目次
セロリの葉にはどんな栄養があるの?
セロリの葉の栄養分
セロリには、ビタミンAやビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類やカリウム、食物繊維が豊富に含まれています。特に、ビタミンAのひとつであるβ‐カロテンや食物繊維は、茎よりも葉の部分に多いとされています。セロリには独特の香りがありますが、この香りには40種類にも及ぶ成分が関係しています。そのなかには、気持ちを落ち着かせてストレスを和らげるアピインなども含まれており、この成分はアロマテラピーの精油にも利用されています。
薬膳にも使われるセロリの葉
薬膳では、セロリは心身の巡りを良くする代表的な食材のひとつです。また、余分な熱を取り除いて、目の充血やめまい、頭痛、ストレスを緩和するともいわれています。また、利尿作用が期待されるため、水分代謝を高めたい時などに使われることも多くあります。セロリの葉の毒とは?
「セロリの葉には毒が含まれている」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。セロリには「フラノクマリン」という毒素が含まれていますが、健康に育ったセロリに含まれるフラノクマリン濃度は低く、体に影響を及ぼす可能性は少ないとされています。ただし、病原菌などに感染するとこの毒素が大量発生するため、注意が必要です。参考:公益財団法人日本生物工学会「天然物由来成分に騙されるな」
セロリの葉の上手な保存方法
セロリの保存方法
セロリをそのまま冷蔵庫に入れておいたら、すぐにしんなりしてしまったという経験はありませんか?葉が付いたままだと、葉が茎の栄養分を吸い取ってしまい、鮮度がどんどん落ちてしまいます。セロリが手に入ったら、できるだけ早めに茎と葉の部分を切り分けておくようにしましょう。その後、茎と葉をそれぞれ水で軽く湿らせた新聞紙で包み、ポリ袋などに入れて冷蔵保存してください。すぐに使わない場合は「冷凍保存」しよう
セロリの葉をすぐに使わない場合には、冷凍保存しましょう。こうすることで、1カ月程度はおいしく食べられます。冷凍保存する場合はセロリを使いやすい大きさに切り、1回分ずつ保存用ポリ袋などに入れ、空気をしっかりと抜きます。料理に使用する時は、解凍しないでそのままスープや炒めものなどに加えて加熱します。セロリの葉の食べ方|簡単おいしい養生ごはん
セロリは好き嫌いの分かれる野菜のひとつでもありますが、私自身はセロリの爽やかな香りが大好きです。セロリの葉も、いろいろな料理に使っておいしく味わっています。バジルやパセリなどのハーブ類を使うのと同じような感覚で、料理のアクセントとしても活用できます。セロリの葉の浅漬け、ナムル
まずは手軽に、セロリの茎と葉を両方使って浅漬けやナムルを作ってみましょう。浅漬けの場合は、セロリの茎は斜め千切り、葉の部分は粗く刻んで漬け込みます。細切りの昆布やちりめんじゃこなどを加えてもおいしく、爽やかな香りで箸休めにもなる一品です。セロリの葉入り、野菜たっぷりサラダ
セロリの葉は、バジルやルッコラなどのベビーリーフと同じように使うこともできます。いつものサラダに、粗く刻んだセロリの葉を加えてみてはいかがでしょうか。写真は、さっと蒸したキャベツとスナップエンドウ、くるみにセロリの葉を混ぜた野菜たっぷりのサラダです。自然塩とレモン汁、オリーブオイルをかけてシンプルにいただくのがおすすめです。セロリの葉のエスニック風スープ
セロリの葉は、魚介類やエスニック料理などにもよく合います。なかでもカタクチイワシを発酵させた調味料「ナンプラー」との相性は抜群です。写真は、もやし・しめじ・トマト・生姜を具材としてナンプラーで味付けをした香り豊かなスープです。パクチーの代わりに、刻んだセロリの葉を最後に加えています。セロリの葉の香りは加熱により弱まるため、香りを楽しみたい場合には火を通し過ぎないように気を付けてくださいね。セロリの葉入りスムージー
フレッシュな野菜と果物に水を加えてミキサーやブレンダーなどで混ぜ合わせた「スムージー」。緑の野菜を使ったグリーンスムージーなども人気を集めていますが、ここにセロリの葉を使うのもよく合います。りんごなど甘味のある果物と組み合わせることで、独特の苦みや香りが和らぎ、セロリが苦手な方や子どもなどにも飲みやすくなります。セロリの葉茶
