久松達央さんのジツロク農業論【実践編 No.1】森田農園の都市近郊型農業の利を生かし、さらに飛躍するために必要なことは?

久松農園 久松達央さんによる「新規就農者が、豊かな農業者になる」ためのメッセージ。実践編No.1では、千葉県流山市の森田農園の森田昌さんを訪問しました。就農4年目の森田さんは、多品目栽培・マルシェなどの直販で5年後に売上5,000万円を目指しています。達成のために考えないといけないことは?


久松さん圃場訪問

撮影:紀平真理子
株式会社久松農園 久松達央さんによる、豊かな農業者になるためのメッセージを伝える連載。
実践編では、若手就農者の悩みや課題に久松さんがアドバイスをします。
久松達央
撮影:紀平真理子

プロフィール
株式会社 久松農園 代表 久松達央(ひさまつ たつおう)
1970年茨城県生まれ。1994年慶應義塾大学経済学部卒業後、帝人株式会社を経て、1998年に茨城県土浦市で脱サラ就農。年間100種類以上の野菜を有機栽培し、個人消費者や飲食店に直接販売。補助金や大組織に頼らない「小さくて強い農業」を模索している。さらに、他農場の経営サポートや自治体と連携した人材育成も行っている。著書に『キレイゴトぬきの農業論』(新潮新書)、『小さくて強い農業をつくる』(晶文社)

森田農園の森田昌さんが目指すもの

千葉県流山市にある森田農園。就農から4年目の森田昌さんを久松さんが訪問しました。

今回の相談者

森田農園
撮影:紀平真理子

プロフィール
森田農園 園主 森田昌(もりた あきら)
千葉県流山市生まれの29歳。2017年に祖父母の後継として就農。現在、露地80a、ハウス7aで年間に80品目程度の野菜類を栽培。販路は、マルシェ、小売店、卸売業者など。
各種情報:森田農園のホームページFacebookInstagram

森田さんは、就農後売上を伸ばし続けており、就農4年目となる現在の売上は1,500万円です。5年後までに5,000万円の売上を目指していますが、この目標もあくまで目安であり通過点であると話します。この近い未来の目標達成のために、森田さんは以下のことに取り組みたいと思案しています。

・規模拡大し出荷量を増やすと同時に、農地を休ませて土をよくしながらいい作物を作り続けたい
・品目の絞り込みや、機械化などで作業効率を上げたい
・正社員の雇用や仲間との連携でできることの幅を広げたい
・マルシェなど自分で価格が決められる直接販売に注力したい

今回の久松さんの訪問で、これらの課題を整理し、対話の中で課題解決の糸口を見つけていきました。

森田さんの過去の記事はこちら


規模拡大時に考えることは|土や農地を知る

森田農園
撮影:紀平真理子
高台にある森田さんの自宅の目の前には、美しく整然とした畑が広がっています。これは、森田さんの祖父母が丁寧に手入れを続けた畑を森田さんが受け継ぎ、きれいに管理を続けたたまものです。しかし、就農後4年間突っ走ってきた森田さんには、現在ある悩みがあるそうです。

狭い面積だからこそ秀品率を上げる

森田昌さん
森田昌さん
就農以来、売上を落としたくない一心でたくさんの作物を作り続けています。最初は何でもできたのですが、今はセンチュウ類に悩まされています。緑肥をまいて畑を休ませたいと考えていますが、現状はあまりできていません。
森田さんが始めてから、品目数や畑の回転数も変わりましたか?
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
はい、増えました。今は、1年に2.5回転ほどしています。品目数も増えましたね。パート従業員さんの雇用を始めたので、さらに売上を増やしたいと思って、できるだけ多く作っています。でも、いいものを作らないと、調整作業も大変でかえって手間がかかるので、いいものをしっかり作っていきたいです。
狭い面積で多品目栽培をするタイプの農業は、秀品率が高くないとやっていけないですよね。センチュウはゼロにはできないけれど、菌密度を下げる工夫はできます。回転を落として、寄生主にならない作目を入れれば菌密度は上がらないけれど、そうなると今の面積の倍は必要です。
久松達央さん
久松達央さん

