-
ライター - まつたかずき
市民農園のスタッフをしながらライターとして活動しています。野菜づくりを誰もが気軽に出来る趣味にすることを目標に、初心者の方でも興味を持っていただける記事を執筆していきます!…続きを読む

出典:写真AC
ネバネバのとろろやサクサクとした揚げ物など、山芋はクセもなく子どもから年配の方にまで喜ばれる人気の野菜。掘りたての山芋は、みずみずしく深い味わいです。家庭菜園で栽培するイメージがあまりないかもしれませんが、プランターで育てられる品種もあるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
プランターで栽培できるものも!おすすめの山芋の品種
山芋とひとくちに言っても、いろんな種類があります。「いちょう芋」「つくね芋」など、あまり耳慣れない名前ですが、これらも山芋の品種。地域によっては呼び名が違う場合もあり、おもしろいです。
数ある山芋の中から、家庭菜園で栽培できる、おすすめの山芋の種類を紹介します。
いちょう芋|プランターで育てられるコンパクトサイズ!

出典:写真AC
扇形で、いちょうに似た形の山芋です。関東では「大和芋(やまといも)」とも呼ばれています。大きさはコンパクトなため、プランター栽培にも最適!長芋より粘りが強く、とろろにして食べるのがおすすめです。
つくね芋|野球ボールぐらいの大きさ

出典:PIXTA
粘りが強く、きめ細かい食感の山芋です。関西地域を中心に栽培されていて、こちらも「大和芋」と呼ばれることもあり、皮の黒い「加賀丸イモ」「丹波イモ」、白い皮の「伊勢イモ」など、更に細かく地域ごとに品種が分かれています。野球ボールくらいの丸形なので、プランターでも栽培できます。
長芋(ながいも)|狭い畑でもできる!
山芋の代表品種です。粘りは少なめで、シャキシャキとした食感が特徴。まっすぐ伸び、小さな家庭菜園など広い面積がなくても栽培が可能なサイズ感です。
長芋 種芋
・内容量:1kg
・発売開始予定日:1月中旬〜
種芋の植え付けや収穫など、山芋栽培の時期や温度

出典:写真AC
山芋は、
春に植え付けをして収穫は晩秋と、栽培期間が長い野菜です。夏から秋にかけては緑の葉がグングン伸びて広がっていき、秋が深まるころにずっしり長い山芋が収穫できます。
山芋の栽培カレンダー

図:まつたかずき
栽培適温と連作障害
栽培適温:17~27℃
連作障害:3~4年
家庭菜園で山芋を上手に栽培するポイント
- 畑の場合:高さ10~15cm、幅60~70cmの畝を作成。プランターの場合:深さ30cm、幅65cm、奥行き20cm以上のものを用意
- 株間30cmで、深さ10cm程度の穴を土にあけ、種芋を植え付ける
- 元気な芽を1本残して、ほかの芽を間引きする
- 追肥は1カ月に1回、10〜20g程度の化成肥料を与える
山芋の基本の栽培方法|地植え&プランター

出典:写真AC
太くてしっかりした山芋を家庭菜園でも収穫できるように、植え付け前にできる準備や上手な育て方など、山芋栽培のポイントを知っておきましょう。山芋の種類によって多少の違いはありますが、基本的な栽培方法は同じです。
Step1. 栽培前に石を除いて土をほぐす

出典:写真AC
山芋は、土の中に石などの硬いものがあると、それを避けて根を伸ばしていくため、二股などに根が分かれて形が悪くなります。まっすぐ太い山芋を育てるためには、土作りの際に小石や土の塊のないように除去し、しっかり土をほぐしてあげましょう!
Step2. 山芋栽培に最適な土の準備

撮影:まつたかずき
畑・地植えで山芋を栽培する場合
- 種芋の植え付け2週間前までに1平方メートルあたり200gの苦土石灰をまき、土に混ぜ込みます。
- 種芋の植え付け1週間前までに1平方メートルあたり1kgの堆肥と100gの化成肥料をまき、土に混ぜ込みます。
- 高さ10~15cm、畝幅60~70cmの畝を作成します。
プランターで山芋を栽培する場合
- プランターは深さ30cm、幅65cm、奥行き20cm以上の物を準備しましょう。
- 根腐れを防止するため、鉢底石を底に敷き、野菜用培養土を縁から2cm下の高さまで入れます。
Step3. 山芋(種芋)を植え付ける手順
- 植え付けをする場所に、株間30cmで、深さ10cm程度の種芋がすっぽり入る溝を掘ります。長芋の場合は、種芋の長さ分の溝を掘って、斜めに寝かせるように植えます。
- 種芋の尖ったほうが上を向くように、芽が出ている種芋の場合は芽が地表に出るように植えましょう。こんもりと土をかぶせ、軽く押さえましょう。
ワンポイントアドバイス
種芋を植えた位置を見失わないように、短い支柱を立てておくと、収穫のときに迷わずに収穫できますよ。
Step4. 夏場はこまめなな水やりを

