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ライター - AGRI PICK 編集部
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撮影:AGRI PICK編集部
この記事では、レモンの木の剪定方法を詳しく解説。初心者の方でもわかりやすいよう、図解も用いて剪定のコツを紹介します!
レモンの木はなぜ剪定が必要?剪定しないとどうなる?

撮影:AGRI PICK編集部
レモンの木を剪定せずに放置していると、だんだん老化して実がつきにくくなってしまいます。
レモンをたくさん収獲するためには、定期的に剪定し、木を若返らせることが重要です。
また、不要な枝を切ることで残した枝に栄養分がいきわたり、発芽が促進される効果も。ほかにも、剪定により木をコンパクトに保てば、栽培管理や収穫作業がしやすくなるというメリットもあります。
レモンに限らず、果樹に立派な実をならすには剪定が必要です。枝を間引くと日当たりと風通しが良くなるため、病害虫対策にもなりますよ!
レモンの剪定時期はいつ?何年目から始める??

撮影:AGRI PICK編集部
レモンを剪定するには、適した時期やタイミングがあります。作業をする前に確認しておきましょう。
レモンの木の剪定時期
レモンの木の剪定は、2~3月に行います。この時期はレモンの休眠期で、春に向けて栄養を蓄えています。そのため、剪定してもダメージを最小限に抑えることができるのです。
レモンの剪定は、遅くても4月までに済ませましょう。剪定が遅れると芽が出るのも遅くなってしまいます。そうなると、レモンの木が充実しないまま越冬することになり、良い実がならなくなってしまうのです。
レモンの剪定は3年目から
レモンの剪定を始めるのは、苗木を植え付けて2年後が目安です。それまでは剪定せず、放任でOK。ある程度大きくなって枝葉が茂り、風通しや木全体の日当たりが悪くなってきたら、剪定をスタートさせましょう。ただし、病害虫の被害がみられる枝は、小さな苗木であっても切り落とすようにしてください。
レモンの苗木の選び方や植え方は、こちらの記事で!
レモンの剪定に必要な道具・アイテム

出典:Pixabay
レモンの剪定をスムーズにするために、必要な道具をそろえておきましょう。
手袋
レモンは、ほとんどの品種に鋭いトゲがあります。剪定する際にケガをしないように、革手袋や厚手の園芸用グローブでしっかりガードしましょう。
剪定ばさみ・ノコギリ
レモンを剪定するときは、切れ味の良い剪定ばさみやノコギリを使用してください。切れ味が悪いと必要以上に力がかかったり、切り口がギザギザになったりしてしまいます。断面の細胞を傷めると、病気の原因になることもあるので注意が必要です。
おすすめの剪定ばさみとノコギリは、こちらの記事で紹介しています!
癒合促進剤
癒合促進剤とは、剪定で傷付いた木の切り口を保護して、病原菌の侵入から守るためのもの。太い枝を切ったときや、木がまだ小さいうちは剪定によるダメージを受けやすいので、癒合促進剤を使うと安心です。
癒合促進剤がない場合は、木工用ボンドでも大丈夫ですよ!
切り口に密着し、乾きも早い癒合剤。茶褐色なので、木肌になじんで目立ちにくいのも特長です。
口コミ・レビュー
剪定後などに樹木の切り口に塗布しています。チューブに入っているので適量を塗ることができ、安心して剪定ができています。樹木を愛しているなら当然の優しさかなと思っています。
出典:Yahoo!
【図解】レモンの剪定方法|どこを切る?剪定する枝の見分け方

