夏野菜のデキは支柱で決まる!農家が教える支柱選びと立て方のコツ

トマト、ナス、キュウリなどの夏野菜は、枝が折れたり、風に倒れたりと栽培には失敗も多い野菜。支柱栽培なら夏野菜の管理や収穫が楽になり、多収も見込めます。ここでは農家が実践している支柱選びと立て方、台風対策などをご紹介します。


夏野菜

出典:写真AC
トマト、ナス、キュウリなどの夏野菜は、枝が折れたり、風に倒れたりと栽培には失敗も多い野菜。支柱栽培を使えば夏野菜の管理や収穫が楽になり、多収も見込めます。ここでは農家が実践している支柱選びと立て方、風対策などをご紹介します。

基本!支柱の立て方と野菜のとめ方

ナスの支柱栽培
出典:PIXTA
支柱栽培は支柱が倒れた、支柱に枝を結んだら枝が折れた…という失敗が多く難しいと思われがちです。実は安定した支柱栽培にはコツがあります。家庭菜園でも農園でも支柱の立て方のポイントは”しっかり”、そして支柱に野菜をとめるときのポイントは”ゆるく”です。

支柱を丈夫に立てる挿し方

支柱を丈夫に立てるには、とにかく深く垂直に挿すこと。イボ支柱であれば約20cm、パイプ支柱であれば約30cmの深さまで挿さなければ風などのあおりを受けて倒れやすくなります。

支柱を何本も深く挿すのは大変…という方は、支柱を挿す専用の道具がおすすめ。イボ支柱用のものはこちら。
ITEM
支柱ヌキサシ君 楽々支柱さし器
・重量:320g
・材質:スチール(メッキ仕上げ)
・対応支柱サイズ:直径16~20mm

毎回支柱さしには、力が必要で苦労していたので探していました。
さっそく試しに使ってみましたが、楽々簡単、非常に便利です。もっと早く知ってればよかった。


パイプ支柱用のものもあります。どちらも挿すだけでなく抜く作業にも使えるので、1本あると重宝します。
ITEM
サンエー パイプハンド G16
・タイプ:支柱パイプ用(手持ち式)
・適応パイプ:12.7〜19.1mm
・全長:230mm 
・重量:470g

杭立てはいつも手や肩を痛めていたのですが、これを購入してからはとても楽になりましたし、
しっかり埋め込めるので大風ですぐ倒れてしまうことがなくなって、重宝しています。


支柱にゆるく枝をとめる

支柱に野菜を固定する方法はさまざまですが、細く硬いひもできつく結ぶと逆に枝にひもが食い込んで折れてしまうことになります。使用するひもはスズランテープのような包帯状のものがおすすめです。

また、枝が折れる最大の原因は実の重み。重さは下の方向にかかるので、地面に垂直な動きを支えることがポイントです。逆にいえば、地面に平行な横の動きに対しては多少のゆるさがあった方がうまく横風の力を逃がすことができます。支柱と側枝を八の字の輪っかで結び、側枝が輪っかにもたれかかった状態にすると良いでしょう。栽培面積が広く一つひとつ結ぶのが大変な場合は、枝の種類によって簡単にとめることができる道具もあります。

主軸をとめる

ナス、ピーマン、トマトなどの地際の主軸と支柱をとめる場合はクリップで固定します。
ITEM
しちゅうキャッチ 20
・適用支柱径:20mm用(イボタケ・フシタケ)
・個数:300個

つる性の側枝をとめる

キュウリやゴーヤなどのツル性果菜の側枝は、とめる箇所が多く枝が折れやすいので園芸用結束機を利用すると管理が簡単に早くできます。
ITEM
マックス園芸結束機(テープナー)HT-B
・サイズ:高さ158×幅30×長さ345mm
・重さ:525g
・結束範囲:最大直径45mm

ナスやピーマンなどの苗の固定をするのに今までは支柱に紐で縛っていた。
この作業が辛気臭く、面倒で、苗を傷めないように気を使って時間が掛かっていた。
テープナー(HT-B NA)を使ってみると、実にスムーズに作業が進み、紐の場合よりしっかりと固定できた。
買ってよかった!!
ただ、使うに当たり、取説では理解出来ず、ユーチューブの動画で確認した。
出来れば、取説に動画のサイトを掲載してあれば完璧だと思う。