いい土を作るには

ビーツセンチュウ
撮影:紀平真理子(センチュウの被害)
森田昌さん
森田昌さん
いい土を作るには、どのようにすればいいでしょうか。
畑を見ていると、腐植質が少ないように感じます。腐植率が低いと土がかたくなりやすくて、保肥力が低くなります。水溶性肥料はCEC(塩基置換容量:土の保肥力の指標)が低いと入れても抜けていってしまうので、腐植質を増やすというのは課題ですね。例えば、一区画だけ堆肥をどかっと入れてみるとか、一作だけ休ませて緑肥としてソルゴーやヒマワリなどの大きくなるものを植えて、残さがゴロゴロしている状態を作ってみて、ほかの区画との違いを見てみるのはどうでしょうか?
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
貸し農園事業もやっていて人の出入りも多いので、ヒマワリはよさそうです!いい土の判断をするために、どのように土壌分析を活用すればいいのでしょうか。
悪いところをピンポイントで土壌分析するのはどうでしょうか。分析結果の「肥料成分が何%」というよりも、ほかの区画と比較して「なぜこの区画が悪いか」という理由がわかると対策が立てやすいと思いますよ。
久松達央さん
久松達央さん

農地によって管理にかかる手間が異なる

久松さん実践編
撮影:紀平真理子

森田農園の畑の特徴
もともと持っている畑:家の前で、長年森田さんの祖父母が大切に管理してきた。雑草管理などもしやすい。
新たに借りた畑:借地。前に使用していた人のくせが出ることから、場所によっては管理が難しい。

全体的に栽植率も高い気がします。やせている場所は、密植をやめて株間をもう少し空けると違うと思います。面積を増やして、休ませてというやり方はいいけれど、管理しなきゃいけない畑が増えます。機械投資もそれなりにいるので、細かい計画を立てることが必要ですね。
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
どのようなことを考えないといけないのでしょうか。
実際のオペレーション、お金の使い方、投資効率などです。家の前の畑などの森田さんが現在持っている環境には、少量多品目を追求した方が合っているとは思うけれど売上が急に伸びるやり方ではないですよね。難しいところだと思います。新しく畑を借りてみてわかったと思いますが、おじいちゃんおばあちゃんの畑と同じようにやっても管理が難しいでしょう?
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
そうです。家の前の畑は、おじいちゃんおばあちゃんが作り込んできたんだな、面倒みてきたんだなということがよくわかりました。
草が生える畑は、生えるんです。おじいちゃんが今まできれいにしてきたことが見えます。新しく借りた畑が荒れている場合には、同じように管理しても雑草が出ちゃいます。それを管理するためには、べったり畑についていないといけなくなるけれど、それは森田さんがやりたいことなのかどうかは考えた方がよさそうですね。
久松達央さん
久松達央さん

作業効率を上げるためには|投資の方向性も考える

農機アドバイス
撮影:紀平真理子
森田さんは、今より売上を上げるためには作業効率を高めることが必須だと考えています。しかし、多品目栽培、直接販売などの多くの手がかかる営農形態において、どの部分を効率化できるのか、またどの方向性に向かうべきかについて久松さんに相談しました。


割り切って外部に任せることが必要

作業効率を上げるポイントの一つとして、久松さんも森田さんも自園で完結することと、外部に委託することを切り分けが大切だと考えています。
森田昌さん
森田昌さん
自分で全部やるべきではないと思っています。やるべきことはしっかりやって、お金をかけてでもほかの人にお願いできるものはしたいです
いいポイント!夫婦のみで営農するスタイルだと、基本的に自分たちですべてやって、農協の設備を使って、お金を外に逃がさないやり方です。小さく長く生きていけるので、優れた家族経営の形ではあるけれど、森田さんが売上規模を上げて、雇用してということを考えているのであれば、自分でやるのは時間効率が悪いので、大きく割り切る必要があります。森田さんは、ほかのことで稼げるんだから!いいバランス!
久松達央さん
久松達央さん

農機具店とのつきあい方についての記事はこちら

どこに投資をして効率化を図るか

面積も出荷量も増やしたいと考える森田さんに、久松さんはどの方向へ投資をしていくのかと投げかけます。
今の80aだと、なんとかごまかしがきくけど、2倍、3倍の面積に広げようとすると、機械のスペックを上げないといけなくなります。投資をどうしていくかは考えどころですね。あとは、トラクター、サブソイラーなどの露地の土地利用型的な投資と、ハウスのような狭い面積で細かく手をかけて育てていく施設園芸的な投資を同時にするのは非合理。5,000万円を目指すならば、大きな投資が必要なので、どの方向へいくのかは悩みどころじゃないでしょうか。
久松達央さん
久松達央さん

