森のようちえんのオープンエア卒園式|ハッピーファミリーファーマー日記 No.6

熊本県阿蘇にある森のようちえん「おてんとさん」の卒園式が、青空の下で行われました!大津愛梨さんの熊本での家族経営農家の日常を、生き生きした写真とともに知れる貴重な連載。「家族農業」を通じて、子育てや環境、教育などの新たな考え方が発見できるかも!?


提供:O2Farm
熊本の米農家の母ちゃんが、日々の農作業や生活だけでなく、農業を通じてできる持続可能な環境作りや子育て、家族のことなどを週一で発信します。
これまでの「ハッピーファーマーズ日記」

森のようちえん「おてんとさん」

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今年度スタートした、森のようちえん「おてんとさん」の卒園式・修了式が、山奥の屋外にて開催されました。

前身となる、もりのようちえん「ほしのこ」は、東日本大震災で引き起こされた福島原発事故をきっかけに、都会から移住してきた自然派育児を目指すお母さんたちによる自主保育グループとして、2013年に誕生して活動を続けていました。
上の3人の息子たちが小さかったときに通わせようか悩みましたが、彼らは年齢が近く、田んぼや畑で勝手に転げまわるようにして遊んでいて、自宅周辺ですでに私設「田んぼようちえん」状態。保育園にも入れようと試みましたが、3人とも「やっぱり家でいいや」となったので、結局通いませんでした。

その後、第4子に恵まれ、年の近い遊び相手が家にいないことから、自主保育グループに参加し始めたのはおととしのこと。息子と同い年の男の子を持つ保護者さんが、「保育士さんがいて託児できる、森のようちえんをつくりたい」という夢を持っていたので、微力ながら夢の実現に向けた支援をして、2019年4月から森のようちえん「おてんとさん」がスタートしたのです。

晴れの日も雨の日も

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デンマークで生まれた森のようちえんという取り組みは、私が留学していたドイツでも全国的に広まっていました。今では日本にもたくさんあるようですが、詳しい実態は知りません。

基本的にはどんな天候でも野外で過ごし、悪天候のときに避難できる場所を確保しておくのが鉄則。森のようちえん「おてんとさん」は廃校になった小学校を拠点としているので、子どもたちの体調と天候をみながら室内での活動もできます。
月に一度は農場に行って農作業をしたり、いつもと違う場所に出向いてハイキングをしたり。遊具は一切持たず、葉っぱや木の枝や花や虫を見つけて、子どもたちが自分たちで遊びを創り出していきます。
子どもたちの自主性や創造性を重んじるというのは、つまり大人にとっては忍耐でしかない見守り保育ですが。

卒園児ファーストのスーパーフレックス卒園式

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そんな森のようちえんの卒園式・修了式は、新型コロナウイルス対策という訳ではなく、いつもの活動場所としている屋外で晴れの日に開催。天気予報を見ながらなので、式の日取りがその週になるまで決まらないというスーパーフレックス(笑)。保護者が手作りで用意した花のかんむりとアルバムと、前身団体のOGたちによる卒園児に向けた演奏が行われました。

誰のためにやるのか、何のためにやるのか。当たり前だけどなかなか当たり前にできないシンプルな事だけをやって、2人の卒園児たちを送り出した心温まる式でした。

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大津 愛梨(おおつ えり)プロフィール
1974年ドイツ生まれ東京育ち。慶応大学環境情報学部卒業後、熊本出身の夫と結婚し、共にミュンヘン工科大学で修士号取得。2003年より夫の郷里である南阿蘇で農業後継者として就農し、有機肥料を使った無農薬・減農薬の米を栽培し、全国の一般家庭に産直販売している。
女性農家を中心としたNPO法人田舎のヒロインズ理事長を務めるほか、里山エナジー株式会社の代表取締役社長、一般社団法人GIAHSライフ阿蘇の理事長などを兼任。日経ウーマンの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」やオーライニッポン「ライフスタイル賞」のほか、2017年には国連の機関(FAO)から「模範農業者賞」を受賞した。農業、農村の価値や魅力について発信を続けている4児の母。
ブログ「o2farm’s blog」

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大津 愛梨
大津 愛梨

慶応大学環境情報学部卒業後、夫と共にミュンヘン工科大学で修士号取得。2003年より夫の郷里の南阿蘇で農業後継者として就農、有機肥料を使った無農薬・減農薬の米を栽培している。女性農家を中心としたNPO法人田舎のヒロインズ理事長、里山エナジー(株)の代表取締役社長、一般社団法人GIAHSライフ阿蘇の理事長などを兼任。農業、農村の価値や魅力について発信を続ける4児の母。

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