ネキリムシ(カブラヤガ) | 発見のポイントと有効な駆除対策は?

野菜や草花の柔らかい茎葉を食べる害虫「ネキリムシ」。特に植え付けたばかりの苗を狙って地ぎわの茎から食害する害虫です。そんな「ネキリムシ」の駆除方法や効果的な予防対策、おすすめの農薬やネキリムシの生態と発見のポイントも詳しくご紹介します。


トマトに付いたネキリムシ

育てている野菜の苗が、ある日突然地表近くで茎を切られ、横倒しになっていたことはありませんか?それはもしかしたらネキリムシの仕業かもしれません。ネキリムシは日中土の中に潜み夜間活動するので、気付いたときには手遅れになっている場合がほとんどです。ここでは新規就農を視野に入れている方や家庭菜園で本格的に野菜作りに励みたい方に向けた、ネキリムシ発見のポイントや予防対策、使用する薬剤について、初心者の方にもわかりやすいようにご紹介します。

ネキリムシ(カブラヤガ)の被害と発見のポイント

ネキリムシの幼虫 日本でネキリムシと呼ばれるのは、カブラヤガ・タマナヤガ・オオカブラヤガ・センモンヤガの4種類です。その中でも特に発生が多いのはカブラヤガとタマナヤガで、食害の特徴は4種類とも同じです。ネキリムシの食害が最も酷い時期は、早春~初夏であり、また8~9月の定植したての作物が特に被害に遭いやすくなります。

ネキリムシによる被害

地ぎわの茎

植物の茎を食害するネキリムシ ネキリムシによる被害の特徴は、定植後1週間ほどの苗に最も多く見られます。名前はネキリムシですが、実際は根ではなく、地際の茎を食害するのが特徴です。越冬した老熟幼虫になると食害する量も増え、1株が完全に食いつくされてしまうことも珍しくありません。

茎葉

虫によって穴の開いた葉
出典:写真AC
ネキリムシの若齢幼虫は、主に茎葉を好みます。中齢幼虫以降になると、地ぎわの茎を噛み切り食害します。そのため、根元付近の土に接した下葉の一部が食害されていたり、根本付近で切断され、倒れている苗があればネキリムシの仕業と考えて良いでしょう。

ネキリムシ発見のポイント

畑の土を掘る
出典:写真AC

土中

ネキリムシの中齢~老齢幼虫は、日中土の中に潜んでいます。割と浅いところにいるため、被害のあった作物の根元を掘ってみると、見つけられることが多いです。発見次第すぐに駆除するようにしましょう。

地際の葉・下葉

地際の下葉を食害されているのを見つけたら、ネキリムシの若齢幼虫を疑い、付近をよく探してみましょう。また、下葉にネキリムシの卵が産み付けられていることもあります。

ネキリムシが多発する時期

多くの作物が生育途中である5~10月にネキリムシが多発します。ネキリムシの生育サイクルは50日ほど。年2~4回発生します。

ネキリムシ(カブラヤガ)とは

ネキリムシの幼虫
名前 カブラヤガ
別名 ネキリムシ
英語名 Cutwarm
分類 チョウ目/ヤガ科
活動する時期 3~11月
体長および体の特徴 幼虫で約6mm/暗褐色~暗灰色
主な被害作物 アブラナ科作物
生育サイクル、発生回数 50日位、2〜4回/年

ネキリムシの生態

ネキリムシの卵

ネキリムシの卵は直径1mm程のまんじゅう型で、色は淡い黄色です。作物の下葉や付近の土に多く産卵されます。卵は4~5日程で孵化し、幼虫になります。

ネキリムシの幼虫~蛹

ネキリムシの幼虫の期間は約1カ月。成長するにつれ体色が暗褐色~暗灰色に変化し、体長も40mmほどに成長します。孵化したての幼虫は作物の下葉など、地際部を食べますが量は少ないため被害もそれ程ではありません。また、中齢~老齢幼虫になると夜間に土に潜るようになり、作物の株元を切断して食害します。老齢幼虫になると土の中で蛹化し、2週間ほどで成虫になります。

ネキリムシの成虫

ネキリムシの成虫は体長約35~45mm、前翅長は18mm程度で、体全体が淡灰褐色をしています。雌は雄よりもやや大きく、暗色を帯びるのが特徴です。夜間に活動し、約1,000個の卵を1個~数個ずつ雑草や作物の地際部の古葉や枯葉に産み付けます。

