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6次産業・商品化に取り組む前に、持っている経営資源を可視化
6次産業化を始める前に、自分が持っている経営資源を整理して可視化してみましょう。雇用のあてはあるのか 求人方法は
新規事業を立ち上げるとき、ネックになるのが人的資源です。生産、加工、流通、販売まで一手に行う6次産業では、ともに働いてくれる人の存在が欠かせません。今ある人脈でどのくらいの雇用を見込めそうか、どのような方法で求人を行うのか整理しておきましょう。施設はどのくらいの規模が必要か
次に施設や設備などの資源です。現在ある施設・設備で足りるのか、足りなければどのくらいの投資が必要になるのか洗い出しておきます。資金はいくら用意できるのか
自己資金はいくらあるのか、資金調達を行う場合は、融資限度額はいくらかなど、調べておきましょう。6次産業化に役立つ知識とスキル1. 販売管理
いつ、どこで、だれに、何を、いくらで販売したのか、そしてその代金はどうやって回収したのか。商品の販売と代金回収に関する一連の流れを管理するのが販売管理です。このほか、仕入れや在庫、顧客データの管理も販売管理に含まれます。これらの事務作業をしっかりと行うことで、収支の状況が可視化され、利益を把握しやすくなります。
農産物を販売している農業者のほとんどが基礎的な知識を有している部門ではありますが、販売先が多岐にわたること、仕入れが増えることから生産だけの時とは違った業務が発生するでしょう。販売管理を正しく行うためのシステムやツールについての知識、それらを扱うスキルが求められることもあります。
6次産業化に役立つ知識とスキル2. 営業力
いくらよい商品を作っても、各所へ売り込まなければ収益化は難しいでしょう。生産者としてではなく、「開発した商品の営業マン」として、各所で営業を行う必要が出てきます。どこに営業すればよいのか、営業先にはどんな資料を持っていけばよいのか、営業先で話すべきことは?など、わからないことが多々あるはずです。営業とは何か、何から始めたらよいのかわからない場合は、6次産業化プランナーに相談してみましょう。
はじめはサポートが必要ですが、慣れたら自分で営業もこなせるようになるかもしれません。どうしても難しければ、事業拡大の際に営業専門スタッフを雇用するなど工夫しましょう。営業のための研修を受けるといった方法もあります。
また、6次産業化補助金なども活用できる場合がありますので、公的なサポートも活用してみましょう。
6次産業化に役立つ知識とスキル3. 食品衛生責任者資格
食品を扱う場合、必ず求められるのが衛生管理です。人の口に直接入るものですから、万一のことが起こる前に、衛生環境を整えて万全な体制で衛生管理を行いましょう。食品衛生法では、営業許可施設ごとに食品衛生責任者を配置することが定められています。加工場の責任者として、食品衛生責任者資格も取得しましょう。食品衛生責任者の資格は、食品衛生責任者養成講習会を受講すると取得できます。衛生管理について、わからないことがあれば最寄りの保健所に相談することをおすすめします。
6次産業化に役立つ知識とスキル4. 調査・マーケティング
市場調査や宣伝活動を総合してマーケティングといいます。プロが行うような本格的なマーケティングでなくとも、「この商品は売れるのか、売るための活動は」と考えて行動することが大切です。自分のアイデアはどのくらい受け入れられそうか、競合はあるか、あるなら自社の優位性は?ターゲットに届く確実なプロモーションは、など、商品を多くの人に届けるための情報収集も欠かせません。
6次産業化に役立つ知識とスキル5. デザインの基礎知識
商品を開発した後、頭を悩ませるのがパッケージデザインや販促ツールのデザインです。商品のブランディングを考えるうえで、デザインは欠かせない要素となります。「デザインはプロに任せておけば安心」と思われがちですが、最終的な意思決定権は経営者にあることを忘れてはいけません。
おおまかにどのようなデザインがいいのか、デザイン案を見て修正指示を出すなど、デザインに直接かかわる業務も発生します。その際、デザインの基本的な知識があると、自分の意見やイメージをより的確にデザイナーに伝えることができ、交渉がスムーズに。デザインのトレンドや色合いによって与える印象の違いなど、デザインの基本だけでも学んでおくことをおすすめします。