
写真提供:養生キッチンふうど
玄米を削って白米や分付き米(ぬかや胚芽を残して精米した米)にする際に出る「米ぬか」。日本を代表する発酵食品のひとつ「ぬか漬け」に使われることでよく知られていますが、米ぬかを香ばしく煎ったった「いりぬか」は、そのまま食べてもおいしく、料理などにも幅広く使うことをご存知でしょうか。そこで今回は、米ぬかの栄養や、いりぬかの作り方とおいしい食べ方についてご紹介します。
米ぬかを食べる|栄養と美肌効果とは?

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米ぬかに含まれる栄養分
米ぬかは、米の種皮や胚の部分のことです。玄米を精米することでお米を短時間で柔らかく炊くことができますが、削られてしまう米ぬかには大切な栄養分があり、それも一緒に取り除かれてしまいます。米ぬかには、皮膚や粘膜を健やかに保つ「ビタミンB群」や抗酸化作用を持つ「ビタミンE」、身体の毒素を排出する「フィチン酸」をはじめ、現代人に不足しがちとされる鉄分や食物繊維もたっぷり含まれています。
ヒルナンデスでも「食べる米ぬか」が美肌食材として話題に
2017年6月に放送されたテレビ番組「ヒルナンデス!」のなかで、医学博士がおすすめする美肌食材として「食べる米ぬか」が紹介され大きな話題になりました。残念ながら私自身はこの番組を観ていないのですが、食べる米ぬかをヨーグルトやいろいろな料理に混ぜて食べる方法が紹介されていたそうです。
昨今SNSなどの影響もあり「ぬか漬け」がブーム!
野菜をぬか床に漬けることによって、野菜の旨味が引き出され栄養価も高まるとされています。また、米ぬかを乳酸発酵させたぬか床には「乳酸菌」が含まれており、お腹の調子を整えてくれます。かくいう私自身も10年近くぬか漬けを作り続けていますが、旬の野菜がおいしく手軽に食べられるため、とても重宝しています。
ぬか漬けの作り方はこちらの記事にも。
手軽でおいしい!万能食材「いりぬか」を作ってみよう

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米ぬかを使った代表的な料理としてぬか漬けをご紹介しましたが、ぬか漬けの独特の風味が苦手な方や「米ぬかをもっと活用したい」という方もいるかもしれません。米ぬかを食べるなら、生の米ぬかを煎った「いりぬか」がおすすめです。煎ることで香ばしさと甘さが引き出されます。そのまま食べてもおいく、黒ゴマやきなこを振りかけるのと同じような感覚で料理やおやつに幅広く利用できます。
いりぬかの作り方
生の米ぬかが手に入ったら、新鮮なうちにいりぬかを作ってみましょう。
作りやすい分量
・米ぬか 100g
作り方
1.フライパンまたは厚手の鍋に、生の米ぬかを入れる。
2.弱火にかけて、焦げないように木べらなどで混ぜながら約5分煎る。
3.そのまま冷まして、粗熱が取れたら清潔な保存容器に入れる。冷蔵庫に入れて、2週間を目安に食べ切る。
ポイント
・仕上がりに近づくにつれて、甘くて香ばしい匂いが立ち、サラサラとした状態になります。加熱し過ぎると焦げたり苦味が出たりするので、気を付けてください。
・いりぬかは生の米ぬかに比べると日持ちがするものの、時間が経つにつれて風味が悪くなってしまいます。2週間で食べ切る分量を考えて、少しずつ煎るようにするのがおすすめです。
まずはそのまま食べてみよう
いりぬかが完成したら、まずはそのまま食べてみましょう。何ともいえない香ばしさとやさしい甘さがあって食べやすく、生の米ぬかでは感じられなかった風味にきっと驚く方も多いと思います。ただし、おいしいからといって食べ過ぎは禁物です。米ぬかに含まれる食物繊維やフィチン酸などの働きにより、急に食べ始めるとお腹が緩くなる場合もあります。一日あたり大さじ1~2を目安にしながら、少しずつ食べるようにしてくださいね。
おやつにもピッタリ!いりぬかの簡単でおいしい食べ方とは?

