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- MitsuyaNao
埼玉県の山奥で、約1反のブルーベリー畑を管理しています。ハイブッシュとラビットアイを約20品種栽培中。野菜、花、ハーブなども育てています。AGRI PICKでは、家庭菜園や園芸の初心者に向けた記事を中心に担当。他メディアでも多数執筆中。…続きを読む
フェイジョアとは?|見た目・味・栄養など
フェイジョアとは、フトモモ科フェイジョア属の常緑低木です。南米ウルグアイ、西部パラグアイ、南部ブラジル、アルゼンチンの山野が原産の熱帯植物で、花がグアバに似ていて果実はパイナップルのような香りがするところから、パイナップルグアバとも呼ばれます。ちなみに、グアバもフトモモ科に属した低木の果樹です。フェイジョアの葉
フェイジョアの葉っぱは丸みを帯びたかわいらしい形で、表側はつやのある明るい黄緑~緑色で、裏側が白くなっています。ユーカリやオリーブに似た雰囲気で、木全体が白銀に光って見える時もあり、洋風ガーデンによく似合います。葉は乾燥してもきれいなので、剪定した葉をドライフラワーのアレンジにも使えますよ。フェイジョアの花
花木としても観賞価値が高いフェイジョア。花は枝先に数個付き、5~7月頃に開花します。花の大きさは4cmほどで、花びらの内側が赤く、外側は白です。中心から、濃く鮮やかな赤色のおしべが長く飛び出していて、花びらよりもよく目立ちます。フェイジョアの実
10月下旬~11月下旬には、ほのかに南国フルーツのような甘い香りのする実が収穫できます。品種にもよりますが、多くは黄緑〜緑色で、オリーブやビワのような卵形や丸型。フェイジョアの栽培地であるニュージーランドでは、春の定番のフルーツとして親しまれています。フェイジョアはどんな味?
果実の味
パイナップルとりんごの中間のような味で、南国フルーツのようなトロピカルで爽やかな香りがするフェイジョア。生食はもちろん、ジャムにしたり、マフィンなどの焼き菓子にして食べるのもおすすめです!食べ方やフェイジョアの実を使ったレシピについては、この記事で詳しく説明しているので、そちらを参考にしてくださいね。
花の味
フェイジョアは花も食べられます。肉厚で歯ごたえがあり、ほんのり甘い味です。サラダの上に散らせば、フルーツサラダのように味わえて、見た目もとってもおしゃれ!フェイジョアの栄養
フェイジョアの実には、ビタミンや食物繊維はもちろん、体から余分な塩分を排出しやすくしてくれるカリウムなどが、バランス良く含まれています。女性に限らず、ぜひ生活に取り入れたいフルーツですね!庭木や生垣におすすめ!フェイジョアの魅力
フェイジョアは栽培が簡単!病害虫にも寒さにも強く、庭におすすめの果樹です。フェイジョアの実や花はお店でなかなか見かけませんが、苗はたくさん販売されているので、ぜひ育ててみましょう!冬の寒さに強く、一年中葉を落とさない
フェイジョアは熱帯の植物ですが、-10℃くらいまでの寒さに耐えてくれます。また、冬の庭は木々の葉が落ちて寂しげになりがちですが、フェイジョアは常緑性なので、一年中葉を落としません。庭の彩りや、道路や隣家からの目隠し、生け垣におすすめです。しかも葉の裏が白いので、冬のシルバーガーデンとの相性も抜群!病害虫に強い
病害虫が発生しにくいのもフェイジョアの魅力。コウモリガ、ハダニ、コナジラミ、ハマキムシ、ミノムシなどの被害を受けることもありますが、そのせいで実がまったく収穫できなくなってしまうようなことはほとんどありません。鉢植えで育てられる
フェイジョアは高さ1.5~3mほどのコンパクトな低木です。大木にはならないため、鉢植えや限られたスペースでも管理が簡単!フェイジョアのおいしい品種
フェイジョアの代表的な品種を紹介します。フェイジョアのほとんどは、1本だけでは実をつけない自家不結実性です。観賞目的なら1本だけでもいいですが、実を収穫したいなら2本以上植えるようにしましょう。「アポロ」や「トラスク」といった自家結実性がある品種でも、2本一緒に植えたほうが実が付きやすくなります。アポロ
1本だけで実がなるアポロは、樹勢が強く育てやすい人気品種。果実の甘みが強く、香りもいいですよ。苗の販売も多いので、入手しやすいでしょう。ただ、人気ゆえに苗の販売シーズンになるとすぐ売り切れてしまうことも。事前予約しておくのがおすすめ!トラスク
1本で実がなる育てやすい豊産性の中生品種で、受粉樹にも向いています。果実は130g前後で、ほかの品種より大きいのが特徴。味はアポロと同じくらいの甘さです。
クーリッジ
