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どくだみ茶の効能・効果とは?「おばあちゃんの知恵」に学ぶ、どくだみ茶の作り方と飲み方をご紹介!【管理栄養士監修】


生命力が強くて独特の匂いがあるため、厄介者として扱われがちな「どくだみ」。でも実は、「十薬」と呼ばれるほどのさまざまな効能があり、「どくだみ茶」にすることで手軽に摂取できます。そこで今回は、どくだみ茶の効果効能とどくだみ茶の作り方・飲み方などをご紹介します。

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宮崎 奈津季 監修者

管理栄養士・薬膳コーディネーター

宮崎 奈津季

介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、独立。レシピ開発、商品開発、レシピ本の栄養価計算などの経験あり。現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。…続きを読む

Avatar photo ライター
松橋 佳奈子

早稲田大学を卒業後、企業とNPOにてまちづくりの仕事に10年以上携わる。その間にバックパッカーとして35カ国を訪問・視察し、世界各地の風土と食文化について考察を深める。2014年に薬膳とおばあちゃんの知恵をベースに「養生キッチンふうど」を立ち上げる。現在は愛知県を拠点とし、風土食やエシカル、ソーシャルビジネスについての執筆活動を行っている。主な資格は、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)と国際薬膳師。…続きを読む

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どくだみ茶

写真提供:養生キッチンふうど
おばあちゃんの知恵や民間療法などでもよく登場する「どくだみ」。独特の匂いと繁殖力の強さから嫌われることも多いですが、人々に古くから親しまれてきた薬草のひとつです。乾燥させたどくだみを煮出した「どくだみ茶」は、どくだみの成分を手軽に摂取できることから人気を集めています。そこで今回は、どくだみ茶の効能と副作用、どくだみ茶の作り方・飲み方についてご紹介します。

どくだみ茶の効能効果|ダイエットやニキビ・体臭予防にも⁉【管理栄養士監修】

どくだみ茶
写真提供:養生キッチンふうど

「十薬」とも呼ばれるどくだみ

どくだみは、ゲンノショウコやセンブリと並んで「日本の三大薬草」のひとつです。どくだみの生薬名は「十薬(じゅうやく)」です。この生薬名は、馬に使うと10種類もの効能があることや、重要な薬草であることから「重薬」という意味にも由来しています。江戸時代の書物『大和本草(やまとほんぞう)』や『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』などでもその効能が紹介されており、古くから人々に親しまれてきました。

どくだみには解毒・利尿作用のほか、血圧を緩やかにする働きや肌の健康維持に対して効果が期待できるといわれています。また、民間療法などでは便秘や水虫、ニキビや吹き出物、ちくのう症などにも利用されてきました。(参考:イー・薬草・ドット・コム|薬用植物一覧表

どくだみには独特の強い香りがありますが、これは「デカノイルアセトアルデヒド」という香り成分にもなる物質によるものです。この成分に、強力な殺菌作用や抗菌作用があるとされています。

どくだみ茶の副作用、肝臓や腎臓への影響は?

どくだみ茶には身体にうれしい効果がたくさんありますが、体質や体調によっては副作用が出る場合もあるので注意が必要です。特に肝機能や腎機能が低下している方は、どくだみに含まれるカリウムにより「高カリウム血症」になる可能性があります。また、どくだみには子宮収縮作用があるため妊娠中の過剰摂取は控えるようにしてください。

これらに該当しない方も、最初は様子を見ながら少量ずつ試すことをおすすめします。解毒作用や利尿作用などにより、どくだみを飲み始めるとお腹が緩くなる場合もあります。もし途中で異常を感じたら、どくだみ茶の飲用を控えるようにしてください。

ダイエットへの影響は?

「どくだみ茶を飲むだけでダイエットが成功する」とは、残念ながらいえません。しかし、どくだみ茶に期待される利尿作用や解毒作用により体の新陳代謝が高まれば、ダイエットの手助けにはなりそうです。適度な運動や食生活の改善と一緒に、どくだみ茶を取り入れてみてはいかがでしょうか。

体臭予防への効果は?

「どくだみ茶が体臭予防になるか」については、はっきりとした答えは出ていません。しかし、どくだみ茶の解毒作用により体の内側がスッキリすることで、結果的に体臭が抑えられることがあるかもしれません。

どくだみ茶を作ってみよう

どくだみ茶
写真提供:養生キッチンふうど
どくだみは、日本全国の湿り気の多い土地に自生しています。地下茎で増えるため放っておくとどんどん繁殖が進む、生命力の強い植物です。独特の匂いがあり嫌われることも多い植物ですが、乾燥させることでその匂いが和らぎます。我が家の庭にもどくだみが育っており、毎年どくだみ茶を手作りしています。


どくだみの採取時期は?

