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菜園家・ブルーベリー研究家
福田 俊東京農工大学農学部農学科卒。「どうすればおいしい野菜がたくさん採れるか」「いかにラクで楽しい野菜づくりができるか」を追求し、「フクダ流」自然農的有機栽培を実践。16平米という限られたスペースの市民農園で、年間50品目以上の野菜を有機・無農薬で栽培しています。監修を務めた家庭菜園誌や著書も多数。 ■関連サイト HP:http://www.fukuberry.com/ Youtube:https://www.youtube.com/user/f104ryo Instagram:https://www.instagram.com/fukuberry104/?hl=ja Twitter:https://twitter.com/29da104 facebook:https://www.facebook.com/toshi.fukuda.73 ■著書:『市民農園1区画で年間50品目の野菜を育てる本』(学研プラス)、『フクダ流家庭菜園術』(誠文堂新光社)、『福田さんのラクラク大収穫!野菜づくり』(学研パブリッシング)…続きを読む
ブルーベリーの基本的な収穫時期
6〜9月頃に収穫期を迎えるブルーベリー。現在国内では「ノーザンハイブッシュ」、「サザンハイブッシュ」、「ラビットアイ」の3系統が栽培されており、系統によって熟す順番が異なります。シーズン前半に熟期を迎えるのがノーザンハイブッシュとサザンハイブッシュ、後半がラビットアイです。さらに、同じ系統の中でも実がなるまでの早さによって早生(わせ)と晩生(おくて)の品種に大きく分けられます。より細かく分類すると極早生や中生、極晩生などもあり、それらをうまく組み合わせて栽培すれば3カ月近くもの長期にわたってブルーベリーの収穫が楽しめますよ。
ノーザンハイブッシュ系
早生品種の収穫時期:6月頃
代表的な品種:アーリーブルー、デューク、ウェイマウス、スパルタンなど
晩生品種の収穫時期:7月頃
代表的な品種:レイトブルー、レガシー、チャンドラーなど
サザンハイブッシュ系
早生品種の収穫時期:6月頃
代表的な品種:スター、オニール、シャープブルーなど
晩生品種の収穫時期:7月頃
代表的な品種:サミット、オザークブルーなど
ラビットアイ系
早生品種の収穫時期:7月
代表的な品種:ブライトウェル、ウッダード、ブルーベルなど
晩生品種の収穫時期:8月
代表的な品種:デライト、パウダーブルー、フクベリーなど
フクベリー挿木苗 4号ロングポット入り
福田先生が育成した超晩生品種。ラビットアイの中では果皮が薄くて食感が良く、日持ちにも優れます。
樹高 | 約30〜50cm |
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ブルーベリーの品種については、こちらの記事で詳しく紹介しています。「収穫できない」「枯れてしまう!」という場合は、そもそも品種選びに問題があるのかも?品種系統ごとに好む気候が違うので、そこを見直せば成功するかもしれませんよ。
ブルーベリーの品種選びについてはこちら
ブルーベリーの育て方はこちら
ベストなタイミングは?ブルーベリー収穫の目安
ブルーベリーは同じ房についていても粒ごとに成熟度が異なります。そのため、房ごと収穫するのではなく、熟した実を選んで摘み取っていくのが一般的です。また、ブルーベリーは樹上で完熟する性質があり、一度摘み取ってしまうとそれ以上は熟すことがありません。収穫したうちの1粒を食べてみて「まだ酸っぱいから残りは甘くなるまで待とう!」ということができないのです。さらに青く色づいているのに完熟していないこともしばしば…。
そのため、収穫時点での完熟の見極めがとても大切です!ここではブルーベリーを収穫するベストなタイミングや、食べ頃を判断する方法を紹介します。
軸の付け根と果実の裏側まで色づいたら完熟のサイン
ブルーベリーの品種の多くは、完熟すると少し触るだけでぽろっと自然に取れるようになります。引っ張らないと取れないものは未成熟の可能性が大。もう少し色づくのを待ちましょう。成熟が進むと軸の付け根が緑から青に変わります。そして果実の裏側までしっかり青く色づいていれば完熟と判断してOKです。ブルーベリーの成熟過程を色づきの変化で紹介
初心者だとどれくらい色づいたら完熟といえるのか判断が難しいので、成熟に伴う果実の色の変化を見てみましょう。上の画像は色づき始めてから完熟するまでの果実を左から右に向かって順番に並べたもの。左側の未成熟な果実は赤紫がかっていますが、熟すにつれて濃い青色に変わっていきます。一番右はおしり側の中心部分までしっかり青く色づいているのがわかりますね。ここまで来たら収穫のタイミングです。ブルーベリーの収穫できる量
ブルーベリーは樹齢3年くらいまでは木を十分に生長させるため、あえて結実させないように育てるのが一般的です。早くから結実させると樹勢が弱り、木が生長しないので収穫量も少なくなってしまいます。安定的に果実の収穫が可能になるのは定植3年目以降の苗木。ラビットアイ系はハイブッシュ系に比べると収穫量が約倍になり、1本あたりの収穫量の目安は3年目のラビットアイで0.3kg程度、ハイブッシュで0.1kg程度です。
そこから徐々に収量が増え、成木となる5〜6年目くらいに収穫量のピークを迎えます。
ブルーベリーの収穫で役立つ道具
ブルーベリーは手で摘み取る方法が主流ですが、一粒ずつ手作業で収穫するのは大変なので、ベリーピッカーという収穫機を使って作業することもできます。これは先端がコームのような形状をしているプラスチック製の道具で、枝や葉を傷つけることなく果実だけを簡単かつ効率的に収穫できる優れもの。北欧ではベリーの収穫に欠かせないアイテムとして普及しており、日本でもAmazonなどのネット通販で入手できます。ただ、未熟な実も一緒に摘み取られてしまう欠点があり、日本ではあまり使用されていないようです。
ベリーピッカー
鋭い枝から手指を保護し、葉をちぎらずに果実だけを積み取ります。ブルーベリー以外のさまざまなベリー類にも対応。
横幅 | 13.5cm |
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長さ | 22.5cm |
ブルーベリーの収穫方法
鮮度を保つための注意点などブルーベリーの基本的な収穫方法を紹介します。- 果軸の付け根と果実のおしり側の中心が青く色づいていることを確認する
- ブルーム(粒の表面の白い粉)を擦ったり果実を潰したりしないよう注意しながらそっと摘み取る
ポイント:親指で弾くようにしながら取れた果実を掌の上にためていくと早く収穫できます