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アボカドの種からの育て方|栽培レポートを公開!実の収穫までの年数や葉が枯れる原因など徹底解説


人気のフルーツ・アボカドの育て方を紹介!アボカドの種を水耕栽培にして、発芽・発根させる方法をスタッフが実践レポートします。また、アボカドの実をつけるコツや剪定方法についても解説。葉が枯れる、元気がないなどのトラブルの対処法にもお答えします!

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アボカド

出典:写真AC
栄養豊富かつヘルシーなことから、「森のバター」とも呼ばれるアボカド。甘味がなく、まったりとした食感の果肉は、フルーツというより野菜として食べられます。
そんなアボカドですが、種を水に浸けておくだけで、簡単に発根させることができるのを知っていますか?そのまま大きく育てれば、ツヤツヤの葉が美しい観葉植物として楽しむことができるんですよ。

そこでこの記事では、編集スタッフがアボカドの水栽培にチャレンジしてみました!ステップごとに、画像を交えてリポートします。また、アボカドの木の育て方や、実をつけさせるためのポイントも解説しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

アボカドの効能

出典:Pixabay
アボカドは、世界一栄養価の高い果物としてギネスブックでも認定されています。脂肪分は20%程度と多く含まれますが、この脂肪分はコレステロールを減らし、血液をサラサラにする効果があるとてもヘルシーなもの。また、アボカドには食物繊維も豊富に含まれることから、整腸作用やダイエット効果も期待できます。さらに、ビタミンEをはじめとした各種ビタミン類や鉄分などのミネラルも豊富!
このように高い栄養価を持つアボカドは、ダイエットや成人病の予防効果も期待でき、健康的な食生活に役立つ食材といえます。

アボカドのおいしい果実の選び方は?

アボカド
出典:写真AC
最も流通しているアボカドの品種「ハス」は、初めは緑色で、熟すと黒っぽくなります。店頭で選ぶときは、果皮の色が濃く、ツヤのあるものがお勧めです。へたが取れた跡が黒ずんでいるものは、果肉が傷んでいる可能性があるので避けたほうがベター。
ほかのアボカドの品種「ベーコン」は、熟しても果皮の色はあまり変わらず緑色のままなので、軽く握って柔らかい感触があるようなら熟しています。
未熟な果実は室温で追熟し、食べごろになるまで待ちましょう。ただし、27℃以上になると高温障害でうまく熟さなくなるので注意してください。熟した果実は、冷蔵庫の野菜室で保存すれば2~3日持ちます。

アボカド栽培の特徴

アボカドの木
出典:写真AC
まずは、アボカドを栽培する際に知っておきたいポイントを確認しておきましょう。
  1. 食用のアボカドの種を水に浸けておくだけで、簡単に発根・発芽!
  2. 水耕栽培で十分根が育ったら、土栽培に切り替える
  3. 光と水を好むので、明るい場所に置き、水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと!
  4. 樹勢が強いため、定期的な剪定で高さを抑える
  5. 結実させるには、異なる品種を2株以上育てると良い

アボカドの種からの育て方

出典:写真AC
果肉を食べ終わって残った種は、捨てずに育ててみましょう!アボカドは生育が旺盛なので、うまく発芽させればどんどん大きくなり、立派な観葉植物になりますよ。日に日に生長する様子が観察できるのも良いですね♪
アボカドの種は、最初に水耕栽培で発根させてから土に植え付けましょう。このステップを踏むことで、成功率が高くなり、生育も早くなります!

種から育てるのに適した時期

アボカドの種を発芽させるには、20℃以上の温度が必要。そのため、気温が高くなる5月~9月に行うのがベストです。

用意するもの

アボカド栽培に必要なもの
撮影:AGRI PICK編集部
アボカドの種のほか、水栽培に使う容器とつまようじを用意します。容器は、根の観察がしやすい透明なものがおすすめです。また、苗が育って土栽培に切り替えるのときのために、鉢と用土も準備しておきましょう。
必要なものがそろったら、アボカドの栽培スタートです!

Step1. 種を水で洗う

アボカドの種を洗う
撮影:AGRI PICK編集部
種を水で洗って、付着している果肉を落とします。タワシでこすりましたが、ぬるぬるした感触は完全には取り切れず…さすが森のバターです。あまりゴシゴシしても傷がつきそうなので、手で持ってもすべらなければ良しとしました!

Step2. 種につまようじを刺す

アボカドの種
撮影:AGRI PICK編集部
アボカドの種につまようじを刺す
撮影:AGRI PICK編集部
種を水栽培にするときは、部分的に水に浸けるのがミソ。そのままではドボンと水没してしまうので、種につまようじを2~3本刺してフックにします。水に浸かりやすいように、斜め上から刺すと良いあんばいに。
アボカドの種は硬そうなので心配でしたが、意外柔らかく、つまようじがすんなり刺さりました!
ちなみに、種には上下があるので要注意。必ずとがったほうを上にしてくださいね。

Step3. 種を容器にセットする

アボカドの種を水に浸ける
撮影:AGRI PICK編集部
つまようじを刺した種を容器にセットし、種が半分ほど浸かるまで水を入れたら作業は完了です!

