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慈しむ暮らし|ハッピーファミリーファーマー日記 No.18


稲の花が咲き、風が見える季節到来!身近なものを直して使うことについて、大津愛梨さんが改めて考えます。熊本での家族経営農家の日常を、生き生きした写真とともに知れる貴重な連載。子育てや環境、教育などの新たな考え方が発見できるかもしれませんよ。

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大津 愛梨

慶応大学環境情報学部卒業後、夫と共にミュンヘン工科大学で修士号取得。2003年より夫の郷里の南阿蘇で農業後継者として就農、有機肥料を使った無農薬・減農薬の米を栽培している。女性農家を中心としたNPO法人田舎のヒロインズ理事長、里山エナジー(株)の代表取締役社長、一般社団法人GIAHSライフ阿蘇の理事長などを兼任。農業、農村の価値や魅力について発信を続ける4児の母。…続きを読む

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南阿蘇の風景

提供:O2Farm
熊本の米農家の母ちゃんが、日々の農作業や生活だけでなく、農業を通じてできる持続可能な環境作りや子育て、家族のことなどを週一で発信します。
これまでの「ハッピーファミリーファーマーズ日記」

稲の花が咲きました!

稲の花
提供:O2Farm
都会で育った私は存在さえ知らなかった「稲の花」が咲きました。とても小さいうえに開花時間が2時間しかないといわれている稲の花は、香りがいいわけでもなく、姿が美しいわけでもなく、でもやっぱり花は花。よく見ると可憐です。

この小さな花が、短い開花の間にしっかり受粉をしてくれないことには、実である米がなりません。熊本では長雨や豪雨でさまざまな影響が出ていますが、南阿蘇ではこの開花時期に晴天が続き、受粉を助けてくれる程よい風も吹いてくれたので、ホッと胸をなでおろしています。

風が見える季節

田んぼ
提供:O2Farm
見渡す限り緑。山も緑。田畑も緑。風が吹くと稲の葉っぱがいっせいに揺れて、まさに「風が見える」んです。
私の母は田植えしたばかりの水面が見える田んぼが一番好きと言い、夫は収穫前の黄金色の田んぼが一番好きと言い、私はこの風が見える季節の田んぼが一番好き。みんなそれぞれお気に入りの季節があります。
皆さんはどんな季節の田んぼが好きですか?思い浮かべてみてくださいね。

大切なものを直して使うという選択肢

金継ぎした陶器
提供:O2Farm
小まめに手入れをする性格ではない私ですが、簡単に捨てるのというのが嫌いな貧乏性なので、服も破れたら縫って使います。

お気に入りの「塩壺」という陶器があり、大切に使っていたのですが、4歳の娘が料理のお手伝いをしている最中に割ってしまいました。娘に悪気はもちろんないけど、がっかりするのと悲しいのとで捨てられずにいて、直そうにも食品を入れておくものなので接着剤とかは使いたくない…。

ある日、友人が「金継ぎ」と呼ばれる技を持っているのを思い出してお願いしてみたところ、なかなか味のあるすてきな姿になって帰ってきてくれて感激!料理を作る時のテンションが上がりそうです。

古い材も削ればまた美しい

窓枠をリフォーム
提供:O2Farm
明治時代に建てられた古い家に暮らしているのですが、廊下の一部が古くなってベコベコになってしまったので、リフォームに着手しました。予算的にも労働力的にも大掛かりな工事を一気にできないので、この4年間は毎年1カ所ずつ直すようにしています。

最初に手掛けたのは、寒くて暗いダイニングキッチン。次は事務仕事や子どもたちが勉強するためのオフィス。そしてお風呂をリフォームしました。リフォームする時には毎回、気密性と断熱性を上げるように考えて施工をしています。

今年は、廊下と廊下に面した部屋をフローリングにする計画です。部屋の断熱性を上げるために、古いサッシを外してペアガラス用の窓枠を入れなくてはいけません。いつも「親方」として我が家のリフォームを手掛けてくれている友人が、外した柱をカンナで削って再利用してくれました。なんかいいなぁ、こういうの。

柱をカンナで削る
提供:O2Farm
古いものを直して使うより、新しいものを買うほうが安いことが多いかもしれません。でも、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための「新しい生活様式」の中で、新しいものを探して広く多く活動するよりは、今あるものを「直して使う」とか「長く使う」という視点を持って生活することが重要かと。そうすることで、身近なものを慈しむ心が育まれ、家で過ごす日々を豊かにしてくれると思うのです。環境への負荷も少なくなりますしね!

【毎月更新!】月間連載アーカイブ「農業なくして持続可能な社会なし」
【週間連載】家族経営農家の日常を配信「ハッピーファミリーファーマーズ日記」

大津 愛梨(おおつ えり)プロフィール
1974年ドイツ生まれ東京育ち。慶応大学環境情報学部卒業後、熊本出身の夫と結婚し、共にミュンヘン工科大学で修士号取得。2003年より夫の郷里である南阿蘇で農業後継者として就農し、有機肥料を使った無農薬・減農薬の米を栽培し、全国の一般家庭に産直販売している。
女性農家を中心としたNPO法人田舎のヒロインズ理事長を務めるほか、里山エナジー株式会社の代表取締役社長、一般社団法人GIAHSライフ阿蘇の理事長などを兼任。日経ウーマンの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」やオーライニッポン「ライフスタイル賞」のほか、2017年には国連の機関(FAO)から「模範農業者賞」を受賞した。農業、農村の価値や魅力について発信を続けている4児の母。
ブログ「o2farm’s blog」

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