機械投資についての記事はこちら

出荷場の効率性も上げる

出荷場の効率化
撮影:紀平真理子(きれいで工夫に富んだ出荷場)
森田昌さん
森田昌さん
出荷場の効率性も規模拡大のネックになりますか?
あると思います。出荷場を大きくできずに規模拡大を諦めるケースもあります。きれいにパッキングする必要があるなら、ラインをどう作るかとか、働く人が気持ちよく働けるにはどうすればいいかとか。あとは、ほかの農家と連携を考えているなら、出荷場が充実しているとものは集まりやすいと思います。ただ、あらゆる方向に投資をすることはできないし、技術も追求できなので、どこに集中するか優先順位をつけていくことは必要ですね。
久松達央さん
久松達央さん

品目をしぼるときに考えること

品目の選定
撮影:紀平真理子
森田さんは、作業性を上げるために品目をしぼることも検討しています。多品目栽培・直接販売の場合は、使う機械や販売方法なども選択する品目と連動します。久松さんは、品目をしぼるにあたり、売れているものの客観的な把握や、今の農園の形態に最適な機械や道具があるのか、どのような人とやっていきたいのかという視点でも考えた方がいいと話します。
何月にどれがどれだけ売れたかのかを見てみて、売上に貢献していないものを削るのはどうでしょうか?品目がなきゃないで何とかできる人だと思うので。あとは、品目をしぼって機械化するにあたって、機械のスペックにグラデーションがある品目とない品目があることは知っておいたほうがいいかもしれません。たとえば、ジャガイモは手でガラガラ押す掘取機、ポテカルゴ、その次は大規模用のハーベスターしかありません。人数と規模に最適な道具や機械があるかどうかを見てみることは重要です。たとえば、10品目にしぼったのに、規模に最適な機械化のめどが立たない場合もあって、そうすると効率化も図れません。
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
ほかに品目をしぼるときに検討することはありますか。
森田さんがこれからどういう人と一緒にやっていきたいかという視点も大事です。たとえば、工程を繰り返して習熟できる品目にしぼって、未来のスタッフに渡してしまうのも一つの手かもしれません。同じことを繰り返した方が人は育つので、誰かに任せていきたいならシンプルなものを選ぶ方法もあります。多品目は単純作業ではないことも多いので、難しい品目ばかりだと人を増やすごとに効率が落ちていくこともあります。
久松達央さん
久松達央さん

雇用や連携も視野にいれる|誰と一緒に進んでいくのか

品目の選定
撮影:紀平真理子
売上の増加や規模拡大に伴い、協力者の力を借りることは不可欠です。それは、農園のスタッフたちなのか、連携して一緒にプロジェクトを進める農家なのか。森田農園が誰とどのように進んでいくかについて久松さんと森田さんは熱く語ります。

誰とどのように働きたいか

どんな人を雇用する?

想像していたよりずっと作るのが上手!森田さんは、匿名性の中でも売れるすばらしい野菜を作っていますね。栽培も好きそうだけれど、フロントマンとして力を発揮しそうです。もし、そのための時間が足りないのならば、本人は栽培か販売かのどちらかに特化していくべきではないでしょうか。今の雇用状況はどんな感じですか?
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
パート従業員がのべ6名で、1日に多いときで4名で、だいたい3名です。おじいちゃんとおばあちゃんは、高齢なのでできる作業は限られています。僕は、家族経営の脱却にも重きを置いているので、社員を雇用したいです。
パートさんの時間を10とすると、出荷作業と栽培作業の割合はどんな感じですか?
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
出荷が7で畑が3です。少しずつ任せられることが増えてきて、考えさせてあげるとか、やりたいことをやらせてあげられるようになってきました。
森田さんは、栽培側の細かいことに気づく人だと思います。誰かに完全に任せて、そこを気づかない人がやりはじめると、改善の進化が止まっちゃいます。森田さんは華があるから、外に出た方がいいと思うけれど、そうなると、細かい栽培管理をお願いできる人を採用するといいのかもしれませんね。実直に細かい栽培管理ができる人を雇用するか、パートナーを探すのか。いずれにしても農場長が必要な感じがしますね。
久松達央さん
久松達央さん

土日休みは可能?

