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庭師
野添 匠青森県八戸市出身。2017年から2年半、カナダのトロントで造園を学び、2020年に株式会社みちのく庭園入社。生け花を通じて植栽のインスピレーションをもらうことも。趣味はサーフィン。 「庭職人としてのルーツは“洋”ですが、自分の中にある“和”とうまく融合させて、日本人の心ある庭を作庭するのが夢。また、街の緑を増やし、地球と人に優しい環境をつくっていきたいと思っています。」 ■みちのく庭園HP:https://michinoku-teien.com/ ■Instagram:https://www.instagram.com/nzetkm/…続きを読む
モミジの剪定の時期は11月下旬〜2月上旬
モミジの剪定は、葉が落ちて木が休眠している11月下旬~2月上旬に行うのが基本。しっかり剪定して樹形を整えましょう。前年に大掛かりな剪定をしたときや、基本的に樹形が大きく乱れていないときは、5~8月に風通しを良くしたり、枝先をとめる軽めの剪定をしてもOKです。モミジの鑑賞や剪定など手入れの時期
- 開花期:4〜5月
- 結実期:7~9月
- 鑑賞期(紅葉):10〜11月
- 植え替え、植え付け:12~3月
- 肥料:12〜1月(庭植え)12~2月、6月(鉢植え)
- 剪定:11月下旬〜2月上旬
モミジの剪定は年1回
モミジは比較的生長が早い種類が多いので、剪定をしないで放っておくと樹形が乱れてしまいます。また、モミジ特有の、柔らかくしなるような細い枝を保つためにも、こまめにに剪定することが大切。年に一回は剪定をして、美しい樹形をキープしましょう。モミジの剪定は遅くとも、2月上旬には終わらせよう
モミジはほかの落葉樹に比べて、比較的早く休眠から目覚め、水を吸い上げ始めます。水を吸い上げているときに剪定すると、切り口から水を吹いたり、樹皮がはがれてしまったりすることも。モミジの剪定は遅くとも、2月上旬までには終えるようにしましょう。イロハモミジの魅力や育て方、モミジの種類などの関連記事はこちら
モミジの剪定の仕方|樹形の整え方、透かし剪定の方法を図解付きで解説!
モミジの剪定は、落葉期にする樹形を整える剪定と、生育中に混み合っている枝を間引いて枝葉の密度を下げる透かし剪定の2種類があります。どちらも基本的な剪定の仕方は同じで、違いはしっかり剪定するか、軽めに剪定するかです。Step1.まずは不要な枝を整理しよう
剪定の基本は、徒長枝などの不要な枝の整理から。これを切るだけでもだいぶすっきりとした樹形になりますよ。1. やご:根元から出ている勢いがある枝
2.胴吹き:太い幹の途中から吹いている小さい枝
3. 立ち枝:真上に伸びている枝
4. ふところ枝:樹の内側にある細い枝
5. 逆さ枝:下向きなど、ほかの枝とは違う方向へのびている枝
6.徒長枝:上に向かって真っすぐ伸びている勢いのある枝
7.平行枝:上下に並んで同じ方向に伸びている枝の一方
8.絡み枝:ほかの枝に絡んでいる枝
9.枯れ枝:枯れている枝
不要な枝など剪定の基本に関する記事はこちら
Step2.混みあっている部分の枝を抜いていく
全体のバランスを見ながら、混みあっている部分の枝を間引くように剪定していきます。下の方の太い枝から順に剪定していき、徐々に上の方の細い枝先へと進んでいくと、二度手間になりません。Step3.全体のバランスを見て、飛び出している枝を元から切る
樹形全体を整えるために、飛び出している枝を剪定します。落葉期の剪定では大胆に下の方から切り戻してOK。5~8月の生育期にする透かし剪定では、あまり太い枝を切り過ぎないように注意してください。Step4.枝先をとめる
最後に枝先のこまかい部分を剪定します。このとき、枝の途中で切らないように注意。枝が残っていると、コブができたり、切り口が目立ってゴツゴツとした印象になってしまったりして、モミジ本来の柔らかな自然樹形が台無しに。枝分かれしているところや芽のすぐ上で切るようにしましょう。大きくなり過ぎたモミジを小さくする剪定の方法
モミジは種類や条件にもよりますが、自然の状態だと10mを超える大木になるものが多い木です。何年も剪定をしないで放っておくと、樹形が乱れ、手入れがしにくくなってしまいます。大きくなり過ぎてしまったときには、しっかり切り戻しをする強剪定をして小さく育てやすい樹形に整えましょう!モミジを小さくするには落葉直後の11月下旬~12月に剪定を
モミジを小さくする剪定をするときは太い枝を切るので、樹勢に影響が出にくい休眠期がおすすめ。剪定に適した11月下旬~2月上旬の中でも特に、落葉した直後の、寒さが厳しくない11月下旬~12月に剪定するのベストです。強剪定でコンパクトな樹形に
