今回も土についてですが、お付き合いください。「不耕起栽培って何?」「不耕起栽培は環境にやさしいの?」という視点で土について想いを言葉にします。
耕さない「不耕起栽培」って何?
不耕起栽培は、基本的には土壌を耕さないので、作物の残さや土壌有機物の分解が遅れます。また、土壌侵食が抑制されるため、土壌表層の炭素貯留の効果が高いともいわれています。これを聞いて、何か違和感ありませんか?私は農業は耕してナンボだと思っていました。
不耕起栽培は環境にやさしいの?
さらに不耕起栽培は、耕さないことで土壌水分の保持や土壌微生物の増加による「生物多様性の保全」や土壌肥沃土の向上に効果があるともいわれています。また、耕さない=トラクターの走行回数が少なくてすむので、燃料の節減といった側面でも環境にやさしいのではないでしょうか。
一方で、「土壌の物理性」の視点から考えると、不耕起栽培は耕さない分、ふかふかの土ではなくカチカチになるので、これはデメリットになります。
不耕起栽培には除草剤が必要?
仮に環境を「二酸化炭素排出量の低減」に設定し、比較的大規模で食料生産を行い環境配慮のために不耕起栽培を選択した場合、耕さないので雑草も繁茂します。そこで不耕起栽培を実現するためには、除草剤で処理をするというのが一般的になっています。フランスでは、一部の除草剤を禁止すると発表しましたが、その数カ月後に同国の農水大臣が「除草剤がなければ、環境保全型農業はできない」と発言したりと、多様な農法を実現するためにも現段階においては、除草剤はどこの国でも必要なようです。
農法も資材も組み合わせ
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毎週水曜日更新おしゃれじゃないサステナブル日記
紀平真理子(きひらまりこ)プロフィール
1985年生まれ。大学ではスペイン・ラテンアメリカ哲学を専攻し、卒業後はコンタクトレンズメーカーにて国内、海外営業に携わる。2011年にオランダ アムステルダムに移住したことをきっかけに、農業界に足を踏み入れる。2013年より雑誌『農業経営者』、ジャガイモ専門誌『ポテカル』にて執筆を開始。『AGRI FACT』編集。取材活動と並行してオランダの大学院にて農村開発(農村部におけるコミュニケーション・イノベーション)を専攻し、修士号取得。2016年に帰国したのち、静岡県浜松市を拠点にmaru communicateを立ち上げ、農業・食コミュニケーターとして、農業関連事業サポートなどを行う。食の6次産業化プロデュ ーサーレベル3認定。日本政策金融公庫 農業経営アドバイザー試験合格。著書『FOOD&BABY世界の赤ちゃんとたべもの』
趣味は大相撲観戦と音楽。行ってみたい国はアルゼンチン、ブータン、ルワンダ、南アフリカ。
ウェブサイト:maru communicate