ネキリムシ(カブラヤガ)が好む主な植物の種類

野菜

白菜
出典:Pixabay
ネキリムシはほとんどの野菜を食害しますが、特にキャベツやハクサイ、ダイコンなどのアブラナ科の野菜を好みます。

草花

満開のチューリップの花
出典:Pixabay
ネキリムシは野菜のほかに、パンジーやチューリップ、ゼラニウムなどの草花も食害します。

ネキリムシ(カブラヤガ)に有効な駆除方法

キャベツ畑
出典:写真AC

捕獲して駆除

前述の発見のポイントでも述べましたが、ネキリムシは日中、食害した作物付近の土中に潜んでいます。もし被害箇所を見つけたら、株元の土を軽く掘ってみましょう。見つけ次第捕殺します。

農薬(殺虫剤)で駆除

作物を大量に栽培している生産者の方や、ネキリムシの食害が深刻な場合は、農薬の散布が有効です。農薬を使用する際は、地域の防除指導機関やJAなどが推奨している効果の高い薬剤を選び、使用基準を必ず守りましょう。また、作物に合った農薬を使用するようにしてください。適した農薬を使用しないと、せっかく育てた作物が駄目になってしまうこともあるので注意が必要です。

ネキリムシの駆除におすすめの農薬

ITEM
住友化学園芸 デナポン
こちらは粒タイプの農薬で、パラパラと畑にまくだけでネキリムシを誘引し駆除することができます。定植後すぐに作物の周りに散布すると効果的です。

・内容量:300g

ダンゴムシが野菜を食い尽くす勢いだったので撒きました。翌日には大量の屍骸が転がっていました。



ITEM
住友化学園芸 オルトラン粒剤
こちらも粒タイプの農薬で、野菜の苗を定植する際に植え穴に散布する方法が一般的です。草花は株元に散布しましょう。ネキリムシだけでなくアブラムシやアザミウマなどさまざまな害虫に効果があります。

・内容量:650g

散布後すぐに効きました。匂いは強烈ですが効き目は間違いないです。


ネキリムシ(カブラヤガ)の予防対策

寒冷紗を施した家庭菜園
出典:写真AC

寒冷紗や防虫ネットでネキリムシの成虫を防ぐ

ネキリムシを防ぐには、寒冷紗や防虫ネットの使用が有効です。作物の上に掛けることで、成虫の飛来を防ぎ、卵を産み付けるのを防ぐことができます。特にキャベツやダイコンなど、ネキリムシが好むアブラナ科の野菜を植え付けた後には、必ず寒冷紗や防虫ネットで予防対策をしましょう。
ITEM
シンセイ 農業用不織布 らくらくガードスーパー
こちらは農業用の不織布で、虫だけでなく鳥からも作物を守ってくれます。また、霜よけなど防寒対策にもなるので一つ持っておくととても便利です。UV剤が入っているので、日光による劣化もしにくくなっています。

・サイズ:幅1.8×長さ10m
・材質:ポリプロピレン
・色:白

虫が入らなくなりましたし、カバーしたままで、雨も掛かりますし、水も掛けられるので助かります。



ITEM
シンセイ 防虫ネット 1mm目
全体に配された縦縞のアルミテープが日光を反射し、嫌がる虫を寄せつけません。トンネルやべたがけ両方で使えて、上から水やりもできるのでとても便利です。

・サイズ:幅1.8×長さ5m
・材質:ポリエチレン
・色:白、銀色(アルミテープ)

初めての家庭菜園で使用しましたが、ネットの上から灌水も水溶剤の殺虫、殺菌剤も撒けました。


作付け前の土壌処理

土壌改良
出典:写真AC
ネキリムシの防除には、作付け前の土壌処理もかなり重要です。ネキリムシの成虫は雑草にも卵を産み付けるので、作付けする畑やその周辺に雑草が繁茂している場合は、しっかり除草をしておきましょう。さらに前年ネキリムシが多発した畑も注意が必要です。残渣(ざんさ)をできる限り除去し、土中の蛹を畑で越冬させないようにしましょう。また、ネキリムシが多発した土壌を透明マルチで覆い、1カ月ほど日光消毒をすると熱で幼虫が死滅します。

ネキリムシ(カブラヤガ)から作物を守るために

収穫した野菜たち
出典:写真AC
ネキリムシは夜間に活動するため発見しにくく、せっかく植え付けた苗も株元から切り倒されてしまう厄介な害虫。まずは雑草や残渣(ざんさ)を除去し、日頃からよく観察することがネキリムシから作物を守る第一歩です。この記事でネキリムシの被害を防ぐお手伝いができれば嬉しいです!

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sayuri kaku
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暮らしを楽しむことを追求中。食、植物、アウトドアのことばかり考えています。