Step4. 水栽培の管理

窓辺に置いたアボカドの水栽培
撮影:AGRI PICK編集部
お世話は、毎日水を換えるだけ!窓辺など、明るい場所に置いて見守ることにします。

Step5. 土に植え付ける

出典:写真AC
容器の中で根がいっぱいになってきたら、土に植え付けます。使用する土は、市販の草花・野菜用の培養土でOK。自分で土をブレンドする場合は、水はけを高めた赤玉土(小粒)7:腐葉土3の配合がおすすめです。
アボカドの種を植え付ける深さは、種が半分ほど埋まる程度にします。

Step6. 水やりと置き場所

鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水やりし、よく日の当たる場所で管理しましょう。暖かい時期は、室外で直射日光を当てるようにすると生育が良くなります。

アボカドを結実させるためのポイント

出典:pixabay
長い年月を経て大木になったアボカドは、環境が良く、条件がうまくそろえば実をつけることもあります。せっかくアボカドを育てているのなら、実も収穫できるとうれしいですよね!
そこでここでは、アボカドを結実させるための方法や注意点について解説します。

開花習性を利用して実をつけさせる

アボカドの花は「両性花」と呼ばれ、1つの花が午前中は雄花、午後は雌花として2回咲く習性があります。品種によって雄花と雌花が咲くタイミングが逆のパターンもあるため、実をつけさせるには、開花習性が異なる品種を混合して植えるのがおすすめです。
品種名が不明の場合や、すぐに実をつけたいという場合は、人工授粉で実を付けさせる方法もあります。この場合、雄花を冷蔵庫に入れておき、雌花が咲いたら筆で受粉させますが、手間がかかるわりには成功率があまり良くありません。

大木になると突然結実することも!

アボカドは、混合せずに1本のみでも絶対に実がならないわけではありません。長く育てて木が大きくなると、10年以上実をつけたことがなかった株が、突然実をつけだすことがあります。また、適切な剪定や管理によって開花数が多くなると、結実の可能性がさらに高くなります。

日がよく当たる場所で育てる

アボカドが実をつけるようにするには、直射日光ができるだけ多く当たる場所で育てましょう。庭植えする際は、北風が強く当たるような場所は避けてください。

水切れに注意する

アボカドは、生育期は水切れを起こしやすいので注意しましょう。鉢植えにした場合は、土の表面が乾いてからたっぷりと。特に葉が多くついた大株は水分を多く必要とするので、夏の高温乾燥時は毎日水やりしてください。
庭植えにしたアボカドは、根づいてしまえば通常は水やりをする必要はないでしょう。ただし、夏の高温期に葉がしおれたら水切れのサインです。

肥料切れに注意する

鉢植えにする場合は、元肥として緩効性肥料を混ぜ込みます。地植えは、腐葉土や堆肥などを多めに漉き込んでから植えつけましょう。
また、春から秋の成長期には、追肥として緩効性肥料を株元に置いてください。肥料の種類は、窒素・リン酸・カリウムが等量のものか、リン酸がやや多めのものがおすすめです。
アボカドがたくさん開花したときは、肥料を多く必要とするため、液体肥料も併用すると良いでしょう。

花と野菜と果実の肥料

植物の生育に必要な成分をバランス良く配合した緩効性肥料です。約3カ月効果が持続します。

・内容量:700g

ハイポネックス原液

植物の健全な生育に必要な、15種類の栄養素をバランスよく含んだ液体肥料。水で薄めて散布する原液タイプです。

・内容量:800ml
・N-P-K=6-10-5

アボカドの剪定や手入れ方法

アボカドの葉 出典:Flickr(photo-by:Malcolm Manners)
アボカドは樹勢が強く、剪定しないと家の高さを越えるほど背が高くなります。定期的に剪定し、樹高を抑えるようにしましょう。

アボカドの剪定適期

4~10月が適期です。この時期はアボカドの生育が旺盛になるため、ばっさりと剪定をしてもダメージが少なくなり、回復も早くなります。

アボカドの剪定方法

樹高を抑える剪定(摘芯)

アボカドがある程度の高さに育ったら、幹を途中で切り、頂上の芽をカットする摘芯作業を行いましょう。幹を切る位置は、好みの高さでOKです。摘芯することで、幹が上へ上へと伸びるのを抑えることができ、脇芽を吹かせて枝葉を増やすこともできます。

