これまでの「ハッピーファミリーファーマーズ日記」
ハッピーハロウィン!畑にあったカボチャでジャックオランタン作り
お盆、お正月、雛祭りのほか、七夕や冬至など、日本古来のイベントを重視している我が家。クリスマスは、お正月のありがたみが薄れるということで、特にお祝い&プレゼントはありません。待ちに待ったお正月にお年玉をもらえる、というワクワク感を大事にしたいという夫のこだわりですが、もちろん子どもたちにはすこぶる不評です(笑)。なんで世の中みんなお祝いしているのにウチはしないの?と。そりゃそーだ。
中学3年生になった双子は、弟と妹に自分たちと同じ思いをさせるのはかわいそうだといって、去年は自腹で弟にプレゼントを買ってあげていました。優しいなぁ。
そんな我が家なので、ヨーロッパでさえ伝統的じゃないお祭りのハロウィンは、まったく話題にさえのぼってこなかったのですが、今年は娘から「かぼちゃランタン作りたい!魔女になりたい!」と熱烈なリクエストが。トホホ…。
ハロウィンの翌日に
うーん、どうしたものかと思っていたら、菜園にカボチャができているのを発見。「よし、買わずに作れるならやるか!」とハロウィンが終ったあとの日曜日に、やおらランタン作りを始めました。すると、南阿蘇に長期滞在中の女子大生だけでなく、思春期まっただ中の中学3年男子まで加わって、真剣な顔で夢中になったり笑ったり、えらく盛り上がったではないですか。食わず嫌いならぬ、やらず嫌いにならないように頭を柔軟にしないとなと、みんなに教えてもらったようなできごとでした。
ハッピーウェディング!都会のOLから農家の嫁に
これ以上のハッピーがあるでしょうか。元気な「農家の嫁」として活躍中の、えっちゃんことミヤザキファームの宮崎悦子さんご夫妻が結婚式を挙げました!彼女は、私のことをテレビで見たといって南阿蘇まで訪ねてきたことがきっかけで、熊本地震からの復旧のさなかの南阿蘇へ移住。婚活イベントの企画をきっかけに、熊本のスター農家に出会って嫁ぎ、今では一児の母です。
農業者としては未熟過ぎて恥ずかしいばかりの私ですが、後続の若手「農家の嫁」を輩出することに、それなりの貢献はできているかなと思います。
それにしてもすてきな結婚式でした。得意の歌を披露しながら入場する新婦には驚きましたが、会場内は愛と笑いとこだわりでいっぱい!野菜、米、果物、花などの若手の農家が揃うと、こんなに豊かな結婚式ができるんだ、と改めて生産者でいることの素晴らしさを実感しました。
なかでも熊本では珍しい無農薬バナナをふんだんに使ったウエディングケーキや、菊の大輪の花飾りは層の厚さがさすが。いやぁ、感無量でした。
ハッピー爺ちゃん、ハッピー孫ちゃん!秋晴れの下のハイキング
あまりにも天気がいいので、ファームステイ中の女子大生たちが農作業をやめて、元山岳部の私の父と登山に行くことになった祝日。ようやく受験モードに入って、休日も机に向かっている(ように見える)時間が増えた双子の男子たちも同行することに。父の監修の下、紅葉シーズンの阿蘇の登山は、来年から阿蘇を離れるであろう彼らにとって最高の思い出になるに違いない!と私が背中を押したのでした。国立公園の中に住んでいても、観光やハイキングに行く機会はなかなかありませんから。
行ってみると、古希を過ぎた父とスポーツ少年では体力の差が大きく、むしろ息子たちの監修の下、老いてきた父がケガすることなく登山を楽しんできた、という結果になりました。それでも、帰宅した息子たちの表情はすがすがしく、登山を一緒にしてくれた父に感謝です。
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大津 愛梨(おおつ えり)プロフィール
1974年ドイツ生まれ東京育ち。慶応大学環境情報学部卒業後、熊本出身の夫と結婚し、共にミュンヘン工科大学で修士号取得。2003年より夫の郷里である南阿蘇で農業後継者として就農し、有機肥料を使った無農薬・減農薬の米を栽培し、全国の一般家庭に産直販売している。
女性農家を中心としたNPO法人田舎のヒロインズ理事長を務めるほか、里山エナジー株式会社の代表取締役社長、一般社団法人GIAHSライフ阿蘇の理事長などを兼任。日経ウーマンの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」やオーライニッポン「ライフスタイル賞」のほか、2017年には国連の機関(FAO)から「模範農業者賞」を受賞した。農業、農村の価値や魅力について発信を続けている4児の母。
ブログ「o2farm’s blog」