卵の殻は捨てずに再利用!「おばあちゃんの知恵」に学ぶ、成分や肥料としての活用法、ぬか床など食べる方法とは?

卵の殻は「汚い」「サルモネラ菌が付いている」というイメージを持っている方も多く捨てられることが大半ですが、実は、肥料やコンポストにも活用でき、ぬか床などで「食べる」こともできます。今回は、卵の殻の成分とともに肥料や料理、アート、掃除への再利用方法をご紹介します。


卵の殻

写真提供:養生キッチンふうど
卵を割った後、「殻の部分は捨てる」という人も多いと思います。でも実は、卵の殻には栄養成分が含まれており、ガーデニングの肥料や料理に使われています。さらに、アートや掃除にも活用できることをご存知でしょうか。
今回は、卵の殻の成分とともに、卵の殻を使った肥料づくり、ぬか床などの料理で食べる方法、アートや掃除への再利用方法について紹介します。

卵の殻に含まれる成分

卵の殻
出典:Pixabay
卵の殻に含まれる代表的な成分として「卵殻カルシウム」があります。卵殻カルシウムには、骨を強くする効果が期待されており、実際にカルシウムを強化する目的で食品や医薬品に使われています。ある研究では、ベトナムの閉経後の女性を対象に、卵殻カルシウムを12カ月摂取して骨量を比較したところ、骨量が有意に増加したという結果が出ています。
※参考:「タマゴの魅力」P20 タマゴ科学研究会

卵の殻は汚い?サルモネラ菌の心配は?

「卵の殻って清潔なの?」「サルモネラ菌の心配はないの?」と思っている人も少なくないでしょう。サルモネラ菌は、人や家畜の腸内、河川や下水など自然界に広く生息しています。卵の汚染経路は2つあり、卵の内部に取り込まれる場合もありますが、卵の殻には排せつ物を介して付着します。この菌が付いた食品を摂取すると、激しい腹痛や発熱などの症状を引き起こすといわれています。

一般的に流通している卵は洗浄・殺菌されてから出荷されています。しかし、殻の表面にひび割れがあったり、不適切な管理・調理方法などにより、サルモネラ菌が付着する可能性があります。卵を購入する前に状態をよく確認するようにし、購入後は冷蔵庫(10℃以下)で保存するようにしましょう。

サルモネラ菌は、75℃以上で1分間以上加熱することにより死滅するとされています。加熱調理を心がけることも、サルモネラ菌の対策には有効です。特に、乳幼児や妊娠中の女性、高齢者、免疫力が低下している場合には、加熱してから使うようにしてください。

卵の殻は、ガーデニング・園芸の肥料・コンポストに活用できる!

ガーデニング
出典:Pixabay
卵の殻の代表的な活用方法といえば、肥料やコンポストづくりが挙げられます。ここでは、卵の殻を使うメリットや、肥料やコンポストに使う場合の方法について紹介します。身近な材料を使用して植物が健やかに育つのは、とてもうれしいことですね。園芸やガーデニングが好きな方は、卵の殻をぜひ活用してみてはいかがでしょうか。


卵の殻を使うメリット

卵の殻には良質なカルシウムが含まれており、卵の殻を土に混ぜ込むことによって植物の生長を促すことができます。カルシウムはアルカリ性であるため、酸性に傾いた土を改良する効果も期待されています。

卵の殻はひなが育つためのものであり、通気性が良いのが特徴です。卵の殻を土に混ぜることで、土の機能が高まり微生物の繁殖を促すので、植物の根の健やかな生長を助けることができます。また、卵の殻のとがった部分は、ナメクジが嫌うといわれています。卵の殻を土の上にまいておくと、虫除けとしても役立ちます。

卵の殻を肥料に使う方法

卵の殻をそのまま土に混ぜても、分解されるまでに長い時間がかかってしまいます。肥料として使う場合には、卵の殻を乾燥させてから粉砕したものを、土にまくようにしましょう。卵の殻を使った肥料は、ホームセンターなどで市販品も入手できます。卵の殻を肥料として活用する際の参考として、まずは市販品を確認してみるのもいいかもしれません。

卵の殻をコンポストに使う方法

卵の殻
出典:Pixabay
コンポストは、家庭の生ごみや落ち葉などを微生物が発酵・分解して堆肥化したもののこと。人と自然が共生するための知恵として古くから利用されてきた手法のひとつで、昨今再び注目を集めています。コンポストに入れる主な材料は、野菜や果物、ごはんなど。卵の殻は分解するのに少し時間がかかりますが、時々であれば利用することができます。同様に、玉ねぎやにんにくの皮、生の米なども分解しづらいので使用は控えめにしましょう。分解しづらい材料は「(コンポストに)続けて入れない」ように気を付けてください。

コンポストづくりには、専用の道具を使うと便利です。「どんな種類のものを選んだらよいかわからない」という方はこちらの記事をご覧ください。

卵の殻を食べる!?卵の殻を使ったおばあちゃんの知恵と簡単養生ごはん

卵の殻
出典:Pixabay
カルシウムを豊富に含む、卵の殻。卵の殻を加工したものは食品や医薬品に使われていますが、家庭で料理して食べることはできるのでしょうか。ここでは、料理への活用法として、ぬか床、卵酢、卵の殻パウダーを紹介します。

卵の殻をぬか床に入れる

卵の殻 ぬか床
写真提供:養生キッチンふうど
昔から「ぬか床が酸っぱくなってきたら卵の殻を入れると良い」といわれています。その理由は、卵の殻はカルシウムを多く含んでおりアルカリ性であるためです。しかし前述したとおり、卵を割った後の殻にはサルモネラ菌が付着している可能性もあります。卵の殻をぬか床に混ぜる場合には、煮沸など加熱してから使うようにしましょう。

