【小豆島のオリーブ農家に聞く！】オリーブの木の育て方｜地植え

オリーブの産地といえば小豆島！今回は編集部を飛び出して、小豆島のオリーブ農家さんを訪ねてきました!!オリーブ農家さんに栽培方法を伝授していただいたので、お庭のオリーブ栽培のヒントにしてください♪

小豆島のオリーブ農家さんご紹介

教えてくれた人

今回オリーブの栽培方法を教えてくれたのは、株式会社イズライフ 堤 祐也（つつみ ゆうや）さん。
大阪府出身。東京の商社勤務を経て小豆島に移住し、オリーブ栽培を始めて13年にもなるんだとか。オリーブオイルソムリエの資格も持つオリーブのプロ！小豆島の好きなところは四季の移り変わりを感じられるところだそうです♪

イズライフのHPではオリーブ製品へのこだわりをご紹介しています！
イズライフHP：http://islife-olive.com/

栽培カレンダー

人気の観葉植物「オリーブ」の種類は？

花言葉や木の意味

オリーブには二つの花言葉があります。一つ目は「平和」で、旧約聖書の「ノアの方舟」の物語に由来しています。二つ目は「知恵」。これはギリシャ神話に由来しています。

オリーブの種類

堤さんの農園で育てているのは、小豆島でメジャーな次の4種です。

 

ミッション

初めて育てるなら、まずはこれ！オリーブらしいオリーブで、直立型でしなやかなシルバーリーフが特徴。アメリカのカリフォルニア州で発見されたスペイン系品種です。

 

ルッカ

樹勢があり、耐寒性が高く、病気に強い品種です。実がつくのに4～5年かかるので、1年生の苗を買えば、3～4年で実がつきます。実は小さいもののオイル分が多いので、自分でオイルを絞ることが可能！実をジップロックなどに入れて手で揉むと簡単にオイルを絞ることができます。

 

ネバディロブランコ

花が多く、花粉も多いので受粉樹向き。ほかの木と一緒に植えると、どちらにも実がつきやすくなるため、セットで育てることをおすすめします。ハート型の葉ができやすいというのも、かわいらしくてプレゼントとしても人気。

 

マンザニロ

生長スピードはゆっくりで、栽培が比較的容易だと言われています。丸くて大きい実がなり、果実が柔らかいので、果実の加工をするならこの品種。木肌が白く上品で樹形がきれいなので、観賞用としておすすめです。

この他にも世界には1,000種類ものオリーブがあるのだとか。その中でもおすすめの品種を集めたこちらの記事もぜひ読んでみてください。

苗木はどこで販売している？

値段はどのくらい？

オリーブの苗木は小豆島のオリーブ公園内などでも販売しています。価格は小さいもので800円、大きいもので1,200円程度です。大きくある程度育っているものになると1万円ほどするものもあります。

 

通販でオリーブの木が買える

ホームセンターはもちろん、楽天市場などの通販サイトでもオリーブの木は購入可能！ただ小豆島産のものは原木で流通しているものが多いので、小豆島のものが欲しい場合は小豆島まで行くのが吉。

オリーブの木の育て方【庭に地植えする方法】

土作り（土壌改良）

土の良し悪しによってオリーブの実の大きさが左右されるので、土作りは植え付け前の大事な仕事です。
ただ、水はけを良くしさえすれば、土壌酸度計などを用いた細かい調整は不要です。
苦土石灰や牛糞堆肥を入れて、栄養が行き届くようにしっかりと混ぜてください。

植え付け

植え付け時期のおすすめは3月上旬～4月上旬。温かくなると根が動くので、この時期に植えれば根が張りやすいのだそう。
植えるときは、30×30cm程度の穴を掘り、ポットの土ごと地植えします。穴を掘ったときに出た土にも、しっかりと堆肥を混ぜるようにしてください。

水やり

毎日はしなくていいですが、適度な水やりが必要。夏場は実がしぼんできたら土が湿る程度に水をあげましょう。
堤さんの農園では普段はあげないようにしているが、夏場は必要になるのだとか。

肥料

施肥をする時期は冬。三大栄養素（窒素、リン、カリウム）を補給してあげるようにしましょう。

植え替え

冬に行います。大きくなってから、葉と葉が重ならないように工夫して植えましょう。また、オリーブは根が深くなく倒れやすいので、若いうちは支柱を立ててあげましょう。

オリーブの木の剪定の仕方は？

剪定の時期

剪定は3～4年目の木からでOK。冬（1～2月）に行うのがおすすめです。植え替え前に行うと、植え替えが楽になりますよ。

剪定方法

枝分かれしているところから、思い切って切り落としましょう。ポイントは、中に伸びようとする枝を払うこと！風と光が入るようになるため、果実がたくさん付くようになります。また、太い枝は手のこ、細い枝は剪定鋏をつかって剪定しているそうですよ♪

ひょろひょろしている枝は思い切って剪定！

堤さんいわく「迷ったら切る！伸びた枝が次の年に実をつけるんですよ」とのこと。多くの実を付けるのを目標とするならば、躊躇せずに剪定していきましょう。

 