セロリの葉の香りを手軽に楽しみたい時におすすめなのが、セロリの葉茶です。作り方は、葉を粗く刻んで熱湯を注いで数分間待つだけで、あっという間にできあがり!お茶というよりは、柑橘類やハーブなどの香りを付けた「フレーバーウォーター」に近く、私は起きがけや食後の口直し、ヨガや運動の合間の水分補給にも重宝しています。煮込み料理などの臭み消しにも
肉や魚を使った煮込み料理などを作る際にセロリの葉を使うと、爽やかな香りによって独特の臭みを消すことができます。セロリの葉は、煮込んだ後に取り出します。出汁パックに入れたりひもなどで束ねたりしておくと、ほかの具材と混ざりにくく最後に取り出しやすいです。大量消費したい時の保存食レシピ「セロリの葉の佃煮(ふりかけ)」を作ってみよう
セロリの葉がたくさんある時は、ごはんが進む「セロリの葉の佃煮」を作ってみましょう。甘辛い味付けなので子どもにも食べやすく、我が家で人気の常備菜です。ごはんだけでなく、厚揚げや豆腐などの上にトッピングして食べるのもおいしいですよ。セロリの葉の佃煮の作り方
〈材料〉作りやすい分量
・セロリの葉(2~3本分)80~100g
・ちりめんじゃこ 10g(大さじ1程度)
・ごま油 小さじ1~2
・みりん・酒 各小さじ2
・しょうゆ 小さじ1
作り方
1.セロリの葉を粗く刻む。2.フライパンにごま油を入れて熱し、1の葉を加えて炒める。
3.葉がしんなりしてきたら、ちりめんじゃこ・みりん・酒・しょうゆを加えて、時々混ぜながら炒め合わせる。
4.水分が飛んだら、できあがり。清潔な保存容器に入れて冷蔵庫で保管し、3日程度を目安に食べ切る。
ポイント
・お好みで唐辛子やごまなどを加えたり、ちりめんじゃこの代わりに干しエビやかつお節を使ったりしてもおいしいです。・セロリの葉の風味を生かすため、今回のレシピは通常の佃煮に比べて控えめの味付けです。日持ちさせたい場合には、調味料の量を増やしてください。
乾燥させるだけでOK!「ドライセロリ」もおすすめ
セロリの葉が大量にあるけれど「冷蔵庫や冷凍庫に食材がいっぱいで入らない」という場合には、セロリの葉を乾燥させた「ドライセロリ」を作ってみましょう。ドライパセリのように、いろんな料理の仕上げに振りかけて使うことができ、味と見た目がワンランクアップ!時間のある時に作っておくと、とても重宝します。ドライセロリの作り方
〈材料〉作りやすい分量
・セロリの葉 適量(ザルなどに並べられる量)
・ザルや干し網など
作り方
1.セロリから葉の部分を取り、水で洗う。水分をよく拭き取り、ザルなどに重ならないように並べる。2.風通しの良い場所に1を置き、セロリの葉がカラカラに乾くまで干す(季節や天気などにより変化するが、乾燥するまでの目安は数日~1週間程度)。
3.2のセロリの葉を手でパリパリと砕いて細かくする。清潔な保存容器などに入れて常温で保管する。
ポイント
・セロリの葉を干す際に、夜間や雨天時は室内に取り込むようにしてください。・手で砕くと、粗めの仕上がりになります。細かい仕上りにしたい時には、ミルサーなどで粉砕することをおすすめします。
ドライセロリの活用法
ドライセロリは、スープや炒めものなどの最後にパラリと振りかけて使ってみましょう。料理に彩りと香りが添えられて、食欲をそそる一品に仕上がります。便利でおいしい「セロリ塩」は洋風レシピにも
ドライセロリに、自然塩を混ぜ合わせた「セロリ塩」。分量はお好みですが、私はセロリと塩の割合が「4~5:1」くらいで作ることが多いです。このセロリ塩はお世話になっているフランス語教室の先生から教わったもので、洋風の料理にもよく合います。「ちょっと味が足りないかな?」という時などに振りかけてもおいしく、肉や魚の臭み消しや下味付けにも活用できる便利な調味料です。小さな子どものいる我が家では大人用の料理の仕上げに使うことも多く、料理に香りを添えたい時などのアレンジとして利用するのもおすすめです。セロリの葉は、捨てずにおいしく活用しよう
セロリの葉には、茎の部分よりもビタミンAや食物繊維が豊富に含まれています。特有の香りはリラックス効果が期待できる香り成分によるもので、薬膳の考え方においては心身の巡りを良くする食材とされています。また、適切に保存すれば長期間楽しむことができます。つい捨ててしまいがちなセロリの葉ですが、サラダやスープなどいつもの料理に加えるだけでなく、「セロリの葉の佃煮」や「ドライセロリ」などの保存食づくりにも適しています。セロリの葉を無駄なく上手に活用して、健やかに過ごせますように。