目次
アボカドの概要
品種により耐寒性が異なりますが、寒さには比較的強いです。関東南部の海沿いの地域では戸外で越冬することが多く、都内でも戸外に置いて越冬することも珍しくありません。庭植えにすることもできますが、地植えすると旺盛に成長してすぐに家と同じくらいに背が高くなるので、最終的に持て余して株元から切ってしまうことが多いようです。
果実の収穫を期待するのは難しく、広い場所で木を大きく育て、花がたくさん咲くようにすることが第一の条件となります。また受粉率も低く、花は雄しべと雌しべの成熟期が異なるので、1本植えでは結実が困難です。結実には開花タイプの異なる品種と混植する必要があります。
多く流通するのは、メキシコ産の輸入果実で、他の産地としてアメリカやニュジーランドなどがあります。
アボカドの効能
豊富な食物繊維が含まれ、整腸やダイエットによい効果があります。ビタミンEをはじめとした各種ビタミン類や鉄分などのミネラルも豊富です。
美味しい果実の選び方は?
他の品種のベーコンは、熟してもあまり変わらず緑色のままなので、軽く握って柔らかい感触があるようなら熟しています。
未熟な果実は、家で室温で追熟して、食べごろになるまで待ちます。ただし27℃以上になると高温障害でうまく熟さなくなるので注意してください。熟した果実は冷蔵庫の野菜室に入れれば2~3日持ちます。
タネの水栽培に挑戦!観葉植物として楽しもう!
発芽までの手順・注意点
1. 種を洗う
2. 楊枝をさす
タネが半分程度漬かるまで水を入れてください。
4. 水替え
水替えはできるだけ毎日行うとよいでしょう。そのままではいずれ枯れてしまうので、容器に根がいっぱいになって成長してきたら土に植えましょう。
5. 土に植える
葉が落ちる?アボカド栽培のトラブル
また、根詰まりすると葉が落ちやすくなります。根詰まり気味になってきたら、落葉防止のため水やりを多くしましょう。
最終的には鉢替えの必要がありますが、早めに鉢増ししてしまうと、旺盛に成長して鉢植えで鑑賞できる期間が少なくなるので注意してください。
アボカドを結実させるための知識!開花習性は?
逆のパターンで開花する品種もあり、開花習性が異なる品種を混合して植えることで実を付けさせるようにします。
また、品種名が不明の場合や、すぐに実を付かせたい場合は、人工授粉で実を付けさせる方法があります。この場合、雄花を冷蔵庫に入れ、雌花が咲いたら筆で受粉させます。ただし、この方法は手間がかかるだけでなく、成功率もよくないためあまりお勧めできません。
混合せず1本のみでも絶対に実がならないわけではありません。長く育てて木が大きくなると、10年以上実を付けたことがなかった株が突然実を付けだすことがあります。気温が低いと開花時期が変動することがあり、木が大きくなったり、適切な剪定や管理によって開花数が多くなったりすると実がつく可能性がさらに高くなります。
アボカドの品種
品種は3系統に大別され、また系統間での雑種があります。メキシコ系は果実は小さいですが寒さには最も強く、果肉には※アニスの香りがあります。グアテマラ系は果実が大きく、最も流通しているハスもこの系統に属します。西インド諸島系は果実の大きさは中間程度で、寒さには最も弱い傾向があります。苗を購入する時は、実生苗に比べて花が付きやすい接ぎ木苗がお勧めです。
※アニス……セリ科の一年草。ほのかな甘さを感じさせる独特の香味をもつ、世界で最も歴史の古いスパイスのひとつです。
開花習性
ベーコン
【特性】果皮は熟しても緑色の卵型~洋なし型。樹形は直立性で、結実性がよく人気が高い品種です。
果肉はなめらかで、甘みがあります。
幼木時は敷ワラ等のマルチで細根を育ててあげると、生育が良くなります。根の酸素要求量が高いので排水性、通気性に優れた土壌を好みますが、土壌の乾燥には十分気をつけてください。
フェルテ
ベーコン同様、果皮は熟しても緑色。果実は比較的大きく、高品質でありながら育てやすい品種です。
果肉はなめらかで、油分が多く濃厚な味わいです。
