農家の大敵、害獣や害鳥の駆除・対策方法をご紹介します。
害鳥獣による被害は深刻
野生鳥獣による農作物被害額は、近年、200億円前後で推移しています。全体の約7割がシカ、イノシシ、サルによるものです。農作物への被害だけでなく、家畜のニワトリがキツネやヘビに襲われる、車との衝突事故、住居への侵入など、影響が広がっています。鳥獣被害の深刻化・広域化を踏まえ、平成19年12月に鳥獣被害防止特措法(鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律)が成立。被害対策の担い手の確保、捕獲、捕獲鳥獣の利活用が進められています。
農林水産省
主な害獣の種類一覧
シカ
特に大きな被害を及ぼしているのがシカ。2019年度の推定個体数(北海道を除く)は約189万頭。30年間で約7倍に増加しているそうです。2019年度の農作物被害被害金額は約53億円。道路や線路に飛び出してきたシカによる事故も多数発生しています。
農林水産省鳥獣被害対策コーナー
イノシシ
2019年度の推定個体数は約80万頭。こちらも30年間で約3倍と大幅に増加しています。2019年度の農作物被害被害金額は約46億円でした。農林水産省鳥獣被害対策コーナー
サル
サルによる2019年度の農作物被害被害金額は約9億円と、獣類ではシカ、イノシシに次いで大きな被害をもたらしています。農林水産省鳥獣被害対策コーナー
ハクビシン
アライグマ
ネズミ
モグラ
猫・野良猫
ヒヨドリ・ハト・ムクドリ・カラス
ヒヨドリによる2019年度の農作物被害約は約6億円と、前年度に比べ約3億円増加(対前年96%増)しています。農林水産省鳥獣被害対策コーナー
害獣対策の種類
侵入を防ぐネット
フェンス・電気柵を設置
忌避剤で追い払う
煙など、動物が嫌う臭いで遠ざけます。通販では超音波装置が人気
超音波で動物を撃退する装置。ソーラー充電タイプを選べば、電源のない場所でも安心。捕獲器で罠を仕掛ける
イタチやハクビシンの対策に。なお、捕獲器を設置する際は、役所への申請が必要です。カメラを設置してモニタリング
狩猟免許を取得して捕獲する
駆除業者に頼む
屋根裏に入り込むハクビシンやイタチは意外と凶暴。プロに任せるのも一案です。地域や相手に合わせた対策を!
せっかく育てた作物の一番おいしいところをねらったようにやってくる獣や鳥。絶対に食べられたくないですよね。相手のことを知り、最適な対策を練って作物を守りましょう。近隣にも同じ被害に遭っている人がいるはず。地域ぐるみで対策するのもおすすめです。