ICM(総合的作物管理)とは
植物だっていろんなストレスから逃れたい
ここで出てくる!バイオスティミュラント
微生物製剤は二分されています。納豆菌の一種であるバチルス菌などを活用したボトキラーや、ボーベリア・バシアーナ(昆虫病原性糸状菌の一種)のように農薬登録され、効果をうたえる製品があります。
一方で、バイオスティミュラントと呼ばれるものは、いわゆる植物活性材ですが、農薬と肥料の間を埋める新しいポジションとして、はっきりとは効果をうたっていない製品です。そして、そのような製品は玉石混淆で、天然のものであっても、抽出成分の「何が」「どのように」植物に作用しているのかがわかっていないものも多々あります。
この現状に危惧したアメリカやヨーロッパでは、バイオスティミュラント協議会が設立され、バイオスティミュラント製品をきちんと管理し、体系化を図ることにしました。日本でも、2018年に日本バイオスティミュラント協議会が設立されました。
科学と未科学の間で揺れる気持ち
バイオスティミュラントについては、現段階では科学的に証明されているとは言いきれません。しかし現在、世界中でこれをいかに科学的に証明するか、また栽培体系化していくかという方向性で進んでいるように感じますので、“きちんとした”バイオスティミュラントについては今後も注目していきたいです。
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毎週水曜日更新おしゃれじゃないサステナブル日記
紀平真理子(きひらまりこ)プロフィール
1985年生まれ。大学ではスペイン・ラテンアメリカ哲学を専攻し、卒業後はコンタクトレンズメーカーにて国内、海外営業に携わる。2011年にオランダ アムステルダムに移住したことをきっかけに、農業界に足を踏み入れる。2013年より雑誌『農業経営者』、ジャガイモ専門誌『ポテカル』にて執筆を開始。『AGRI FACT』編集。取材活動と並行してオランダの大学院にて農村開発(農村部におけるコミュニケーション・イノベーション)を専攻し、修士号取得。2016年に帰国したのち、静岡県浜松市を拠点にmaru communicateを立ち上げ、農業・食コミュニケーターとして、農業関連事業サポートなどを行う。食の6次産業化プロデュ ーサーレベル3認定。日本政策金融公庫 農業経営アドバイザー試験合格。著書『FOOD&BABY世界の赤ちゃんとたべもの』
趣味は大相撲観戦と音楽。行ってみたい国はアルゼンチン、ブータン、ルワンダ、南アフリカ。
ウェブサイト:maru communicate