【2019年度保存版】農業の補助金や無利子融資|新規就農者への支援制度をチェック!

農業補助金など新規就農者向けの支援制度をご紹介!認定されると受けられる給付金や農業用ドローンなどの機械を購入した際に受けられる税制優遇など。各自治体でも支援があるので、国や自治体の支援制度が一覧で見られる「逆引き辞典」を使うと便利です。


農業を志す若者

出典:PIXTA
これから農業の世界に漕ぎ出そうと思ったとき、追い風がたくさん吹いてくれたらいいですよね。国や自治体では、新しく農業を始める人を支援する制度を用意しています。新しいことを始めるときは何かと費用がかかるもの。受けられる支援を吟味して、仕事を軌道に乗せましょう!

新規就農に必要な資金はいくら?

通帳と電卓
出典:写真AC

新規就農者が1年目に使った費用は平均569万円

新規就農を行う場合、資金はどのくらい必要なのでしょう。
全国新規就農相談センターが実施した「新規就農者の就農実態に関する調査」によると、新規就農者が就農1年目に要した費用は、平均で569万円でした。そのうち機械・施設等への費用は411万円、種苗・肥料・燃料等への費用が158万円となっています。これに対し、自己資金は232万円となっていますので、多くの新規就農者が資金不足の状態で、農業を始めているといえるでしょう。

83%が助成金・奨励金を受給

この調査によると、新規就農者の71.2%が就農時に資金の確保に苦労したと回答しています。そして、83.5%の新規就農者が「助成金・奨励金の交付」を受け、42.6%が資金の借り入れを行っています。

こうした支援にはどんなものがあるのかチェックしてみましょう。

準備段階で受けられる補助金|研修中に安定した所得を

農作業をする若者
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農業次世代人材投資資金(準備型)

国が就農前の研修を後押しする資金を交付してくれる「農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)準備型」。独⽴・⾃営就農を希望する人はもちろん、雇⽤就農や後継者として親元での就農を⽬指す人も対象で、就農に向けて必要な技術等を習得するための研修を受ける場合、年間最大150万円が最長2年間交付されます。

研修終了後最低2年以上就農することや、独⽴・⾃営就農する場合は就農から5年以内に認定新規就農者等になることが条件になっています。
対象 就農に向けて必要な技術等を習得するための研修を受ける者
原則として50歳未満で就農する者
交付内容 年間最大150万円(最長2年間)
主な
交付要件
・独立・自営就農または雇用就農または親元での就農を目指すこと
・国内での2年間の研修に加え、将来の営農ビジョンと関連性が認められて
海外研修を行う場合には、交付期間を1年延長
交付主体 都道府県等

就農してから受けられる支援|まずは、青年等就農計画制度の対象に該当するかチェック!

農林水産省
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青年等就農計画制度は、新たに農業を始める方が作成する就農計画を市町村が認定し、認定された新規就農者に対して重点的に支援措置を講ずるものです。早期の経営安定に向けた支援を集中的に受けられます。既に農業経営を開始している場合でも、経営開始5年以内であれば、認定を受けることができます。

まずは、都道府県(普及指導センター)や市町村等に相談し、要件等の確認をしましょう。対象に該当するようなら、市町村に就農計画の認定申請を行います。認定されると、「認定新規就農者」となります。
対象 新たに農業経営を営もうとする青年等で、以下に当てはまる者
1. 青年(原則18歳以上45歳未満)
2. 特定の知識・技能を有する中高年齢者(65歳未満)
3. 上記の者が役員の過半数を占める法人
受けられる支援 ・農業次世代人材投資事業(経営開始型)
・青年等就農資金
・経営体育成支援事業
・経営所得安定対策
・農業経営基盤強化準備金
詳細については、農林水産省のWebサイトで確認してください。

農業次世代人材投資資金|経営が安定するまでの所得を確保

若い農家
出典:PIXTA
国が就農直後の経営確立を支援する資金を交付してくれるのが、「農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)経営開始型」。交付主体や関係機関は支援の対象者が地域の中心となる農業経営者となっていくまで、丁寧にフォローをすることになっています。

