保存に適した冬瓜の下ごしらえとカットの方法
冬瓜なのに夏野菜?! 名前の由来を知っておこう
冬瓜という名前から「冬の野菜じゃないの?」と思った人もいるかもしれませんが、冬瓜は一般的に6~9月ごろに旬を迎える夏野菜です。名前の由来については諸説ありますが、一説には「丸ごと保存すれば冬まで日持ちする」という性質からこの名前が付いたとされています。大きな冬瓜を目の前にして、「扱い方がわからず困ってしまった」という経験をお持ちの人もいるかもしれません。冬瓜は大きなものだと重さ3~5kg、「姫冬瓜」や「小冬瓜」など小ぶりの品種でも1~2kgあります。
冬瓜を保存する前に下処理を
保存をする前には、適切に下ごしらえやカットをすることが大切です。下ごしらえを行った後、冷蔵や冷凍、乾燥などの保存方法に合わせて適度な大きさに切り分けます。<下ごしらえの手順>
1. 横に寝かせて半分にカットした後、縦半分に切り分ける。1/16~1/8サイズなどの扱いやすい大きさになるまでカットする。
2. 固いヘタの部分を切り落とし、内側のワタと種を取り、皮を剥く。
下ごしらえのポイント
・ワタと種を取る際は、スープンでくり抜くか、包丁でなぞるように切ります。皮は、冬瓜を横に寝かせて包丁で切るか、ピーラーなどを使います。滑りやすいので、手を切らないように気を付けましょう。・煮物やスープなどに使う場合は、薄く皮を剥いておくと煮崩れを防げます。きんぴらに使う場合は、皮が付いたままでも大丈夫です。
冬瓜のわたや種、皮の食べ方はこちら
冬瓜のわたや種、皮にも栄養が含まれており、おいしく食べられます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。冬瓜の保存の仕方|常温・冷蔵・冷凍・乾燥させる方法について知ろう
冬瓜の主な保存方法としては、常温や冷蔵、冷凍、乾燥させて保存する方法があります。冬瓜の量や保存したい期間によって、使い分けるようにしましょう。ちなみに我が家では、冬瓜を丸ごと1個入手したときはできるだけ早めに、半分は煮物や浅漬けなどの料理に使用し、1/4個はラップをして冷蔵保存、残りの1/4個は厚めにカットして冷凍保存することが多いです。1.丸ごと常温保存
冬瓜を丸ごと常温保存する際は、新聞紙で冬瓜を包み、直射日光を避けて涼しい場所で保管します。新聞紙で包むことによって、乾燥を防ぎおいしさを保てます。冬瓜が大量にある場合や長期保存したい場合などはこの方法が簡単でおすすめです。丸ごと常温保存すれば長期間日持ちするとされていますが、1~2カ月を目安にできるだけ早めに食べ切るようにしましょう。保存状態が悪いと、実が柔らかくなってしまったり変色したりする可能性もあります。長期保存後に異変を感じたら、食べずに処分するようにしてください。
2.冷蔵庫で保存
1/2、1/4サイズなどにカット済みの冬瓜の場合は、冷蔵庫で保存するようにしましょう。冬瓜の下ごしらえをした後、切り口をラップで包んで冷蔵庫に入れます。冬瓜は切り口から傷みやすい野菜ですが、ラップで包んで空気に触れないようにすることで鮮度を保てます。冬瓜はカットしなければ保存性に優れていますが、カットした後は傷むのが早いです。冷蔵で保存する場合は、2~3日間を目安に食べ切るようにしてください。3.冷凍保存
すぐに食べ切れないときは、冷凍保存しましょう。冬瓜の下ごしらえをした後、食べやすい大きさに切ってジッパー付きの保存袋などに入れます。袋内の空気を抜き冬瓜同士が重ならないようにして、冷凍庫に入れます。冷凍した際の保存期間の目安は、1カ月程度です。冷凍した冬瓜を使ったレシピ|煮物やスープがおすすめ!
冷凍した冬瓜で料理を作りたいときは、解凍しないでそのまま使用します。冬瓜を解凍すると水分が出て食感も変わってしまうため、生のまま食べるサラダや浅漬けなどには向きません。凍った状態の冬瓜を、煮物やスープなどにそのまま加えて調理するようにしましょう。冷凍した冬瓜を使った煮物の簡単レシピ
家庭に常備していることの多いツナ缶と組み合わせるのがおすすめです。鍋に冬瓜と調味料、ひたひたになる位の水分を加えて、強火で加熱し、沸騰したらツナ缶を加えて冬瓜が柔らかくなるまで弱火で煮ます。分量の目安は、2~3人分につき、冬瓜300g、ツナ缶1個、酒大さじ1、しょうゆ大さじ1/2~1です。ツナ缶の塩分によって、しょうゆの分量を調整してください。粗熱を取った後少し冷やしたり、片栗粉でトロミを付けたりしてもおいしいです。4.乾燥させて保存(干し冬瓜)
「少し変わった保存方法を試してみたい」という人は、冬瓜を乾燥させて干し野菜を作ってみてはいかがでしょうか。干すことで水分が抜けてカサが減るため、冬瓜が大量にあるときにもぴったりの保存方法です。少し手間がかかりますが、いつもとは違った味わいが楽しめます。干し冬瓜の作り方
冬瓜の下ごしらえをした後、厚みや長さをそろえてカットします。ザルなどに重ならないように並べて、カラカラに乾燥するまで天日で干します。乾燥するまでにかかる時間は、その時の天候や冬瓜の切り方によって異なりますが、目安は数日間~1週間程度です。完成した干し冬瓜は、清潔な保存容器に入れて、湿気に気を付けて保管します。一般的に干し野菜は、涼しい風が吹き空気が乾燥し始める秋以降が失敗しにくいとされています。夏場の干し野菜づくりでは、雨が続くなど湿度が高いと、上手に乾燥できずにカビが生えてしまう場合もあります。冬瓜が早く乾くように薄めにカット(厚さ0.5cm程度)したり、できるだけ風通しのよい場所においたりするなど工夫しましょう。
干し冬瓜の活用法は?
干し冬瓜は、切り干し大根を使うのと同じような感覚で、料理に活用できます。さっと洗って水で戻してから、煮物やスープなどに使ってみてくださいね。切り干し大根の作り方や活用法、簡単養生レシピについては、こちらの記事をご覧ください。
番外編:冬瓜を浅漬けにして保存
冬瓜を味付けしないで素材のまま保存する方法としては常温・冷蔵・冷凍・乾燥という4種類がありますが、「番外編」として私が気に入っている保存方法を紹介します。それは浅漬けです。ポリポリとした食感が楽しく、サラダ感覚で気軽に食べられます。冬瓜の浅漬けの作り方
冬瓜の下ごしらえをした後、味が染み込みやすいように薄くスライスして、塩こうじ(塩で代用してもOK)を加えてもみこみます。30分~2時間程度待って味がなじめば、できあがり。分量の目安は、冬瓜300gに対して塩こうじ大さじ1程度(または塩小さじ1)です。お好みで、塩昆布や唐辛子などを加えてもおいしいです。完成した冬瓜の浅漬けは、数日~5日程度を目安に食べ切ってください。冬瓜は冷蔵保存していても少しずつ鮮度が落ちていくので、早めに調理することが大切です。この浅漬けは火を使わずに簡単にできあがるので、「鮮度が落ちないうちに、何か一品をささっと料理したい!」というときによく作ります。ぜひ試してみてくださいね。