【家庭菜園のプロ監修】真紅の野菜ビーツの栽培方法|おいいしい食べ方も!

ロシアの真っ赤なスープ・ボルシチの材料として知られるおい「ビーツ」とはどんな野菜なのか?その栄養やおいしい食べ方、さらに家庭菜園で上手に栽培する方法まで詳しく解説!おすすめの品種も、家庭菜園のプロが紹介します!


ビーツ

画像提供:福田俊
ロシアの真っ赤なスープ・ボルシチの材料としてよく知られる「ビーツ」。名前は聞いたことはあるけれど、実物はまだ見たことがないという人もいるのでは?
そんな珍しいビーツですが、実は家庭菜園でも育てられる野菜なんです。そこでこの記事では、ビーツの栽培方法からおいしい食べ方まで、たっぷり解説します!

ビーツとは|どんな野菜?気になる栄養価は??

ビーツ
出典:写真AC
ビーツは、地中海沿岸原産のヒユ科の野菜です。英語では「table beet (テーブルビート)」、あるいは単に「beet(ビート)」とも呼ばれます。見た目はカブによく似ていますが、ホウレンソウや、テンサイ糖の原料になるテンサイに近い仲間です。

赤い色の元はポリフェノールの一種「ベタシアニン」

ビートにはオリゴ糖が多く含まれており、野菜のなかではかなり甘みが強いのが特徴です。真っ赤な色は「ベタシアニン」というポリフェノールの一種によるもので、高い抗酸化作用を持ちます。

疲労回復や持久力アップにも!

また、もう一つビーツの効果として注目されているのが、体内の「NO」(一酸化窒素)を増やす働きです。NOには血管をしなやかにし、血流量を増やして体内の酸素が効率よく使われる手助けをする作用があり、これは疲労回復、基礎代謝率アップ、持久力向上などにつながります。筋力アップの効果も期待できることから、スポーツや筋トレの前に生ビーツのジュースを飲む人もいるようです。

ビーツのおいしい食べ方・おすすめレシピ

まな板の上に置かれたビーツ
出典:写真AC
栄養たっぷりで、毎日の料理にも取り入れやすいビーツ。味自体は甘みがあっておいしいのですが、少し土っぽい風味が残るので、好みが分かれるかもしれません。加熱方法や調味料の使い方で、初心者にも食べやすくなるので、おいしく調理するコツを紹介しましょう。
ビーツの赤い色素は、手やまな板についても洗えば簡単に落ちますが、服にはつかないように注意してくださいね。

生のままでサラダやバーニャカウダに

ビーツのサラダ
出典:写真AC
新鮮なビーツは、サラダやバーニャカウダなどで生食もできます。皮をむき、模様を生かして薄い輪切りにするか、千切りにして、ビーツ本来の彩りと甘みを楽しみましょう。お酢、オリーブオイル、塩などで軽くマリネすると、土っぽさが苦手な人にも食べやすくなります。

煮込んでスープ(ボルシチ)に

ボルシチ
出典:写真AC
ビーツを使って作るスープといえば、ロシア料理を代表する真っ赤なスープ「ボルシチ」!
牛肉のブロックをブイヨンで煮込み、ビーツ、トマト、キャベツ、にんじん、玉ねぎ、ジャガイモ、パプリカなどの野菜を食べやすく切って加え、やわらかく煮えたら塩・コショウで味を整えます。食べるときにサワークリームを添えれば、より本格的!

ゆでてピクルスや冷凍保存などに

ビーツを鍋でゆでている様子
出典:写真AC
ビーツを最も幅広く応用できる調理法が、ボイルです。ゆでてからサラダやピクルス、ボルシチなどの煮込み料理などに展開できます。冷凍保存する場合も、一度ゆでてからのほうが良いようです。
ポイントは、栄養分を逃さないように皮つきのままゆでること。沸騰したお湯に塩、酢を少量加え、ビーツを丸ごと入れます。ゆで時間は、少し歯ごたえを残すなら15~20分、しっかり柔らかくするなら30~40分を目安にしましょう。

ビーツの栽培方法を家庭菜園のプロ・福田先生に聞きました!

