葉面散布剤とは
葉面散布剤とは、葉や茎、果実からも養分を吸収する植物の性質を利用した、植物体に直接散布するために開発された肥料です。葉面散布剤には、窒素・リン酸・カリウムなどの主要な養分のほか、鉄や銅、亜鉛、マンガンなどの微量要素や、アミノ酸などの有機質成分を補給するものがあります。
夏野菜の障害予防には、葉面散布剤がおすすめ
葉面散布剤は、「効かせたい部分に」直接散布し、「すぐに効かせる」ことができます。根から肥料を吸収させていては間に合わない障害の予防に効き目があります。
暑い時期に水分が不足してしまい、肥料分が根から吸えなくなってしまった場合にも、葉面散布で直接肥料を施すことができるので効果的です。
葉面散布剤は一度きりでなく定期的に散布する
葉面散布剤は即効性であり、効果は一時的です。より効果を得られるように、定期的に散布する必要があります。また葉面散布剤はほとんどの場合部分的に効かせるものなので、株全体に効かせたい場合には、根から施す粒状肥料や液体肥料をおすすめします。
障害が出てからでは遅い!予防が大切
障害が出ている植物の症状を治すことは、葉面散布剤ではできません。症状がすでに出てしまっている場合は、次に出てくる葉や果実の症状を緩和する目的で、葉面散布剤を使用します。
葉面散布剤は、障害が出ないように、気温が高くなり始める時期から予防的に散布することをおすすめします。
夏に起こりやすい野菜の障害と対策①高温障害
暑い夏の時期に、野菜の調子が悪くなる場合は以下のような対処法が考えられます。高温障害の症状
春から夏の日差しが強い時期に「葉の表面が褐色になる」「果実の表面が茶色くなり硬くなる」「株が萎(しお)れる」などの症状が現れます。葉の症状
葉の表面が焼けたように色が抜け、光合成能力を失ってしまいます。チップバーンと呼ばれる、葉先の縮れなども発生します。花の症状
高温の時期に開花すると、花粉が出ない、着果しない、花が落ちるなどの症状が出ます。果実の症状
果実の表面が日焼けにより色が抜けたり、高温によって軟化したりし、収穫・出荷できない状態になります。またトマトでは、果実の先端が茶色く変色して硬化する尻腐れが発生します。
▼高温障害について詳しくはこちらをご覧ください。
高温障害予防におすすめの葉面散布剤
チップバーンや尻腐れといった高温障害を予防するためにおすすめの葉面散布剤を紹介します。カルシウムを葉から吸収
チップバーンは、葉先や芽先までカルシウムが行き渡らないことが原因です。葉のカルシウムが不足することで起こるため、カルシウムの葉面散布が効果的です。ファイトカル
有機酸とトレハロースのWキレートカルシウムが浸透剤の力により葉からすばやく吸収され植物体のスミズミまで移動します。
[トマト・ピーマン]尻腐れ防止に
[イチゴ]チップバーン、軟弱果防止に
[葉菜類]縁枯れ・葉先枯れ防止に、葉ボケ防止に
[植物全般]濡れ性(保湿性の向上に)高温や低温、乾燥時の花芽保護に
使い方:1,000倍に希釈して葉面散布します。 育苗期からの定期使用(7〜10日おき) がおすすめです。
使用上の注意:浸透剤加用で薬害発生の恐れのある農薬(アゾキシストロビン剤、クレソキシムメチル剤、フルジオキソニル剤等)、無機銅剤、ホルモン剤、液肥類との混用は避けてください。
・内容量:1L
・有効成分:硝酸性窒素5%、有機キレートカルシウム10.5%(CaOとして)、保湿浸透剤トレハロース
[トマト・ピーマン]尻腐れ防止に
[イチゴ]チップバーン、軟弱果防止に
[葉菜類]縁枯れ・葉先枯れ防止に、葉ボケ防止に
[植物全般]濡れ性(保湿性の向上に)高温や低温、乾燥時の花芽保護に
使い方:1,000倍に希釈して葉面散布します。 育苗期からの定期使用(7〜10日おき) がおすすめです。
使用上の注意:浸透剤加用で薬害発生の恐れのある農薬(アゾキシストロビン剤、クレソキシムメチル剤、フルジオキソニル剤等)、無機銅剤、ホルモン剤、液肥類との混用は避けてください。
・内容量:1L
・有効成分:硝酸性窒素5%、有機キレートカルシウム10.5%(CaOとして)、保湿浸透剤トレハロース
カルシウム補給で尻腐れ予防
