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とうもろこしのひげ茶の効能・効果
とうもろこしのひげの正体は?
ひげは、とうもろこしの雌しべです。この長い雌しべは「絹糸(けんし)」とも呼ばれ、とうもろこし1粒から1本ずつ伸びています。つまり、ひげの本数はとうもろこしの実の数と同じです。品種によっても異なりますが、一般的にはとうもろこし1本につき実は600粒程度とされており、ひげの数は約600本ということになります。※参考 JAグループ福岡「トウモロコシのひげは何?」
とうもろこしのひげには栄養たっぷり!
とうもろこしのひげには、実の部分と同様に、カリウムや鉄分、ビタミンB1、ビタミンE、食物繊維などが豊富に含まれています。特に、カリウムはとうもろこしの実よりもひげの部分のほうが含有量が多いとされています。また、生薬名「南蛮毛(なんばんげ)」とも呼ばれ、漢方薬などにも使われています。南蛮毛には、利尿作用や血圧を緩やかにする働きなどが期待できます。「とうもろこしのひげが体に良い」とわかっていても、なかなか上手に使いこなせないという人も少なくないでしょう。そんなときに便利なのが、とうもろこしのひげ茶です。とうもろこしのひげ茶は、香ばしさと甘味があって飲みやすく、その栄養を手軽に摂取することができます。また、ノンカフェインなので、子どもや妊娠中・授乳中の人も安心して飲めるのも魅力のひとつです。
とうもろこしのひげ茶は、生理にも効果が期待できるって本当?
とうもろこしのひげ茶について、「PMS(月経前症候群)」や「生理痛」に効果が期待されるという情報を見かけたことがある人もいるかもしれません。しかし残念ながら、はっきりとした研究結果などは出ていないのが現状です。とうもろこしのひげ茶にはカリウムや鉄分、食物繊維などが豊富に含まれているので、女性が気になる症状を改善してくれる可能性はありますが、くれぐれも過信しないようにしましょう。
韓国で定番の飲み物「コーン茶」とは
コーン茶は、とうもろこしの実を焙煎(ばいせん)したものを煮出して作るお茶のこと。日本の麦茶と同じように、韓国では昔からよく飲まれています。韓国料理店や焼き肉店などで見かけたことのある人もいるでしょう。私もこの風味が好きで時々飲んでいますが、独特の甘味がありどこかホッとする味わいです。一般に出回っているコーン茶の多くはとうもろこしの実を使ったものですが、ひげをブレンドしたものもあります。また、市販品の「とうもろこしのひげ茶」もあります。個人的には、実を使ったコーン茶のほうが飲みやすいですが、効能を意識するならひげが入ったものを選ぶようにするのがおすすめです。気になる人はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
とうもろこしのひげ茶の作り方
ノンカフェインで飲みやすい味わいの、とうもろこしのひげ茶。食事にも合わせやすく、カレーなどスパイスの効いた料理との相性も抜群です。とうもろこしを食べた後は、ひげ茶を手作りしてみてはいかがでしょうか。簡単にできる、とうもろこしのひげ茶の作り方を紹介します。とうもろこしのひげの取り方
とうもろこしのひげを取るのに苦労した経験はありませんか。生の状態のまま取るよりも加熱したほうが、簡単にひげを取ることができます。〈とうもろこしのひげの簡単な取り方〉
1. とうもろこしの外側の皮1~2枚とひげを残した状態で蒸し器に入れて、5~10分程度加熱する。
2. 蒸し器からとうもろこしを取り出す。粗熱が取れたら、手で皮とひげを取る。
※蒸し器がない場合は、鍋で代用できる。鍋底から1cm程度の水を入れて、ふたをしめて加熱する。
とうもろこしのひげ茶を作ってみよう
とうもろこしのひげ茶は、家庭でも簡単に手作りできます。ではさっそく作ってみましょう。〈材料〉作りやすい分量
・とうもろこしのひげ 2本分
作り方
1. とうもろこしのひげは、茶色く汚れた部分を切り落とす。重ならないようにざるなどに並べて、天日で乾燥させる(天候により異なるが、3日~1週間程度)。2.1のひげをキッチンばさみなどで2cm程度に切る。
3.厚手のフライパン(鉄製のものなど)または鍋に2のひげを入れて、焦げないように注意しながら、弱火で香ばしく煎る(ひげの量や使う道具により異なるが、3~5分程度)。