クーリッジも、1本だけで実がなる豊産性の定番品種です。実のサイズは中~大玉で、しっかりした甘さ。花粉の量が多いので、晩生品種の受粉樹としてもおすすめです。マンモス
ニュージーランドで最もおいしいとされている、香り高い品種です。実のサイズは大きく、卵形で、皮がなめらか。果汁が多いので軟化しやすく、保存性は劣ります。自家結実性は一応ありますがやや弱いので、ほかの品種と一緒に植えたほうが安定して収穫できます。フェイジョアの育て方
栽培カレンダー
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||
肥料 | ● | ● | ● | |||||||||
剪定 | ● | ● | ||||||||||
開花 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
収穫 | ● | ● |
栽培に適した地域
柑橘類を栽培できる地域でなら、問題なく育ちます。冬の最低気温が-10℃以下にならないことが条件です。植え付け
販売されている苗を購入して植え付けます。適期は3月下旬~4月中旬ですが、6月の梅雨期、9月下旬〜10月中旬にも植付けが可能です。地植えの場合は深さ50cm×直径50cmの穴を掘り、完熟堆肥を元の土に混ぜておきましょう。鉢植えで栽培する場合は、7号以上の鉢を選んでください。
用土
フェイジョアは、水はけ、水持ちが良ければ土をあまり選ばないので、一般的な培養土で問題ありません。自分で土を配合するときは、赤玉土小粒7~8:腐葉土3~2くらいの比率がおすすめです。日当たり
屋外の日当たりのいい場所で管理します。たくさん日に当てることで、果実がおいしくなりますよ。水やり
鉢植えの場合は、土の表面が乾いてからたっぷりと与えます。夏場は水切れしやすいので注意が必要ですが、過湿を嫌うので、あげすぎも禁物です。地植えの場合は、夏の高温乾燥期にはしっかり水やりをしましょう。肥料
フェイジョアは常緑樹でみかんに似た果樹なので、同じような肥料とタイミングがいいでしょう。庭植えは3月と10月、鉢植えは3月、7月、10月に、有機質肥料か速効性化成肥料を与えます。剪定
新芽が伸びる前の3月上旬~4月中旬が適期で、生育が旺盛な場合は6月にも剪定できます。徒長枝やひこばえ、混み合っている不要枝を間引きましょう。また、樹形が整うまでの剪定は、間伸びした枝の基部から3節以上残して、先端部分2〜3節をカット。樹形が整った後の剪定は、込み入っている枝を間引くようにしてください。
仕立て方は円錐形のロウソク型や、1本の幹をまっすぐ伸ばし頭頂部だけ丸く残すスタンダード型などもおしゃれ♪
樹形を整える剪定のポイント
剪定、不要枝の基本をもっと知る!
植え替え
ずっと同じ鉢で育てていると根詰まりを起こすので、2年に一度のペースで一回り大きな鉢に植え替えましょう。開花
花が咲く時期は年によりかなり差がありますが、5月ごろ〜6月初旬ぐらいに開花が始まり、6月中下旬に盛期を迎え、7月初旬に終了といった感じで、割と長い期間花を楽しめます。冬越し
熱帯植物の中では寒さに強いフェイジョアですが、-10℃以下の厳しい寒さに当たると落葉してしまいます。幼木のうちは、室内に取り込んで越冬させるといいでしょう。また、果実の収穫前に氷点下になると品質が下がるので、寒い地域では早めに収穫できる品種を選ぶなどの工夫をしましょう。フェイジョアの実の収穫と保存
実の収穫は、10月下旬〜11月上旬ごろです。フェイジョアの実は熟すと自然に実が落ちます。地面に落ちた実を拾って、室温で追熟させましょう。木のまわりにわらを敷いておくと、落ちるときに実が傷みにくくなりますよ。緑の皮が少し鈍い色になったころに手でもぎ取って収穫することもできます。この場合は2週間以上の追熟が必要。見分けるのが難しいので、栽培を始めたばかりのころは落果したものから収穫するのがおすすめです。
フェイジョアの実を長期保存するには
長く保存したいときは、果実が落ちる直前の硬いものを収穫しましょう。ビニール袋で包み、冷蔵庫に入れておきます。食べるときは冷蔵庫から出して、室温で追熟させてください。フェイジョアの食べごろ&食べ方
フェイジョアの花は咲いたら摘んで、そのまま生食でおいしいですが、全部採ってしまうと結実しなくなってしまうことを忘れずに!収穫したフェイジョアの実は、室温で追熟させましょう。触ると柔らかく、香りが出てくるまで待つとおいしく食べられます。半分に割ったとき、果肉が茶色くなっていると熟しすぎなので注意してください。
食べる時は丸ごと皮をむいて食べやすい大きさにカットするか、半分に切ったものをスプーンですくって食べます。ジャムや焼き菓子に使うときも、必ず皮をむいてくださいね。