基本!支柱の立て方と野菜のとめ方
支柱を丈夫に立てる挿し方
支柱を丈夫に立てるには、とにかく深く垂直に挿すこと。イボ支柱であれば約20cm、パイプ支柱であれば約30cmの深さまで挿さなければ風などのあおりを受けて倒れやすくなります。支柱を何本も深く挿すのは大変…という方は、支柱を挿す専用の道具がおすすめ。イボ支柱用のものはこちら。
・材質:スチール(メッキ仕上げ)
・対応支柱サイズ:直径16~20mm
毎回支柱さしには、力が必要で苦労していたので探していました。
さっそく試しに使ってみましたが、楽々簡単、非常に便利です。もっと早く知ってればよかった。
出典: 楽天市場
パイプ支柱用のものもあります。どちらも挿すだけでなく抜く作業にも使えるので、1本あると重宝します。
・適応パイプ:12.7〜19.1mm
・全長:230mm
・重量:470g
杭立てはいつも手や肩を痛めていたのですが、これを購入してからはとても楽になりましたし、
しっかり埋め込めるので大風ですぐ倒れてしまうことがなくなって、重宝しています。
出典: Amazon
支柱にゆるく枝をとめる
支柱に野菜を固定する方法はさまざまですが、細く硬いひもできつく結ぶと逆に枝にひもが食い込んで折れてしまうことになります。使用するひもはスズランテープのような包帯状のものがおすすめです。また、枝が折れる最大の原因は実の重み。重さは下の方向にかかるので、地面に垂直な動きを支えることがポイントです。逆にいえば、地面に平行な横の動きに対しては多少のゆるさがあった方がうまく横風の力を逃がすことができます。支柱と側枝を八の字の輪っかで結び、側枝が輪っかにもたれかかった状態にすると良いでしょう。栽培面積が広く一つひとつ結ぶのが大変な場合は、枝の種類によって簡単にとめることができる道具もあります。
主軸をとめる
ナス、ピーマン、トマトなどの地際の主軸と支柱をとめる場合はクリップで固定します。つる性の側枝をとめる
キュウリやゴーヤなどのツル性果菜の側枝は、とめる箇所が多く枝が折れやすいので園芸用結束機を利用すると管理が簡単に早くできます。・重さ:525g
・結束範囲:最大直径45mm
ナスやピーマンなどの苗の固定をするのに今までは支柱に紐で縛っていた。
この作業が辛気臭く、面倒で、苗を傷めないように気を使って時間が掛かっていた。
テープナー(HT-B NA)を使ってみると、実にスムーズに作業が進み、紐の場合よりしっかりと固定できた。
買ってよかった!!
ただ、使うに当たり、取説では理解出来ず、ユーチューブの動画で確認した。
出来れば、取説に動画のサイトを掲載してあれば完璧だと思う。
出典: Amazon
光分解するタイプの結束機用テープは、自然分解するのでゴミとして回収する手間がなく、おすすめです。
野菜ごとに違う!支柱の使い分け
1~2本仕立て果菜(トマト)|らせん支柱またはひも支柱
夏野菜の代表、トマトは主枝の1本のみを伸ばし、側枝は全て剪枝するのが一般的です。らせん支柱やひも支柱を使うことで枝を絡ませて長く収穫ができます。3本仕立て果菜(ナス、ピーマン)|クロス型またはV字型
ナスやピーマンは主枝のほかに第1、第2側枝を合わせた3本の枝を伸ばして栽培する3本仕立て系の野菜です。大きくなると低木のようになりますが、ナスは特に実が重いので、軸となる主軸よりも、外に広がった側枝に実の重みがかからないような支柱が必要です。家庭菜園であればイボ支柱を3本合わせたクロス型、農園では直線支柱やアーチ支柱を使ったV字型が一般的です。
ツル性3本仕立て果菜(キュウリ、ゴーヤ)|アーチ型
キュウリやゴーヤも3本以上の仕立て方をしますが、ツルを這わせるネットをアーチ状の支柱に張って栽培するのが一般的です。風の影響を受けやすいので支柱を丈夫に立てることと、ネットもふらつきがないようにピンピンに張った状態が理想です。実践!支柱の立て方
ここからは実際の支柱の立て方をご紹介します。トマトのひも支柱栽培
ナスのV字型支柱
ナスのV字栽培はアーチパイプまたは直線パイプをV字に組んで作ります。・サイズ(約):幅200×奥行280×高さ225cm
・アーチ周り(脚部含む):540cm
キュウリのアーチ型支柱
キュウリやゴーヤは主枝が太くなるナスなどと違い、ツル性で1本1本の枝が折れやすいという特徴があります。キュウリのアーチ型パイプの栽培は支柱自体とネットの張りの強度を出せる栽培方法なので、ツル性の野菜にはおすすめ。アーチ型支柱の強度UPにはマイカー線と直線パイプ
さらに、アーチの両端に直管パイプで筋交いを入れると強度が増します。
台風に負けない支柱栽培のコツ!
支柱栽培がメインとなる夏野菜の栽培は台風との闘いでもあります。いくら支柱をしっかり挿したとしても、野菜が風に振られて傷がついたり、葉っぱがボロボロになったりと、どうしても野菜のできが悪くなることもあります。ここからは風の影響を極力抑えるための工夫をご紹介します。緑肥で防風壁を作る
キュウリやナスは衝撃や摩擦で傷がつきやすい作物です。支柱栽培をしている畑に吹き込んでくる風の強度をできる限り抑えることができれば、傷のないきれいな状態で収穫ができます。防風ネットを畑の周りに囲うと良いのですが、キュウリ支柱を越える高さの防風ネットの設置には時間もコストもかかります。そこで、おすすめなのがソルゴーなど丈が高い緑肥を使った防風壁。ナスやキュウリの露地定植を始めるころに、支柱栽培を行う畑の外周に種をまきます。キュウリやナスの生長とともに緑肥の丈も伸びるので、影を作ることなく防風対策ができます。ソルゴーは最大3mほどになるので、ある程度高くなったら必要な高さで切りそろえてると立ち枯れますが、完全に倒れない限り防風壁としての機能は維持できます。
・播種期:暖地4~8月、中間地5~8月、寒地5~7月
・播種量目安:1kg/10a(防風・間作利用)
失敗しても起き上がる!支柱栽培の2度使い
実際には、1作目のキュウリが終わりかけてきた7~8月にマルチの間に追肥を行い、キュウリの植穴に重ならないようにインゲンやコリンキー(カボチャ)の種をまいていきます。このように支柱を2度使いして9月ごろには2作目の収穫ができるのです。
支柱栽培は日進月歩・最適解は自分次第!
ひもからパイプまでさまざまな支柱栽培の方法をご紹介しました。実際は、ここでご紹介した方法以外にもひも支柱を使ったナス栽培や、高い段と低い段を同時に栽培するトマトのひも支柱栽培、細かい支柱の立て方も農家一軒ごとに違います。その地域の風の吹き方、持っている資材の種類、人手によって、最適な支柱栽培の方法は変わります。実際、私も毎年支柱の立て方を変えて、その年の生産計画や状況に合った形で栽培を進めています。逆にいつも支柱栽培で失敗してしまうという知り合いがいましたが、支柱の選び方、立て方に関する知識がなく、どの野菜でも同じやり方で栽培していました。その人も知識を広げただけで翌年からしっかりと栽培できていたので、野菜や状況に合わせた最適解を見つける姿勢で探求していくことが大事なのかもしれません。ここでご紹介した例を参考に、ぜひ自分の畑に合ったぴったりの支柱栽培を見つけてみてください。