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ですが、冬は落葉するものが多い宿根草の中にも、冬の庭で美しい姿を楽しめるものもいろいろあります。今回は、冬に花や葉が楽しめるおすすめの宿根草の種類を6種ご紹介します。
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冬は宿根草の休眠期
花や緑が少ない冬の庭。寒い冬の間、多くの宿根草は休眠期に入り、地上部の葉を落葉させるため少し寂しい姿になります。でも冬の間も葉や花が楽しめ、また早春には他の草花に先駆けて花を咲かせてくれる宿根草の種類もありますよ。今回は、冬も瑞々しい姿を保つ常緑の宿根草や、冬に開花期を迎える宿根草など、冬の姿が楽しめる宿根草を6種ご紹介します。
クリスマスローズ
冬の宿根草といえば、真っ先に思いつくのがクリスマスローズ。人気の高い宿根草で、新しい品種も次々に登場しています。クリスマスローズという名前ですが、じつはクリスマス頃から開花するものはニゲル種のみで、他の多くの品種は早春から開花します。葉は常緑で、花弁に見える部分はじつはガクなので、観賞期間が長いのも嬉しいところ。暑さや寒さ、日陰にも強く、丈夫で一度植えればほとんど手をかけずとも毎年咲いてくれます。クリスマスローズは鉢植えでの栽培にも適し、人気があります。鉢植えの場合は、年に1回、少しずつ鉢を大きく植え替える「鉢増し」を行うと、リフレッシュして花つきがよくなり、株の勢いが衰えません。肥料は生育の始まる秋から冬に与えましょう。
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ビオラ・ラブラドリカ
人気のパンジーやビオラは一年草の園芸種ですが、原種系のビオラは性質も丈夫なので、じょうずに育てれば、多くは夏も冬も越せます。園芸種に比べると秋~冬はあまり咲きませんが、早春から一斉に開花し、可愛らしい花が楽しめます。原種系のビオラの中でも人気が高いのが、黒紫色のハート形の葉も美しいビオラ・ラブラドリカ。スミレらしい可憐な紫の花で、花期も秋から翌年の初夏頃までと長く楽しめます。夏になると花は休みますが、葉が茂ってくるためグラウンドカバーとしても役立ちます。高温多湿になると弱りやすいので、水はけのよい用土で育て、鉢植えの場合は風通しのよい半日陰に移しましょう。うまく夏越しができれば、秋から再び生育を始めて株が大きくなります。
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ヒューケラ
カラーリーフの宿根草の定番であるヒューケラは、冬でも葉が残る常緑性。日陰の庭に向き、丈夫で葉色が美しいうえ、色のバリエーションも豊富です。冬の日差しであれば、日向でも十分育てられるので、冬の草花との寄せ植えにもぴったり。寒冷地ではやや葉が少なくなります。初夏には花茎を伸ばし、白やピンクの穂状の素朴な花も楽しめます。日向〜半日陰を好み、夏場に強い直射日光にさらされると葉焼けすることがあります。とくに斑(ふ)入り種や淡色系の品種は注意が必要です。年数が経って徒長(わさび茎)状態になった株は、露出した部分を土寄せや植え替えで埋め、バランスのよい姿を保ちましょう。
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アジュガ
カラーリーフとして人気が高く、よくグラウンドカバーに利用されるアジュガも、冬は常緑で越冬します。大型、小型、斑入りなどバリエーションが豊富。伸ばしたランナーの先に次々と子株をつけて広がり、耐陰性が高いのでシェードガーデンの植栽にもおすすめです。冬の寒い時期は葉色がいっそう濃く、またあまり草丈が伸びずにコンパクトに育ちます。4~6月中旬に花茎を伸ばし、青紫や白、ピンクの花を咲かせます。一日中日が当たり、乾燥しやすい場所よりは、日陰でもやや湿気の多い場所を好みます。咲き終わった花茎は付け根から切り取り、開花期が終わってからは再度刈り込んでおくと、蒸れやすい夏にも風通しよく育てることができます。株が込み合ってきて生育が悪くなったら、株分けや植え替えをしましょう。
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宿根キンギョソウ「ブラックプリンス」
キンギョソウといえば一般的に一年草扱いですが、宿根タイプの品種もあります。中でも人気の高い品種が、深いブロンズ色の葉を持ち、シックなえんじ色の花を咲かせる「ブラックプリンス」。四季咲き性が強く、花が繰り返し咲いてほぼ一年中楽しめ、暖地では冬も常緑の葉をカラーリーフとして観賞できます。しっかりと日が当たる戸外で、強い乾燥や多湿を避ければ、ほとんどの場所で栽培可能。夏は高温多湿に注意すれば暑さにも耐え、冬も-12℃程度まで耐えることができるので、とくに気を使わなくても育てやすい品種です。
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フェンネル
ここまでは冬も緑を保つ常緑の宿根草を主にご紹介しましたが、冬に落葉する宿根草にも枯れ姿やシードヘッドを楽しむことができるものもあります。食用のハーブとしても知られるフェンネルも、秋冬の枯れ姿がオーナメンタルな植物の一つ。海外のナチュラリスティックガーデンでも、フェンネルのドライシードヘッドが活用されている秋冬のシーンを見かけることがあります。フェンネルは日本の気候でも栽培しやすい宿根草ハーブで、フサフサとした羽毛状の香りのよい葉が茂り、春〜秋の庭でリーフプランツとしても楽しめます。葉や種子はハーブとして食用できるので、庭に植えてあると便利な存在。銅葉品種のブロンズフェンネルも観賞価値が高く人気があります。
日当たりと水はけのよい肥沃な環境を好み、高温乾燥や低温多湿が苦手です。直根性で移植を嫌うので、苗が小さいうちに根を切らないよう注意して植え付けるか、種まきから育てるとよいでしょう。大きく成長するので、スペースを確保して栽培します。
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冬も宿根草を楽しもう
冬は落葉するイメージが強い宿根草ですが、種類を選べば冬の庭の彩りに一役買ってくれるものもたくさんあります。今回ご紹介した以外にも、冬も葉や花、実、枯れ姿などを楽しめる宿根草はまだまだありますよ。冬に咲くビオラなどの一年草と合わせて、宿根草をガーデンや寄せ植えに活用してみてはいかがでしょうか。「Garden Story」には、日々を彩る花や植物の育て方、初心者から通まで楽しめるガーデニング情報がたくさん掲載されています。ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。