野菜のネット販売に許可は必要?
農産物を自分で販売する時、気になるのが法律のことです。2020年2月現在、自分で作った野菜やお米、果物などをアプリやサイトで販売しても、法律違反にはなりません。しかし1点、気を付けたい法律があります。それが景品表示法です。その表示は正しい?有機野菜、特別栽培、オーガニックは使用基準が定められている
景品表示法とは、商品に関する不当な表示、顧客の誘因を防止するために定められた法律です。一般消費者の自主的・合理的な選択を阻害する可能性のある表示をすると、販売を差し止められてしまうことがあります。例えば、化学的に合成された農薬や肥料を使用していない野菜でも、JAS有機認証を受けていない野菜は「有機野菜」と表示してはいけません。特別栽培米を販売する際、育苗培土には化学肥料を使用していたにも関わらず、「栽培期間中化学肥料不使用」と表示して措置命令が下された例もあります。
加工品の販売には許可が必要
加工品を作って販売する場合は加工施設の所在地を管轄する保健所の許可が必要です。加工品の種類によって申請の内容が異なるので、加工品を販売したい方は所轄の保健所に問い合わせてみましょう。野菜の販売に使えるアプリ・サイト
忙しい仕事の合間でも、スマートフォン一つで出品・販売・管理が行えるアプリを活用して野菜を販売してみましょう。メルカリで野菜は売れる?
中古品を売買するイメージの強いメルカリですが、野菜も多く出品されてます。市場に出荷できない規格外品や、採れすぎてしまった野菜の販売にも適しています。メルカリの使い方はとっても簡単です。まずはスマホまたはタブレットにアプリをダウンロード。アカウント登録をしたら、出品する野菜の写真や価格などの詳細を登録して、あとは出品するだけ。ただし、売上金の10%が販売手数料に充当されます。また、売上金を引き出す際には一律200円の手数料が別途必要です。
BASE CreatorならスマホでECサイトを作れちゃう!よく聞くBASEをフル活用
自分専用のECサイトを簡単に作れるサービス「BASE」には、スマホ用のアプリもあります。BASE Creatorをアプリストアからダウンロードして、アカウントを作成しログイン。「新規開店」メニューから手続きを行うと、600万ユーザーが利用するショッピングモールにECサイトが誕生します。商品の登録やショップのデザインの編集が自由に行え、商品が売れたら通知もしてくれます。BASEの場合、クレジットカード決済やコンビニ決済など6つの決済方法に対応したBASEかんたん決済の利用手数料として、1回の注文合計金額に対して3.6%+40円、売上金の振り込みに一律250円の手数料が発生します。さらに売上金の振込金額が2万円未満の場合は、事務手数料として500円差し引かれます。
Yahoo!ショッピングは手数料無料なの?
ネットショップの老舗、Yahoo!ショッピングでも野菜を販売できます。品種ごとのカテゴリがあり、その野菜を購入したい消費者にダイレクトに届けられる通販サイトです。「訳あり野菜」として、規格外品を安く販売することもできます。Yahoo!ショッピングはショップ開業の初期費用、毎月の固定費、売上ロイヤルティが無料です。ただし、ストアポイント、キャンペーン原資充当分として、それぞれ税込販売価格の1%、1.5%の月額費用がかかります。
ライブコマースでライブ配信&販売する方法も
動画配信によって視聴者がリアルタイムでコメントをしたり、質問したりできるライブコマースを活用して、ファンとのコミュニケーションを楽しみながら野菜を販売する方法もあります。ライブコマースアプリ「CHECK」や「楽天ライブ」でアカウントを作成して多くのファンを獲得し、売り上げアップを目指してみましょう。野菜販売のプラットフォーム「食べチョク」「ポケットマルシェ」の活用
前述のアプリ・サイトは野菜以外の日用品やアパレル商品、電化製品などさまざまなものが販売されているので、どうしても商品が埋もれてしまいがちです。そこで活用したいのが、野菜の販売を専門とするプラットフォームです。消費者と直接つながる「食べチョク」でリピーターを作ろう
食べチョクは、安心安全な商品を厳選したオンライン・マルシェです。出品できる商品には基準が設けられており、審査を通過した生産者のみ出店することができます。固定費はすべて無料ですが、出品したものが売れた場合には、販売手数料として20%を運営元に支払う必要があります。出品作業は運営側が代行
出品作業は運営元が代行してくれるので、マーケティングや接客が苦手な生産者も安心して出店できます。こだわりの生産者がそろっているから、消費者からの信頼性も抜群
食べチョクに出品できるのは、「栽培期間中農薬・化学肥料不使用、または農薬や化学肥料の使用量を慣行栽培レベルの5割以上削減して栽培されている、遺伝子組み換えでない農作物」「極力自然に近い形で飼育された畜産物」「持続可能な漁業を行う生産者の水産物」など、食べチョク独自の基準をクリアした生産者のみです。消費者が安心の食材を購入できるオンライン・マルシェにこだわりの生産物を出品することで、生産者が手塩にかけて栽培した野菜を食べたい消費者とつながることができます。
消費者側の理解度が高い
こだわりの食材を求める消費者は、その価値をよく理解しています。味や栽培方法への関心も高く、生産者の想いが届きやすいと言えるでしょう。せっかくのこだわり野菜を安く販売したくない、理解してくれる消費者に届けたいという生産者は、食べチョクを活用してみましょう。販路拡大・顧客獲得に役立つ
こだわりの生産物を販売するにあたり、まったく下地のない状況から販路を開拓するのは難しいものです。営業や接客ができるか不安という方も、出品作業を代行してくれる食べチョクなら安心して自慢の野菜を出品できます。顧客獲得、販路拡大、収入の安定を目指したい方、こだわりの野菜をもっと多くの人に食べてもらいたい方は、食品への関心が高い消費者が注目する食べチョクを利用してみてはいかがでしょうか。
送料が安い「ポケットマルシェ」で気軽に出品
野菜を通販する際、気になるのが送料のことです。北海道や沖縄、離島から本州への配送はどうしても送料が高くなりがちです。「商品よりも送料の方が高くなってしまう」「送料が高くて消費者に申し訳ない」など、送料の負担が気になって通販に踏み切れない農業者も多いのではないでしょうか。ポケットマルシェは送料が安い
個人間取引では高くなりがちな送料ですが、ヤマト運輸と提携している「ポケットマルシェ」(ポケマル)なら送料に割引が適用されます(送料は地域によって異なる)。最大で送料約5割減の地域もあるようです。スマホだけで完了する手軽さも人気
生産者がスマホから出品作業を行うと、ポケットマルシェから配送伝票が届きます。配送伝票が届いたら、あとは購入者に商品を発送して完了です。登録、基本料金などの固定費は無料、商品が売れた時に販売手数料として売上額の15%を支払うだけで利用できます。消費者とのコミュニケーションで固定ファン化を狙える
ポケットマルシェは、生産者と消費者が気軽にコミュニケーションを取れるのが特徴です。商品販売ページに消費者が写真やコメントを投稿できます。届いた野菜を使った料理の写真や、直接「ありがとう」の言葉を見ると、日々の仕事の励みにもなります。また消費者のニーズなどもわかり、固定客やファン獲得のための対策も立てやすくなるでしょう。ポケットマルシェでは台風などの天災被害に遭ったり、コロナウイルス感染拡大の影響で販路を失ったりした生産者を応援するキャンペーンも展開。