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- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
オリーブにはたくさんの種類がある
オリーブの木が日本で初めて植えられたのは江戸時代。それから明治時代に国産のオリーブの栽培が本格始動します。香川の小豆島がは、オリーブの原産地である地中海地方の気候と似ていることからオリーブがよく育ち、島内での栽培が盛んになりました。今では、オリーブ公園をはじめ、小豆島を代表する風景としても有名ですよね。オリーブの品種は楽しみ方で選べ!
シンボルツリーとして楽しむ
庭にシンボルツリーとしてオリーブを植えれば、庭があっという間に地中海風の素敵な印象に!選ぶポイントは樹勢が強い品種を選ぶこと。具体的には上によく伸びて、生長が早いものがおすすめです。地植え(庭植え)の育て方はこちらをチェック!
鉢植えでコンパクトに楽しむ
オリーブを鉢植えで育てるメリットは移動できること!寒さの厳しい地域でも、風が直接当たらない場所に移動することで寒さ対策が可能です。選ぶポイントはシンボルツリーとは真逆で、コンパクトにまとまりやすいものがおすすめです。樹勢が強くなく、剪定しやすい品種が◎鉢植えの育て方はこちらをチェック!
オリーブの実を楽しむ
実を楽しむのであれば、花がたくさんついて花粉量の多い品種がおすすめ。また、「オリーブを何本も育てたくない!」という方は1本でも実をつける自家結実性をもつ品種を選ぶようにしましょう。自家結実性と他家結実性
「自家結実性」は植物自身の花粉で受粉して実をつけることができる性質のこと。オリーブは品種によって自家結実性のあるものとないものがあります。自家結実性の反義語は「他家結実性」。実を楽しみたい人は自家結実性の品種か、他家結実性品種であれば花粉をたくさん出す品種と一緒に育てましょう。庭のシンボルツリーに!|大きく育つオリーブの品種4選
ミッション【Mission】
葉が白く美しい!シンボルツリーにおすすめ
アメリカ原産の品種。成長に勢いがあり、上へ上へと育つため観賞用として数多く出回っています。剪定によって高さを抑えながら育てることも可能。実はオイルとテーブルオリーブの両方に向いていて、グリーンオリーブの新漬けやピクルスなどでは味が高く評価されています!SOUJU オリーブの木 ミッション
小豆島の観賞用オリーブのブランド「SOUJU」のミッションの木です。
鉢径 | 16cm(プラスチック) |
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全高 | 約80~100cm |
ネバディロ・ブランコ【Nevadillo Blanco】
受粉樹として効果を発揮!
スペイン原産の油用の品種で、明治期にミッションとともにアメリカから導入されました。花がたくさん咲き花粉量がとても多いため、受粉樹として最も多く利用されています。果肉はとても柔らかく加工には向きません。観賞用樹としても愛され、観葉植物としての苗木生産量が多いのも特徴です。実をつけたい別の品種と一緒に育てたり、花を楽しみたい人におすすめの品種です。SOUJU オリーブの木ネバディロ・ブランコ
小豆島の観賞用オリーブのブランド「SOUJU」のネバディロ・ブランコの木です。
鉢径 | 14.5cm(プラスチック) |
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全高 | 約70~90cm |
フラントイオ【Frantoio】
樹勢が強く発根能力が高い!
イタリア原産で、油の品質が良いことから、イタリア中部では最も生産されている品種でもあります。葉間は広い樹形となり、枝が伸びやすいのでほかの品種よりも剪定が必要になりますが、みるみる育つので、庭に大きく植えたいという人におすすめ!自家結実性があり、実はたくさんは付きませんが、1本でも実を楽しむことができますよ。レッチーノ【Leccino】
フルーティーな香りが魅力!ピクルスづくりにも
イタリア・トスカーナ地方原産の、フルーティーなオイルが採れることで愛されている品種です。暑さ・寒さに加え、病害虫にも比較的強いことから、初心者の方でも楽に育てることができますよ。葉は小さく、裏が白いので全体的に淡いグリーンに見えるのが特徴です。プランターで育てたい!|コンパクトなオリーブの品種3選
マンザニロ【Manzanillo】
室内で育てるならこの品種!樹形が丸くてかわいい
スペイン原産の果実加工用品種で、世界中で栽培される主要品種。樹形がこんもりと丸く育ち、果実も大きく丸いのがかわいらしいのが魅力です!香川県における果実加工用の主要品種でもありますが、他家結実性が強いので1本では実をつけません。SOUJU オリーブの木 マンザニロ
小豆島の観賞用オリーブのブランド「SOUJU」のマンザニロの木です。
鉢径 | 16cm(プラスチック) |
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全高 | 約80~100cm |
シプレッシーノ【Cipressino】
樹形がまとまりやすく、プランター栽培にも!
シプレッシーノの大きな特徴は、枝が直立して上向きにに帯びるため、樹形がまとまりやすく小さなスペースでも育てられることです。ほかの品種よりも剪定が楽なので、観賞用に育てたい人には最もおすすめできます。ツヤのあるコロコロとしたかわいい実がなりますよ♪生育が遅いので、庭で大きく育てるのは不向き。SOUJU オリーブの木 シプレッシーノ
小豆島の観賞用オリーブのブランド「SOUJU」のシプレッシーノの木です。
鉢径 | 16cm(プラスチック) |
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全高 | 約80~100cm |
コロネイキ【Koroneiki】
暖かい場所なら地植えでも栽培可能!
