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ハッピーガールズ&ボーイズ|ハッピーファミリーファーマー日記 No.22


軽トラックを運転する女子大生、フリフリスカートで農作業する女の子、村を出る前の野球少年たち…。 熊本での家族経営農家大津愛梨さんの日常を、生き生きした写真とともに知れる貴重な連載。子育てや環境、教育などの新たな考え方が発見できるかも!?

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大津 愛梨

慶応大学環境情報学部卒業後、夫と共にミュンヘン工科大学で修士号取得。2003年より夫の郷里の南阿蘇で農業後継者として就農、有機肥料を使った無農薬・減農薬の米を栽培している。女性農家を中心としたNPO法人田舎のヒロインズ理事長、里山エナジー(株)の代表取締役社長、一般社団法人GIAHSライフ阿蘇の理事長などを兼任。農業、農村の価値や魅力について発信を続ける4児の母。…続きを読む

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実った稲

提供:O2Farm
熊本の米農家の母ちゃんが、日々の農作業や生活だけでなく、農業を通じてできる持続可能な環境作りや子育て、家族のことなどを週一で発信します。
これまでの「ハッピーファミリーファーマーズ日記」

女子大生が帰ってきた!

軽トラックに乗った女性
提供:O2Farm
コロナ禍に加えて、水害、大型台風の通過など、悲痛な出来事が続いている九州地方ですが、「ハッピーファーマー」と名乗っている以上、今回は明るくほっこりした話題をお届けしようと思います。

1カ月ちょっとで

3月終わりから4カ月近く、我が家に滞在していた現役女子大生(月間連載 No.6:「農業×教育」への新たな試み)。
7月中旬に「また来ます♪」と言って我が家を去っていったのですが、これは誰もが言うお決まりのセリフ。こちらもあまり期待を込めずに「はーい、待ってるね~」と軽く答えて送り出しました。
ところが、1カ月ちょっと経ったある日、本当にすぐ帰ってきたのです。

マニュアル運転免許付き

軽トラックを運転するマスクをした女性
提供:O2Farm
彼女は夏休み中に、実家(富山県)の近くで車の免許を取得。しかも「軽トラックを運転できたほうが、農作業の役に立てる!」という思いから、マニュアル車の免許も取ってきたというではないですか。ビックリするやらうれしいやら。

彼女が帰ってきてから、まずは10日間、飲食を別にする・家には入らない(1キロ離れた別の民家に滞在)・マスクは外作業でも着用など、「検疫期間」を設けて過ごしましたが、このまま来年の春まで南阿蘇界隈にいるつもりだそう。このブログにも、度々登場することになりそうです。
それにしても、助手席、怖かった…(笑)。

ふざけた格好ですが仕事はします

軽トラックの中で寝る少女
提供:O2Farm
日々軽トラックに乗っている我が家のもう一人の女子(5歳)は、フリフリのスカートやドレスが大好き。
先月、村内プチ旅行に行ったペンションでも、娘さんが着ていたかわいいおさがりを何箱も頂いて、娘のテンションは上がりまくりでした。

そういったたくさんのおさがりのおかげで、服はまったくといっていいほど買ったことはないのですが、農作業に行く前は、その中から自分好みの服を選んで、独自路線のフリフリスタイル&メイクまでします。
私は元バスケ少女で、スカートよりジャージ、カットソーよりTシャツが好きな体育会系なので、趣味が合いません。価値観の違い、と諦めているので、何も言わずに好きにさせています。

そんな恰好をしていても、台風後にイノシシ除けの支柱が倒れているのを直したり、稲刈りに備えた準備をしたり、やることはちゃんとやるのがほんまもんの農業女子!
お手伝い後、軽トラックの中でどこかのギャル?みたいなポーズで、いつの間にやらお昼寝しているのを見て、思わずほっこりしてしまいました。

フリフリガールの七転び八起き

あぜ道を走る少女
提供:O2Farm
田んぼの見回りを一緒にすると、お兄ちゃんたちが小さいころにしていた「あぜ道ダッシュ」をするようになってきた娘。
デコボコなうえに幅も一定ではないあぜ道を全力で走るには、それなりに技がいると思うのですが、ウチの子どもたちはみんな、ここでダッシュをするのが大好き!履歴書の特技に書いてもいいんじゃないかと思っているほどです(笑)。
小さいときから通っている道だからこそできることなんだろうな〜と、感心しています。

あぜ道で転ぶ少女
提供:O2Farm
「お母さ~ん♪」と、満面の笑みを浮かべて走り寄って来る娘。あらかわいい、と思って写真を撮ろうとしたら、ドテッ。派手にこけたではありませんか。

あぜ道を走る少女
提供:O2Farm
が、その次の瞬間、また起き上がって何ごともなかったかのように私に向かって走ってきました。いや~、たくましい、たくましい。いいぞ、田舎育ち!

ボーイズが村を出るまであと半年

ボールを持った女性と野球選手
提供:O2Farm
中学3年生の双子の息子たちが、小学校4年生から入団している硬式野球のクラブチームの卒団式がありました。農業や農村の暮らしと一見関係なさそうですが、野球をしたいがために勉強も農作業のお手伝いもがんばってきた、という点では、私の中ではしっかりつながっています。
コロナ禍で重要な大会が全部なくなり、練習や練習試合さえ満足にできなかったのは残念でしたが、それは今はどの国でも同じことなので、彼らなりに仕方がないと納得している様子です。

そして、卒団式後の親子試合に、お母さんたちも出場!
私が打席に立つと、あろうことか変化球なんぞ投げて来た息子。おいおい、打てるわけないだろっ。悔しいので、その裏の回には親チームのメンバーと力をあわせて、息子をアウトに仕留めました(笑)。

農村での子育ては、基本的に中学校で終わり。村に高校がないからです。あと半年で息子たちとの密な時間は終わりますが、野球があったからこそ、難しい年ごろの息子たちとも良い関係を築けていたのではないかと改めて思いました。

【毎月更新!】月間連載アーカイブ「農業なくして持続可能な社会なし」
【週間連載】家族経営農家の日常を配信「ハッピーファミリーファーマーズ日記」

大津 愛梨(おおつ えり)プロフィール
1974年ドイツ生まれ東京育ち。慶応大学環境情報学部卒業後、熊本出身の夫と結婚し、共にミュンヘン工科大学で修士号取得。2003年より夫の郷里である南阿蘇で農業後継者として就農し、有機肥料を使った無農薬・減農薬の米を栽培し、全国の一般家庭に産直販売している。
女性農家を中心としたNPO法人田舎のヒロインズ理事長を務めるほか、里山エナジー株式会社の代表取締役社長、一般社団法人GIAHSライフ阿蘇の理事長などを兼任。日経ウーマンの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」やオーライニッポン「ライフスタイル賞」のほか、2017年には国連の機関(FAO)から「模範農業者賞」を受賞した。農業、農村の価値や魅力について発信を続けている4児の母。
ブログ「o2farm’s blog」

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