ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)発見のポイントと防除・駆除する方法

ブロッコリーや白菜などアブラナ科野菜を食害し、別名「ダイコンシンクイムシ」と呼ばれるチョウ目ツトガ科の幼虫「ハイマダラノメイガ」の駆除方法や効果的な予防対策、おすすめの農薬や「ハイマダラノメイガ」の生態と発見のポイントも詳しくご紹介します。


ダイコン、新芽、発芽、この時期がハイマダラノメイガ (シンクイムシ)要注意

出典:写真AC
ハイマダラノメイガは別名「ダイコンシンクイムシ」ともいわれており、幼虫が作物の生長点(芯部)を食害し、被害をもたらす害虫です。
ハイマダラノメイガの発見のポイントや予防対策、使用する薬剤について、初心者の方にもわかりやすいようにご紹介します。

ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)の被害と発見のポイント

出典:写真AC
以前は、ダイコンの害虫という認識で、農業においてあまり問題になっていなかったハイマダラノメイガですが、関西を中心にアブラナ科の作物全般を食害し、猛威を振るい始めています。

ハイマダラノメイガによる被害

生育初期に新芽を好むハイマダラノメイガの食害を受けると、作物は育たなくなってしまうので、早期発見して被害が広がらないように駆除対策を行うことが重要です。

葉の食害

ハイマダラノメイガの幼虫は、野菜などの若い葉を好みます。
成虫が葉を食害することはありませんが、夜間に飛来し葉に卵を産み付けます。

新芽の食害

別名ダイコンシンクイムシといわれるように、ハイマダラノメイガの幼虫は作物の生長点である芯部を好んで食害します。生長点を食害された植物は、芯止まりの症状を起こし、生長が止まって枯死してしまいます。

ハイマダラノメイガ発見のポイント

老齢幼虫になると作物の茎の中にも潜入します。

葉をつづり合わせて潜む

幼虫は狭いところに潜むのが特徴です。
糞(ふん)やカスで新葉をつづり合わせて、その中に入り込み食害するので、見つけたら葉ごと摘み取りましょう。

作物の芯部に潜り込む

ハイマダラノメイガの幼虫は、作物に潜り込み芯部を食害します。作物の中心部分をよく観察し、見つけ次第駆除しましょう。

ハイマダラノメイガが多発する時期

全国に分布するハイマダラノメイガですが、関東より西の地域で特に多く見られます。
8月下旬~10月ごろに最も多く発生しますが、夏に降雨量が少なく高温が続いた年は多発する傾向にあり、年次によって発生量は変動します。
※害虫の発生量は、温度など気候のほかに天敵昆虫や植物、風など多くの要因が影響している。

ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)とは

ハイマダラノメイガ
出典:Flickr(photo by gailhampshire)
名前  ハイマダラノメイガ(幼虫)
別名  ダイコンシンクイムシ
分類  チョウ目/メイガ科
活動する時期  8月下旬~10月
幼虫の特徴  淡黄色に褐色の縦縞、頭部は黒
幼虫の体長  終齢幼虫で15mm程
主な被害作物  アブラナ科作物
発生回数  4~6回/年

ハイマダラノメイガの生態

5月下旬ごろから徐々に発生し、秋野菜の種をまいた後や植え付けた幼苗を狙って、幼虫が作物の生長点付近の葉や芯を食害します。
ハイマダラノメイガは寒さに弱いので、活発に作物を食害する時期は8月下旬~10月ごろです。
蛹または幼虫の状態で越冬します

卵は白色透明。
約3~5日で孵化(ふか)します。

幼虫~蛹

終齢幼虫で体長15mm程度に成長します。
幼虫の体色は淡い黄色で褐色の縦縞があり、頭部は黒色をしています。
老齢幼虫になると地表部まで移動し、繭(まゆ)を作ってその中で蛹になり、6~13日で羽化します。

成虫

春ごろから発生し始め、年間4~6世代発生します。
成虫の体長は7~10mm前後、作物を食害することはないのですが、夜間に活動しダイコンやハクサイなどの葉に、数個から十数個の卵を産み付けます。
生涯産卵数は100~200個ほどです。


そのほかのメイガ類

メイガ類には、ハイマダラノメイガのような農業害虫のほか、貯蔵食品などを食害する種類もいます。

トウモロコシが大好物のアワノメイガ

アワノメイガ
撮影:AGRI PICK編集部
チョウ目ツトガ科。主にトウモロコシやアワ、ヒエなどのイネ科を好みます。
成虫は前翅長(ぜんしちょう)約11mm、体長15mmほどの小型の蛾で葉裏に卵を産み付けます。
幼虫は最大で25mm程度の大きさになり、老齢幼虫で越冬します。

ハーブを好むベニフキノメイガ

チョウ目ツトガ科。主にバジルやタイム、ミントなどのハーブ、シソやエゴマなどを好みます。
吐き出した糸で葉をつづり、その中に潜んで葉茎を食害します。
体長は終齢幼虫で15mmほどです。