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そのまま食べてもおいしいいりぬかですが、そればかりだと飽きてしまいますよね。そんな時におすすめの、簡単でおいしい味わい方を2つご紹介します。
ホットミルク+いりぬか

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ホットミルクにいりぬかを加えてみましょう。私が好きなのは、温めた豆乳(牛乳でもOK)にいりぬかと黒すりごま、少量の甘酒を加えた飲み物です。カップ1杯の豆乳に対して、いりぬか小さじ1~2を目安に加えてみてください。素材本来のやさしい甘さがあり、小腹が空いた時のおやつにもぴったりです。
ヨーグルト+いりぬか

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ヨーグルトに加える食べ方も手軽でおすすめです。いりぬかはボソボソした食感がありますが、ヨーグルトに混ぜることでその食感が緩和され、とても食べやすくなります。ミューズリーやグラノーラを使うような感覚で、ドライフルーツやナッツ類をトッピングするのもおいしいです。
食べる米ぬか|いりぬかを使った、簡単養生ごはん

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いりぬかは、ホットミルクやヨーグルトだけでなく、料理やおやつづくりにも活用できます。また、一般的には生の米ぬかを使うぬか漬けにも、いりぬかを使用することができます。いりぬかを使うと発酵のスピードは落ちますが、「生の米ぬかをちょうど切らしてしまった!」など、いざという時にも役立ちます。
いりぬかのふりかけ

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いりぬかに、黒ごまやかつおぶし、自然塩などを加えたふりかけです。青のりや干しエビなどを加えてもおいしいので、ぜひお好みでアレンジしてみてください。自然な甘さがあるため子どもにも食べやすく、ごはんのお供にもぴったりです。
野菜のいりぬか和え

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ごま和えのような感覚で、いりぬかを使って和えるのもよく合います。写真は、ゆでたブロッコリーをいりぬかとしょうゆ、少量のだしで和えたものです。ほうれん草や小松菜などの青菜を使ってもおいしいです。
いりぬかの蒸しパンや焼き菓子

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きなこや黒ごまと同じように、いりぬかを蒸しパンや焼き菓子に加えてみましょう。写真は、いりぬかと米粉を使った生地に黒豆を乗せた、甘さ控えめの蒸しパンです。子どものおやつにはもちろん、小腹が空いた時の大人の間食にもぴったりの一品です。
揚げ物+いりぬか

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グルテンフリーを意識している方や揚げ物をサクッと仕上げたい時に米粉を使う方も増えていますが、揚げ物の衣にいりぬかを使うのもよく合います。私は米粉や片栗粉などにブレンドして使っていますが、いりぬかのツブツブ感により食べ応えのある仕上がりになります。
カレーやシチュー+いりぬか

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カレーやシチューを作る際に、仕上げの段階でいりぬかを加えると、自然なトロミが付きます。油分を減らしてヘルシーな料理にしたい時にもおすすめです。ざらざらとした舌ざわりが若干残りますが、香ばしさと甘さが加わってコクのある仕上がりになります。
米ぬかの入手方法・販売店は?スーパーにも置いてある!

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精米機などを持っていれば米ぬかは毎日のように出ますが、スーパーや米殻店でも入手できます。米ぬかと一口にいっても、生の米ぬかを煎ったもの、ぬか漬け用に塩などが添加された商品などさまざまな種類があります。パッケージの表記をよく確認してから購入するようにしてください。
また、生の米ぬかは精米した直後からどんどん酸化が進みます。できるだけ新鮮なものを入手するようにし、常温保存の場合は夏場は2~3日間、冬場は1週間以内を目安に使うようにします。すぐに使わない時は、密閉容器などに入れて冷蔵または冷凍で保存します。冷蔵の場合は2週間、冷凍の場合は2~3カ月以内に使用するようにしましょう。
米ぬかを食べるなら、いりぬかを作って栄養を手軽に摂取しよう!

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玄米を精米した時に出る、栄養たっぷりの米ぬか。香ばしくいった「いりぬか」は、香ばしさと甘さがありそのままでもおいしく食べることができます。さらにいりぬかは、ごまやきなこを使うような感覚で、料理やおやつ、飲み物などに加えて味わうのもおすすめです。いりぬかを食べて、健やかな毎日を過ごせますように。
米ぬかは美容法や掃除にも活用できる!
米ぬかの使い方については、こちらの記事をご覧ください。
栄養たっぷりの米ぬかは、家庭菜園や畑の有機肥料づくりにも。