光分解するタイプの結束機用テープは、自然分解するのでゴミとして回収する手間がなく、おすすめです。
ITEM
マックス 園芸用誘引結束機テープナー用テープ TAPE 100-R
・入数:10巻


野菜ごとに違う!支柱の使い分け

ナス栽培
出典:写真AC
夏野菜に支柱が必要とはいえ、野菜のカタチや育ち方によって使う支柱が変わってきます。支柱栽培の種類は大きく分けて3つ。それぞれ野菜のタイプ別に紹介していきます。

1~2本仕立て果菜(トマト)|らせん支柱またはひも支柱

夏野菜の代表、トマトは主枝の1本のみを伸ばし、側枝は全て剪枝するのが一般的です。らせん支柱やひも支柱を使うことで枝を絡ませて長く収穫ができます。
ITEM
第一ビニール らせん形トマト用支柱
・サイズ: 直径13×2100mm
・本数:25本
・メーカー:第一ビニール


3本仕立て果菜(ナス、ピーマン)|クロス型またはV字型

ナスやピーマンは主枝のほかに第1、第2側枝を合わせた3本の枝を伸ばして栽培する3本仕立て系の野菜です。大きくなると低木のようになりますが、ナスは特に実が重いので、軸となる主軸よりも、外に広がった側枝に実の重みがかからないような支柱が必要です。
家庭菜園であればイボ支柱を3本合わせたクロス型、農園では直線支柱やアーチ支柱を使ったV字型が一般的です。

ツル性3本仕立て果菜(キュウリ、ゴーヤ)|アーチ型

キュウリやゴーヤも3本以上の仕立て方をしますが、ツルを這わせるネットをアーチ状の支柱に張って栽培するのが一般的です。風の影響を受けやすいので支柱を丈夫に立てることと、ネットもふらつきがないようにピンピンに張った状態が理想です。

実践!支柱の立て方

ここからは実際の支柱の立て方をご紹介します。

トマトのひも支柱栽培

トマト支柱栽培
出典:写真AC
トマトのひも支柱栽培はひもを伸ばせばどこまでも採れるというメリットがあります。主枝の長さで6m以上、栽培段数13段以上採れるので、私もトマトは毎年ひも支柱栽培をしています。ビニールアーチやハウスの骨組みのパイプからひもを垂らし、トマトの主枝に巻き付けて栽培します。
トマトの枝
出典:はる農園
トマトと主枝は専用のクリップを使用します。
ITEM
誘引クキロック
・規格:CP-609E 細紐用
・個数:100個

ナスのV字型支柱

ナスのV字栽培はアーチパイプまたは直線パイプをV字に組んで作ります。
ITEM
標準パイプ支柱セット 1組
・内容:アーチ部用パイプ30個、横通し用パイプ9本、T字型ジョイント6個、クロスバンド9個
・サイズ(約):幅200×奥行280×高さ225cm
・アーチ周り(脚部含む):540cm

ナス支柱
出典:はる農園
まず、定植した直後にイボ支柱とクリップを使って苗を固定します。
アーチパイプクロス
出典:はる農園
その後、広めのアーチパイプを約3m間隔で挿して、地際でクロスさせて結びます。
ナスの枝とマイカー線
出典:はる農園
ナスの側枝が生長して斜め上方向に延びていくので、おおよそ30cm間隔で支柱にマイカー線を張っていきます。地面に水平にマイカー線を張っていくと支柱のV字の形に合わせて段ができます。ナスの枝がそのマイカー線にもたれかかり、下方向にかかる実の重みの支えになります。

キュウリのアーチ型支柱

キュウリやゴーヤは主枝が太くなるナスなどと違い、ツル性で1本1本の枝が折れやすいという特徴があります。キュウリのアーチ型パイプの栽培は支柱自体とネットの張りの強度を出せる栽培方法なので、ツル性の野菜にはおすすめ。

アーチ型支柱の強度UPにはマイカー線と直線パイプ

キュウリのアーチ型支柱
出典:はる農園
ナス栽培で紹介したようなアーチパイプは、通常アーチ上部の背骨になる直管パイプがセットになっています。ツル性の野菜の場合、それだけでは強度が足りないので、パイプのサイドにマイカー線または直管パイプを2段つくります。
マイカー線横
出典:はる農園
サイドのマイカー線はできるだけきつく張った状態にします。
さらに、アーチの両端に直管パイプで筋交いを入れると強度が増します。
野菜のネット
写真:はる農園
ツル性の野菜のネットは風が吹いてもピンと張っている状態になるのがポイントです。U字杭などを支柱に沿って挿しておくと張りがでます。

台風に負けない支柱栽培のコツ!

