秋の味覚「むかご」って何?「おばあちゃんの知恵」から学ぶ、簡単おいしい養生レシピ

「むかご」とは、自然薯など山芋の肉芽のこと。旬の時期、味や香り、栄養価ともに、おいしい食べ方や簡単料理レシピ(むかごの素揚げ、むかごごはん)などをご紹介。むかごの販売場所、あく抜き、保存方法なども一緒にお伝えします。


むかご

出典:写真AC
秋の味覚のひとつ「むかご」。直売所やマルシェなどで見かけることも多い食材ですが、「どうやって食べたらいいかわからない」という声も少なくありません。そこで今回は、むかごの栄養やおいしい食べ方(簡単レシピ)、保存方法などをご紹介します。

むかごとは?旬の時期や栄養について

むかご
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むかごとは、長芋や山芋、自然薯などの山芋のつるに結実する肉芽(にくが)のこと。1~2cmほどの丸い形をしており、親芋の種類によって形や大きさが少しずつ異なります。漢字では「零余子」と書き、地域によっては「ぬかご」と呼ばれることもあります。

一見すると小さな粒ですが、栄養価が豊富で繁殖力も高いのが特徴です。むかごを地中に埋めておくと、そこから芽が出て、新しい苗として生長していきます。

むかごの旬の時期

むかごの旬は、9月下旬~11月ごろ。最初は小さいものが多く、収穫期の後半になるにつれて、完熟した大きな実が出回るようになります。収穫量が少ないためスーパーなどで見かけることはほとんどなく、直売所やマルシェなどで売られている場合が多いです。山間部で暮らす人たちの間では、昔から「秋の味覚」として親しまれてきました。

山芋は、家庭菜園などでも栽培することができます。むかごはグリーンカーテンにもおすすめ。秋には収穫もできて一石二鳥です。基本の栽培方法やむかごの収穫方法については、こちらの記事をご覧ください。


むかごの味と栄養は?

むかご
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むかごを一口食べると、ほのかな土の香りや旨味、粘りなどが感じられます。山芋の風味ともよく似ていますが、栄養面でも山芋に匹敵するほど、滋養に富んでいます。

まず、消化酵素「アミラーゼ」が豊富に含まれており、でんぷんを含む食材(お米や芋類など)の消化を助けてくれます。

むかごを食べた時に感じる粘りは、多糖類のガラクタンやマンナンと呼ばれる成分によるもの。新陳代謝を高める働きが期待されており、アンチエイジングにも役立つといわれています。

また昔から山芋などと同様に、むかごは滋養強壮の食材として重宝されてきました。生殖能力を高めるとされるアミノ酸の一種「アルギニン」などもたっぷりと含まれています。そのほか、現代人に不足しやすい食物繊維や鉄分なども含有しています。

むかごのおいしい食べ方|簡単養生レシピ

むかご
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むかごの素朴な風味を味わうためには、シンプルな食べ方がおすすめです。

今回は定番レシピを2つ、ご紹介しますね。我が家では、大きなむかごは「素揚げ」、小さなものは「むかごごはん」にすることが多いです。


むかごの素揚げ

たっぷりの油ではなく、少なめの油でじっくりと揚げ焼きにします。温かい状態で食べると、モッチリとした食感が楽しめます。酒の肴にもおすすめの一品です。

〈材料〉作りやすい分量
・むかご 1カップ
・米油などの植物性の油 大さじ1程度
・自然塩 適量

作り方

1. むかごはさっと洗い、汚れを落としておく。ザルにあげて水気を切る。
2. 鍋に油を入れて熱し、温まったらむかごを入れる。
3. 弱火で3~5分程度揚げ焼きにする。鍋を時々揺すりながら、焦げないように注意する。
4. 一粒食べてみて、好みの味になっていればOK。キッチンペーパーを敷いた皿などに取り出して、油を切る。塩を振って、できあがり。

ポイント

揚げ焼きにすることで、皮がパリパリと香ばしい味に変化します。下準備の段階では、ゴシゴシと皮を洗わなくても大丈夫です。

むかごごはん

むかごの独特の風味や香りが存分に感じられる一品です。独特の風味を楽しむために、通常の炊き込みごはんに比べて薄めの塩加減にしています。炊飯器を使えば、とても簡単に作れます。

〈材料〉4~5人分
・むかご 1/2カップ
・米 2合
・酒 大さじ1/2
・自然塩 小さじ1/2

作り方

1. 米は研いで、ザルにあげておく。
2. むかごは、表面の汚れを丁寧に落とす。土の香りが苦手な方は、さっと水洗いした後に、すり鉢に入れてゴロゴロ転がして、表面の薄皮を少しだけ落とすようにする。
3. 炊飯器や土鍋などに1の米と酒、塩、分量の水を加えてひと混ぜする。むかごを静かに置いて、炊き始める。
4. 炊き上がったら、底からさっくりと混ぜれば、できあがり。

ポイント

もち米を半分ほど混ぜて「おこわ風」にしても、おいしいです。

好みに合わせて「あく抜き」を

むかごにはあくが含まれています。土の香りや苦味があまり好みではない方や、刺激に敏感なお子さんなどには、あく抜きをした方が食べやすいかもしれません。

あく抜きは、熱湯にむかごを入れ、約1分湯通しをします。ザルにあげて水気を切り、粗熱が取れるまで待ちます。その後、素揚げや炊き込みごはんなどの料理に使ってください。

むかごの保存方法

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むかごを保存する際のポイントは「乾燥しないようにする」こと。常温でそのまま放置しておくと、表面が乾いてシワシワになってしまいます。かといって、洗ったまま水分がたくさん付いた状態で常温に置いておくと、カビが生えてしまう場合もあります。つまり「適度に保湿する」ことが大切です。

そこで、おすすめの保存方法は、水で洗って水分をふき取った後、湿らせたキッチンペーパーなどでむかごを包み、袋か保存容器などに入れて冷蔵庫へ。早めに食べるのがおすすめですが、冷蔵庫で2~3週間ほど保存できます。もしそれ以上保存したい場合は、冷凍してくださいね。

家庭菜園などでたくさん収穫できた時などは、段ボールにおがくずやもみ殻などを詰めて、そのなかにむかごを埋めて涼しい場所に置いておきます。この方法であれば、1週間程度はおいしく食べられます。

秋の味覚「むかご」を味わってみよう

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滋養強壮の食材としても、秋の味覚としても古くから親しまれてきた、むかご。山芋の肉芽であり、山芋にもよく似た味や土の香りがあり、栄養もたっぷり含まれています。むかごを見つけたら、ぜひ味わってみてくださいね。旬の食材をおいしくいただいて、秋も健やかに過ごせますように。

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松橋 佳奈子

大学卒業後、企業とNPOにてまちづくりの仕事に10年以上携わる。そのなかで食の大切さを感じ、2014年に薬膳とおばあちゃんの知恵をベースに「養生キッチンふうど」を立ち上げる。コンセプトは「人も地域も元気になる『食』」。現在は子育てをしながら、レシピ提供や執筆などを中心に活動中。主な資格は、国際薬膳師、登録ランドスケープ・アーキテクト(RLA)。

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