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ツツジの剪定時期は5~6月下旬
ツツジは花が咲き終わった後の、5~6月下旬に剪定をします。ただ、剪定は植物にとって少なからずストレスになることなので、この期間内でも猛暑日は避け、作業しやすい気温のときに行ってください。ツツジの剪定などの手入れの時期
- 開花期:4月中旬~5月中旬(品種による)
- 鑑賞期(紅葉):10~11月
- 植え付け、植え替え:3〜6月上旬、9月下旬~10月
- 肥料:鉢植え・庭植え/5~6月、9月下旬、1月
- 剪定:5~6月上旬
ツツジのきれいな花を楽しむためには剪定の時期がポイント!
ツツジは花が咲き終わった後すぐに剪定するのが基本です。これは、花が咲いた後に新しい枝を伸ばし、その先端に来年の花芽をつける性質をツツジがもっているからです。例えばサツキツツジは、6月下旬~8月上旬に花芽ができるといわれています。そのため、秋や冬に剪定してしまうと、せっかくできた来年の花芽を切ってしまうことに。ツツジは花が終わったらすぐに剪定し、残った芽から元気な枝が伸びるようにしましょう。野添 匠さん
遅くとも、夏の土用の丑(うし)の日までには剪定を終わらせるのが、美しい花を来年も楽しむための大切なポイントです。
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ツツジを剪定しないと病害虫の発生原因に!
ツツジを剪定しないで放っておくと、枝が混みあって風通しが悪くなったり、中まで日が当たらずに内部が枯れてきたりします。枯れ枝などの不要な枝をそのままにすると、蒸れて病害虫の被害に遭いやすくなるので、定期的な剪定で風通しを良くし、蒸れるのを防ぎましょう。また、剪定をして定期的にツツジの生長や樹勢をチェックすることで、病害虫の早期発見にもつながりますよ。こんな病害虫の被害に注意|ツツジに発生しやすい病害虫
ツツジは春から秋にかけて、ハダニやツツジグンバイムシ、ベニモンアオリンガ、ハマキムシの被害にあうことがあります。また、どちらもカビの一種が原因の「もち病」や「こうやく病」にかかりやすいので、注意が必要です。野添 匠さん
ハダニやツツジグンバイムシは葉の裏につくので、水をあげるときにしっかり葉の裏に水を当て、予防してください。
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ツツジの剪定方法を図解付きで詳しく解説!
ツツジの楽しみ方はさまざまですが、刈り込んで丸い形や生垣に仕立てるのか、自然樹形で楽しむのかによって、剪定の仕方が異なります。それぞれの剪定方法のポイントを、図解しながら紹介します。ツツジを刈り込んで仕立てる場合
ツツジを丸い形に仕立てたり、生垣として植えている場合は、刈り込みばさみを使ってきれいな面がでるように剪定しましょう。刈り込みをすることで、細かい枝や葉が出やすくなり、均一できれいな樹形になります。ツツジの刈り込みの手順
1.刈り込み線を決める
2.根元から勢いよくでている枝(徒長枝)を下から切る
3.刈り込みばさみを使って、全体を刈り込む
4.飛び出している枝や太い切り口を切り戻す
5.内部の枯れ枝や絡み合っている枝など、不要な枝を間引く
毎年刈り込んで理想のサイズをキープ
ツツジは条件が良ければ、1年で10cm近く伸びることもあります。理想の大きさをキープするために、刈り込みは毎年同じところで切るようにしましょう。野添 匠さん
昨年1年間で伸びた分をすべて刈り取るイメージです。
ツツジを自然樹形で楽しむ場合
ツツジを自然樹形のまま楽しむ場合は、剪定ばさみなどを使って、ツツジ本来が持つ美しい樹形に整える「透かし剪定」をしましょう。透かし剪定をすることで、風通しも良くなり、樹全体を小さく整えることができます。透かし剪定で伐るべき枝は7種類
1. 枯れ枝:枯れている枝
2. 立ち枝:真上に伸びている枝
3. 平行枝:上下に並んで同じ方向に伸びている枝の一方
4. 絡み枝:ほかの枝に絡んでいる枝
5. ふところ枝:樹の内側にある細い枝
6. 逆さ枝:下向きなど、ほかの枝とは違う方向へのびている枝
7. やご・ひこばえ:根元から出ている勢いがある枝
野添 匠さん
剪定すると逆に徒長枝が出やすくなるので、透かし剪定はあまり枝をいじらなくてもOK。不要な枝を取り除く程度にとどめておきましょう。
大きくなり過ぎたツツジを剪定して小さくするには?
