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プランター野菜栽培家
安藤 康夫自宅のベランダと屋上のプランターでさまざまな野菜や果樹を栽培し、50品目達成。栽培の様子や採れたて野菜を使った料理などを、「Hanna-papaの菜園日記」にて発信しています。 現在は、プランターの限られた土の量で、どれだけ高品質な野菜が育てられるかを探求中! ■関連サイト:Facebook「Hanna-papaの菜園日記」、 2019年5月以前のブログ「Hanna-papaの菜園日記 2」 ■著書:『プランターで有機栽培1』(農文協)、『プランターで有機栽培2』(農文協)…続きを読む
畑や庭でミョウガを栽培したい方はこちらの記事をチェック
日陰で育てる!プランターでのミョウガ栽培の特徴
日本を含む東アジア原産のミョウガ。日陰や湿り気のある涼しい場所を好むため、日が当たりにくいベランダや建物の北側など、ほかの野菜が育ちにくい環境でも栽培できるのがポイントです。プランターでのミョウガの植え付けや収穫の時期
・植え付け:3月・収穫:8~9月
※年間平均気温が12〜15℃の温暖(中間)地基準
ミョウガ栽培に適した温度
ミョウガの発芽適温は15〜25℃。活発に生長する気温は20〜25℃です。暑さには比較的弱い作物です。プランターは日陰&風通しの良い場所に置くのがベスト!
ミョウガは、真夏の強い日光が当たると葉が日焼けして退色し、枯れてしまいます。ほぼ日陰で風通しのいい場所に、プランターを置いて栽培しましょう。ただし、エアコンの室外機の風が当たる場所は避けてください。マンションのベランダの場合は、プランターを設置可能か規約を確認した上で、避難経路をふさがない場所に置くようにしましょう。
日当たりの良いベランダにミョウガ栽培のプランターは置ける?
残念ながら日当たりが良い場所では、水の蒸散が激しく、遮光ネットをかけても熱がこもりがちで枯れやすくなってしまいます。安藤康夫さん
私は建物の北側の壁にプランターを寄せて、1日中日陰になる場所に置いて育てています。ただし、風通しは確保するようにしましょう
ベランダ菜園を始める前のチェックポイントは?
プランターでのミョウガ栽培 3つのポイント
Point1. 収穫するのは土の中から出てくる花蕾
私たちが食べているミョウガは、「花蕾(からい)」と呼ばれる花のつぼみで、ミョウガの茎の周辺に生えてきます。放っておくと花が咲き味が落ちるので、花が咲く前に収穫しましょう。Point2. 一度植えると2〜3年は毎年収穫できる
ミョウガは土の中で育つため、ある程度の耐寒性があります。冬を越して次の春には芽を出し、夏には再び収穫することができます。Point3. 敷きわらを敷こう
日陰の湿った場所が好きなミョウガの栽培は、土が極端に乾燥しないように、表土に土の上に敷きわらを敷いて保湿します。通気も保てて、程よい湿り気になりますよ。ミョウガは土の中からランダムに出てくるため、敷きわらの隙間からポコポコと顔を出してきますよ。ミョウガの根(地下茎)と苗の違いについて
ミョウガ栽培を始めるとき、春の早い時期の植え付けなら根(地下茎)を、遅くなったらポット苗を選ぶと育てやすいです。ミョウガには明確な品種の違いはなく、家庭菜園用のほとんどのものがホームセンターなどで「ミョウガ」として販売されています。おすすめのミョウガの根(地下茎)や苗
ミョウガの根
植え付けがしやすいミョウガの根(地下茎)です。根が乾燥しないように、泥と一緒にパックされています。日当たりの悪い場所でも育てられるので、他の野菜が植えられない場所でも育てられます。
おすすめのミョウガの地下茎や苗
ミョウガ栽培のためのプランターのサイズ・土・肥料など
ミョウガ栽培に必要なプランターの大きさ・深さの目安
・A:幅75cm以上・B:奥行き35cm程度
・C:高さ25cm程度
表面積の大きいプランターを準備しよう
ミョウガは生育が進むと、根がどんどん株分かれして増えていきます。それを見越して、表面積を広くとれる横75×縦35cm以上のワイドプランターが適しています。高さは25cm程度の浅い物で大丈夫です。1つのプランターで6芽程度、植えられますよ。ミョウガ栽培におすすめのプランター
ミョウガのプランター栽培に適した土
ミョウガ栽培には一般的な野菜用培養土を使用しましょう。腐葉土を10%くらい加えると、適度な湿度を保つことができます。鉢底石として赤玉土の大粒を入れ、水はけを良くし、根腐れを防ぎましょう。ミョウガ栽培におすすめの培養土