ギリシャ原産のコロネイキは、小さな尖った葉が密集し、小さなかわいらしい実をたくさんつけます。樹形は横に広がるタイプで、繁り過ぎを抑えるにはこまめな剪定が欠かせません。特に樹齢が若いうちは太く勢いのある枝がどんどん生えてきます。邪魔な枝は思い切って根元からバッサリ落とすのが剪定のコツ!寒さに弱いので、冬は風の直接当たらない場所に移動させたほうがベター。オリーブの木 コロネイキ
コロネイキの木です。こちらのショップは贈答用にメッセージカード・立札をつけることもできます。
サイズ | 6合ポット(プラスチック) |
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実の収穫を楽しみたい!|実がつきやすいオリーブの品種3選
ルッカ【Lucca】
病気に強い!1本でも結実しやすい品種
アメリカ原産で、日本で最も多く栽培されているポピュラーな品種です。葉は裏も緑色が強く、横に広がる樹形でダイナミック!シンボルツリーとしてもおすすめです。実は小~中実で自家結実性があり、1本でも実をたくさんつけます。ジャンボ・カラマタ【Jumbo Kalamata】
オリーブ栽培上級者がチャレンジするならこの品種!果実がその名の通り、4~5cmととても大きい品種です。寒さや病気に弱いので、育てる際には注意が必要。大きい実をならせるコツは、摘芽をしてたくさん実がならないようにすること!アルベキーナ【Arbequina】
スペイン原産の小実品種。樹勢は弱く鉢植えで育てるのがおすすめです。実は小さいですが、鈴なりにたくさん実をつけます!さらに自家結実性があるので1本で育てることも可能。樹齢が若いときから花をつけ花粉量も多いので、受粉樹として育てるのもおすすめです。オリーブの木 2鉢セット 全5種
アルベキーナ、チプレッシーノなど全5品種の中から2種を選べる苗木セットです。
鉢径 | 10.5cm(プラスチック) |
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高さ | 鉢上約20cm~ |
オリーブの主な品種一覧表
品種 | 樹形 | 難易度 | おすすめの利用法 |
ミッション | 直立型 | 〇 | シンボルツリー |
マンザニロ | 開帳型 | 〇 | 鉢植え |
ルッカ | 開帳型 | ◎ | 実を楽しむ |
ネバディロ・ブランコ | 開帳型 | 〇 | シンボルツリー |
フラントイオ | 開帳型 | ◎ | シンボルツリー |
レッチーノ | 開帳型 | ◎ | シンボルツリー |
コロネイキ | 開帳型 | ◎ | 鉢植え |
シプレッシーノ | 直立型 | 〇 | 鉢植え |
ジャンボ・カラマタ | 開帳型 | △ | 実を楽しむ |
アルベキーナ | 開帳型 | 〇 | 実を楽しむ |
オリーブの見分け方
オリーブの品種ごとの特徴は、葉の形や大きさやつき方などに現れますが、よく似ている品種も多く、それだけで区別するのは難しいもの、樹形や樹勢も剪定によって印象が変わるため見分けるのはなかなか困難です。また、交配による雑種も多いので、品種を決めて育てたい場合は、きちんとネームタグが付いたものを購入しましょう。オリーブは同じ品種同志では実をつけにくい「他家結実性」という性質があるので実をつけるには品種の違う木を2本以上育てる必要があります。実の収穫を楽しみたいなら、必ず品種名を確認して!オリーブの育て方は?
最近は温暖化によって関東などでもオリーブが育てやすくなっており、オリーブ栽培の北限は岩手といわれます。地植えでも鉢植えでも育てることが可能です。また、寒冷地なら冬は風が当たらないように育てるのがベター。水やりも気を使わなくていいので育てやすい植物です。詳しい育て方は下記の記事をチェック!
鉢植えの育て方
地植え(庭植え)の育て方
剪定方法
トラブルの対処法
オリーブの種類(品種)に関するQ&A
ここでは、オリーブの種類や品種についてよくある質問にお答えします!種類(品種)が分からないオリーブの調べ方や見分け方は?
オリーブには非常に多くの種類があり、品種を正しく見分けることは困難です。特に苗木のうちは、品種による見た目の差はほぼありません。ただ、慣れてくれば葉の形や果実の大きさ、樹形などから、ある程度の判断はできるようになるかもしれません。
オリーブにはどんな希少品種がある?
「ジャンボカラマンタ」や「カヨンヌ」、「カロレア」などの希少品種があります。
「ジャンボカラマタ」は、オーストラリア原産のオリーブです。挿し木での繁殖が難しいため、以前は輸入苗しか流通していませんでした。現在では、国内で挿し木された苗も手に入るようになりましたが、まだまだレアな存在。オリーブの中では最大級サイズの果実が採れます。
「カヨンヌ」はフランス原産のオリーブで、美しいシルバーリーフが魅力。果実は大きめで、塩漬けやオイル漬けに適しています。フルーティな味わいも魅力の品種です。
「カロレア」はイタリア原産のオリーブで、漬物やオイル用として利用されています。生育旺盛で環境適応力も高いため、育てやすい品種です。
日本生まれのオリーブの品種はある?
香川県が開発した「香オリ3号」「香オリ5号」という品種があります。これらは日本で初めて生まれたオリーブで、2021年に農林水産省に品種登録されました。
オリーブの品種の組み合わせにおすすめはある?
オリーブは品種によって、開花時期が早いものや遅いものがあります。結実させるためには、開花時期が重なる品種を組み合わせるのがポイント。例えば、「ネバディロブランコ」は「ミッション」「マンザニロ」と相性が良く、「ルッカ」は「ネバディロブランコ」や「ミッション」との組み合わせがおすすめです。