交付要件を満たさなくなった場合や交付期間終了後に適切な営農が行われなかった場合には、交付停止や返還請求があるので要注意。また、要件等の確認があるので、申請書の作成の前に交付主体に確認をしましょう。
対象 50歳未満で独⽴・⾃営就農する認定新規就農者
交付内容 年間最大150万円(最長5年間)
主な
交付要件
・独⽴・⾃営就農であること
(親からの経営継承や親の経営から独⽴した部⾨経営を⾏う場合も対象)
・前年の所得に応じ、交付金額は変動
交付主体 市町村等
詳細については、農林水産省Webサイトで確認してください。

青年等就農資金|無利子・無担保で3,700万円まで借入可

農業施設
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農業経営を開始するために必要な資金を長期、無利子で借りられます。農地の改良、造成に必要な資金や、農地の賃借投に必要な資金、果樹の植栽や家畜の購入、開業費、農舎等の改良、取得など幅広い資金使途について認められていますが、農地の取得や単なる資金繰り資金は対象外です。
対象 認定新規就農者
借入限度額 3,700万円(特認限度額1億円)
借入条件等 ・融資利率:無利子
・返済期限:12年以内(うち据置期間5年以内)
・担保等:実質無担保・無保証人
取扱金融機関 株式会社日本政策金融公庫
(沖縄県は沖縄振興開発金融公庫)
詳細については、日本政策金融公庫のWebサイトで確認してください。

経営体育成支援事業|農業用機械や施設購入時の補助金

田植え機
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農業用機械や施設の導入の際に支援を受けられる事業。融資を受け、農業用機械や施設を導入する際、融資残について補助金が交付されます。農業経営のイノベーションに向けて、ロボットや情報通信技術を活用した農業用機械・施設(例えば農業用ドローンや農業用機械の自動操舵システムなど)については、優先枠が設けられています。
対象 地域の中心を担う農業経営体など
補助率 事業費の3/10以内等
主な
交付要件
・地域の中心となる経営体等が、融資を活用して
農業用機械・施設を導入し経営改善・発展に取り組む場合に支援
・イノベーション支援について優先枠を措置
実施主体 市町村
詳細については、農林水産省のWebサイトで確認してください。

経営所得安定対策|麦、大豆、てん菜など特定の作物を育てるなら

大豆
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特定の作物を生産する場合に交付される補助金もあります。諸外国との生産条件の格差から生ずる不利を補正する目的の交付金(ゲタ対策)と、積立金を支払っておいて販売収入額が少ないときに補てんを受けられるセーフティネット対策(ナラシ対策)があります。

畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)

麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばれいしょ、そば、なたね等の生産・販売を行う場合、「標準的な生産費」と「標準的な販売価格」の差額分に相当する交付金を受けられます。支払いは生産量と品質に応じて交付する数量払が基本ですが、数量払の先払いとして当年産の作付面積に応じて一定の金額が交付され(面積払)、自然災害により栽培の継続を断念せざるを得ない場合にあっても交付される仕組みになっています。
対象 ・認定新規就農者
・認定農業者
・集落営農
対象作物 麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばれいしょ、そば、なたね
交付内容
(数量払
の場合)
「標準的な生産費」と「標準的な販売価格」との差額分として算出された、
品質区分に応じた単価
実施主体 地域農業再生協議会
(市町村・JA等)

米・畑作物の収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)

米および畑作物の農業収入全体の減少による影響を緩和するための制度で、農業経営のセーフティネットとなります。 米、麦、大豆等の当年産の販売収入の合計(当年産収入額)が、標準的収入額を下回った場合に、その差額の9割が補てんされます。補てんを受けるためには、積立金の拠出が必要ですが、補てん後の積立金の残額は、翌年度へ繰り越されるため、掛け捨てとはなりません。
対象 ・認定新規就農者
・認定農業者
・集落営農
交付
内容
補てん額 =(標準的収入額-当年産収入額)×0.9
実施
主体
地域農業再生協議会
(市町村・JA等)
詳細については、農林水産省パンフレット「経営所得安定対策等の概要」をご覧ください。