花つきを良くする剪定

アボカドは斜め上や横方面に伸びる枝に、花芽がつきやすくなります。そのため、直立した枝は剪定し、できるだけ枝を水平に伸ばすようにしましょう。

病害虫を防ぐ透かし剪定

枝葉が混んでいると、風通しや日当たりが悪くなり、病気や害虫がつく原因になります。アボカドを健全に育てるためにも、枯れ枝や細い枝、内側に向かって伸びる枝は剪定しましょう。

葉が落ちる?アボカド栽培のトラブル

木になったアボカド
出典:写真AC
観葉植物として楽しむときに、よくあるトラブルは葉が落ちることです。アボカドは、葉が大ぶりで水分要求量が高く、水が不足すると落葉してしまいます。春から秋は、基本的には鉢土の表面が乾いてから水を与えますが、夏の晴天が続くときや鉢が小さめの場合は、毎日の水やりが肝心です。
また、根詰まりをしても葉が落ちやすくなります。根詰まり気味になってきたら、落葉防止のため水やり頻度を多くしましょう。
最終的には鉢替えの必要がありますが、早めに鉢増ししてしまうと、旺盛に成長して鉢植えで鑑賞できる期間が少なくなるので注意してください。

アボカドがかかりやすい病害虫

アボカドの木
出典:写真AC
アボカドが成長し、枝が混み合ってくると風通しが悪くなり、炭そ病にかかることがあります。また、枝が密生するとカイガラムシやハダニの発生の要因にもなるので、剪定を行って風通しを良くしましょう。

炭疽(たんそ)病

カビによる伝染性の病気です。葉に円形の褐色の病斑ができ、被害が進むと病斑部に穴があきます。葉だけではなく、果実にも褐色のへこんだ病斑を起こします。炭疽病は多湿で一気に感染が広がり、防除も難しい病気なので、予防と早期発見を心がけましょう。

炭疽病については、こちらの記事で詳しく解説しています!


カイガラムシ

植物の茎や枝の付け根に付着して汁を吸い、排泄物によって葉にすす状のカビを発生させます。カイガラムシ類は植物の汁を吸うだけでなく、「すす病」や「こうやく病」などの病気を発症させる原因にもなる厄介な害虫です。

カイガラムシ対策はこちらの記事をチェック!


ハダニ

クモの仲間の吸汁性害虫。0.5mm前後の非常に小さな虫で、野菜や草花、果樹などの葉裏に寄生します。高温乾燥を好むため、梅雨開け以降から被害が出始めます。被害が進んだ葉は変色し、落葉するなど植物の生育を阻害。株元のマルチングや適度な水やりを行い、乾燥を防ぎましょう。

ハダニ対策はこちらの記事をチェック!


種が割れた、収穫まで何年かかる?|アボカド栽培のQ&A

アボカドの苗
出典:写真AC
ここからは、アボカドを育てているとよくある疑問やトラブルについてお答えしていきます!

Q. 種が割れたけど大丈夫?

種の底部分に自然と割れ目が入ったのであれば、発根するきざしなので心配はいりません。種の裂け目がだんだんと広がり、そこから根が出てくるのでしばらく様子を見てみましょう。ただし、種を落とすなどして真っ二つに割れてしまった場合は、残念ながら生長は見込めません。新しい種で再度挑戦してみてください。

Q. 葉が枯れた!原因は?

水のやり過ぎによる根腐れが考えられます。アボカドは比較的水を好む植物ですが、土が常に湿っている状態では根が窒息して弱ってしまいます。鉢植えにする際は排水性の良い土を使い、必ず土の表面が乾いてから水を与えましょう。
また、根詰まりを起こした場合も水がうまく吸えなくなり、葉が枯れることがあります。鉢底穴から根が出ていたり、水の吸い上げが悪くなったりしたら根詰まりしている可能性があるので、古い根をカットして植え戻すか、ひと回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。

Q. 実の収穫まで何年かかる?

栽培環境にもよりますが、アボカドを種から育てる場合、実をつけるまでに10年前後はかかります。なかには、10数年以上経って大木になったアボカドが、ようやく結実したという例もあります。

Q. 元気がないときの対処法は?

アボカドは光を好むため、暗い場所で長期間管理していると弱ってしまいます。鉢植えであれば、日当たりの良い場所に移動させてください。また、アボカドは寒さにも弱く、日本の冬は注意が必要です。低温になる時期は、室内の暖かい場所で管理するようにしましょう。


アボカドの種は捨てずに栽培に挑戦!

アボカドの苗
出典:写真AC
おいしく食べられるだけでなく、残った種から育てる楽しみも提供してくれるアボカド。暖かい季節になったら、ぜひ種からの栽培にチャレンジしてみてくださいね!生長も早いので、数年経てば存在感のある観葉植物になりますよ。

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