お米に潜むノシメマダラメイガ

チョウ目メイガ科。米ぬかや小麦粉といった穀粉から、穀類、菓子類まで幅広く食害します。
幼虫は10mm前後に成長し、年に2~5世代発生します。

▼ノシメマダラメイガを防ぐお米の保存方法ならこちらをご覧ください。

ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)が好む主な植物の種類

アブラナ科の植物を好むハイマダラノメイガですが、フウチョウソウ科の植物も好んで食害します。

野菜

出典:Pixabay
ダイコンやハクサイ、キャベツ、コマツナ、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜を好みます。
ダイコンは生育後期に食害されてもさほど影響はないのですが、コマツナやチンゲンサイなどは、生長点を食害されてしまうため、収穫期まで注意が必要です。

草花

出典:写真AC
ハイマダラノメイガは、ストックなどアブラナ科の草花のほかに、フウチョウソウ科の草花のクレオメ(セイヨウフウチョウソウ)も好んで食害します。

クレオメでハイマダラノメイガの発生を予測
ハイマダラノメイガが、アブラナ科作物のキャベツなどより、クレオメを好んで食害するため、農業の現場では早期発見のために、クレオメを利用したハイマダラノメイガの発生調査が行われています。

ITEM
【輸入種子】クレオメ
豪華な紫のエレガントな花を非常に長期間楽しませてくれます。
草丈は約120cm 、花色はピンクで切り花にもおすすめです。

・内容量: 約200粒



ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)に有効な3つの対策

防虫ネット
出典:写真AC
ハイマダラノメイガの被害が拡大する前に行う対策について説明します。

1. 成虫の飛来を防ぐ被覆資材の利用

作付け後すぐに寒冷紗や防虫ネットをかけておけば、成虫が飛来し卵を産み付けるのを防ぐことができます。
ネットの目合いは1mm以下のものを使用すると、アザミウマなどの侵入も同時に防ぐことができます。
地表面との間に隙間から成虫が侵入しないように、被覆資材の端は土中に埋め込んでおきましょう。

ITEM
シンセイ 防虫ネット 1mm目
トンネルやべた掛けにも使える防虫ネットです。縦縞のアルミテープが太陽で反射するので、虫が嫌がり寄り付きません。
農薬の使用量を減らし、安全安心な野菜を栽培するための代替技術として非常に有効です。

・サイズ:幅1.8×長さ10m
・材質:ポリエチレン
・色:白、銀色(アルミテープ)

2.  農薬(殺虫剤)で駆除

農薬散布
出典:写真AC
作物の初期生育時のハイマダラノメイガによる食害は、農作物に多大な被害を及ぼすので、初期防除が要となります。ダイコンの例でいうならば、双葉が開いて本葉が出始めるころからの防除が大切です。
新芽などを食害された後、糞やカスで新葉をつづり合わせて繭のような巣を作られてしまうと薬剤が届かないことがあります。
※生産者の方は、地域の防除指導機関やJAなどが推奨する効果の高い薬剤を選定し使用基準を守って作物に合う薬剤を使用しましょう。
※家庭菜園の方は、駆除したい虫をしっかり把握した後、必ず作物に合った薬剤を選びましょう。

若齢から老齢幼虫まで安定した効き目

ITEM
プレバソンフロアブル5
チョウ目をはじめとする幅広い害虫に効果があります。
吸収移行性に優れ、茎葉処理で約2週間、灌注処理では約4週間もの長期間にわたり効果が期待できます。
天敵・訪花昆虫に対しては高い安全性が確認されています。

・内容量:250ml
・有効成分:クロラントラニリプロール(5.0%)

害虫の筋肉を収縮させる

ITEM
フェニックス顆粒水和剤
幅広いチョウ目害虫に高い効果があります。
効果持続性に優れるため、害虫に対して散布後長期間、安定した効果を示します。
比較的天敵・有用昆虫に対する影響の少ない薬剤です。

・内容量:100g
・有効成分:フルベンジアミド(20.0%)

3. 播種時期をずらす

ハイマダラノメイガの多発する時期は8月下旬~10月なので、種をまく時期を9月中旬以降にすることで被害を防ぐことが期待できます。
※作物の種類や品種によって、適した種まきの時期があるので、播種時期をずらす際には必ず確認しましょう。

ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)から作物を守るために

出典:Pixabay
ハイマダラノメイガは、アブラナ科作物の芯部を好み、生育初期に多発すると生長点を食害されるのでとても厄介な害虫です。特に多発時期は日頃から作物をよく観察し、早めに対処するようにしましょう。

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sana

農業研究センターで6年間、大豆と稲の研究作物の栽培及び実験助手業務に従事。その後、屋上ガーデン・屋上菜園などの管理業務、エディブルフラワー事務局を経て、植物ライターに。植物・園芸サイトやフリーペーパーなどで活動。AGRI PICKでは新規就農者のための野菜の栽培方法や農業経営者の取材を執筆中。