トマトの尻腐れは、カルシウムの不足が原因すです。スプレーを着果時からかけることで予防できます。▼カルシウム欠乏症について詳しくはこちらをご覧ください。
夏に起こりやすい野菜の障害と対策②成り疲れ
野菜がたわわに実った後に、植物が疲れて元気を無くしてしまうことを「成り疲れ」といいます。成り疲れの症状
夏野菜では、初夏から果実がよく実った後の盛夏期に度々発生します。トマトの成り疲れの症状
芽先が細く、花の数が少なくなり、着果数も減少します。葉は薄い緑色に変色することもあります。キュウリの成り疲れの症状
芽先が細く、花の数が少なくなり、着果数も減少します。実は小さく、曲がり果が増加します。ナスの成り疲れの症状
芽先が細く、花の数が少なくなり、着果数も減少します。果実表面のつやが悪くなるボケナスと呼ばれる実が増加します。成り過ぎさせないのも大切
成り疲れは、下段から大量に実を成らせることも原因です。樹勢の弱いはじめのうちは、摘果を行い無理に果実を成らせず樹に負担をかけないようにしましょう。
成り疲れ予防におすすめの葉面散布剤
成り疲れの原因は、窒素など元肥を使い果たすことのほか、果実の肥大に必要なリン酸や、マグネシウムなどの微量要素が不足するためです。予防には、微量要素を含む即効性の葉面散布剤がおすすめです。亜リン酸とマグネシウムで養分補給
果実の肥大に必要なリン酸と、葉に必要なマグネシウムで栽培中後期の成り疲れを予防します。ホスマグ
浸透力の高い亜リン酸とマグネシウムを主成分とした液体肥料です。
マグネシウム欠乏症対策や、カリウム過剰になった植物のバランス調整に効果があります。
特に葉色に関わる問題、栽培中期以降の下葉の黄化や葉先枯れなどを軽減する働きがあります。
使い方 :1,000倍希釈での葉面散布がおすすめです(7〜10日間隔)。
使用上の注意:酸性肥料のため石灰、アルカリ系資材/薬品(石灰硫黄合剤、銅剤)との混用はできません。また高濃度で散布する場合や高温時の使用では薬害に注意する必要があります。
・内容量:1.15kg (1L)
・肥料成分:窒素:1、リン酸:7、カリウム:0、マグネシウム:5
マグネシウム欠乏症対策や、カリウム過剰になった植物のバランス調整に効果があります。
特に葉色に関わる問題、栽培中期以降の下葉の黄化や葉先枯れなどを軽減する働きがあります。
使い方 :1,000倍希釈での葉面散布がおすすめです(7〜10日間隔)。
使用上の注意:酸性肥料のため石灰、アルカリ系資材/薬品(石灰硫黄合剤、銅剤)との混用はできません。また高濃度で散布する場合や高温時の使用では薬害に注意する必要があります。
・内容量:1.15kg (1L)
・肥料成分:窒素:1、リン酸:7、カリウム:0、マグネシウム:5
アミノ酸・核酸で元気を取り戻す
アミノ酸が、植物の生理作用を助け生育を促進します。樹の勢いを取り戻したい時に。アミノメリット青
吸収しやすいアミノ酸がたっぷり入っているので、作物の生理作用を助け生育を促進します。
肥効の高いポリリン酸、アミノ酸が、天候不良時や低温などでも活力を高めます。 微量要素により健全な生育(光沢と厚みのある葉をつくり)、光合成を助けます。 pHが中性で安心して使用できます。 生育に合わせて処方を使い分けられます。
使い方:果菜類の成り疲れ防止に、500倍希釈で葉面散布
・内容量:1kg
・肥料成分 :窒素:7%、りん酸:4%、加里:3%、マンガン:0.1% 、ほう素:0.05%、鉄:0.08%、銅:0.02%、亜鉛:0.05% 、モリブデン:0.01% (アミノ酸、有機酸、糖 他)
肥効の高いポリリン酸、アミノ酸が、天候不良時や低温などでも活力を高めます。 微量要素により健全な生育(光沢と厚みのある葉をつくり)、光合成を助けます。 pHが中性で安心して使用できます。 生育に合わせて処方を使い分けられます。
使い方:果菜類の成り疲れ防止に、500倍希釈で葉面散布
・内容量:1kg
・肥料成分 :窒素:7%、りん酸:4%、加里:3%、マンガン:0.1% 、ほう素:0.05%、鉄:0.08%、銅:0.02%、亜鉛:0.05% 、モリブデン:0.01% (アミノ酸、有機酸、糖 他)