モミジは一本の枝の中で、上の方の芽の勢いが強く、下の方は弱い性質があります。枝先をとめるだけでは、そこから徒長枝が出やすいのですぐに元の大きさに戻ってしまい、樹形も乱れがちに。モミジを小さくしたいときには、しっかりと太い枝を切り戻す強剪定をして、サイズをおさえることが大切です。強剪定をしたときには癒合剤を忘れずに
モミジは比較的剪定に強く、強剪定をしても枯れることは少ないですが、太い枝を切ったときには、癒合剤を塗って切り口を保護しましょう。雨水や雑菌の侵入や切り口が割れるのを防ぎ、切り口がふさがる手助けもしてくれます。おすすめの癒合剤
図解付きで解説!繊細な樹形を楽しむしだれモミジの剪定の仕方
しだれモミジは風に揺れる細い枝が作り出す、繊細な樹形が魅力的な木です。この樹形をさらに魅力的にするためには、剪定をして形を整えてあげることが大切ですが、普通のモミジと同じように剪定してしまうと、イメージしていた樹形とは違った形になってしまうことも。しだれモミジ特有の樹形を生かす剪定の方法を紹介します!開いた傘のような形をイメージして
しだれモミジの魅力はなんといっても、優雅に垂れ下がる細い枝が作る美しい樹形です。剪定をするときには、開いた傘の形をイメージして、ふんわりとした丸みのある樹形に仕立てると、風で揺れるような優しく美しい樹形に仕上がります。しだれモミジの剪定で切るべき枝はこれ
まずは枯れ枝や平行枝、絡み枝や徒長枝、平行枝など、基本的な不要な枝を剪定します。さらに、枝垂れ樹形で多く見られる、真下に向かって伸びている下がり枝を切ります。この下り枝を切ると、内部に空間が生まれやすくなり、ふんわりとした樹形に。最後に混みあっている部分の枝を間引いて完成です!庭師直伝!モミジの剪定で失敗しないための3つのポイント
モミジは育てやすい庭木ですが、剪定の時期や切る場所を間違えると、枝が枯れてしまったり、思っていたような樹形にならなかったりしてしまいます。プロが教えるポイントをしっかり守れば、失敗することなく上手に剪定することができますよ。Point1.モミジを弱らせないためには剪定する時期が大切
モミジの剪定は11月下旬~2月上旬にするのが基本ですが、これはモミジが落葉し休眠している時期なので、樹勢に影響が出にくいためです。剪定は木にとって少なからずストレスになることなので、なるべく影響のない時期に剪定して、モミジが弱ったり枯れてしまったりすることを防ぎましょう。Point2.こまめな剪定で樹形をキープ
モミジは強めに剪定をしてもあまり枯れることはありませんが、太い枝を切る強剪定をすると、どうしても硬い印象になりがちです。モミジ本来の柔らかい自然樹形を楽しみたいときには、枝が細いうちにこまめに剪定しましょう。また、モミジは対生といって、葉や芽が枝の一つの節に2つ向かい合って付くので、互い違いに伸びるように切るとより自然な印象に!Point3.樹形全体を確認しながら剪定する
剪定は、幹の近くや木の内部に入って作業するので、樹形全体を把握できずに一部分だけ切り過ぎてしまうことも。ときどき少し離れて全体の様子を確認しながら剪定すると、混みあっている部分や飛び出している枝がわかりやすいです。モミジの剪定に必要なものはこれ
モミジの剪定ではさまざまな道具が必要になりますが、木の大きさや切る枝の太さによって使い分けると、安全に作業ができ、仕上がりがきれいに!ここで紹介する道具のほかに、けが防止のための軍手や切った枝をまとめるゴミ袋、作業中に木の下に敷いておくブルーシート、高いところの剪定をするときには脚立などもあると便利です。ガーデ剪定ばさみ|モミジの剪定で一番活躍するはさみ
直径1~2cmくらいの枝を切るはさみで、モミジの剪定では最も使用頻度が高く、必ず一つは持っていたい剪定道具です。柄の長さが違うものがあるので、自分の手の大きさに合ったものを選ぶと、力をいれやすく、安全に作業ができます。おすすめの剪定ばさみはこちら
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木ばさみ|枝先の細い枝の整理やしだれモミジの剪定に
剪定ばさみに比べて、刃が細長いのでこまかい作業に向いています。モミジの剪定では、枝先の細い枝をとめたり、生育中に軽めの剪定をするのに向いています。しだれモミジの細い枝が混みあっているようなところの剪定にも便利です。おすすめの木ばさみはこちら
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ノコギリ|強剪定など太い枝を切るときに便利
剪定ばさみでは切れない、太い枝を切るときに必要なのがノコギリです。モミジの剪定では、強剪定などで太い枝を切り戻すときに使います。剪定用のノコギリは、水分が多い生木を切るために刃が深く切れ込んでいたり、込み入ったところでも切りやすいように刃の先端が細くなったりしているのが特徴です。おすすめのノコギリはこちら
アルス 剪定ノコギリ Y-15
・全長:35cm
・刃長:15cm
・質量:130g