ズタノ
【特性】性質丈夫で最も育てやすい品種とされます。果皮は薄く、緑色で光沢があります。
果肉はなめらかで、他の品種に比べあっさりとしてみずみずしい食味です。
米国ではベーコンよりやや食味が劣ると言われますが、国産の完熟果はとてもおいしいです。
ハス
【特性】収量が多く、一般に流通する果実のほとんどがこの品種。
脂肪は18~25%、果肉は滑らかで筋(繊維)がありません。皮はゴツゴツとしていますが、あまりゴツゴツしていないものもあります。
果実の形は楕円型ですが、大きなものは西洋ナシ形となることもあります。熟すと皮が黒紫色になります。
ピンカートン
洋ナシ形の細長く大きな果実です。
果実が大きいのに対し樹体はコンパクト。花のつきが良く、樹が若いうちから実をつけやすいのが特徴です。
果皮はやや厚めで、ごつごつして粗く、黒みがかった緑色をしています。
果実は油分が多く、濃厚な食味です。
メキシコーラ
【特性】果実は小さいながら-6℃まで耐えられる最も耐寒性が強い品種のひとつ。
ただし、若木のうちは耐寒性がないため、冬季は防寒してください。
果皮は光沢のある黒色で、食味が良く、アニスやナッツの香りがします。
気温のやや低い環境であれば、ベーコンやフェルテの受粉樹に適しています。
※開花習性A・Bタイプの混植が必要となります。
アボカドを結実させるための育て方!置き場や水やり、肥料は?
鉢植えの場合、用土の表面が乾いてから水を与えます。生育期は水切れを起こしやすいので注意します。特に葉が多くついた大株は水分を多く必要とするので、夏の高温乾燥時は毎日与えてください。
実をならせるために庭植えにした場合は、根づいてしまえば通常は水やりをする必要はないでしょう。ただし、夏の乾燥時に葉がしおれるようでしたら水切れのサイン。土壌が乾いていたら水やりすると生育がよくなります。
よく開花しているときは肥料を多く必要とするので、液体肥料も併用して施します。
実をつけさせるための剪定、作業
アボカドがかかりやすい病害虫
炭そ病
カビによる伝染性の病気です。葉に円形の褐色の病斑ができ、被害が進むと病斑部に穴があきます。葉だけではなく、果実には褐色のへこんだ病斑を起こします。多湿で一気に感染が広がり、防除も難しい病気なので、予防と早期発見を心がけましょう。「炭そ病」についてはこちらの記事で詳しく解説しています!
カイガラムシ
植物の茎や枝の付け根に付着して汁を吸い、排泄物によって葉にすす状のカビを発生させます。カイガラムシ類は植物の汁を吸うだけでなく、「すす病」や「こうやく病」などの病気を発症させる原因にもなる厄介な害虫です。「カイガラムシ対策」はこちらの記事をチェック!
ハダニ
クモの仲間の吸汁性害虫。0.5mm前後の非常に小さな虫で、野菜や草花、果樹などの葉裏に寄生します。高温乾燥を好むため、梅雨開け以降から被害が出始めます。被害が進んだ葉は変色し、落葉するなど植物の生育を阻害。株元のマルチングや適度な水やりを行い、乾燥を防ぎましょう。「ハダニ対策」はこちらの記事をチェック!
国産アボカド栽培のブームがやってくる!
現在は、日本の気候にあった栽培方法が研究され、本などで紹介されています。
本来高木であるマンゴーと同じように枝を横方向に低く伸ばす仕立て方により、作業性の向上とハウス内での安定した栽培が可能です。
現在紹介されている栽培方法を参考にして生産体制が整えば、輸入果実では味わえない高品質の果実の大量生産が可能になります。
国内でアボカドの本格的生産に取り組み、非常に高値で取引される果実を生産する先駆者も登場しています。まだ一般にはあまり紹介されていはいませんが、注目されるのは時間の問題でしょう。
今後、国産のアボガド栽培がブームになると予想されます。テレビなどで大きく紹介される前に早く参入すれば、商売上優位に立てると思われます。
アボカド栽培を始めるなら今がチャンスです!
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