農業経営基盤強化準備金|交付金を積み立てて節税

確定申告用紙
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経営所得安定対策等の交付金を農業経営基盤強化準備金として積み立てた場合、この積立額を個人は必要経費に、法人は損金に算入できます。さらに、農業経営改善計画などに従い積み立てた準備金を取り崩したり、受領した交付金をそのまま用いて、農用地、農業用の建物・機械等を取得した場合、帳簿価格を一定額まで減額し、その減額分を必要経費に算入(圧縮記帳)でき、いずれも節税効果があります。

ただし、青色申告により確定申告(初年は税務署に事前に届出)をする必要があります。
対象 以下の条件を満たす者

・認定新規就農者(個人)、認定農業者(個人・農地所有適格法人)
・交付金の交付対象者であり、青色申告により確定申告を行う農業者
経費として
算入できる
金額
農業経営基盤強化準備金の積立時
下記の1、2のいずれか少ない金額
1.準備金として積み立てようとする金額
2.その年の事業所得の金額
農用地等の取得(圧縮記帳)時
下記の1、2のいずれか少ない金額
1.準備金の取崩額とその年の交付金受領額のうち
農業用固定資産の取得に充てた金額の合計額
2.その年の事業所得(所得)の金額
対象となる交付金 経営所得安定対策の交付金、水田活用直接支払交付金
実施主体 農政局(農林水産省)
※農業経営改善計画等に取得しようとする農業用固定資産が記載されていることが必要(新たな農業用固定資産を取得しようとする場合には、事前に計画への記載・承認が必要となります)

詳細については、農林水産省パンフレット「農業経営基盤強化準備金制度とは?」をご覧ください。


自治体独自の支援制度も活用しよう!

愛知県庁
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自治体単位でもさまざまな支援制度が

自治体でも、さまざまなプログラムで新規就農者の支援を行っています。農地の取得、土壌分析の費用、家賃、法人設立の費用など支援内容も自治体ごとに異なります。中には女性向けの支援プログラムも。就農したい自治体の支援制度をチェックするのはもちろんですが、各自治体の支援内容を見比べて、就農する地域を選定するのも一つの方法ですね。各地域の就農支援窓口と支援内容については、農林水産省Webサイトに一覧となって詳しくまとめられていますので、チェックしてみましょう。

農林水産省「各地域の就農支援窓口」

【例】新規就農者定着支援リース事業(宮崎県)

例として、宮崎県の事業をご紹介します。宮崎県では支援事業をいくつか行っていますが、この事業は、新規就農者などを対象に、農畜産用施設(借地料含む)・機械等のリース料を助成するものです。農業経営を開始して3年間を限度に助成されます。スタート時の力強い味方になりそうですね。
対象 1. 認定新規就農者となった新規参入者
2. SAP会員、農協青年組織協議会会員・口蹄疫から復興し規模拡大する農業青年
内容 1. 農畜産用施設リース料(借地料含む)10万円以内/10a
2. 機械リース料10万円以内/台
※1・2とも事業費の1/2以内
助成期間 経営を開始・拡大して3年間

補助金・融資・税制一覧|農林水産省の「逆引き辞典」が便利!

逆引き辞典
ここでは主に新規就農者向けの補助金をお伝えしましたが、ほかにもさまざまな支援事業があります。支援を受けたいと思ったら、農林水産省Webサイトの「逆引き辞典」が便利!例えば、補助金を受けたいと思ったときは、「補助金」のタブをクリックして、対象・目的・品目・事業年度を選んで、検索ボタンを押すだけで、該当する事業が一覧で表示されます。また、希望する都道府県を選択すれば、都道府県事業まで一括して表示されるので、一度に必要な情報を集められます。

支援を受けるために、まずは問い合わせ

電話をかける男性
出典:PIXTA
国や自治体で、新規就農者を支援する取り組みが行われていますが、Webサイト等に掲載されている内容を見ても、対象や支援の内容がわからないこともあると思います。そのような場合には、進んで問い合わせてみましょう。知らなかった情報や関係機関を教えてもらえることがあるかもしれません。また、電話で問い合わせる場合には、インターネット環境がある状況で問い合わせをすると、得た情報をすぐに確認することができます。
支援で勢いをつけて農業の世界に漕ぎ出せば、きっと安心して仕事に取り組めますね!

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