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冬瓜の栄養と効能効果|「おばあちゃんの知恵」に学ぶ、基本の調理法と簡単おいしい養生ごはん【管理栄養士監修】

冬瓜はカロリーが少ない野菜ですが、蒸し暑い夏にぴったりの栄養を含んでいます。今回は、冬瓜の栄養や効果効能とともに、調理法や簡単養生ごはんレシピを紹介します。捨ててしまうことの多い冬瓜の皮や種、わたにも栄養が含まれていますので、おいしい食べ方やレシピについてもお伝えします。


冬瓜

写真提供:養生キッチンふうど
夏に旬を迎える冬瓜(とうがん)は、夏バテ予防にもぴったりの食材です。淡泊な味わいでクセが少ないため、いろいろな料理に使うことができます。その一方で「冬瓜に栄養はあるの?」「冬瓜といえば、煮物やスープしか使い方が分からない」という声も少なくありません。そこで今回は、冬瓜の栄養や効能効果とともに、その調理法や簡単おいしい養生ごはんを紹介します。通常捨ててしまいがちな冬瓜の皮や種、わたの食べ方もお伝えします。

冬瓜の栄養|その効能効果は?

冬瓜
出典:写真AC
冬瓜は水分が約95%を占めており、ほかの野菜と比べて糖質が少なく、100gあたりのカロリーは15kcalです。野菜のなかでもカロリーが低い食材のひとつです。冬瓜の主な栄養としては、体内の余分な塩分を排出する「カリウム」や、皮膚や粘膜を正常に保ち抗酸化作用が期待できる「ビタミンC」、ビタミンB群の一種で造血作用などの働きのある「葉酸」などがあります。

昨今注目を集めている成分としては、脂肪や糖の吸収を抑える働きが期待できる「サポニン」も含まれています。サポニンはコーヒーや抹茶などにも含まれる苦味の成分であり、抗酸化作用や免疫力の向上などが期待されています。
※参考:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「サポニンと効果と摂取量」

体の熱を取り除く作用や利尿作用も

薬膳の考え方では、冬瓜は、体の熱を取り除く作用や利尿作用があるとされています。
※参考:薬膳LAB.「冬瓜」

薬膳料理ではスープの具材として使われることが多く、蒸し暑い夏にはぴったりの野菜といえるでしょう。また、冬瓜の皮の部分は「冬瓜皮(とうがんひ)」、種の部分は「冬瓜子(とうがんし)」として利用されており、冬瓜は「捨てるところがない野菜」といわれています。

冬瓜には体を冷やす性質も。夏の食事に取り入れよう

冬瓜には体を冷やす性質があるため、冷えやすい体質の人は、ショウガやネギなどの香味野菜を加えたり、温かくしたりして食べるようにしましょう。胃腸が弱い人や妊娠中の女性なども、食べ過ぎないように気をつけてください。冬瓜は切らずに丸ごとの状態であれば長期間日持ちしますが、その効能効果を考えると、暑さを感じる時期に食べるのがおすすめです。
※参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020版(八訂)」

冬瓜の生産地では、夏バテ予防にも使われている

冬瓜汁
出典:写真AC
冬瓜の主な産地としては、沖縄県や愛知県などがあります。沖縄県では、水分が多く体の熱を取る働きがあるといわれる冬瓜の特徴をいかして、夏バテ予防にも使われています。豚肉や昆布と一緒に冬瓜を煮込んでスープにしたり、もずくを加えて三杯酢で和えた酢の物などにしたりして食べられています。

日本に古くから伝わる食養生の知恵

また、私の暮らす愛知県には、「冬瓜汁」という郷土料理があります。干しシイタケや鶏肉、油揚げなどだしの出る食材と一緒に、冬瓜を煮込んで作ります。アツアツの状態でも冷やして食べてもおいしいです。香味野菜やとろろ昆布などをトッピングすればまた違った味わいが楽しめるので、たっぷり作って少しずつ楽しむのにも向いています。

ここで紹介した冬瓜を使った郷土料理は、冬瓜の栄養を上手にいかし、夏の暑さを元気に乗り切るために人々に古くから親しまれてきたものです。日本に伝わる食養生の知恵も、ぜひ参考にしたいですね。

