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- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
剪定とは?効果やメリット
見た目が美しくなる
観賞用の木や草花の場合、枯れてしまった部分や茂りすぎた部分を取り除くことで、見た目を美しく整える意味があります。花がよりきれいに、実もおいしくなる
果樹や花木の場合、育てる枝を絞ることで花や実に栄養が行き渡るようになり、花がよりたくさん咲いたり、果実が大きくおいしく生長する助けになります。病気の予防になる
多くの植物は風通しが悪いと、病気や害虫の被害を受けやすくなります。剪定をすることで風通しが良くなり、これらの予防につながるのもメリットです。剪定の種類
大きく分けて、植物がぐんと生長する前に行う冬剪定と、メンテナンスのように行う夏剪定の2種類があります。剪定は、基本的には毎年行います。冬剪定・強剪定
透かし剪定
樹木の冬剪定で行う作業の一つです。弱い枝や古い枝を枝元から切り、今の樹形を維持したまま、混み合った部分や不必要な部分をすっきりさせます。切り戻し
枝や茎を途中で切り、短くする剪定のこと。不格好に徒長するのを防ぎたいときはもちろん、花が少なくなってきたときにも有効です。分枝が促進されるので、花の数や葉の数が増え、こんもりと広がりのある株に仕立てることができます。夏剪定・軽剪定
わき芽かき
メインの枝や茎から出ている脇芽を摘み取る作業です。こうすることでメインの枝や茎の生育が促されます。わき芽を減らさないと大きな実がつかない野菜や、果樹に対して行います。摘花・摘果
花や大きくなる前の果実を摘み取る作業のこと。もったいなく感じられるかもしれませんが、栄養の届け先が絞られるので、残った実や花がより大きくなります。果樹の場合、苗が小さいうちは実をつけさせないことで、株の生育を促すのが一般的な育て方です。剪定すべき時期とタイミング
庭木
落葉樹 | 落葉中の晩秋~芽吹き前の休眠期 |
針葉樹 | 新芽の前の3月下旬~4月(強剪定) 伸びた新芽が成熟して固まる7~8月、10~11月(軽剪定) |
花木
ライラック、ハナミズキ、ツツジ、ツバキなどは、枝の先端に花が咲くタイプ。ウメ、モモ、サクラなどは、側面の芽から花が咲きます。
果樹
どの枝を切ったらいい?
いざ剪定しようと思っても、切るべき枝や場所など、やはり迷ってしまいますよね。このイラストに描かれているような枝を見つけたら、迷わず優先的に切ってしまいましょう!平行枝
狭い範囲で外側にまっすぐ平行に伸びている自然な枝も、狭い範囲に密集してしまっているのであれば、優先的に切ります。徒長枝・立ち枝
幹や主枝から、まっすぐ上にピンと伸びる枝。他の枝に重なったり樹形が乱れるのはもちろんですが、養分が必要のない枝にとられてしまうのを止める意味でも切りましょう。車枝
一カ所から何本も出過ぎてしまっている枝も全て切り取るか、1本だけ残してすっきりさせます。全部残しておいても、花や葉がそれぞれに十分付きません。逆さ枝
木の内側、つまり幹の方向に向かって生えてしまっている枝です。ほかの枝と重なるので切ります。枝分かれしている部分のすぐ上でカットしてください。枯れ枝(元気がない枝、病気の枝)
枯れている枝や、元気がなくて弱々しい枝。そのままにしておくと見た目が悪いだけでなく、病気や病害虫の温床になってしまう可能性もあります。ふところ枝
木の内側に生えている短い枝のことです。そのまま残しておいても、日光があまり届かないので生長しにくく、木の内側が混み合う原因になります。害虫の温床になりやすいのも問題です。骨格となる枝を残して、枝の元から切り取りましょう。絡み枝・交差枝
必要な枝に絡みついている枝や、クロスするように重なって邪魔な枝は、残しておかずに枝の付け根から切りましょう。日光が充分に行き届かず、葉付き・花付きともに悪くなってしまいます。見た目もごちゃごちゃしていて美しくありません。下がり枝
地面に向かって垂れ下がるように伸びている、下向きの枝です。これもほかの枝と重なるので、「逆さ枝」と同じように枝分かれしている部分からカットしましょう。ひこばえ
ひこばえとは、根元から脇芽のようにひょろひょろと出ている枝のこと。本体へ回る栄養を奪ってしまうので、これも剪定してください。根元をすっきりさせ、株の上部にボリュームをもたせたほうが格好いい仕上がりになりますよ。知ってほしい!剪定のコツ
外芽を優先的に残す!
樹形を乱す枝は、付け根から1〜2cm残して切る!
ただし、伸びて欲しくない枝をそれ以上長く残しておくと、その部分から新しい芽が出て、また樹形が乱れてしまうので注意しましょう。
この順番で切れば大丈夫!剪定の手順
Step1. 元気がない枝を切る
枯れかかっている枝や、葉っぱがほとんど付いていない弱々しい枝から剪定をスタートさせます。以前の剪定で切り残した部分があれば、それも取り除きましょう。Step2. 邪魔な枝を切る
元気がない枝を切り終わったら、主枝(しゅし)に対して邪魔な枝を切ります。主枝とは、一番太い幹(主幹)から直接枝分かれしている太めの枝のことで、木の骨格となる部分です。邪魔な枝がどれかは、一つ前の項目「どの枝を切ったらいい?」を参考にしてください。Step3. 全体のバランスを見て、すっきりさせる
仕上げに木全体のバランスを見て、枝が込み合ってしまっている部分を間引くように剪定しましょう。枝が混み合ったままだと、病害虫が発生しやすくなります。優先的に切ったほうがいいのは、枝の間隔が狭いところ、細い枝がいくつも生えているところなどです。どの程度まで間引くかは、その木が剪定に強いかどうかを確認した上で決めてください。芽吹く力が強い木は、かなり強めに刈り込んでも枯れませんが、あまり剪定しないほうがいい木もあります。
剪定に必要な道具
草花なら「剪定鋏(せんていばさみ)」
草花の切り戻しや摘心なら、「剪定鋏」で充分。簡単に言うとガーデング用の小型鋏で、ハーブや野菜の収穫にも使うことができます。剪定鋏の切断能力徹底比較の特集はこちら!
樹木なら「高枝切鋏(たかえだきりばさみ)・ノコギリ・ヘッジトリマー」
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