支柱栽培がメインとなる夏野菜の栽培は台風との闘いでもあります。いくら支柱をしっかり挿したとしても、野菜が風に振られて傷がついたり、葉っぱがボロボロになったりと、どうしても野菜のできが悪くなることもあります。ここからは風の影響を極力抑えるための工夫をご紹介します。

緑肥で防風壁を作る

キュウリやナスは衝撃や摩擦で傷がつきやすい作物です。支柱栽培をしている畑に吹き込んでくる風の強度をできる限り抑えることができれば、傷のないきれいな状態で収穫ができます。防風ネットを畑の周りに囲うと良いのですが、キュウリ支柱を越える高さの防風ネットの設置には時間もコストもかかります。

そこで、おすすめなのがソルゴーなど丈が高い緑肥を使った防風壁。ナスやキュウリの露地定植を始めるころに、支柱栽培を行う畑の外周に種をまきます。キュウリやナスの生長とともに緑肥の丈も伸びるので、影を作ることなく防風対策ができます。ソルゴーは最大3mほどになるので、ある程度高くなったら必要な高さで切りそろえてると立ち枯れますが、完全に倒れない限り防風壁としての機能は維持できます。
ITEM
カネコ種苗 緑肥ソルガムおおきいソルゴー(イネ科)
・内容量:1kg
・播種期:暖地4~8月、中間地5~8月、寒地5~7月
・播種量目安:1kg/10a(防風・間作利用)


失敗しても起き上がる!支柱栽培の2度使い

支柱栽培
出典:写真AC
大きな台風や強風の場合、キュウリなどは折れなくても風で葉がボロボロになったり、病気になってすぐ枯れてしまったりすることがあります。1作目がだめでも2作目を考えておけば、万が一の場合でも穴を埋めることができますし、1作目が順調であれば2倍の生産が可能です。

実際には、1作目のキュウリが終わりかけてきた7~8月にマルチの間に追肥を行い、キュウリの植穴に重ならないようにインゲンやコリンキー(カボチャ)の種をまいていきます。このように支柱を2度使いして9月ごろには2作目の収穫ができるのです。

支柱栽培は日進月歩・最適解は自分次第!

ひもからパイプまでさまざまな支柱栽培の方法をご紹介しました。実際は、ここでご紹介した方法以外にもひも支柱を使ったナス栽培や、高い段と低い段を同時に栽培するトマトのひも支柱栽培、細かい支柱の立て方も農家一軒ごとに違います。その地域の風の吹き方、持っている資材の種類、人手によって、最適な支柱栽培の方法は変わります。

実際、私も毎年支柱の立て方を変えて、その年の生産計画や状況に合った形で栽培を進めています。逆にいつも支柱栽培で失敗してしまうという知り合いがいましたが、支柱の選び方、立て方に関する知識がなく、どの野菜でも同じやり方で栽培していました。その人も知識を広げただけで翌年からしっかりと栽培できていたので、野菜や状況に合わせた最適解を見つける姿勢で探求していくことが大事なのかもしれません。ここでご紹介した例を参考に、ぜひ自分の畑に合ったぴったりの支柱栽培を見つけてみてください。

紹介されたアイテム

支柱ヌキサシ君 楽々支柱さし器
サンエー パイプハンド G16
しちゅうキャッチ 20
マックス園芸結束機(テープナー)HT-B
マックス 園芸用誘引結束機テープナー用テ…
第一ビニール らせん形トマト用支柱
誘引クキロック
標準パイプ支柱セット 1組
カネコ種苗 緑肥ソルガムおおきいソルゴー…

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キュウリのアーチ型支柱
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はる農園 千葉県印西市で無農薬の野菜を作る農家。その他、狩猟、養蜂、木こり、大工仕事など、風土づくりをテーマに活動中。 facebook : https://www.facebook.com/inba.vege.farm/ instagram : harunoen84

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