出典:写真AC
山芋は乾燥に弱い野菜です。夏場は敷きワラやマルチシートをし、こまめに水やりを行います。
乾燥が続くと、形が悪い芋になるといわれています。Step5. 支柱の設置とつるの誘引

撮影:まつたかずき
地植えもプランターも、6月ごろにつるがどんどん生長してきます。つるを誘引せず放置すると、地面にたくさん伸びてきて害虫のすみかになってしまいます。支柱を立てて、園芸ネットか麻ひもを張りましょう。
園芸ネットやひもは、風で山芋のつるが揺さぶられないように、できるだけピンと張ります。伸びているつるを、そこに優しく絡めていきます。プランターの場合は、グリーンカーテンにすることもできますよ。
Step6. 追肥は月1回ペースで忘れずに
山芋を順調に太らせるためには、定期的な追肥をしましょう。
植え付け後、1カ月に1回のペースで、化成肥料などを与えてください。
畑や地植えの場合は1平方メートルあたり10~20g、プランターには10gの追肥をしましょう。
Step7. 山芋の収穫

出典:写真AC
葉が黄色く色づいたら、収穫時期のサインです。まずは、つるを株元からすべてカットしましょう。目印に立てた支柱から30cmほど離れた場所から、支柱の株元に近づくように慎重に土を掘っていきます。大きなスコップで力任せで掘り起こすのはNG!
素手や移植ごてを使って丁寧に掘り起こしましょう。1つあると便利!お気に入りの移植ごて・小型スコップを見つけよう!!
山芋の害虫対策

出典:写真AC
イモキバガ
主に芋の分類に属する野菜に取り付く害虫。イモコガとも呼ばれます。光沢のある黒色の頭をした幼虫で、葉を巻いて内側から食害します。巻いている葉を見つけたら、中を開いて捕殺するか。葉ごと除去して対策しましょう。
ヨトウムシ
葉に食害が見られた場合、ヨトウムシが潜んでいる可能性が高いです。株元を掘って見つけたら捕殺しましょう。米ぬかを入れた缶詰の空き缶を土に埋めて作ったトラップに、誘き寄せる方法も有効です。
ヨトウムシの関連記事はこちら
小さくても凝縮されたおいしさ!むかごを収穫しよう

出典:写真AC
みなさん「むかご」と聞いて、どんなものをイメージしますか?むかごは、山芋の脇芽の一種で、葉の付け根にできます。見た目は小さい豆のよう。ゆでてそのまま食べたり、炊き込みごはんにするのがおすすめで、山芋の粘り気と風味をしっかり味わえますよ!
1株から大量に収穫できるため、捨てずに収穫してくださいね。むかごってそもそも何?
むかごは、山芋の種のような存在で、肉芽とも呼ばれます。むかごを土に埋めておくと、数年でそこから山芋の芽が出てきます。実際に長芋や自然薯など、むかごから種芋を作る方もいます。
むかごの収穫時期は?
むかごは9月ごろからでき始めます。
収穫は、9月下旬から11月初旬ごろで、葉の色が黄色くなり始めたタイミングが最適。指で軽く触れてグラグラして採れやすくなったら完熟です。
むかごの保存方法とは?

出典:写真AC
むかごは、常温のままだと乾燥して表面にしわが出て味も落ちてしまいます。また、湿った状態で室温においておくとカビが生えます。できるだけ、収穫して間をおかず食べて欲しいですが、保存する場合は乾燥しないように、
湿らせたキッチンペーパーなどにくるんで袋に入れ、冷蔵庫に。おばあちゃんの知恵から学ぶ、むかごの簡単おいしい養生レシピ
採れたての山芋の香りとおいしさを堪能しよう!

出典:写真AC
家庭菜園で山芋を収穫したら、ぜひ新鮮なうちに味わってみてください。浅漬けや短冊切りにしてベーコンなどの肉類と炒めるのもおいしいですが、シンプルにとろろにしてご飯と一緒に味わうのもやはり最高です!
家庭菜園でできる、おいしいネバネバ野菜をもっと見る