基本的に1番上の1本だけです。ほかの雌穂は、絹糸(ひげ)が伸び始めたら早めに収穫します。付け根近くを持って横に倒すと、簡単に折り取れます。外皮とひげを取り除くと、柔らかいヤングコーンとして食べられます。

Step7. 収穫

品種にもよりますが、受粉から20~25日くらいで収穫できます。絹糸が茶色く枯れてカラカラになったころが、ちょうど良いタイミング。早く取りすぎると、粒が先端まで入っていないことがあり、採り遅れると害虫や害獣の被害に遭いやすいので、注意してください。

4. とうもろこしの害虫・害獣対策

出典:PIXTA
とうもろこしに被害を与える代表的な害虫が、アワノメイガという蛾の幼虫です。成虫が葉の付け根などに卵を産み付け、孵化した幼虫は雄穂や茎の内部を食い荒らしながら成長します。放置すると雌穂の中にも侵入して、とうもろこしの粒を食い荒らしてしまいます。とうもろこしの外皮をむいて虫食いあとがあったら、多くがこの害虫の仕業。早めの対処で被害を防ぎましょう。

対策としては、雄穂や雌穂が出始めたら、虫食い穴や茶色いふんが落ちていないかをこまめに見回ってチェックすること。また、成虫は雄穂に集まりやすいので、人工授粉が終わったら雄穂を切り取るのも、予防になります。

このほか、地域によっては、鳥やハクビシン、タヌキなどの被害も多くみられます。甘く熟したとうもろこしを狙ってくるので、収穫が近付いたら、畝全体をネットで覆うなどの対策を取りましょう。ハクビシンなどは地面を掘ってネットの中に侵入するので、ネットと地面の間にすき間ができないように、板を打ち込んでおくと良いようです。

5. おいしく味わう秘訣

出典:写真AC
とうもろこしは「朝採り」が最も甘くおいしいといわれます。これは、光合成によって蓄えられた糖分などが、夜間に実に送り込まれるため。丹精込めて育てたとうもろこしが収穫を迎えたら、ぜひ朝どりで味わってみてください。また、とうもろこしをおいしく味わうためのもう一つのポイントが、収穫後、できるだけ早めにゆでること。時間が経つにつれて甘みが減ってしまうので、持ち帰ったら急いでお湯を沸かしましょう。

ゆで方は、水からゆでる方法や沸騰させてからゆでる方法、電子レンジ調理など、いろいろあります。それぞれ味や食感が少しずつ違うので、ぜひ、好みのゆで方を研究してみてくださいね。

この記事に関連するタグ

関連する記事

このまとめが気に入ったら
「いいね!」をしよう
Akiko Isono
Akiko Isono

編集者兼ライター。家庭菜園・ガーデニング専門誌の編集に8年間携わり、現在は雑誌やムック、WEBを中心に、植物、農業、環境、食などをテーマとした記事を執筆。好きな野菜はケールとにんじん。