- MitsuyaNao
埼玉県の山奥で、約1反のブルーベリー畑を管理しています。ハイブッシュとラビットアイを約20品種栽培中。野菜、花、ハーブなども育てています。AGRI PICKでは、家庭菜園や園芸の初心者に向けた記事を中心に担当。他メディアでも多数執筆中。…続きを読む
パッションフルーツを育てる!冬越しは大丈夫?
パッションフルーツは、ブラジル原産のつる性熱帯植物です。生育適温は20~30℃前後と高く、生長スピードも速いため、グリーンカーテンに利用する人も増えています。冬越しできる品種の特徴
パッションフルーツには果実が黄色系のものと紫色系のものがありますが、黄色系の品種は寒さに弱く、露地栽培すると枯れてしまいます。一方、比較的耐寒性があるのは、紫色系の品種。家庭で栽培するなら、こちらを選ぶようにしましょう!ただ、紫色系の品種も、霜が降りるような場所では枯れてしまいます。九州南部や沖縄以外の地域では、屋内で冬越しできるように鉢植えで育てると安心ですよ。
おすすめの品種「エドゥリス」
日本でパッションフルーツといえば、この品種!育てやすくて味もいいため、人気があります。エドゥリスの中にも、皮が紫色のものと、黄色のものがありますが、やはりおすすめは、寒さに強く1本で実がなる紫色系。黄色系は紫色系より耐寒性が弱く、自分の花粉で受粉しにくいため、ほかの品種といっしょに2本以上植える必要があります。
パッションフルーツの育て方
栽培カレンダー
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け | ● | ● | ● | |||||||||
肥料 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
剪定 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
収穫 | ● | ● | ● |
苗の選び方
パッションフルーツを種から育てるのは難しいため、苗を植えつけるのが基本です。できるだけ根元が太く、株元から20cmくらいが一本立ちになっている、大きくてがっしりとした苗を選びましょう。おすすめのパッションフルーツの苗
植え付け
パッションフルーツの根は、浅く横にたくさん広がるので、直径30cm以上の大きな鉢を用意しましょう。腐葉土などの腐食質に富んだ土を使い、元肥として、油粕を中心とした緩効性肥料を、直接根に当たらないように施しましょう。植え付けが終わったら、支柱を1本立て、根元から20cmくらいの場所で主幹(真ん中の一番がっしりとした茎)と結びつけます。
栄養たっぷり!パッションフルーツ専用の培養土
日当たり
日光が不足すると収量が減り、果実も小さくなってしまいます。また、過湿にすると病気・害虫の被害を受けやすくなるので、風通しのよさも重要です。半日陰の場所でも育たないわけではありませんが、たくさん収穫したいなら日当たりのよいところを選ぶようにしましょう。
誘引
パッションフルーツは日当たりのよい暖かな場所ならどんどん生長し、つるを伸ばします。主幹は30cmくらいまで、側面に発生した芽をかき取りながら、まっすぐ伸ばしてください。根元から複数に枝分かれしてしまうと、その枝に養分が取られてしまい、充分に根が生長しません。主幹が30cmになったらフェンスを立て、主幹から発生した主枝を扇状になるように誘引しましょう。生育初期は、つるが風でふらつくと伸びが悪くなるので、20cmくらいの間隔でフェンスと結び付けてください。充分に生長してきたら、誘引しなくても自分でフェンスに巻きついてくれます。
グリーンカーテンにするコツは、こちらの記事をチェック!
剪定
伸びすぎた枝は切り戻しましょう。パッションフルーツの果実は、主枝から出る新しい孫枝にできるので、孫枝は収穫まで絶対に剪定してはいけません。強剪定したいときは、果実の収穫後に行うようにしてください。肥料
最初はつるをたくさん生長させるため、葉の生長を促す効果があるチッ素の多い肥料がおすすめです。充分につるが伸びたら、今度は実肥えと呼ばれるリン酸系の液体肥料に切り替えましょう。病気・害虫
疫病、立枯病などの病気や、アブラムシ・カイガラムシといった害虫が見られます。過湿にならないように、風通しのいいところで管理すると予防できます。パッションフルーツの病害虫対策について、もっと知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてくださいね。いよいよ収穫!食べごろはいつ?
パッションフルーツの果実は、緑色から紫や黄色へと変化し、完熟すると自然に実が落ちます。落果するのを待って収穫しましょう。ただ、落果すると果実が汚れてしまったり、探すのが大変だったりするので、引っぱったときに自然と実が取れるくらいの状態で収穫してもOKです。収穫したパッションフルーツの熟れ方が不十分だった場合は、しばらく放置して追熟させましょう。だんだん水分が蒸発して、皮が梅干しのようなシワシワの状態になります。これくらいになると酸味が抜けて、甘味が強くなりますよ。
採れすぎたときにはジュースやシロップにするのもいいですね。