森田さんは、就農4年目にして、日曜日は休めていると話します。近い将来雇用をするにあたって、久松農園の土日休みの方針が可能かどうか尋ねます。
森田昌さん
森田昌さん
日曜日は休みにして、自分の中で区切りにしています。久松農園はスタッフも含めて土日休みですが、困ることはありませんか。
最初の社員が入社した10年ほど前から週休2日にしたのですが、条件がいい日にやりたい作業があった場合に、いつも週末だけ晴れる…などで100点の作業ができないときもあります。当初は天候に合わせてシフトを変えたけれど、ごちゃごちゃになってしまったので、早い段階でやめました。ここ4、5年でようやくスタッフも時間内に終われるようになりました。休みたいときに休んでいたこともありますが、効率が上がりませんでした。創造的な仕事はある程度規則正しくないと、長くは続けられないですよね
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
最近、それを考えています。ようやく、日曜日は休みをとれるようになってきました。パフォーマンス上がってきて、いいなと思って。
あれだけの数を、あれだけきれいに管理していて、4年目で週に1日休めたらすごい!
久松達央さん
久松達央さん

一緒に取り組んでくれる外部業者を探す

久松さんジツロク
撮影:紀平真理子
久松さんは、連携する外部業者についても森田さんの思いをくみ、一緒になって実現を目指してくれる人を見つけてもいいのではないかと助言します。
森田さんの場合は、外部業者についても、多少遠くてもこれから森田さんがやりたいことを相談できて、森田プロジェクトに一緒になって取り組んでくれる人を探してみてもいいかもしれませんね。
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
そういうところがあるんですか?
今から探していけば、望んでいる業者とつきあえますよ。後継者とか、できあがったところに入った場合は、今までのやり方を踏襲してしまいます。「業者はこういうもんだ」とか「機械は自分で直すもんだ」とか。疑ってみてもいいと思います。
久松達央さん
久松達央さん

直販で売上をのばすためには連携も

森田さんは、自分たちにしかできないことを極めたいとも考えています。そのため、一般的な野菜は委託販売することも視野に入れています。
一般野菜は外から買って委託販売するのはいいかもしれませんね。直販のやり方で、売上を伸ばして行くには、誰かと連携することは必須になると思います。地区を限定しなくても、仲間と横連携していってもいいのではないでしょうか。売上を上げようとする場合に、何でも自前で作ろうとすることがネックになることはあります。多品目でそれをするには、それぞれの品目で栽培技術を追求していく必要があるけれど、なんでもかんでも自分でやるよりできている人から買うほうが合理的なケースも出てきちゃいます。売上を目標にすると、そこも考えないといけない。
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
僕は、マルシェも出たいけれど、人のつながりで仕事の依頼をもらって「ありがとう」が好きなんです。全体をコントロールするのも好きです。
オーガナイザータイプ!自前だと利益率は高いけれど、お客さんつかむのうまい人だから、ほか人のものも売っていくと売上は伸びると思いますよ。
久松達央さん
久松達央さん

直接販売で売上を増やす|自前で売るための戦略は

マルシェ森田農園
撮影:紀平真理子
森田農園は、祖父母の代から多品目栽培で直販もしていました。森田さんも自分で価格を決められる「自前で売る」ことにさらに注力したいと考えています。そのためにどこに注力するのか、何に投資をするのかについて久松さんとの議論が続きます。


多品目・直販の系譜

森田農園では、祖父母の代から市場だけではなくスーパーマーケットへも出荷していました。それは、当時ではめずらしかったと言います。
森田昌さん
森田昌さん
おじいちゃんとおばあちゃんは、元々は、花とキュウリを栽培していましたが、花をやめたタイミングでほかの野菜も作り始めて、多品目栽培となり、スーパーマーケットへの出荷もはじめました。
モダン!直販の走りじゃないですか!おじいちゃんたちがやっていたことを受け継いだんですね。
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
そうです、多品目しか見たことがないんです。

