グローバル GAPを解説!JGAPとの違いや審査基準、必要な費用は?

持続的な生産活動を実践している優良企業であることを国際的に証明できる基準がグローバルGAPです。農産物の輸出を考えているのなら、ぜひ取得しておきたい認証です。ここでは、グローバルGAPとは何か、そして認証取得のメリットや支援策について詳しく解説します。


自然

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安全な環境で作物を生産し、消費者が安心できるものを提供する。当たり前のようで難しいこの一連の取り組みを実践していきたいのなら、GAP(農業生産工程管理)の指針をもとに経営を進めてみませんか?GAPにはいくつかの種類があり、その中の一つグローバルGAPの認証を取得することで、農家は持続的な生産活動を実践している優良企業であることを国際的に証明する基準となります。

ここでは、日本で取得できるGAP認証のうちの一つ、グローバルGAPについてご紹介します。

グローバルGAPとは

ドイツ
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グローバルGAPは、ヨーロッパで生まれた事実上の世界基準の農業生産工程管理です。農業における労働安全や環境保全、食品安全などについて持続可能な取り組みを実践している生産者・生産グループが認証の対象で、農業版の国際標準化機構(ISO)とも呼ばれています。

世界120カ国以上に普及しており、イオン株式会社やコストコ・ホールセール・コーポレーション、日本マクドナルド株式会社など大手企業が「グローバルな調達基準」としてグローバルGAPを採用。ヨーロッパにおいては、大多数のスーパーマーケットがグローバルGAPを調達基準としています。

JGAPやASIAGAPとの違いは、認証する第三者機関や認証基準にあります。それぞれ内容が異なるため、これから海外への輸出を考えているのならグローバルGAPを、アジア圏ならASIAGAPを、国内でのみの流通を考えているのならJGAPをというように、今後の展開に合わせたGAP認証を取得するとよいでしょう。



今後、栽培した作物を輸出したい、大手に卸したいなどの希望があるのなら、グローバルGAPの認証を視野に入れておいてもよいのではないでしょうか。

グローバルGAP認証取得で得られる5つのメリット

丸印を持つ手
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グローバルGAP認証を取得することで、次のようなメリットが得られます。


生産物の評価の上昇

世界的に認知されている基準に適合する作物として、生産物の評価が上昇します。これは価格に直結するものではありませんが、販路拡大の際のPRに役立ちます。

世界各国の小売業者に販売できる

特にヨーロッパでは、スーパーで販売する野菜にもグローバルGAPへの適合を求めるのが一般的です。日本産の農作物が注目される中、販売先を海外にも広げていきたいのなら、認証を取得しておいて損はありません。

風評被害のリスクを軽減できる

噂
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グローバルGAPの認証を取得するということは、生産過程の安全性や食品の品質の高さが世界的に認められたということです。生産過程や食品の安全についての風評被害によるリスクを軽減できます。

農場管理の内容や効率の改善

グローバルGAPの実践を通して、農場全体の管理や経営管理の改善、作業効率の向上が見込めます。これまで定められていなかった資材の管理方法を定めるだけでも、コスト削減・効率向上につながる農場もあるでしょう。

トレーサビリティが容易になる

グローバルGAPの認証を取得すると、グローバルGAP番号(GGN)が与えられ、販売する農作物にもその番号を付与できます。小売業者や消費者はこの番号を検索して、どの農場が生産した農産物なのかを確認できるようになります。

グローバルGAPの審査基準と認証の手順

審査
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グローバルGAPの認証を取得するためには、数多くの適合基準をクリアする必要があります。これらの基準は栽培する作物によって分かれており、果樹野菜、コンバイン作物、茶、花きなどそれぞれに詳細が定められています。

例えば野菜や果樹では、認証を受けるための管理点は218もあります。それぞれの審査基準の詳細については次のリンクにてご確認ください。

GLOBALG.A.P.基準文書日本語版|GAP普及推進機構/GLOBALG.A.P.協議会

グローバルGAP認証までの流れ

グローバルGAP認証の流れは次の通りです。

・前述のグローバルGAP基準の文書とチェックリストをダウンロードする
・チェックリストを使用して自農場の現状を確認する
・認証基準を満たしていないポイントを修正するよう取り組む
・グローバルGAP認定の認証機関との面談を行う
・認証機関の検査簡易立ち入り検査をしてもらう
・グローバルGAPの保証規格証明書を受け取る

一連の流れをクリアして、認証を取得するまでには半年から1年程度の期間が必要です。初回の審査は原則収穫期であることを考慮し、計画的に取り組みましょう。

グローバルGAP認証取得に関する費用と支援について

お金
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グローバルGAP認証の取得にかかる費用と、これまでに政府が行った支援策についてみていきましょう。

グローバルGAP認証にかかる費用

農林水産省の調査によると、2020年5月時点で日本におけるグローバルGAP認証の審査会社は4社。審査費用は25~55万円に加え、検査員の旅費がかかります。

グローバルGAP認証の支援策

2020年2月14日~3月13日までに公募が行われた農林水産省の「GAP認証取得等支援事業」は、農産物の輸出支援を目的として、グローバルGAPおよびASIAGAPの認証取得にかかる費用や輸出向けの商談・展示会出展の費用を補助するとしました。
こちらはすでに公募が終了している支援事業ですが、参考事例として掲載いたします。

認証取得に対する補助額の上限は以下の通りです。

・認証審査費用はグローバルGAPに20万円、ASIAGAPに9万円を定額で補助
・認証にかかる研修指導にはグローバルGAPで1日5.25万円を最大26.25万円まで、ASIAGAPには1日4.5万円を最大22.5万円までを定額で補助
・環境整備費用として上限20万円を補助
・機械等のリースに上限400万円を補助
・国内外の商談展示会への出展、海外バイヤーの商談に要した費用を補助(3回程度までの分)

【農水省事業】GAP認証取得等支援事業の公募のお知らせ

この補助では、補助対象者がグローバルGAPの認証を受けて農作物を新規に輸出できなかった場合でも、自己負担で取り組みを続けることを要件としています。認証を受けて満足するのではなく、継続的に海外に農産物を輸出することを目標としている経営体を補助の対象としているようです。

グローバルGAPを実践してみよう!

子供たち
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グローバルGAP認証を受けることで、農場全体、生産作物全体の評価の向上を見込めるだけでなく、販売先を世界へと広げられます。認証を受けるためには、グローバルGAPの基準に適合していく必要があるため、一朝一夕では認証を取得できません。アドバイスが必要な場合には、コンサルタントに相談することも可能です。

まずは認証基準を理解して、自農場の現状を把握するとともに、少しずつ改善に向けて取り組んでみてはいかがでしょうか。

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高橋 みゆき

北海道在住のフリーライター。北海道の畑作農家に生まれ、高校卒業後に農業協同組合に入組。JAでは貯金共済課の共済係として、窓口にて主に組合員の生命保険・損害保険の取り扱いをしていました。退組後、2013年まで酪農業に従事。現在はスマート農業に興味津々。テクノロジーを活用した農業についてお伝えしていければと思います。

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