定番にしたい、冬瓜の調理法|簡単おいしい養生ごはんレシピ

冬瓜
出典:写真AC
冬瓜は食べやすい大きさに切ったものを調理すれば、すぐに食べることができます。でも「冬瓜特有の青臭さが気になる」「上品な料理に仕上げたい」というときには、「下ゆで」というひと手間を加えることでよりおいしくなります。ただし、ゆでることで栄養が一部流れ出てしまう場合もあります。そのときの必要に応じて、使い分けるといいかもしれません。ここでは、冬瓜の下処理の方法とともに、冬瓜を使った定番料理を紹介します。


冬瓜の下処理方法|下ゆでしておくと、料理に使いやすい!

冬瓜
出典:写真AC
冬瓜を事前にゆでておくと、特有の青臭さが抜けて味が染み込みやすくなります。煮物に使う場合などは、面取りをしておくと味の染み込み方がさらによくなります。

〈下処理の手順〉
1. 冬瓜の種やわたを取り皮をむいた後、食べやすい大きさに切る。
2. 鍋に冬瓜と冬瓜がかぶるくらいの水を入れて、加熱する。沸騰したら弱火にして、冬瓜が透明になり竹串がスッと通るくらいまで8~10分程度煮る。
3. 冬瓜の水気を切り、煮物などの料理に使う。


冬瓜の煮物・スープ

冬瓜の煮物
写真提供:養生キッチンふうど
さっぱりとした味わいの冬瓜は、煮物やスープによく合います。写真は、冬瓜を鶏むね肉や枝豆と組み合わせた煮物です。作り方は、鶏むね肉を蒸して火を通した後、蒸し汁と冬瓜に酒、しょうゆ、ショウガを加えて煮て、仕上げに枝豆を添えます。煮込む際には、冬瓜がひたひたになるように、鶏むね肉の蒸し汁に水を加えて調整してください。

〈分量の目安〉2人分
冬瓜300g、鶏むね肉80g、酒・しょうゆ各大さじ1、ショウガ1片、枝豆10粒程度

今回は鶏むね肉を使いましたが、鶏ひき肉やツナ缶、えびなどと組み合わせるのもおすすめです。冬瓜自体は淡泊な味わいなので、だしの出る食材と組み合わせるのがポイントです。冬瓜のきれいな色を生かしたい場合には、白しょうゆや塩を使うようにしましょう。お好みで、片栗粉やくず粉などでトロミを付けてもおいしいです。

冬瓜入り夏のおでん

冬瓜の夏おでん
写真提供:養生キッチンふうど
おでんといえば冬のイメージが強いですが、だしをきかせて夏の食材で仕込む「夏のおでん」も絶品です。夏にぴったりの具材のひとつが、冬瓜です。おでんの定番の具材・大根を使うイメージで、冬瓜を使ってみましょう。だしがよく染み込んだ冬瓜は格別の味わいがあり、温かい状態はもちろん、少し冷やして食べてもおいしいです。冬瓜は大根に比べて加熱時間が短く、余熱で味が染み込むので、夏の暑さで火を長時間使いたくないときにもおすすめです。

写真の夏のおでんの具材としては、冬瓜のほかに、トマトやトウモロコシ、オクラ、鶏手羽元肉、がんもどきなどを使っています。そのときにある夏野菜をたっぷり使ってくださいね。昆布の効いただしで煮込むことで、うまみがしっかりと味わえます。具材はお好みのものを使い、だしにひたひたに浸かるように調整します。我が家では、毎年夏になるとこのおでんをたっぷり仕込んでいます。

〈だしの分量の目安〉2~3人分
水5カップに対して、昆布(10×20cm)1枚、みりん・しょうゆ各大さじ1.5、自然塩ふたつまみ


冬瓜のエスニックサラダ

冬瓜 サラダ
写真提供:養生キッチンふうど
冬瓜を使った料理には加熱したものが多いですが、実は生でも食べることができます。写真は、スライスした冬瓜とニンジンをエスニック風に味付けしたサラダです。

〈分量の目安〉2人分
冬瓜150g、ニンジン30g、好みのナッツ10~20g、レモン汁(または酢)・すりごま各小さじ1、ナンプラー小さじ1弱、塩ひとつまみ、チリパウダー少々