4.3のひげの粗熱が取れたら、清潔な保存容器に入れ、湿気に注意して保存する。
とうもろこしのひげ茶の飲み方
できあがったとうもろこしのひげ茶を味わってみましょう。分量の目安は、乾燥したとうもろこしのひげ5gに対して、水2カップです。作り方は、やかんなどにとうもろこしのひげと水を入れて加熱し、沸騰したら弱火で煮出します。煮出す時間が長いほど濃く抽出できますが、苦味が出てしまう場合があるので注意してください。ちなみに、私は2~3分間煮出してあっさりとした風味を楽しんでいます。好みの味になったら、ひげを茶こしなどでこせばできあがり。温かいのはもちろん、少し冷やしてもおいしくいただけます。やさしい味わいなので、麦茶や番茶などとブレンドするのもよく合います。
とうもろこしのひげのレシピ|簡単おいしい養生ごはん
とうもろこしのひげの活用法は、お茶だけではありません。ひげは味にクセが少ないので、いろいろな料理に使うことができます。ここでは、とうもろこし丸ごとごはん、とうもろこしと冬瓜のスープ、とうもろこしのひげの素揚げを紹介します。加熱することで、ひげの香ばしさや甘さが引き立ち食べやすくなります。ひげ入り!とうもろこし丸ごとごはん
夏に人気の炊き込みごはん「とうもろこしごはん」。我が家では、とうもろこしのひげも芯も丸ごと一緒に使っています。作り方は、研いだお米の上に2つに切ったとうもろこしと酒、塩、水を加えて、いつもと同じように炊きます。炊き上がったら、約1cm幅に刻んだひげを加えて10分程度蒸らします。その後、とうもろこしの実を外して全体をさっくりと混ぜます。分量の目安は、米2合に対してとうもろこし1本、酒大さじ1、塩小さじ1です。とうもろこしと冬瓜(とうがん)のスープ
細長いとうもろこしのひげは、春雨を使うような感覚でスープに加えるのもおすすめです。今回は、薬膳ではひげと同じく利尿作用が期待できる食材「冬瓜(とうがん)」と組み合わせたスープにしてみました。素材の味を引き出すために、塩麴でシンプルに味付けをしています。すりおろした生姜(しょうが)や酒も加えた、体がぽかぽか温まる一品です。分量の目安は、2人分につき塩麹(こうじ)小さじ1~2、生姜1/2片、酒小さじ1です。とうもろこしのひげの素揚げ
とうもろこしのひげを素揚げにすると、パリパリとした食感が楽しい一品になります。写真のようにごはんに添えるほか、いため物や和え物などいろいろな料理のトッピングとして活用できます。ひげをもっと食べたい!そんな時には「ヤングコーン」もおすすめ
一度食べ始めると魅了される人も多い、とうもろこしのひげ。でも、とうもろこし1本から取れるひげの量はそんなに多くありません。そこで、「ひげをもっと食べたい」という時におすすめなのが、ヤングコーンです。写真のように、きれいなひげがたっぷりと付いています。ヤングコーンは、スイートコーンが大きくなる前に収穫したもの。「ベビーコーン」と呼ばれることもあります。ヤングコーンといえば水煮のものをイメージする人もいるかもしれませんが、5~6月の旬の時期には、生のものが店頭に並んでいます。また、家庭菜園であれば栽培の過程で採取することができます。ひげをたっぷり食べたいという人は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、ヤングコーンは内側の柔らかい皮も食べることができます。私のおすすめは、外の皮が付いた状態のまま蒸し焼きにして、内側の皮やひげも丸ごと食べる方法です。ひげのおいしさにきっと驚くはずです!
家庭菜園で手軽にできる!とうもろこしの栽培方法はこちら
とうもろこしの種類もいろいろ!おすすめの品種
とうもろこしのひげを上手に活用して、健やかに暮らそう
つい捨ててしまいがちなとうもろこしのひげには、むくみ予防など女性にうれしい効能が期待されていることがわかりました。昨今人気の「とうもろこしのひげ茶」は、簡単に手作りすることができます。家庭菜園などでとうもろこしがたくさん収穫できた時などは、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。また、とうもろこしのひげは、炊き込みごはんやスープなどの料理にも活用できます。今回紹介したレシピを参考に、いろいろな料理を作って味わってみてくださいね。とうもろこしのひげを上手に活用して、健やかに過ごせますように。