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冬の野菜栽培に必要な作業|土づくり・防寒対策など
冬は、肥料の効き目が鈍ります。また、寒いから活動しないと思いがちな鳥や害虫も、大事に育てている野菜を食べに来ます。土づくりのタイミングや肥料、鳥害、防寒対策など、冬の野菜栽培に必要なメンテナンスについて解説します。土づくり|肥料投入は早めの3週間前に
10月以降、気温が低下してくると、肥料の分解が遅くなり効き目も鈍ります。元肥の投入は、種まきや植え付けの3週間前に実施しましょう。夏野菜の栽培で肥料がまだ効いている場所なら、あえて元肥をせずに栽培してみましょう。元肥が遅れたら!
大根やカブなどの根菜類は、元肥がないと育ちが悪くなる可能性があります。元肥が遅れた場合は、比較的寒さに強い葉物を育ててみましょう。おすすめは、小松菜、ほうれんそう、チンゲンサイです。
黒マルチシート|地温を上げよう
黒マルチシートを張ると地温が上がるので、種の発芽や生育などに良い効果が出ます。シワがないように、ぴったりと土の上にマルチシートを張るのがポイントです!マルチシートについて、しっかり知ろう
肥料|即効性なら液肥が万能
土づくりが遅れてしまった場合は、追肥をしましょう。固形肥料の場合、効き目が出るまでに時間がかかるので、生育の悪さが気になるようなら、効果が早く出やすい液肥を使用してみましょう。液肥の効果について
害虫・害鳥対策|ネットで野菜をガード!
鳥や虫の餌が少なくなる12~2月ごろになると、菜園や畑の野菜が狙われます。特に雪が降った後は地面が雪で覆われてしまうので、被害がわかりにくく手遅れになることも。防虫ネットや防鳥ネットを使って、しっかり野菜を守りましょう。防鳥ネットや防虫ネットの具体的な張り方
防寒対策|ビニールトンネルを作る
気温が10℃を下回ったら、園芸用ビニールを使用してトンネルを作り、防寒対策をしましょう。防虫ネットの上からで大丈夫です。ただし、気温が15℃以上になると、ビニール内が必要以上に高温になり蒸れてしまいます。気温の上昇とともに外しましょう。ビニールトンネルについての張り方など、詳しくはこちら!
冬だからこそ土壌改善!寒起こしのやり方とは?
霜が降りる12~2月ごろに、何も栽培していない畑で行う土壌の改良作業を「寒起こし」といいます。地中の部分を掘り起こして冷気にあてることで、病害虫を死滅させる効果が期待できます。また土が凍結と解凍を繰り返すことで、土の中に隙間ができて野菜作りに適した団粒構造の土壌になります。ここでは、冬に行いたい寒起こしのポイントを解説します。
どんな畑に寒起こしが必要か?
効果が大きく出るのが、スコップが入りにくい土質が固く締まった土壌。寒起こしをすると、春にはサラサラの土質になり、根張りが良くなります。また、害虫が多い場所や雑草の生育が盛んな場所にも効果あり!実施時期
12~2月が適期です。寒冷地帯では12月から開始しましょう。作業手順
Step1. 1平方メートルあたり、1リットルの米ぬかをまんべんなく散布します。米ぬかは微生物のエサになり、養分の多いふかふかの土になるため、あれば使いましょう。Step2. スコップを使い、30cmくらいの深さから、てこの原理で土を地表に裏返しにするように掘り起こし、表面積を広げます。土の塊は、崩さないようにそのままにしておきましょう。
Step3. 約1カ月、寒さにさらします。
プランター栽培の冬対策
比較的環境の良い場所でするプランター栽培でも、冬の防寒対策やメンテナンスをすると、より植物の生長が良くなります。何も育てていない場合も、プランターに入ったままの土を春に向けて良い土にする方法もありますよ!プランターにカバーをしよう!
寒さに強い野菜でも、霜が降りると葉を傷める可能性があります。日中が10℃以下の日が続くようなら、プランター全体を園芸用ビニールなどで覆って保温します。市販の霜除カバーなどを使いましょう。室内に移動しよう!
プランターを寒くなり過ぎない室内に移動すれば、防寒対策は必要ありません。日中の日当たりが良いときは外で、寒くなる夕方から夜だけ室内にと、移動するのもいい方法です。ただし、室内でも窓際は寒くなる場合もあるので注意しましょう。土をクリーニングしよう
冬の間、プランターで野菜を育てないなら、プランターの中の土をクリーニングしておきましょう!病害虫を除去し、土を元気にしておくことで、春から栽培する植物がより元気に育つようになりますよ。Step1. ふるいを使って、土の中の根や害虫を取り除きます。
Step2. 不織布やビニールシートの上に土を広げて、熱湯をかけます。
Step3. 屋外に置いて霜と寒さにさらします。2~3週間に1度かき混ぜると、病害虫を死滅させることができます。2カ月間は冷気にあてましょう。