ちなみに、私自身はぬか床の酸味が気になる時には、辛子の乾燥パウダーを少量加えることが多いです。ぬか床の酸味を抑える方法はいろいろありますので、必要に応じて使い分けてもいいかもしれません。

卵酢

酢卵
写真提供:養生キッチンふうど
少し前に話題になった「卵酢(たまごす)」。卵全体を酢に漬けて、卵の殻の成分も丸ごと摂取するというものです。「酢卵(すたまご)」と呼ばれることもありますが、どちらも同じものです。生のまま調理する方法ですが、酢の酸の力により、サルモネラ菌の発生を抑制できるとされています。

作り方は、卵を保存瓶に入れ、卵が浸かる程度の酢を加えて冷蔵庫で3日程度保管し、殻が柔らかくなっていればOK。箸などで殻だけを取り出した後、全体をよくかき混ぜます。水やお湯などで割って飲むようにしましょう。私も何度が作ったことがありますが、酢の力で卵の殻が変化していく様子が理科の実験のようで、とても面白かったです。

卵の殻パウダー

卵の殻 パウダー
出典:Pixabay
卵の殻に豊富に含まれるカルシウムを効率よく摂取するために、パウダーにする方法もあります。卵の殻パウダーは市販品としても出回っており、ペットショップなどでは、犬や猫のエサに混ぜるタイプのものも時々見かけます。

卵の殻パウダーの作り方はとても簡単。卵の殻をゆでて煮沸消毒をした後、乾燥させます。乾燥させる際に、天日干しという方法もありますが、オーブンで15分程度加熱して手軽に作ることもできます。乾燥した卵の殻はミルサーなどで粉砕して、パウダー状にします。清潔な密閉容器に入れて、高温多湿を避けて保存してください。そのままでも食べられますが、料理や飲み物などに混ぜると食べやすくなります。

ほかにもある!卵の殻をアートや掃除に再利用する方法

卵の殻
出典:Pixabay
卵の殻の再利用方法は、肥料やコンポスト、料理のほかにもまだまだたくさんあります。ここでは、卵の殻を使ったプチ園芸、モザイクアート、イースターエッグ、掃除法について紹介します。


卵の殻を使ったプチ園芸

卵の殻
写真提供:養生キッチンふうど
卵の殻を、小さなプランターとして使ってみましょう。写真は、卵の殻を使って豆苗を育てている様子です。卵から芽が出てきたようにも見えて、子どもも喜びそうな風景ですよね。卵の殻は、室内でも楽しめる「プチ園芸」「プチガーデニング」のアイテムとして使うのもおすすめです。

卵の殻でモザイクアート

卵の殻 アート
出典:写真AC
卵の殻を細かくして着色したものを、モザイクアートのように並べて、接着剤などで貼り付けていきます。小さな子どもと一緒に楽しむことができ、自由研究にもぴったりです。

モザイクアートをする場合には、卵の中身を出した後、殻の内部にある薄い膜を取り除き、乾燥してから使うようします。細かくして貼り付ける際には、手ではなくピンセットを使うと作業がしやすいです。

イースターエッグ

卵の殻 イースターエッグ
出典:Pixabay
イエス・キリストの復活を祝うイベント「イースター(復活祭)」の定番といえば、やっぱり「イースターエッグ」。ハロウィンやクリスマスなどと並んで、日本でも昨今人気が高まっているイベントです。

イースターエッグは、命のシンボルである卵を美しくペインティングしたもの。ゆで卵や卵型の発泡スチロールなどを使うこともありますが、中身をきれいに取り除いた卵の殻で作ることもできます。

作るときは、卵の上下に針で穴をあけて、少しずつ卵の中身を取り出します。卵の殻の形状を崩さずに中身を抜くのはコツと根気が必要ですが、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

卵の殻でキッチンシンクの掃除

卵の殻 掃除
出典:Pixabay
キッチンのシンクは、水あかなどの汚れがたまりやすい場所です。卵の殻を砕いたものを用意し、気になる部分をこするようにして磨いてみましょう。使った後の卵の殻は、そのまま捨てます。ぽろぽろになって使いにくい場合は、メッシュ状の袋に入れて使うようにします。

このほか、卵の殻は茶渋を落としたい時にも活用できます。使い方は、細かくした卵の殻をカップや水筒などに入れ、少量の水を加えて振り、洗い流します。身近にあるもので汚れをスッキリと落とすことができる、便利な暮らしの知恵です。ぜひ試してみてくださいね。

キッチンシンクの掃除には、みかんの皮も活用できます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

卵の殻は、捨てずに活用してみよう

卵の殻
写真提供:Pixabay
中身を使ったら捨ててしまうことの多い、卵の殻。でも実は、卵の殻にはカルシウムなどの栄養成分が含まれており、肥料や料理だけでなく、アート、掃除などにも幅広く再利用することができます。今回ご紹介した方法以外にも、アイデア次第でいろいろな用途に活用できそうですね。卵の殻を使って、暮らしを楽しく健やかに彩ってみてはいかがでしょうか。

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松橋 佳奈子
松橋 佳奈子

早稲田大学を卒業後、企業とNPOにてまちづくりの仕事に10年以上携わる。その間にバックパッカーとして35カ国を訪問・視察し、世界各地の風土と食文化について考察を深める。2014年に薬膳とおばあちゃんの知恵をベースに「養生キッチンふうど」を立ち上げる。現在は愛知県を拠点に、風土食をのこす・つくる・伝える活動をしている。主な資格は、国際薬膳師と登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。

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