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- YasuhiroOgawa
植物園に勤務していた経験を活かして、正確でわかりやすい記事を書いていきたいです。好きな花はハイビスカス。現在は、トロピカルフルーツの新しい栽培に取り組んでます!…続きを読む
プルメリアの概要
プルメリア(Plumeria)は、キョウチクトウ科プルメリア属に属する植物。熱帯アメリカが原産の落葉、または常緑低木で、花にはさわやかな芳香があります。丈夫で長期間よく開花することから世界の熱帯各地で広く植えられています。ハワイではレイに使われるほか、ハワイアンキルトやジュエリーなどのモチーフなどとして親しまれています。花は香料の原料にもなりますが、その精油は希少価値が高く高価。花弁は5枚で、花色は白、ピンク、黄色、赤のほか、これらの色のさまざまな複色など、豊富にあります。
枝は多肉質で強風などで折れやすいですが、乾燥には強いです。なお、葉や枝を切ったときに出る白い乳液は有毒なので注意してください。
プルメリアの種類は?
よく見るプルメリアの多くは、インドソケイ(P.rubra)の園芸品種です。葉先が尖り、花色の変化に富みます。世界にはプルメリア専門のナーセリーがあり、人目を引く鮮やかな花を咲かせる品種やコンパクトで花付きがよい品種など、素晴らしい園芸品種が盛んに生み出されています。またアメリカやオーストラリアには協会がいくつかあり、熱心な愛好家が多いです。
プルメリアのおすすめの苗木
シンガポールホワイトの名でも知られるオブツサ(Plumeria obtusa)は、現地では落葉せず常緑のプルメリアです。葉は厚みがあって葉先は丸みを帯びます。低温期は多湿にすると腐りやすいなどトラブルが多いですが、ハダニやさび病などの発生はほとんど見られません。プディカ(P.pudica)は花はやや小さく香りもありませんが、花付きがよいです。枝は細くよく分枝するので、株姿が普通の低木に近い印象です。
プルメリアの特徴
・乾燥に強く、ほかの熱帯花木に比べて水やりの手間がかかりません。・冬は断水して休眠させれば0℃まで下がっても大丈夫。落葉しても問題なし。
・大株になれば、春~秋まで長い間開花します(周年開花性)。
・日光によく当てて育てれば、害虫類の発生が少ない植物です。
・春から秋は戸外に鉢植えを置けば、水切れで枯れることはありません。
・コンパクトサイズの鉢植えでは一年に1回咲かないこともよくあり、本来は鉢物に向きません。
・挿し木が簡単。枝はハワイや沖縄でおみやげ品として売られており、人気です。
プルメリアの花言葉は?
プルメリアの花言葉は、「陽だまり」「気品」「内気な乙女」。ハワイの強い日差しを浴びて、美しい花を次々と咲かせるプルメリアにふさわしい花言葉です。さわやかな芳香はまさに気品を感じさせますね!
人気が上昇している理由
・愛好家向けに海外の珍しい品種がネット通販等で購入でき、コレクションする楽しみがあります。・ハワイ好きの人が増え、またサーファーやフラダンス、ウクレレ愛好家にも人気です。
・プルメリア愛好者の交流等の活動が盛んなようです。
・矮性品種の登場。
1m近くの高さまで生育しないと花が咲かず、鉢植えとして家庭で楽しむのは不向きとされていましたが、近年は30~50cmほどの高さで開花する鉢植え向きの矮性品種が登場してます。現在も育種が盛んでさらに多くの品種が増えています。
コンパクトに育てられる苗木
プルメリアに適した置き場所は?
5~10月は戸外の日なたが適しています。日当たりの悪い場所では軟弱になり、花が咲きにくくなります。半日以上は日光によく当てるようにしてください。ただし6~9月は、コンクリートの上などに直接置くと鉢が暑さで蒸れるので、台の上など風通しのよい場所で管理するとよいでしょう。
プルメリアの枝は比較的柔らかくて折れやすく、特に中~大株は強風の被害を受けやすいです。支柱やトレリスなどに枝を数カ所、しっかりとヒモなどで結んで固定してください。台風などの到来が予想される場合は、室内に取り込むのが一番。室内に入れられない場合は、鉢植えを倒して寝かせた状態にし、その上からビニールなどをかぶせて固定してください。
プルメリアの水やり、肥料は?
水やりのポイント
春から秋は、用土の表面が乾いたら、鉢底から水があふれ出るまでたっぷりと水やりしてください。また水やりする際は、葉や枝先に勢いよく水をかけるようにすると、ハダニなどの病害虫の予防になります。ただし水を与えすぎると軟弱になり、根腐れもおこしやすくなるので注意。冬は11月から徐々に水やりの間隔を長くし、本格的に気温が下がる12月中旬~下旬ころから4月くらいまで断水してください。
肥料の与え方
油粕のようなチッソ分の多い肥料を与えると、葉ばかり茂って軟弱になり、花も咲きにくくなります。3要素が同じ割合か、リン酸分の多い肥料を5~10月に規定量与えます。用土と植え替え
やや根詰まり気味でも開花するので、1~2年に1回、春に植え替えしてください。鉢は急に大きすぎるものを使うと過湿になりやすく、失敗の原因になります。水はけのよい、やや乾燥気味の土壌を好むので、用土は水はけのよいものを選びます。初心者は、一般の肥沃で水持ちのよい培養土を使って根腐れさせてしまうことが多いようです。水を多くあげすぎてしまうような人は、多肉植物用の培養土を使えば安心。
用土の配合例として、小株は赤玉土小粒に腐葉土を3割程度混ぜた用土、6号以上の鉢植えは赤玉土中粒を使うとよいでしょう。また一般の培養土に軽石を3割程度まぜた用土でもよいです。
プルメリアの病害虫は?
