-
- MitsuyaNao
埼玉県の山奥で、約1反のブルーベリー畑を管理しています。ハイブッシュとラビットアイを約20品種栽培中。野菜、花、ハーブなども育てています。AGRI PICKでは、家庭菜園や園芸の初心者に向けた記事を中心に担当。他メディアでも多数執筆中。…続きを読む
東京と埼玉の伝統野菜・のらぼう菜とは?
のらぼう菜の栽培地域に住んでいる筆者も、自宅で毎年のように育てており、周囲でも栽培が盛んです。苦みがなく、おひたしのような簡単な調理法で食べられるので、春の収穫時期には毎日のように食卓に並びます。
どんな見た目?
どんな味?
味はつるむらさきに似ており、オクラのようなねばり気が若干感じられます。ゆでたり炒めたりすると、トウ(花茎)の程よい歯ごたえと甘みが出ておいしいです。苦みもほとんどなく、とても食べやすい野菜です。のらぼう菜を育てるときの注意点
スペースは広めに取っておく
のらぼう菜は、20〜30cmに育ったトウと葉を収穫しますが、収穫をひと通り終えた後、花を咲かせて種を採る場合は、80~100cm位の高さまで生長します。日当たりや風通しを考えて、近くの植物を圧迫しないよう広めの栽培スペースを取っておきましょう。病害虫に注意
丈夫で手間のかからないのらぼう菜ですが、環境によっては「アブラムシ」や「アオムシ」の食害、「べと病」「根こぶ病」などの被害を受けることがあります。アブラムシ
体長2〜4mmの小さな昆虫で、野菜だけでなく草花や樹木などあらゆる植物につき、やわらかい新芽の部分などに群がって植物の汁を吸います。また、吸汁のみならず、植物から植物へと移動するときに、すす病やモザイク病などのウィルスを媒介する厄介な害虫です。成虫の飛来を防ぐには、シルバーマルチが有効。詳しい「アブラムシ対策」はこちらをチェック!
アオムシ
モンシロチョウの幼虫で、キャベツやブロッコリー、白菜などのアブラナ科の野菜を好みます。若齢幼虫は葉裏から集団で食害し、中齢幼虫以降になると葉の表から葉脈や葉柄を残して食害します。放置すると株が丸裸になってしまうことも。日頃から葉の表裏を観察し、卵や幼虫を見つけたらすぐに取り除きましょう。詳しい「アオムシ対策」はこちらをチェック!
べと病
白~黒色のカビが発生する糸状菌(カビ)による病気。葉にぼんやりとした黄色の斑点ができたり、病斑に白っぽいカビが生えるのが特徴です。梅雨時に発生することが多く、被害が進むと下葉から枯れあがってしまいます。水はけや日当たり、風通しの悪さなどで多湿状態になると発生しやすくなるので注意が必要です。「べと病」についてはこちらの記事で詳しく解説しています!
根こぶ病
主にアブラナ科野菜に発生する病気で、土壌に生息する病原菌により感染します。根こぶ病にかかると根がこぶ状となり、地上部の葉や葉柄が萎れてしまいます。感染した土壌は、消毒するか入れ替えを行いましょう。また、根こぶ病菌は土壌の水分が多いと活発になるため、水はけのよい土作りも感染を防ぐポイントです。「根こぶ病」についてはこちらの記事で詳しく解説しています!
連作障害を起こす
のらぼう菜は、ほかのアブラナ科の野菜を植えた場所でも連作障害を起こします。一度アブラナ科の野菜を栽培した場所で、再びアブラナ科の野菜を育てたいときは、1年以上あけるようにしましょう。のらぼう菜の栽培方法
のらぼう菜は花がかわいいため、家庭菜園に彩りを添えてくれます。ハーブや草花と混植してもすてきです。毎年雪が積もるほど降る地域以外なら、霜除けも必要なく暑さにも強いですよ。栽培後に種を採取すれば、毎年繰り返し育てられます!
栽培カレンダー
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
種まき | ● | ● | ||||||||||
植え付け | ● | |||||||||||
肥料 | ● | ● | ||||||||||
収穫 | ● | ● | ● |
種まき
種まきのシーズンは、害虫がいなくなってきた9月のお彼岸ごろで、20℃前後の気温であれば発芽します。地面に直接まくときは、10cm間隔ですじまきしてください。ポット苗にまくときは、一つのポットに3~4粒ずつまきます。最後にたっぷりと水を与えましょう。
おすすめの種
植え付け
植え付けの時期は11月ごろです。種まきした苗が本葉5、6枚になったら、株と株とを40〜50cmくらいの間隔にして畑やプランターに植え替えます。地植え:定植の2週間以上前に苦土石灰をまき、よく耕しておきます。1週間前になったら、堆肥と化成肥料もよくすき込んでください。
プランター:鉢底石と、野菜用の培養土を入れた大きめのプランターに植え付けます。
地植えにもプランターにも!おすすめの堆肥
苦土石灰で酸度調整も忘れずに
日当たり
水やり
肥料
トウが立ちはじめたころ、化成肥料を追肥すると良いでしょう。肥料切れを防ぐことで、わき芽がどんどん生え、収穫量も増えますよ。収穫
害虫
冬の間は被害が少ないですが、アブラムシやアオムシなどが苗の柔らかい葉を食害してしまう場合もあります。苗を植えたら、すぐに防虫ネットでトンネルを作ると安心です。おすすめの防虫ネット
種の採取
種を採る場合は、花を咲かせ、そのまま生長させます。種が入ったサヤは、のらぼう菜が枯れると茶色になるので、このタイミングで種を採りましょう。紙袋または缶に入れ、湿気の少ない場所で保管します。
のらぼう菜のおいしいレシピ
ゆでる|のらぼう菜のおひたし
シンプルに、サッと湯がいて、めんつゆかポン酢をかけて食べます。かつおぶしやごまを添えてもおいしいですよ。ゆでるときは、固い茎の部分を沸騰したお湯へ最初に投入し、火が通りやすい葉っぱの部分は最後に入れます。ゆで時間はほんの1~2分でOKです。ゆで過ぎずシャキシャキした食感を残したほうが、のらぼう菜本来の味わいを堪能できます!