どくだみ茶
写真提供:養生キッチンふうど
どくだみの採取時期は、成分を有効活用するためには総苞(そうほう)が終わるころが良いとされています。(参考:「ドクダミ茶の採取時期における無機構成成分」論文 https://ci.nii.ac.jp/naid/110001169983)

その年の気候や地域によって採取時期は異なりますが、愛知県で暮らす我が家では毎年6月ごろにどくだみ茶を作っています。梅干しや梅みそなどの「梅仕事」と時期が重なるため慌ただしくなりますが、こうした季節の仕込みものをしておくと、その先の健やかな暮らしにとても役立つなぁと私自身は感じています。

どくだみ茶の作り方

どくだみ茶
写真提供:養生キッチンふうど
どくだみ茶は、どくだみを採取して乾燥するだけで、手軽に作ることができます。できあがった後は湿気が入らないように気を付けて保管し、我が家では翌年まで約1年間おいしく飲んでいます。

〈材料〉
・どくだみ 適量
・輪ゴムやひもなど (どくだみの量に合わせて)適量


作り方

1.白い花のように見える「総苞」がつく春から梅雨入り前ごろに、どくだみを茎の根本から切り取る。変色している葉があれば、取り除く。
2.1を水できれいに洗い、水気をしっかりと拭き取る。
3.2を5~10本ずつ輪ゴムなどで束ねて、風通しの良い軒先につるして乾燥させる。
4.どくだみがカラカラに乾燥すれば、できあがり。使いやすいように、キッチンバサミなどで長さ3~4cmに切る。清潔な保存容器に入れて、湿気が入らないように注意して保存する。

ポイント

・どくだみを採取する際に、素手で行うと手に匂いが残る場合があります。どくだみ特有の匂いが苦手な方は、軍手やゴム手袋をはめてから作業をしてください。
・保存する際に湿気が入ると、カビなど傷みの原因になってしまいます。海苔やお菓子などに付いている乾燥剤を、どくだみと一緒に保存容器に入れておくことをおすすめします。

どくだみ茶を飲んでみよう

どくだみ茶
写真提供:養生キッチンふうど
では、どくだみ茶をいれて味わってみましょう。熱湯を注いで待つだけでも飲めますが、風味や成分をしっかり抽出するために、基本的には熱湯で煎じてから飲みます。

どくだみ茶のいれ方

〈材料〉作りやすい分量
・どくだみ茶葉 5~10g(ひとつかみ分)
・水 1リットル


いれ方の手順

1.どくだみ茶葉と水を土瓶またはヤカンに入れて、火にかける。
2.沸騰したら弱火にして、5~10分間煮出す。
3.どくだみ茶葉をこして、保温ポットなどに入れて保存する。一日数回に分けて飲むようにする。

ポイント

煮出したどくだみ茶は、できるだけその日のうちに飲み切るようにしましょう。

どくだみ茶は、ブレンドするのもおすすめ!

どくだみ茶
写真提供:養生キッチンふうど
どくだみ茶は単品でそのまま飲むだけでなく、ほかの素材とブレンドして楽しむこともできます。市販の健康茶などでも見かける定番の組み合わせとしては「どくだみ茶×ハトムギ茶」「どくだみ茶×ハブ茶」などがあります。我が家ではほうじ茶やトウモロコシのひげ茶などと一緒にドクダミ茶を煮出すことが多いです。香ばしい素材と組み合わせることで独特の風味が苦手な方や子どもにも飲みやすくなります。

ほかにもある!どくだみの活用法

どくだみ
出典:Pixabay
どくだみ茶でどくだみの魅力を実感したら「ほかの活用法も試してみたくなった!」という方も、いらっしゃるかもしれません。そこで、最後に私のおすすめのどくだみの使い方をご紹介しますね。


どくだみの葉の「薬草天ぷら」

薬草 天ぷら
写真提供:養生キッチンふうど
どくだみの葉は、天ぷらにして食べることができます。作り方は、新鮮な葉を採取し、薄く衣を付けて高温でさっと揚げるだけ。自然塩などを軽く振って、シンプルに食べてみましょう。油で揚げることで独特の香りが飛び、箸のすすむ一品になります。ただし、この薬草天ぷらを作る過程では匂いがプ~ンと漂いますのでくれぐれもご注意ください(笑)。

どくだみは「どくだみチンキ」など外用薬にも活用できる

どくだみチンキ
写真提供:養生キッチンふうど
どくだみはお茶として飲用するだけでなく、乾燥した葉を使用した入浴剤や、生の葉をもんで擦り傷や化膿止めに塗布するなど外用薬としても広く使われてきました。

私が気に入っているのは、虫よけやうがい薬にも活用できる「どくだみチンキ」です。作り方は、採取したどくだみにホワイトリカーをひたひたになるまで加えて、1~3カ月程度漬けるだけ!簡単に作れて、いろいろな用途に利用できます。

どくだみ茶を手作りして、味わってみよう

どくだみ茶
写真提供:養生キッチンふうど
どくだみ茶は乾燥させたものを煮出すだけで、気軽に手作りできます。乾燥させることで、特有の匂いが和らぎ飲みやすくなります。

どくだみは、身近な場所に自生している植物です。近所を散歩する際などに、ぜひ探してみてくださいね。古くから人々に親しまれてきたどくだみを上手に活用して、健やかに過ごせますように。

日本を代表する薬草といえば、よもぎも有名です。よもぎ茶の効能や作り方・飲み方についてはこちらの記事をご覧ください。

おばあちゃんの知恵を活用しよう!バックナンバーはこちら

おばあちゃんの知恵

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