目次
- 1. 収穫ロボットで農業の課題を解決「inaho株式会社」
- 2. 人工知能を活用した牛用IoTソリューション「株式会社ファームノート」
- 3. 日本米のバリューチェーン事業「アグリホールディングス株式会社」
- 4. 葉色解析サービス「いろは」の開発・提供「株式会社スカイマティクス」
- 5. 農業総合プロデュースで農家のビジネスを支援「株式会社クロスエイジ」
- 6. まるで植物工場!? 農業事業開発コンサルティング「浅井農園」と「デンソー」の合弁会社「株式会社アグリッド」
- 7. 水田を利用した水耕栽培システム「株式会社アグリア」
- 8. 異種間の接木を活用!「グランドグリーン株式会社」
- どんどん最新システムが生まれている!農業ベンチャーの動向を今後もチェックしていこう
1. 収穫ロボットで農業の課題を解決「inaho株式会社」
inaho株式会社は、人工知能を使った自動野菜収穫ロボットを開発・提供しているベンチャー企業です。農家にとって、負担が大きい収穫作業を自動で行えるロボットを開発し、注目を集めています。inahoのロボットは初期費用とメンテナンス費用が完全無料で、導入コストを抑えられるのもポイント。利用料は収穫高に応じて支払うシステムなので、農機具への投資負担を最小限に抑えながら労働力不足を解消したい農家にも適しています。
ロボットは2時間の充電で最大7時間稼働。画像認識システムによって、収穫に適したものだけ収穫してくれる優れものです。開発も全国の農家と協力して行うなど、農業のリアルに即したロボット・サービスを展開しているのも特徴です。
2. 人工知能を活用した牛用IoTソリューション「株式会社ファームノート」
株式会社ファームノートが提供する人工知能を活用した牛用IoTセンサー「Farmnote Color」は、酪畜産農家向けのITツールです。乳牛・肉牛に使用でき、活動・反すう・休息などの活動データを収集し、そのデータを人工知能が分析して、発情や疾病などの可能性がある個体をスマートデバイスに通知します。データが蓄積されていくほど、検知する精度が高まるシステムです。データはクラウド牛群管理システム「Farmnote」と連携。Farmnoteは発情から妊娠鑑定、分べんの管理、乳房炎・疾病、牛群移動や販売成績など、酪農・畜産に必要な牛の行動を詳細に記録できるシステムです。
各種データはグラフ化され、牛の行動を可視化できます。人手不足に悩む酪農・畜産家の牛群管理の負担を軽減してくれます。FarmnoteおよびFarmnote Colorは、経営規模の大小にかかわらず、つなぎ牛舎を含む多くの飼養形態で利用できるのも特徴です。
3. 日本米のバリューチェーン事業「アグリホールディングス株式会社」
農業のコンサルティングやグローバル展開を支援するアグリホールディングス株式会社。日本米のバリューチェーン事業と海外市場のバリューチェーン構築事業を手掛け、BENTO LABO(べんとう研究所)を運営し、おにぎり・お弁当という日本の食文化を世界に普及させるためのサポートを行っています。日本米のバリューチェーン事業では、さむらいす(SAMURICE)ブランドとしてシンガポールやニューヨークで日本米を販売しています。日本の米を世界に広げながら、日本米のブランド力向上を目指しています。
4. 葉色解析サービス「いろは」の開発・提供「株式会社スカイマティクス」
株式会社スカイマティクスは、ドローン画像を使用して、作物の状態を見える化するシステム「いろは」を提供する企業です。作物の病気や害虫、圃場の雑草の状況や倒伏、生育ムラなども、画像から簡単に分析できるようになり、生産性の向上に役立てられています。取得した情報は経営者のみならず、従業員やJAなどの関係団体とのリアルタイムでの共有も可能です。自動撮影、自動処理で利用の手間もかかりません。農家がすでに所有しているドローンを利用するため、導入コストも低く済みます。
手軽にスマート農業をはじめられるITシステムを提供しています。
5. 農業総合プロデュースで農家のビジネスを支援「株式会社クロスエイジ」
株式会社クロスエイジは、「スター農家を生み出す」農業総合プロデュースとして、流通、商品企画、農業経営支援を行っています。どうやって売り上げを伸ばせばいいのか分からない、資金調達に対して不安がある農家をサポート。対象となる農家は年間売上3,000万円以上(新規就農者は1,000万円以上)に限定。ベースは中間流通業者(商社)でありながら、農家の「
6. まるで植物工場!? 農業事業開発コンサルティング「浅井農園」と「デンソー」の合弁会社「株式会社アグリッド」
1907年に創業し、農業を営む傍ら企業の農業進出をコンサルトしている株式会社浅井農園と、自動車部品会社・株式会社デンソーの2社が出資して誕生した合弁会社が「株式会社アグリッド」です。アグリッドでは、大規模ハウスを使った次世代施設園芸モデルの構築・普及拡大による農業生産事業への貢献をミッションに掲げています。
アグリッドでは、浅井農園の持つ国内トップクラスの栽培技術とデンソーが自動車業界で培った工業的知見を融合させ、国内最大級の大規模ハウス内にて品種開発、作業の自動化、環境制御、生育栽培制御、作業改善を行い、農業経営発展への貢献を目指しています。
7. 水田を利用した水耕栽培システム「株式会社アグリア」
水耕栽培システムメーカー「株式会社アグリア」では、水田を利用した世界唯一の水耕栽培システムの開発および販売、自社農場での野菜・苗の生産事業を行っています。アグリアの水耕栽培システムでは、水田の上に水耕パネルを浮かべて、パネルで野菜を栽培します。導入費用は400万円(税別)。水田以外の畑で水耕栽培を行う場合には、別途専用プール(50万円:税別)が必要です。世界一簡単で安い水耕栽培システムとのこと。
この水耕栽培システムは、休耕田や耕作放棄地の有効活用にもつながります。
8. 異種間の接木を活用!「グランドグリーン株式会社」
名古屋大学発のバイオベンチャー、グランドグリーン株式会社は、異なる植物同士の接木を可能にするiPAG技術の社会実装を目指しています。このiPAG技術やゲノム編集技術など独自の新技術によって、新たな作物を開発するとともに、経験や習熟度に関係なく、誰でも接木ができる接木カセットを開発。接木苗生産の省人化・効率化への貢献が期待されています。
自然環境の変化や高齢化による農業の担い手不足など、食農分野のさまざまな問題解決に向けて、独自技術や最新の科学的知見を融合させた提案を行っています。
どんどん最新システムが生まれている!農業ベンチャーの動向を今後もチェックしていこう
持続可能な開発目標(SDGs)に関心が集まる中、農業分野でも新たな技術が求められています。また、日本の農業には人手不足や担い手不足、自給率の低さなどさまざまな課題が残されており、これらについてもテクノロジーによる解決が望まれています。そのような中で農業ベンチャーが担う役割は大きく、中には目覚ましい成長を遂げる企業も出てくることでしょう。農業の作業負担の軽減を目指すプロダクトだけでなく、これからの日本の農業を変えるかもしれない、新たな農業ベンチャーに今後も要注目です。