戸外の日当たりのよい場所に置けばあまり害虫類の発生は見られません。しかし室内など、風通しが悪く乾燥した場所ではハダニの被害が多く見られます。ハダニは発生すると薬剤が効かない場合もあり厄介なので、予防が大切です。できるだけ戸外に置き、水やりの際に葉にもかけるようにしてください。
また蕾や新芽付近などに、アブラムシやカイガラムシが発生することがあります。枝が混み合ってきたり、風通しが悪い場所でよく発生します。
温度がやや低い5~6月は、さび病や立ち枯れなどが発生しやすいです。雨が続く時や、肌寒い日に雨が降る日などは、室内など雨の当たらない場所に移動すると安全です。
プルメリアの挿し木!成功のコツは?
多肉植物の挿し木に近いイメージで、過湿にすると失敗することが多いです。水に枝をつけるだけでも発根しますが、普通に土に挿し木するほうが簡単でおすすめ。挿し木に使用する枝は、やや木質化した太い枝が適します。まだ緑色の若い枝は腐りやすいので注意してください。枝を20cmほど切り、挿し穂とします。挿し穂は、切り口を2~4週間ほど涼しい場所で乾かしてから挿し木するのが第一のコツになります。
使用する鉢は深めの鉢(腰高鉢)が適しますが、サイズが大きすぎるものは使わないこと。
赤玉土小粒や鹿沼土などの清潔で水はけのよい用土を使い、枝が倒れない程度に深く挿してください。安定しない場合は支柱を立ててヒモで結び固定するとよいでしょう。
作業後に水を与え、風の当たらない室内の明るい場所に置きます。水やりは、鉢土の表面が乾いてから水を与えます。挿し木後に風に当たったり、乱暴に扱って枝をぐらつかせると、発根したばかりの根が切れるので注意してください。
1カ月くらいで新葉が勢いよく伸び出したら発根しているので、日当たりのよい場所に移します。
プルメリアの剪定は?
枝がほとんど分枝せず、人の背丈以上になってしまうことがあります。そのような場合は、株元近くからバッサリと切って仕立て直してください。切り口に保護剤を塗って腐敗を防げば、剪定によるショックで枯れることもないでしょう。ただし、開花まではだいたい3年以上かかります。切った枝は挿し木に使えば、容易に増やすことができます。
輸入制限に注意!
平成29年5月24日から、プルメリアの苗やおみやげ品のさし木用枝の海外からの輸入が、以前より厳しく制限されました。今後は、日本向けの3カ月にわたっての厳しい検査を合格した証明書が必要になります。ハワイなどで購入できるおみやげ用の穂木で証明書のないものは、今までのように国内に持ち込むと空港の検査で没収されます。むやみに国内に持ち込んでしまうと、日本にはいない新たな害虫も持ち込む危険があるので、十分注意してください。詳しくは農林水産省植物防疫所のホームページを参照してください。
植物防疫所のホームページ→http://www.maff.go.jp/pps/j/trip/memo/hawaii_plumeria.html
プルメリア関連リンク
市川園芸
木更津の良心的な生産農家 直売もhttp://ichikawaengei.main.jp/
志木フラワー
ジャングルジャックのプルメリアの導入・生産を行っています。プルメリアフェスティバルを開催するなどプルメリアに関して注力されています。http://shikiflower.com/
エクゾティックプランツ
植物園納入実績や著書が多数のプロが運営する、トロピカルプランツ専門のナーセリーです。http://www.exoticplants.co.jp/
Plumeria University
プルメリア情報が充実、勉強になります。http://www.plumeria-univ.com/index.html
Jungle Jack’s Plumerias
海外のプルメリア業者。鉢植え向きの矮性品種など、優れた品種を生み出しています。http://www.junglejacksplumeria.com/
丈夫で育てやすい!プルメリアを栽培してみましょう!
芳香のある美しい花が魅力のプルメリアは、水やりの労力が比較的かからず、冬は断水すれば簡単に冬越しできます。最近は流通する品種が多くなり、コレクションする楽しみもあります。丈夫で育てやすいプルメリア栽培に、気軽に挑戦してみてくだい。紹介されたアイテム
プルメリア オブツサ シンガポールホワイト(苗)
¥3,980 税込
プルメリア プディカ(苗)
¥1,026 税込
プルメリア ディバイン
¥3,500 税込
プロミック いろいろな植物用
¥696 税込
ベニカXファイン スプレー
¥1,125 税込