マルシェに特化したい

森田農園サラダ
撮影:紀平真理子
森田農園の販売先の割合は、売上ベースだとマルシェ4割、卸売3割、直売所やスーパーマーケットへの委託販売が3割程度です。森田さんは、今後は価格が自分で決められるマルシェなどの「自前で売る」に特化したいきたいと話します。また、昨年からはじめた焼き芋事業を発展させて本格的にキッチンカーでの焼き芋や焼き栗販売もしていきたいと考えているそうです。
森田昌さん
森田昌さん
マルシェには、いろいろな人が来ます。ご高齢の人は野菜の消費量が多いし、変わった野菜でも説明すれば買ってくれます。若い人は少量なので、使い切れるように、全体的に小ぶりな野菜を密集して作っています。
マルシェに出ているのは森田さんですか?
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
自分半分、スタッフ半分です。いい売場を作り上げてきたので、今は誰が行っても売上は変わらないです。いいスタッフばかりですし、スタッフには野菜を食べてもらって味の表現を磨いてもらったり、POPを作り込んで持って行ってもらったりしています。

高単価で販売したい場合は何に注力するのか

5,000万円になったときの売上比率はどんなイメージですか。
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
野菜の生産・販売で2,000万円はいきたいです。始めたばかりですが、焼き芋、焼き栗、貸し農園事業で2,000万円、残りは委託などでいけそうです。
今の1,500万円の売上はほぼ野菜?そうであれば、野菜の売上は極端な飛躍ではないんですね。
久松達央さん
久松達央さん
森田昌さん
森田昌さん
そうです。毎年300万円くらいずつ売上が上がっています。焼き芋の売り先もいろいろと開拓できそうです。
それならば、借りている畑でどーんと大きくやるタイプと、家の前の畑でかなり手をいれる作目にわけちゃってもいいかも。野菜生産以外で売上が作れるのであれば、いまのやり方の延長線上で考えていくのも手かもしれませんね。
久松達央さん
久松達央さん

自前のキュアリング設備で焼き芋事業へ

森田さんは、マルシェなどで焼き芋を焼いて、野菜と一緒に販売しています。焼き芋事業を拡大させるべく、補助金なども活用し、さまざまな投資を行いました。

森田さんが焼き芋事業のために新たに準備したもの
・貯蔵庫2つ:もともとあった花の予冷庫を稼働させた。一年中販売が可能に。
・簡易的なキュアリング倉庫1つ:自前で作製。キュアリング処理により、常温保存ができ、冷蔵庫であれば初夏まで保存できる。
・高畝形成機:サツマイモの生産用
・芋掘り機:里芋、ジャガイモなどほかの作目にも使用できる

キュレーションさつまいも
撮影:紀平真理子(キュアリング倉庫)
森田昌さん
森田昌さん
焼き芋の生産・販売を伸ばしたいので、貯蔵設備に投資しました。また、高畝を形成する機械とマルチごと掘れる芋掘り機も購入しました。里芋やジャガイモにも使えるので汎用性が高いです。
かしこい!その芋掘り機は、夏野菜の残さも樹を切ってからマルチごとガーッとすき込めるので、サブソイラーのようなこともできます。これを使えば、大きいトラクターはいらないですね。
久松達央さん
久松達央さん

直販についての記事はこちら

久松さんから見た森田さんは?

森田農園
撮影:紀平真理子
最後に、久松さんに森田農園の森田昌さんを訪問した感想を聞いてみました。
森田さんが今のままでよければ、何も問題はないのですが、彼は大きなものを見ているからこそ今を頑張れているのだろうし、現状維持の人ではないと思います。4年間は頑張ればできちゃっていたのでしょうが、本当に5,000万円にこだわるのなら、詳細な計画と投資は避けられません。森田さんは、方向性さえ定まれば、能力的にもネットワーク的にもやりたいことを実現できる人だと思います。大きな絵を描いて、大きな方向性を定めて、大きな整理ができて、本人の中で納得ができれば、どんなことでもできるし、やれることとやれないことの切り分けもできる人。応援したい!ビッグになって!やれるだけやっちゃいなよ!
久松達央さん
久松達央さん

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紀平 真理子
紀平 真理子

オランダ大学院にて、開発学(農村部におけるイノベーション・コミュニケーション専攻)修士卒業。農業・食コミュニケーターとして、農業関連事業サポートやイベントコーディネートなどを行うmaru communicate代表。 食の6次産業化プロデュ ーサーレベル3認定。日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。 農業専門誌など、他メディアでも執筆中。

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