ツツジは条件が良ければ、2m近くまで生長する樹木です。うっかり剪定を怠ると、大きくなり過ぎてしまって庭のバランスが悪くなったり、ほかの樹木や草花とうまく共生できなくなったりします。ツツジが大きくなり過ぎた場合は、「強剪定」という少し強めの剪定をして、小さな形に戻してあげましょう。ツツジの強剪定の方法
大きくなり過ぎたツツジを小さくする強剪定は、「切り戻し」という手法で全体を小さく剪定していきます。基本的には強い剪定をしても枯れることはありませんが、猛暑日を避けるなど、なるべくツツジにストレスがかからないようにするのがベストです。1. 仕上がりの大きさを決め、全体の樹形をイメージする
2. ツツジの太い枝の根元をたどり、仕上げたい大きさの少し下にある細い枝を見つける
3. 見つけた細い枝の、分岐している部分の少し上で太い枝を剪定する
4. 全体が好みの大きさになるように、すべての太い枝を同じように切り戻す
切る時は必ず枝の分岐のすぐ上で
野添 匠さん
剪定するときは必ず、枝の分岐のすぐ上で切りましょう。長く枝が残っていると、そこから枯れてきてしまうことがあります。
太い枝を切ったときには癒合剤で雑菌予防を
ツツジを強剪定して太い枝を切ったときには、コーティングをして雨水や雑菌の侵入を防止してくれる、癒合剤を塗っておきましょう。切り口が割れるのを防ぎ、切り口がふさがる手助けもしてくれます。野添 匠さん
枝の直径が3cm以上の切り口になるような太い枝を切ったときには、切り口に癒合剤を塗布してあげるようにしてください。
おすすめの癒合剤
美しい自然樹形にするためのツツジの透かし剪定方法
透かし剪定のポイントは、自然の状態を先取りするイメージで切ること。透かし剪定で切るべき枝は、放っておくといずれは枯れてしまう、不要な枝です。不要な枝を間引いて、樹木本来が持つ、美しい形に整えてあげましょう。野添 匠さん
透かし剪定をするときには、切り口を上や裏の方に向けるなど、目線から外れるようにすると、よりきれいに仕上がります!
外側に伸びる枝や芽を残すとより自然な樹形に
樹の内部に向かう枝や芽の上で剪定すると、全体的に不自然な形になりがちです。また、中の方の枝が混みあい、枯れやすくなってしまうことも。樹形全体をよく観察して、外側に伸びる枝や芽を残すように剪定すると、美しい自然の樹形が生きてきます。透かし剪定は1~2年に一回を目安に
透かし剪定は基本的には毎年おこないます。ただし、徒長枝があまり出てこなければ、2年に一回のペースでも大丈夫です。ツツジの伸び具合や全体のバランスを見て、剪定の頻度を決めましょう。ツツジの刈り込み方|きれいな形に仕上げるためのコツ
ツツジの刈り込みには、広い面を一気に剪定できる、刈り込みばさみを使いましょう。刈り込みばさみは便利で使いやすい道具ですが、ちょっとしたコツやポイントをおさえることで、より美しい仕上がりになりますよ。刈り込みばさみできれいに仕上げるコツ
刈り込みばさみを使う時に両手を動かしてしまうと、刃先が動いてしまい、でこぼことした仕上がりになりがちです。左手を固定し、右手だけを動かすようにすると、面が整ってきれいに仕上がります。野添 匠さん
刈り込んだ後に一度、樹全体をゆすると枝葉が落ちて、切れていなかった枝が飛び出してきます。その枝を剪定ばさみで整えてあげると、よりきれいに仕上がります!