近年、地球温暖化に伴う気候の変動が激しく、多くの生産者が野菜や米の生育不良に悩まされています。
そうした時に、どんな肥料をあげればいいのか、どんな対策をとればいいのかわからない、といった声もよく聞かれます。
光合成を助けるペンタキープ
ペンタキープは植物の光合成能力を高めるアミノ酸である、5-アミノレブリン酸(ALA)を世界で初めて配合した液状肥料です。近年はバイオスティミュラント資材(BS資材)のひとつとして注目されています。ペンタキープの成分
有効成分に含まれる、「5-アミノレブリン酸」は、植物や動物の体内にある大切なアミノ酸で、葉緑素を作る素となります。そのほか、窒素や作物の生育に欠かせない微量要素を含んでいます。
有効成分 | L-アルギニン、5-アミノレブリン酸 | |||
成分 | 窒素 8%、水溶性リン酸 6%、 水溶性カリ 4%、 水溶性苦土 4%、 水溶性マンガン 0.11%、 水溶性ホウ素 0.17% |
ペンタキープが効く仕組み
植物は、太陽光によって行う光合成で、糖を作り出し、生長します。太陽光が少なく、光合成が止まってしまうと、代謝産物である糖が減少して、生長したり呼吸をするためのエネルギーが足りなくなってしまい、生育不良になります。
ペンタキープに含まれる5-アミノレブリン酸(ALA)は、葉緑素を増やし光合成能力が高まり、光合成不足による生育不良を予防することが期待できます。
▼光合成について詳しくはこちらもご覧ください。
そのほかのペンタキープの効果
5-アミノレブリン酸(ALA)を施用で、葉・根に多糖類(フルクタン等)が蓄積し浸透圧を上昇させるため、低温・低日照・乾燥・塩類障害などの環境不良にも強くなります。また、窒素代謝を促す効果もあり、苗の窒素肥料の過多や光量不足などによって起こる軟弱徒長を抑制し、丈夫な苗をつくります。
ペンタキープの使い方
ペンタキープは、葉面散布による茎葉施用と、灌水時などに混ぜて根からの施用する根圏施用の、両方が可能です。栽培に適した手法で施用しましょう。
施用量 | 施用間隔 |
10aあたり40~80mlを目安にしてください | 1~2週間 |
※茎葉散布、根圏施用、空中散布(ドローン等)いずれでも使用可能です。
※施用量は目安です。お試しのうえご使用ください。
※効果をより安定させるために単用施用をおすすめします。
※施用液は使用の都度に作成し、作り置きをしないでください。
※石灰、硫黄剤、アルカリ性資材との混用は避けてください。
※pH8以上の用水に混用した場合、効果が低下します。
ペンタキープの効果的な施用方法
施用時期
日照量が少ない時期
曇天・雨天が続く梅雨や秋の長雨時、日照量の少ない冬場やなど、日照量が少なく、生育不良が起こりやすい時期に施用すると効果的です。▼曇雨天の対策はこちらもご覧ください。
冬場、夏場の気候が厳しい時期にも
低温・低日照・乾燥など厳しい環境下で、低温障害や高温障害が起こりそうな場合にも、ペンタキープは効果を発揮します。▼低温障害についてはこちらをご覧ください。
▼高温障害についてはこちらをご覧ください。
苗の軟弱徒長の予防に
苗の時期に、窒素肥料が効き過ぎた場合や光量不足などによって起こる軟弱徒長を予防します。施用時間帯
葉面散布の場合、葉や茎にあり、二酸化炭素の吸収や蒸散など、光合成に関与する「気孔」が良く開いている朝方が効果的です。灌水で施用する場合も吸収が盛んな朝一番の灌水が効果的です。※ただし高温期の日中は避けてください。葉やけの原因となる場合があります。
施用する場所
茎葉散布は気孔が多い葉裏を中心に!
気孔は葉裏に集中しています。散布する際には、葉裏を重点的に植物全体に施用してください。ペンタキープ施用タイミングの注意点
ペンタキープは光合成を盛んにする一方で、施用にあたって注意が必要なタイミングがあります。作物の様子をよく見て、施用タイミングを図りましょう。
ペンタキープの施用を控えたほうが良い時期
樹勢過多
植物の勢いが強く、茎葉の生長(栄養生長)が過剰で、花、果実の生長(生殖生長)が抑制されている場合は、より樹勢を強くし、花や果実の数が減少してしまう可能性があるため、使用をひかえます。栄養生長から生殖生長への移行期
イチゴの窒素切りをしている期間、切り花、果樹などの花芽が分化する時期、トマトの3段開花以前などは、植物の生長のバランスが取りづらい時期です。この場合、花芽分化が確定してからの使用をおすすめします。
ペンタキープでこんなに効果が出た!施用事例
株式会社誠和アグリカルチャに聞いた、実際にペンタキープを施用した事例と、施用方法を紹介します。トマトの施用事例
熊本県のハウス促成栽培の大玉トマトでは、ペンタキープ処理区で、無処理区と比較して113%の収量増となりました。また、ペンタキープ処理によって、葉先枯れの減少や、葉の色味や厚さも向上したとのことです。
トマトのおすすめ施用方法
着果負担の増加に伴うなり疲れの予防・軽減のため、3段花房の開花後から、7~10日間隔での継続施用をおすすめします。10aあたり80mlの薬液を水で希釈して散布します。▼トマトでの使用事例について、詳しくはこちらをご覧ください。
誠和アグリカルチャ「【ペンタキープ】トマトへの施用」
キャベツの施用事例
静岡県でのキャベツでは、施用区のひと玉あたりの平均重量は、無施用区と比較して200g以上重たくなりました。定植直後からの施用で、生育速度、結球速度が速く、外葉が大きくなるなどの効果が現れました。
また、チップバーンなどの茎葉の不良を予防効果もあり、秀品率が向上したとの生産者の声もあります。
キャベツのおすすめ施用方法
- 定植苗に2,000~3,000倍液を散布
定植苗の活着や発根促進、初期生育の向上が期待できます。 - 結球時期に、7~10日間隔での継続施用 80ml/10a投下量を3回程度
結球の促進や、葉数の増加、球肥大の促進が期待できます。
誠和アグリカルチャ「【ペンタキープ】キャベツへの施用」
水稲の施用事例
水稲で使用した場合、苗の徒長を抑制するほか、収穫時の穂のボリューム、粒の厚さに差が出ています。ペンタキープ施用区では、平均約1割の増収を達成しているようです。
水稲のおすすめ施用方法
- 育苗:種子浸漬時に5,000倍希釈液に浸漬
※徒長抑制など健苗育成の目的のため - 本圃:出穂前後の2回散布 80ml/10a投下量を2回散布
※登熟促進による大粒化や、収量増加の目的のため