このほか冬瓜を生で食べる料理としては、冬瓜と塩昆布を和えた浅漬けもおいしいです。冬瓜は体を冷やす性質があるため、冷えやすい体質の人が生で食べる場合には、香味野菜やスパイスなど体を温める食材と組み合わせるようにしましょう。

冬瓜の皮や種、わたも食べられる!簡単おいしい養生ごはんレシピ

冬瓜の皮と種、わた
写真提供:養生キッチンふうど
冬瓜の皮や種、わたは捨ててしまいがちですが、栄養がたっぷりと含まれています。調理法を工夫すれば、こうした部分もおいしく食べることができます。ここでは、冬瓜の皮や種、わたを使ったおすすめの食べ方を紹介します。


冬瓜の皮入り塩きんぴら

冬瓜の皮 きんぴら
写真提供:養生キッチンふうど
硬さのある冬瓜の皮は、きんぴらにすると食べやすくなります。冬瓜の皮を千切りにしたものを使うか、皮付きのまま冬瓜を千切りにしてもおいしいです。写真は、皮付きのまま千切りにした冬瓜とニンジンをごま油で炒めた後、みりん・酒・塩で味付けしたものです。

〈分量の目安〉作りやすい分量
冬瓜300g、ニンジン100g、みりん・酒各大さじ1、ごま油大さじ1/2~1、塩小さじ1/2

冬瓜のきれいな色と風味を生かすため、しょうゆではなく塩でシンプルに仕上げています。

冬瓜の種のいりスナック

冬瓜の種
写真提供:養生キッチンふうど
冬瓜の種は、いりスナックにするのがおすすめです。種を洗って表面が乾くまで半日~数日程度天日干しにした後、香ばしい色が付くまでオーブンでローストするか、フライパンで乾いりします。オーブンでローストする場合の目安の時間は、5分程度です。種の状態やオーブンの性能によっても時間は変化するので、焦げないように様子を見ながら加熱しましょう。ひとつまみの塩を振ってそのまま食べてもおいしいですが、清潔な保存容器に入れて保管し、サラダやスープ、炒めものなどのトッピングに使うのもよく合います。

冬瓜のわたのみそ汁

冬瓜のわた
写真提供:養生キッチンふうど
冬瓜のわたは、スープやみそ汁に使ってみましょう。わたを加熱するとトロリとした独特の食感になります。写真は、冬瓜のわたとしめじ、油揚げを組み合わせたみそ汁です。冬瓜のわたは味にクセがないため、大根や玉ねぎと同じような感覚でみそ汁の具材として使うことができます。

〈分量の目安〉2人分
冬瓜のわた 50g、しめじ1/4株、油揚げ1/2枚、だし汁350cc、みそ大さじ1~1.5


冬瓜を丸ごとおいしく食べて、健やかに過ごそう

冬瓜
出典:写真AC
夏に旬を迎える冬瓜は口当たりがよいだけでなく、カリウムやビタミンC、葉酸、サポニンなどの栄養を含んでおり、蒸し暑い夏にぴったりの効果効能が期待できることがわかりました。また、捨ててしまいがちな皮や種、わたの部分にも栄養があり、調理法を工夫することでおいしく食べることができます。今回紹介したレシピを参考に冬瓜を味わって、健やかに過ごせますように。

冬瓜の栽培方法はこちら

冬瓜は家庭菜園でも手軽に栽培できます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

冬瓜の保存の仕方はこちら

家庭菜園などで冬瓜がたくさん収穫できたときは、適切な方法で保存することが大切です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。


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おばあちゃんの知恵

栄養監修 宮崎奈津季
管理栄養士、薬膳コーディネーター。介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、独立。レシピ開発、商品開発、レシピ本の栄養価計算などの経験あり。現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。

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松橋 佳奈子

早稲田大学を卒業後、企業とNPOにてまちづくりの仕事に10年以上携わる。その間にバックパッカーとして35カ国を訪問・視察し、世界各地の風土と食文化について考察を深める。2014年に薬膳とおばあちゃんの知恵をベースに「養生キッチンふうど」を立ち上げる。現在は愛知県を拠点に、風土食をのこす・つくる・伝える活動をしている。主な資格は、国際薬膳師。

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