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薬草の女王「よもぎ」の効能とは?
よもぎの効能・成分
よもぎはキク科の多年草で、道端や野原などいろいろなところに自生しています。爽やかな独特の香りと、踏まれても枯れることのないその生命力の強さから「邪気を払う」とされ、先人たちは「魔除け」としても利用してきました。端午の節句の際によもぎを軒先につるしたり、しょうぶ湯によもぎの葉を混ぜて使ったりする習慣がありますが、ここにも魔除けの意味が込められています。よもぎの大きな特徴のひとつに、爽やかな香りがあります。この香りは「シネオール」と呼ばれる成分によるものです。この成分には、体を温めたり気持ちを落ち着かせたりする作用が期待されており、冷え性や疲労感、肩こりが気になる方にも古くからよく用いられています。このように、特有の良い香りとともに、さまざまな効能を持つことから「薬草の女王」「ハーブの女王」とも呼ばれています。
よもぎの主な成分として、浄血作用の期待できる「クロロフィル」や抗酸化作用の期待できる「フラボノイド」、食物繊維などのほか、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
よもぎの副作用、注意すべき点は?
よもぎはキク科に属しており、秋の花粉症の原因ともされるブタクサの仲間です。過敏症の方やキク科の植物にアレルギーがある方は、よもぎの使用を控えるか、十分に注意して使うようにしてください。よもぎ茶を作ってみよう|天日干しでの作り方
よもぎ茶は、新鮮なよもぎを採取して乾燥すれば、簡単に作ることができます。我が家の小さな庭にもよもぎが育っていますが、春先の若葉を草餅や天ぷらなどに使った後、草丈が伸びてきた5~7月ごろによもぎ茶を作っています。よもぎ茶は市販品などもありますが、手作りすると愛着も湧きますし、材料や工程を自分の目で見ているので安心して使えるのも大きな魅力です。できあがった後は湿気が入らないように気を付けて保管しましょう。我が家では翌年まで約1年間おいしく飲んでいます。よもぎ茶はノンカフェインなので、カフェインを控えている方や妊娠中・授乳中の方も安心して飲むことができます。
よもぎ茶の作り方
〈材料〉
・よもぎ 適量(ザルの上に重ならずに並べられる量)
作り方
1.よもぎを採取し、水できれいに洗い、水気をしっかりと拭き取る。2.1のよもぎは重ならないようにザルなどに並べて、水分が完全に抜けるまで天日で干す(その時の天気などにより異なるが、目安は3日~1週間程度)。
3.乾燥したら、使いやすいようにキッチンバサミなどで長さ3~4cmに切る。
4.3をフライパンや厚手の鍋などに入れて、焦げないように気を付けながら、数分間空煎りする。
5.4を清潔な保存容器に入れて、湿気が入らないように注意して保存する。
ポイント
・よもぎの葉を乾燥させるだけでもよもぎ茶を味わうことはできますが、空煎りすることで香ばしさが引き立ち、飲みやすくなります。・保存する際に湿気が入ると、カビなど傷みの原因になってしまいます。空煎りしたよもぎは、冷ましてから保存容器に入れるようにしましょう。さらに、海苔やお菓子などに付いている乾燥剤を一緒に入れておくと安心です。
よもぎ茶を飲んでみよう
よもぎ茶を味わってみましょう。熱湯を注いで数分待つだけでも飲めますが、より深い味わいを楽しむには、熱湯で煎じてから飲むのがおすすめです。よもぎ茶のいれ方
〈材料〉作りやすい分量
・よもぎ茶葉 5~10g(ひとつかみ分)
・水 1リットル
作り方
1.よもぎ茶葉と水を土瓶またはヤカンに入れて、火にかける。2.沸騰したら弱火にして、5~10分間煮出す。
3.よもぎ茶葉を茶こしなどでこして、保温ポットなどに入れて保存する。一日数回に分けて、飲むようにする。
ポイント
・体質や体調に合わない場合もあるので、初めて飲む方は少量から試すようにしてください。・よもぎ茶は、できるだけその日のうちに飲み切るようにしましょう。
よもぎ茶はブレンドしてもおいしい!
よもぎ茶はそのまま飲むだけでなく、ほかの素材とブレンドして楽しむこともできます。写真は、よもぎとレモングラスとスギナをブレンドしたもので、それぞれ単品で飲むときよりも、より複雑で爽やかな風味が味わえます。また、よもぎ独特の風味が苦手な方や子どもと一緒に飲むときには、ほうじ茶やルイボスティーと組み合わせると飲みやすくなります。よもぎ茶など薬草を煮出すのには、土瓶が大活躍!
土瓶とは、陶磁器製の瓶のことです。金属製のヤカンは薬草と化学反応を起こすといわれており、薬草を煮出す時には昔から土瓶が使われてきました。私も土瓶を愛用していますが、まろやかな味わいになる点も気に入っています。よもぎ茶などの薬草茶を日常的に飲みたいという方は、土瓶を1個持っていると重宝します。簡単!生の葉を使ったよもぎ茶もおすすめ
乾燥させたもので作るよもぎ茶は一年中楽しむことができて便利ですが、春先~夏ごろのよもぎのフレッシュな葉を使えば、爽やかな香りのよもぎ茶を手軽に楽しむことができます。生の葉を使った、よもぎ茶のいれ方
<材料>2杯分
・よもぎの葉 1~2本分
・熱湯 2カップ
作り方
1.よもぎの葉はきれいに洗って、ティーポットなどに入れる。2.1のティーポットに熱湯を注ぎ、3~5分程度待つ。よもぎの葉を茶こしなどでこせば、できあがり。
ポイント
・よもぎの葉を手でちぎってから使うと、香りがより引き立ちます。・透明なティーポットを使うと、よもぎの美しい緑色が楽しめます。
まだまだある!よもぎの活用法
生薬では「艾葉(がいよう)」と呼ばれ、お灸(きゅう)にも利用されている
よもぎは、草餅やよもぎ茶などの飲食物だけでなく、私たちの暮らしのなかで幅広く使われています。例えば、お灸のもぐさには、よもぎを乾燥させた葉が使用されています。また、韓国では蒸したよもぎの葉の蒸気を陰部にあてて温める「よもぎ蒸し」も有名ですが、昔から「血の道症」などによく用いられてきました。また民間療法やおばあちゃんの知恵では、生のよもぎの葉を使った入浴剤や、葉をもんで虫刺されのかゆみ止めするといった使い方もあります。このようにさまざまな使い方ができることから、生薬名では「艾葉」と呼ばれ、「病を艾(止)める」という意味を持っています。
よもぎ茶を手作りして、心も体もほっこりと過ごそう
爽やかな香りがあり、薬草の女王とも呼ばれるよもぎ。冷え予防など女性にうれしい効能などもあり、日本を代表する薬草のひとつです。そんなよもぎを摂取するのにおすすめのよもぎ茶は、葉を乾燥させておけば一年中楽しむことができます。また、新鮮な生の葉を使って、香り高いよもぎ茶を味わうのもおすすめです。古くから人々に愛されてきたよもぎ茶を手作りして、心も体もほっこりと過ごしたいですね。薬草のことをもっと知りたい!そんな方にはこちらの記事もおすすめ
よもぎの栽培方法についてはこちらの記事をご覧ください。日本を代表する薬草といえば、どくだみも貴重な存在です。どくだみ茶の効能や作り方・飲み方についてはこちらの記事をご覧ください。