プランター栽培におすすめの腐葉土
プランターの底に入れる赤玉土や鉢底石の関連記事はこちら
ミョウガのプランター栽培に最適な肥料
ミョウガは、環境が良ければ旺盛に葉と根を伸ばしていきます。生長を止めないためにも、一般的な肥料である油かすを与えましょう。プランターでできるミョウガの育て方|植え付け方、水やり、追肥、植え替えなど
Step1. ミョウガをプランターの土に植え付ける
プランターと土の準備
- 排水性を良くするために、プランターの底に大粒赤玉土を3〜5cmほどの厚さに敷きます。
- 野菜用培養土に10%程度の腐葉土を混ぜ込んでおきます。
プランターへの根(地下茎)の植え付け方
- 腐葉土を混ぜ込んだ培養土を、プランターの半分の高さまで入れましょう。
- プランター内の土の上に、15cm間隔で根(地下茎)の芽を上向きにして並べます。1つのプランターに6個ほど入れられます。
- 並べた根(地下茎)の上から、腐葉土を混ぜ込んだ培養土をプランターの縁5cm下まで被せます。
- 土の上に敷きわらを敷き、水をたっぷり与えましょう。
プランターへの苗の植え付け方
- 腐葉土を混ぜ込んだ培養土を、プランターの縁5cm下まで入れます。
- 土の上にポット苗が入る程度の大きさの穴をあけ、苗を入れます。
- 複数株入れる場合は、根(地下茎)と同様に株間は15cm。土を優しくかぶせて敷きわらを敷き、水をたっぷり与えます。
敷きわらをしっかり敷こう!
表面に敷きわらを敷いて、乾燥防止を徹底します。分解されるなどして少なくなったら、敷きわらを足してくださいね。敷きわらがあると花蕾が光に当たるのも防げます。花蕾は光に当たるとピンク色が退色してしまいますし、歯ざわりも硬くなるので気をつけましょう。
Step2. ミョウガは水が大好き!夏は朝夕2回の水やりを
プランターでのミョウガ栽培では、植え付け当初は、土が乾いたらたっぷりと水やりをします。夏になると生育が進み、株の数が多くなっていきます。そのため、葉の蒸散作用が活発になり水切れしやすくなるので、気温が高い時期は朝夕の2回、プランターの底から水が出てくるくらい、たっぷりとやりましょう。
Step3. プランター栽培のミョウガの収穫のタイミングとコツ
7月ごろから株元に、花蕾が顔を出してきます。3~4cm程度になり、ぷっくり膨らんできたら収穫しましょう。手で花蕾を持って折り取ると簡単に収穫できます。花蕾に花がつくと味が落ちるので、毎日の水やりのときに収穫できる花蕾ができていないかを見るようにすると、タイミングを逃さずに収穫できますよ。9月まで少しずつ収穫ができるので、こまめにチェックしてくださいね。
収穫したミョウガは蕾の間に土が入り込んでいるので、よく水洗いしてから食べましょう。
安藤康夫さん
先端に薄黄色の花がつく前に収穫するのが、おいしいミョウガを食べるコツです。花が咲いても食べられますが、中がスカスカになり、香りも落ちてしまいます。花が咲く前の花蕾が硬いうちに収穫しましょう!
Step4. 追肥をして、ミョウガの収穫量をアップ!
プランター内の土の栄養は限られるため、栽培中は1カ月に1度、油かすや米ぬかを一握り与えます。株に直接つかないように、周りにまきましょう。追肥を忘れずにすることで、1株につくミョウガの収穫量が2〜3個に増えることも。ミョウガがたくさん収穫できたときの保存方法はこちらでチェック
Step5. 翌年も芽が出る!収穫後のミョウガの冬越し方法
- ミョウガは晩秋になると寒さで立ち枯れします。枯れた茎は株元から刈り取って、根は残しておきましょう。
- お礼肥として、油かすまたは米ぬかを一握りほど与えます。刈り取った枯れた茎を表土に敷いて、越冬させましょう。
- 2月に寒肥として、油かすまたは米ぬかを一握りほど与えます。土の中の根は寒さに比較的強いので、翌年の4月には新芽が顔を出してきますよ。
Step6. ミョウガは数年経ったら株分け・間引きをしよう
プランターでのミョウガ栽培は3年目くらいになると、土の中の根が詰まってくるため、株分け・間引きをしましょう。プランターをひっくり返し、根を取り出すと、黄色くとがった新芽ができています。その新芽をつけた部分の根を10~15cmに切り取って、新しい野菜用培養土、腐葉土、赤玉土を用意し、最初の植え付け時と同様の手順で植え付け直すと、病害虫も出にくくなります。