イラスト:rie
不要な枝の見分け方など、レモンの木の剪定方法を図解と共に紹介します!
重なっている枝
枝が混み合っていると生育が悪くなったり、病害虫が発生したりするため、間引いて日当たりを良くします。
枯れた枝や、細く弱々しい枝
見た目が悪くなるほか、病害虫が発生する原因にもなるため取り除きます。
ひこばえ
樹木の株元から生える若い枝を「ひこばえ」と呼びます。ひこばえは勢いが強く、そのままにしておくと主幹の生長に悪影響を及ぼします。レモンはあまりひこばえが生えませんが、発生した場合は根元から切り取りましょう。
内向枝
内向枝は「逆さ枝」とも呼ばれ、幹に向かって内側に生えている枝です。美観を損なうほか、日当たりや風通しが悪くなる原因にもなるため取り除きます。
前の年に実がなった枝
レモンは同じ枝に連続して実を付けないため、前年に実をつけた枝は剪定します。レモンを収穫した際、枝にひもやテープなどで目印をつけておくと見分けやすいですよ。
レモンの不要な枝は、基本的に根元から切り取ってください。中途半端な位置で切ってしまうと、そこから枝分かれして樹形が乱れてしまいます。
レモンを剪定したあとに実がならない!原因は?

撮影:AGRI PICK編集部
レモンの木に実がならないのは、剪定する際に実がつく枝を切ってしまった可能性があります。レモンは、前の年に伸びた若い枝に実をつけます。剪定時にうっかり切ってしまわないよう注意しましょう。
レモンはどんな樹形にすると良いの?

イラスト:rie
レモンの木を管理しやすくするには、強剪定を行って
「開心自然形」という樹形に仕立てるのがおすすめ。開心自然形は、上の図のように主枝を3本ほど残して放射状に伸ばす、果樹のスタンダードな仕立て方です。日当たりや風通しが良くなり、レモンの木が健康に育つというメリットがあります。
仕立て方
定植後2年目が樹形を決めるタイミングです。主幹(木の幹)は、管理しやすい好みの高さで切ります。次に、上に向かって伸びる、勢いの良い太めの枝を3本選んで残し、ほかの枝は切り落とします。主枝はそのまま目的の高さまで伸ばしてから、先端を切り詰め、実がなる新梢を増やしていきましょう。
レモンの枝は、横に伸ばしたほうが結実しやすくなります。枝が伸びてきたら、園芸支柱などで支えてあげると良いですよ。
レモンの木を低く保つ剪定方法

出典:写真AC
まず高さを決め、上に伸びている枝を止めたい位置で切りましょう。毎年その位置以上に伸びた枝を切ることで、レモンの木を低く保ちます。
ほかに必要な作業は?レモンの木の栽培方法はこちら!
レモンの剪定Q&A|トゲは切ってもよい?地植えと鉢植えで剪定方法は異なる??

撮影:AGRI PICK編集部
レモンの木の剪定に関する疑問について、福田先生にお聞きしました。
Q. レモンの木のトゲは切ってもよい?
はい。むしろトゲは剪定時にすべて取り除いたほうが良いです。トゲがあると、強い風が吹いて木が揺れたときに果皮を傷付けてしまったり、作業中に人の肌を傷付けたりすることがあります。トゲを取っても、レモンの生育には影響しないので大丈夫ですよ。
Q. 地植えと鉢植えとでは、レモンの剪定方法は異なる?
レモンは地植えにするとダイナミックに生長するので、剪定の仕方も切る量も大きくなります。鉢植えのレモンは、地植えのように木が大きくならないため、盆栽のような小規模な剪定になります。
Q. 実がついている枝があったらどうする?
レモンの剪定適期である2〜3月は、実が黄色くなっているので残っていたら収穫しましょう。その枝は翌年実がつかないため、収穫したあとに根元から切り取ります。
レモンの木をじょうずに剪定して収穫量をアップ!

撮影:AGRI PICK編集部
レモンの木を健康に育て、実をたくさん収穫するには剪定が必要です。少々面倒に感じるかもしれませんが、最初に強剪定を行えば、あとは毎年不要な枝を整理するだけでOK!レモンの木をあまり大きくしたくないという人も、ぜひ挑戦してみてくださいね。