福田先生
画像提供:福田俊
菜園家。ブルーベリー研究家。東京農業大学グリーンアカデミー専科野菜コース講師。「どうすればおいしい野菜がたくさん採れるか」「いかにラクで楽しい野菜づくりができるか」を追求し、「フクダ流」自然農的有機栽培を実践。16平米という限られたスペースの市民農園で、年間50品目以上の野菜を有機・無農薬で栽培しています。監修を務めた家庭菜園誌や著書も多数。

関連サイト
HP:http://www.fukuberry.com/
Youtube:https://www.youtube.com/user/f104ryo/featured
Instagram:https://www.instagram.com/fukuberry104/?hl=ja
Twitter:https://twitter.com/29da104
facebook:https://www.facebook.com/toshi.fukuda.73

著書
『市民農園1区画で年間50品目の野菜を育てる本』(学研プラス)
『フクダ流家庭菜園術』(誠文堂新光社)
『福田さんのラクラク大収穫!野菜づくり』(学研パブリッシング)


ビーツの栽培時期や特徴

栽培カレンダー

・種まき:3~5月/9月
・収穫:6~7月/11~12月

栽培適温

15~20℃

ビーツの栽培方法|種まきから収穫まで

ビーツの苗
画像提供:福田俊

Step1. 土作り

土作りはどの野菜も一緒ですが、有機物が豊富に含まれ、それを分解する微生物がいっぱい活動しているふかふかの土が理想です。畝たてのときに、ぼかし肥料を1平米あたり200~300g散布すると良いでしょう。

ぼかし肥料の作り方はこちらの記事で!


福田先生解説!「有機質たっぷりの土づくり」


必要な栽培スペース

ビーツの畝サイズ
図:AGRI PICK編集部
・A:畝幅/70cm
・B:畝の高さ/10cm
・C:種まきの間隔/15cm
・D:条間/15cm(5条)

Step2. 種まき

ビーツの種まき
画像提供:福田俊
ビーツの種は、硬い殻の中に何粒か入っているのが特徴です。殻のまま、15cm間隔で土にすじまきします。
また、害虫対策のため、種まきと同時に防虫網トンネルを掛けましょう。トンネルは収穫時まで設置しておきます。
福田先生
福田先生
マルチの使用もおすすめです。マルチは雨による泥はねを防ぎ、病気にかかりにくくする効果があります。ほかにも、土の湿度を保ち、雑草を防ぐという利点もあるのです。

Step3. 間引き

発芽したビーツ
画像提供:福田俊
ビーツは、1つの種から2~3本の芽が出てきます。10cmぐらいに伸びたら、1本に間引きましょう。

Step4. 追肥

根をしっかり太らせるために、半月に1回の頻度でぼかし液肥を散水します。

ぼかし液肥の作り方
・1Lの空ペットボトルに、ぼかし肥料を一掴み入れる
・水を満たしたらよく混ぜ、2~3日置く
・使うときは、原液(上澄み液)を100倍程度に薄めて散水する


Step5. 収穫

ビーツの収穫
出典:写真AC
土から出ている根の肩の部分が太ってきたら、抜き取ります。あまり長く畑におき過ぎると、根が割れてくることがあるので、採り遅れないように気を付けましょう。


ビーツに発生しやすい病害虫

ビーツの葉
出典:写真AC
ビーツは良い土壌環境で栽培する限り、病気の心配がほとんどない丈夫な野菜ですが、害虫対策は必要。
ビーツには、何でも食害する「ヨトウムシ(ヨトウガの幼虫)」がよくつきます。日中は株元の土中に潜って隠れており、夜間に活動するため、見つけにくい厄介な害虫です。放置すると株全体が食害されてしまうこともあり、早めの対策が必要になります。種まきをしたら、すぐに防虫網トンネルを設置して、成虫の飛来を防ぎましょう。

「ヨトウムシ」の詳しい対策はこちらの記事で!


防虫ネットの張り方はこちらをチェック!


家庭菜園におすすめのビーツの品種

ここからは、福田先生おすすめのビーツの品種を紹介します!

デトロイト・ダークレッド

ITEM
デトロイト・ダークレッド
初心者でも育てやすい、とても丈夫な品種。根だけでなく、葉柄も深紅色に染まります。柔らかい肉質で甘みも強いので、酢漬やボイルドサラダにおすすめです。

・内容量:10ml

ゴルゴ

ITEM
ゴルゴ
半分にカットすると現れる、まるで年輪のような紅白模様が美しい「ゴルゴ」。薄くスライスして、サラダの彩りにするのがおすすめです!

・内容量:80粒

ソーレ

ITEM
ソーレ
根の中心から葉柄まで、すべて暗赤色のビーツ。食味は独特の甘みがあり、サラダやピクルスにするとおいしく食べられます。

・内容量:80粒

ビーツ・ブームが密かに到来中!

ビーツ
出典:写真AC
色鮮やかで栄養たっぷりなビーツには、なんと「食べる血液」という呼び名もあるのだとか。食や健康への意識が高い人を中心に、この先ますます人気の野菜になっていきそうですね!

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ビーツ
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AGRI PICK 編集部

AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。

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