挿し木の剪定は？

オリーブを挿し木で増やす場合の剪定は、なるべく新しいこれから生長していく枝を払うようにしましょう。細すぎず太過ぎない枝を選ぶのがポイントです。

オリーブの木に実を付けるには？

2種類以上育てて、受粉させる

実を付けたい人は2種類以上を植えるのがベター。間隔は5m以上離れた場所に植えましょう。たくさん育てる予定がある人は、畑の外側を囲むようにネバディロブランコを植えるのが堤さんのおすすめ！

雨が多い季節は花が落ちないように注意！

オリーブの花は雨に打たれるとすぐに落ちてしまいます。梅雨や秋などの雨の多い季節はビニールでカバーするなどして、雨に打たれないよう工夫してあげる必要があります。

収穫方法

収穫時期は9月から。小豆島の特産品である新漬け（塩漬け）するものは手作業で一粒ずつ丁寧に収穫していきます。大きくてきれいなものを選びましょう。

「木が枯れる」「害虫が付く」トラブルはこうして解決

病気

炭そ病（果実）

メジャーな4品種の中ではマンザニロやネバディロブランコがこの病気に弱いといわれています。炭そ病の症状としては、実に黒いカビが生え腐食してしまうというものがあります。万が一病気に感染した実を見つけたら、なるべく早く取り除き、感染していない実に近付けないのが重要です。

 

梢枯病（しょうこびょう）

梢枯病は梅雨などの雨の多い時期に発生しやすい病気で、炭そ病の菌によって枝梢を枯らせて、新しい梢の先端を枯死させてしまいます。梢枯病の症状を発見した際は、早めに対策をとるのが重要。症状が発生した枝は思い切って切り落とし、切り口に殺菌剤を塗りましょう。

病気になりにくい種類は？

病気になりにくい品種を植えるのも、病気を防ぐ一つの手。ルッカは病気になりにくいので、実をつけたい人も2種類のうち1種類はルッカを植えるのをおすすめします。

害虫・害獣

害虫や害獣は育てる地域にもよりますが、「オリーブアナアキゾウムシ」「ハマキムシ」「シカ」の被害に気を付けましょう。

 

オリーブアナアキゾウムシ

オリーブの木に穴を開けて、最悪の場合は木を丸ごと枯らしてしまう害虫。一般的にはオリーブを複数育てていると発生しやすく、株元に穴が空いていたり、おがくずが出ていたりする場合、ゾウムシが寄生している可能性が非常に高いです。主に木の根元に生息し4～12月に発生します。
無農薬で育てたい人は一匹ずつ根気よく排除していきましょう。また、風通しの良い環境を作ることが重要。草刈り機や刈払い機を使って、株元に虫が住み着かないように心掛けます。完全に寄生されたら、株元に殺虫剤をまくのがベター。その際、殺虫剤が葉や果実に付かないよう注意してください。

草刈り機と刈り払機に関しては、下記の記事をチェック！

ハマキムシ

葉を巻いたところや、葉と葉をくっつけた内側に潜んでいるイモムシです。葉や芽を食べて、食害を及ぼします。特に新芽を好んで食すので、実の結実に影響してしまいます。発生時期は5月と9月中旬～10月下旬。防除方法は、症状が出ている葉や芽を取り除くこと。被害が深刻でなければ農薬は使わなくて大丈夫です。

シカ

害獣でおなじみのシカはオリーブの木も食します。季節問わず発生しますが、越冬時期は特に食べるものが少なく被害に遭う可能性が高いので要注意。防獣ネットや電気柵を、畑や庭の周囲に設置して対策しましょう。

オリーブオイルソムリエおすすめのオリーブ製品

オリーブオイルソムリエの資格を持つ堤さんに、オリーブの素材の味を存分に楽しめる加工製品を教えてもらいました！

新漬け

オリーブの新漬けとは、その年に採れた新鮮なオリーブを浅漬けにしたものです。ピクルスなどの一般的なテーブルオリーブよりもこりこりとした食感があり、程良い塩気とオリーブ独特のまったりとした風味が絶妙！イズライフのショップでは毎年10月10日に解禁されます♪
新漬けの詳しい紹介はこちら！

オイル

オリーブの加工品といえばオリーブオイル♪堤さんの農園で作るオリーブオイルの場合、オリーブの実10t中オイルになるのはたったの10%！

オリーブオイルに使用される実は、農園スタッフの手で一つ一つ厳選されたものを使用。その品質と味の高さから、1本買った顧客がリピーターになってくれることが多いのだそう。新しいオイルは毎年1月中旬から販売されますよ♪

また、堤さんの作ったオリーブオイルは、マイルドで臭みが少なく和食向き！堤さんはサンマにちょっと掛けたり、味噌汁に入れたりして楽しんでいるのだとか。小豆島名物のそうめんを食べるときは、麺つゆに入れたり、だししょうゆと一緒に垂らしたりするのもおすすめ!!

オリーブ栽培を自分の庭で楽しもう♪

今回はオリーブ農家の堤さんに、オリーブの木の地植え方法を教えていただきました！オリーブは害虫駆除が厄介ですが、手が掛かる分、実を付けたときの喜びもひとしお。お庭や畑をお持ちの人は、ぜひオリーブの地植えに挑戦してみてください。

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