これまでの「ハッピーファミリーファーマー日記」
近場にGoToトラベル
南阿蘇村といえば、阿蘇くじゅう国立公園の中にある自然豊かで風光明媚な場所で、実は自宅からすぐ近く。ただ、地元の観光地には頻繁に行かないのはよくある話で…。農作業や育児や家事でいっぱいいっぱいの日々ですが、友人夫妻とWデートを企画して、久しぶりに村内の観光施設へ、車で30分のプチドライブ&ランチに行ってきました。いっそこの際、地獄へGo!
南阿蘇村の名所の1つに「地獄温泉」があります。地元では“地獄”と略して呼ばれます。亡き義祖母が「今日は地獄に行ってくる」と真顔で言うのを聞いて、お年寄りが話すときはちゃんと“温泉”を付けて欲しいと思っていたものです(笑)。地獄温泉 清風荘は、硫黄のにおいが数日は残るような、温泉好きにはたまらない名湯ですが、4年前の熊本地震で激しく被災。大変な苦労の末、ようやく今年の5月にレストランと温泉がリニューアルオープンし、9月からは宿泊も再開するとのこと。
レストランでは、羽釜で炊くご飯におあしす米を使っていて、阿蘇特産のあか牛をのせたあか牛丼、名物のしし鍋、鴨せいろ、まかないカレーなどの4つのメニューが食べられます。
地元の農産物をふんだんに使っていて、どれも本当においしかったです!地獄って割と、いえとってもとっても良いところなんですよ♪地震、新型コロナウイルス、水害と災難続きの熊本ですが、そんな時はいっそ「地獄」へ行ってみるのも悪くないかも!?
清々しい農村に行った気分になれる「オンラインファームツアー」はいかが?
さぁ、そして女性農家仲間と始めた「オンラインファームツアー」について。新型コロナウイルスの感染拡大が、再び深刻化している中でのGo To トラベルキャンペーンには疑問しかなく、特に超高齢社会の農村に、都会からの旅人が無症状で来られたら大変!
そんな危機感から、家に居ながらにして農村に行った気分になってもらうにはどうしたらいいかを考えていました。そこで思いついたのが、オンラインで農村の清々しい風景をお届けしつつ、ちょっとした食育や環境教育まで盛り込んでしまおうという欲張りな企画、オンラインファームツアーです。
実際に行かなくても見えてくる、農村の人と暮らし
オンラインファームツアーですが、実験的にやってみたところ、手探りで不慣れなナビゲーションだったにもかかわらず、観ていただいた方からはなかなかいい反応が。そもそも農村って車がないと行きにくいし、南阿蘇の観光地はさておき、休みの日に家族で農村に行こう!なんてあんまり思わないですよね。でも農家からすると、田んぼや畑など実際の生産現場の様子を見て知って欲しいし、生産者と消費者がもっと近い関係になって欲しいと常々思っているんです。
そこで、まずはオンラインで農村の風景や人、暮らしを発信して、そこから「やっぱり実際に行ってみたい」と思ってもらえれば本望だなぁ、と。この方法ならどんな遠い農村の風景だって見れちゃうし、動画なので生の声や雰囲気をよりわかりやすくお届けすることができます。なんなら海外の人にも見て知ってもらえるわけです。
既にFacebookで配信済みのツアーも見れますので、ぜひ一度ご視聴くださいね!
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大津 愛梨(おおつ えり)プロフィール
1974年ドイツ生まれ東京育ち。慶応大学環境情報学部卒業後、熊本出身の夫と結婚し、共にミュンヘン工科大学で修士号取得。2003年より夫の郷里である南阿蘇で農業後継者として就農し、有機肥料を使った無農薬・減農薬の米を栽培し、全国の一般家庭に産直販売している。
女性農家を中心としたNPO法人田舎のヒロインズ理事長を務めるほか、里山エナジー株式会社の代表取締役社長、一般社団法人GIAHSライフ阿蘇の理事長などを兼任。日経ウーマンの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」やオーライニッポン「ライフスタイル賞」のほか、2017年には国連の機関(FAO)から「模範農業者賞」を受賞した。農業、農村の価値や魅力について発信を続けている4児の母。
ブログ「o2farm’s blog」