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ライター - AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む

出典:PIXTA
庭木や室内の緑化におすすめなのが、レモンマートルというハーブです。ハーブというと小さな草花のイメージかもしれませんが、レモンマートルは大きく生長する木で、フワフワの花もかわいいですよ!さわるだけでも良いレモンの香りがする葉は、ハーブティーにしたり、お菓子や料理の香りづけに使ったり、いろいろな方法で生活に取り入れることができます。
レモンマートルとは?

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レモンマートルとは、ティーツリーやユーカリと同じフトモモ科の常緑樹です。樹勢が強く、レモンマートルの原産地であるオーストラリアでは3m以上の高さに生長します。6~7月ごろに咲く白い花は、おしべが花びらから大きく飛び出すほど長いのが印象的。日本では庭木や観葉植物として育てられています。
なんといっても最大の特徴は、名前の通り、葉からレモンの香りがすること!摘み取った葉は乾燥させて、お茶にして飲んだり、香りをアロマとして楽しんだりできますよ。アイスクリームやチーズケーキといったお菓子、石鹸やシャンプーといった化粧品の香料・抗菌剤としても使われています。
花言葉
レモンマートルの花言葉は「愛」や「幸運」です。花だけでなく、アロマオイルを贈り物にしても喜ばれそうですね。
香りの秘密は「シトラール」

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レモンマートルには、リラックスやリフレッシュ効果があるといわれている「シトラール」という、レモンの香りがする成分が含まれています。含有量は本物のレモンよりもずっと多く、「レモンよりレモンの香りがする」「レモンハーブの女王」といわれることも。ちなみに、レモングラス、レモンバーベナ、メイチャンなども、シトラールを含んでいてレモンの香りがする植物です。
寒さに注意!レモンマートルの育て方

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レモンマートルを育ててみましょう!温度管理には注意する必要があるものの、育てるのはそう難しくありません。大きく生長する木なので、コンパクトに管理したいなら、肥料は与え過ぎないようにしてください。
栽培カレンダー
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
植え付け | | | | | ● | ● | | | | | | |
剪定 | | | | | ● | ● | | | | | | |
開花 | | | | | | ● | ● | ● | | | | |
挿し木 | | | | | ● | ● | | | ● | ● | | |
植え付け
風通しが良い、広めのスペースを選んで植え付けます。冬に霜が降りる地域では、室内に取り込めるよう、鉢植えで育てるのが無難です。土はあまり選びませんが、地植えの場合、赤玉土・腐葉土・パーライトを配合します。鉢植えの場合、一般的な「花と野菜の培養土」でOK。室内で育てるなら、臭いが気になりにくい観葉植物用の土もおすすめです。
おすすめの苗
レモンマートル 苗 テラコッタ陶器鉢付き
おしゃれなテラコッタの鉢に植えられたレモンマートルです!植え替えなしでそのまま飾れます。鉢底穴が付いているので、排水性が良く、根詰まりしていないか確認することもできます。受け皿を用意すれば室内にも置けますよ。
・サイズ(約):幅50cm(葉の広がりを含むおおよその寸法)
・苗の高さ:65~75cm前後
レモンマートル 苗
地植えするなら、リーズナブルなポット苗がおすすめ。高さのある苗なので、大きめの状態から育て始めることができます。
・サイズ:10.5cmポット
・苗の高さ:45cm前後
日当たり

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レモンマートルは日当たりのいい場所を好みます。熱帯出身の植物なので暑さにはとても強く、40℃くらいまで耐えてくれますよ。室内で育てるなら、明るい場所に置き、定期的に日光浴させてください。また、室内から外に出すときは、いきなり日当たりのいい場所に置かず、半日陰で何日か慣らしてから移動させましょう。
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりします。土が乾いていないのに水やりすると、根腐れの原因になるので気を付けてください。室内で育てているときも同様に、鉢の表面が乾いてから水やりします。
肥料
もともと生長の早いレモンマートルですが、肥料を多く与えると、さらにぐんぐんと育ちます。コンパクトに管理したいなら肥料は与えなくても大丈夫です。
大きく育てたいなら、栄養を多く必要とする4~10月に、液体肥料を月に1回程度、水で希釈してあげてください。
葉の収穫
いつでも好きなときに、葉っぱを収穫して楽しめます。自家製ハーブティーや、レモンの香りがするお菓子や料理に使ってみましょう!
冬越し

出典:写真AC
高温で枯れる心配はほとんどない一方で、寒さへの耐性は低く、5℃以下になると枯れてしまうこともあります。冬は室内に取り込むと安心です。霜が降りない温暖な地域では、戸外での越冬も可能ですよ。
剪定
ある程度の木に生長し、葉や枝が混み合ってきたら、5~6月にしっかり剪定します。樹高を抑えたい場合は、まず木のてっぺんの枝を好みの高さまでカット。それから、混み合った部分や元気のない葉を間引くように切りましょう。自然樹形を活かした形に整えます。
植え替え
レモンマートルは生長の早い植物です。根がどんどん伸び、鉢の中で根詰まりしやすいので注意!鉢底穴から根が出ていたら、一回り大きな鉢に植え替えましょう。頻度は年に1回が目安です。
病害虫
レモンマートルは葉に抗菌成分があるためか、ほとんど病気の被害を受けません。カイガラムシなどの害虫も、風通しのいい場所で育てることで予防できます。
挿し木

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レモンマートルは挿し木で増やせます。5~6月か9~10月ごろの、暑過ぎず寒過ぎない温暖な時期がおすすめです。枝を10~15cmの長さで、切り口が斜めになるように切り取ります。1~2時間ほど切り口を水に浸けたら、小粒の赤玉土やバーミキュライトといった無菌の土を湿らせて、そこに挿しておきましょう。根と葉っぱが伸びるまで、土が完全に乾かないよう注意して管理します。
おすすめの赤玉土や使い方はこちら!
レモンマートルの主な使い方|手軽に取り入れるには?

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ハーブティー
定番の楽しみ方の一つがハーブティーです。いろいろな茶葉とブレンドしたものもありますが、まずはシンプルな、レモンマートルティーを味わってみてはいかが?
摘み取った葉っぱをそのまま使うこともできますが、電子レンジで数分加熱して乾燥させ細かく砕いておくと、保存も効いて便利。ポットに入れた茶葉に熱湯を注ぎ、味と香りを抽出して楽しみます。生の葉っぱは5~6分、乾燥させた葉っぱの場合は3分程度待ちましょう。
精油
レモンマートルの精油もたくさん販売されています。レモンに似た爽やかな香りで味・苦味の芳香は含んでいないため、よりフルーティーな甘さが際立ち、アロマディフューザーなどにおすすめ!精油は自作が難しいので、市販品で香りとの相性を試してみては。
NAGOMI AROMA レモンマートル アロマオイル
すっきりとした爽やかな癒し系のアロマオイル。 水蒸気蒸留法で作られていて、合成香料は不使用。植物本来のナチュラルな香りがします。
お菓子や料理

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電子レンジで数分間乾燥させたレモンマートルの葉を細かくして、クッキーやシフォンケーキなどの手作りお菓子に混ぜると、さわやかなレモンの香りに!レモン汁と違って酸味は加わらないため、香りだけをプラスしたいときに便利ですよ。同じように料理への香り付けにも使えます。
鉢植えで育てるのがおすすめ!植え替えも忘れずに

出典:写真AC
レモンマートルは低温に当てないよう注意して育てるのがコツです。温暖な地域以外では、室内に取り込める鉢植えで育てましょう。根詰まりに注意し、年に1回くらいの頻度で植え替えするのを忘れずに!